平成16年第二回都議会定例会知事所信表明
平成16年6月1日
平成16年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。
ただいま、大山均議員は、栄えある永年在職議員表彰をお受けになりました。都政の発展に尽くされた25年のご功績に対して、深く敬意を表し、心からお喜びを申し上げます。
去る5月19日、名誉都民である金田一春彦さんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。
1 はじめに
さて、国内総生産の伸びが上向きに転じ、上場企業の多くが過去最高益を達成するなど、景気回復のニュースが、実感もないまま声高に伝えられております。失業率の悪化に歯止めがかかり雇用情勢にも薄日が差すなか、昨年までの悲観論がまるで嘘だったかのように、漠とした安心感が漂い、危機意識が薄れはじめているように思われます。
しかし、現実を直視しますと、我が国が直面する本質的な問題は何一つ解決されておりません。戦後60年近くが経過し、戦災からの復興と高度成長を実現してきたこの国の枠組みがもはや制度疲労を来たしており、時代の変化に即応し、国民が潜在的に有している大きな力を確かに発揮できる仕組みが今求められています。
都民・国民の努力により、日本経済が長いトンネルを抜けようとしているこの機を逃さず、日本全体の長期的な発展につながる改革を実行する必要があります。
2 地方分権の実現に向けて
(中央集権システムの歴史的終えん)
私たちが直面している最も重要な課題の一つが、国と地方を通じた分権改革であります。
明治維新以来の中央集権・官治の統治システムは、日本が近代国家に脱皮し、欧米先進国へのキャッチアップを成し遂げる過程では、大きな役割を果たしてきました。戦後の地方自治制度においても基本的に引き継がれ、すべての国民が一定水準の行政サービスを享受できる均質な社会を形成するうえで、多大な貢献もしてきました。
しかし今、この全国画一の統治システムは、歴史的な使命を終えようとしております。経済のグローバル化や高度情報化の進展によって、東京をはじめとする大都市圏に諸機能が集積し、そのメリットが経済発展をリードする時代を迎えたのであります。加えて、アジアの発展やEUの拡大など、日本は熾烈な国際的経済競争に巻き込まれております。先進国に共通する21世紀都市文明の歴史的な必然が、国、地方を通じた統治のあり方に大きな変革を迫っているのであります。
しかし、国はこうした歴史認識と国家経営の戦略を一向に持ち合わせておりません。国が取り組む骨太の改革とは、本来、現行の行政制度・財政制度全体の根本かつ本質的な改革を目指すべきであるにもかかわらず、いわゆる「三位一体改革」なるものも、その場しのぎのまやかしの議論に終始しております。このままでは、我が国が進むべき途を見誤ることは必至であり、到底看過することはできません。
日本再生への道筋を確かなものとするには、地方の自主・自立の営みの総和が国を支える仕組みへと、この国のかたちを根底からつくり変える必要があります。
(破綻した現行の地方税財政制度)
現行の地方税財政制度は今や機能不全に陥り、自治の破壊と膨大な無駄を生む「負のシステム」に変容しております。
現況を見ると、高速道路などの大規模事業から学校・公園など身近な事業に至るまで、画一の基準・フルセットのメニューによる事業が、経済効果や採算性を度外視して全国一律で展開される仕組みとなっております。国庫補助負担金と地方交付税による国の地方丸抱えの構造によって、自治体が創意工夫を発揮できないまま、地域の実情を無視した過剰な投資が行われてきたのであります。その結果、没個性的なまちが全国に生まれるとともに、日本経済の牽引役である大都市の活力を削ぐこととなりました。
制度そのものがすでに破綻していることは誰の目にも明らかであります。
(この国のかたちをかえるために)
国家全体の命運がかかるこの時に当たって、「国対地方」、「大都市対地方」といった低次元の議論で時間を空費している暇はありません。とりわけ「東京独り勝ち論」などという為にする議論は、断じて許すわけにはいきません。
今求められるのは、国・地方・民間の役割を明確にしたうえで、地方が自らの足で立ち、自らの頭で考えることのできる仕組みを構築することであり、大都市と地方が共存共栄できるシステムをつくり出すことであります。
こうした観点から、先月、抜本的な改革に向けた都の基本的見解を明らかにいたしました。国庫補助負担金を原則として全廃し、義務教育など国の責務である基礎的なサービスは国が全額負担する、さらに、所得税、消費税による大幅な税源移譲を行う、これにより、多くの自治体の税財政の自立が可能となります。そのうえで、財政的自立が困難な自治体に対しては、現行の地方交付税制度に代わる新しい財政調整の仕組みを導入すべきであります。
これに加えて、経済財政諮問会議が近く策定する「骨太の方針2004」に対して、国と地方の配分比率1対1を目指した税源移譲など、当面必要な最低限の対案を緊急提言いたしました。
都は今後とも、国の動きに対して随時反論を加え、全国の自治体や経済団体、国会などに働きかけるとともに、この秋には、新たな制度構築に向けた具体的な提案を行いたいと思います。先月開催された四都県知事懇談会や八都県市首脳会議においても、秋に向けて集中的に検討し、連携して取り組んでいくことを確認いたしました。
都議会の皆様とも力を合わせながら、都の総力を挙げて地方分権改革に取り組んでまいります。
3 直面する重要課題への取組み
(首都圏の航空需要への対応)
次に、首都圏の逼迫する航空需要への対応についてであります。
飽和状態に近い現況を打開するために、羽田空港の再拡張・国際化と横田飛行場の共用化が喫緊の課題となっております。
羽田空港については、今年度からいよいよ具体的な事業が開始されます。先週、飛行ルートの修正案が国から提案され、着工に向けて大きな前進が見られました。都の主張も踏まえ、首都圏全体としての騒音影響を低減させるよう工夫・検討された案であると思います。引き続き、一日も早い事業完成を目指して、国、関係自治体と協力して取り組んでまいります。
都が端緒をひらいた横田飛行場の共用化は、3回にわたる都と関係省庁との連絡会を経て、実現に向け動き出しております。今後都は、国と連携し、米国との協議の促進に努めるとともに、周辺の基盤整備や騒音への対応などにも取り組んでいきます。地元自治体の理解と協力を得ながら、早期実現を目指してまいります。
(総合的な都市整備の推進)
本年4月、より迅速で実効性ある市街地整備を推進するため、まちづくりの計画部門と実施部門を統合し、新たに都市整備局を設置いたしました。今後、新しい局の総合力を発揮し、民間との連携をさらに強化しながら、東京のまちの再生を着実に進めていきたいと思います。
まず、安くて広く質の良い戸建住宅の供給を目指して、住宅市場の競争原理を十分に機能させる新しい政策に取り組んでまいります。その第一歩として、東村山市本町地区において、先進的で意欲のある事業者とともに、建物価格が市場価格より3割程度安い戸建住宅の供給を目指す実証実験を行ってまいります。9月には、事業者の公募を開始する予定であります。
また、我が国の中枢業務機能が集積している大手町地区を、グローバルビジネスの戦略拠点として再構築する取組みを進めてまいります。本年3月、地権者、地元区、都で構成する「大手町まちづくり推進会議」が、国の合同庁舎跡地を種地として、地区全体の機能更新を進める基本方針をまとめました。この事業は、老朽化した多数のビルを更新時期に合わせて連鎖的に建替えるというユニークな試みであり、都としても積極的に協力してまいります。
(中小企業金融の充実)
次に、中小企業に対する金融支援策についてであります。
この4月、「新銀行東京」が発足しましたが、都民の関心と期待は大いに高まっており、行員の募集にも50倍を超える応募がありました。来年春以降の本格開業を目指し、各界から優秀な人材を集め、準備を進めております。優れた技術を持ちながら既存の金融機関から融資を受けられない中小企業に生きた資金を注ぎ込み、東京の経済、ひいては日本の経済の活性化につなげてまいります。
これまでも都は、CLO、ローン担保証券とCBO、社債担保証券合わせて5回の発行により、約9千社に対し、3800億円を超える資金を供給してまいりましたが、新たにこの秋、神奈川県、横浜市、川崎市と共同で広域CLOを発行することといたしました。また、資金と経営の両面でベンチャー企業の成長・発展を支援するため、都と機関投資家の協調のもとに投資法人を設立いたします。さらに、優れた技術や人材を持ち、今後の成長が期待されながら過剰債務などで危機に瀕している中小企業の再生を図るため、地域金融機関等と共同出資してファンドを創設いたします。ベンチャー投資法人、中小企業再生ファンドともに、今秋の設立を目指してまいります。
(危機への適切な対応)
イラク、パレスチナの情勢の先行きが不透明ななか、国際的なテロの脅威は依然として解消されておりません。
先月、晴海ふ頭において、警視庁、海上保安庁、東京入国管理局、東京税関等と合同で、不審船の接岸とコンテナへの不法入国者の潜入という二つのケースを想定した、500人規模の保安訓練を実施いたしました。今後とも、東京港の水際での危機管理を徹底してまいります。
また、都市部での大規模な事故、災害に対応する災害医療派遣チーム「東京DMAT」については現在、医療チームと東京消防庁レスキュー隊との連携訓練などに取り組んでおり、今年9月の総合防災訓練において、都民の皆様にその成果をお見せしたいと考えております。
今年3月、六本木ヒルズで自動回転扉に男の子が挟まれて死亡するという痛ましい事故が発生しました。都市には思わぬ危険が潜んでいることを改めて実感いたしました。直ちに調査した結果、都内には同種の大型回転扉が180台設置され、80件以上の事故が既に発生していたことが判明しました。こうした事故が二度と繰り返されないよう、都として独自の安全基準を早急に検討し、この秋にも関係条例を改正したいと思います。
東京消防庁による救急搬送は、ここ数年、毎年3万件のペースで増え続けておりまして、近い将来、緊急性の高い場合でも救急車を利用できなくなる恐れがあります。このため、全国初の取組みとして、この秋から、都民に民間救急事業者を案内するコールセンターの試験的な運用を開始いたします。平成17年度からの本格実施を目指し、増大する都民の救急需要に適切に対応してまいります。
次に三宅島についてでありますが、先週、私も現地を視察してまいりましたが、火山ガスの放出が当分続く可能性はあるものの、危険な地域を除けば、ライフラインの修復など、帰島の条件が整いつつあるとの印象を受けました。現在、三宅村が意向調査を実施しておりますけども、島民の皆様の帰島への思いは切実なものがあると思います。
具体的な時期や方法等については、島民の安全確保を第一に、専門家の意見をもとにしながら、検討を行う必要があると考えております。今後とも、三宅村や国と連携して、帰島に向けた準備を着実に進めてまいります。
(治安対策の地域での取組み)
この4月から総勢115名の都職員が、警視庁と東京入国管理局で即戦力として働きはじめました。
都が全国に先駆けて着手した治安回復への取組みは、都内はもとより首都圏の自治体、さらには全国へと大きな広がりを見せております。これまでの成果を踏まえ、今後、よりきめ細かな対策を講じてまいります。
都が実施した意識調査によれば、都内の中・高校生の2割以上が「万引は大した問題ではない」と考えており、こうした間違った認識を正すためにも、万引防止の具体的な方策が必要であります。関係業界などと協力して、この夏までに実践的なアクションプランを策定いたします。
この4月から、改正青少年健全育成条例が段階的に施行されていますが、子どもを犯罪に巻き込まないための取組みは、広域的に実施することが必要であります。すでに八都県市が連携して規制の強化や共通化などの検討をはじめており、この秋の実現を目指してまいります。
駅構内など人が大勢集まる公共空間での盗撮や痴漢、暴力行為などが後を絶ちません。万引を含め、こうした犯罪を見過ごさずに厳正に対処することは、いわゆる「割れ窓理論」を持ち出すまでもなく、東京のまちに安全と安心を取り戻すうえで不可欠であります。鉄道事業者など関係者と協力して、協議会を早急に設置し、公共空間でのモラルの回復に向けた実効性ある対策を検討してまいります。
都内各地で、自主的な防犯活動が活発に展開されはじめております。地域の治安を支えるためには、住民によるこうした地道なボランティア活動が極めて重要であり、地域の防犯活動の核となる人材を育てるため、今月「安全・安心まちづくりアカデミー」を開講いたします。
(地域福祉の推進)
次に、地域福祉の推進についてでありますが、高齢者や障害者が地域の中で普通に暮らし、子どもが健やかに育つ環境を整備していくことが、都の福祉政策の目標であります。
この4月、高齢者や知的障害者のグループホームの大増設を促進するため、事業本部を設置し、総合的に取り組むことといたしました。また、高齢者が寝たきりや痴呆にならず、地域で健康に暮らしていくには、一人ひとりの必要に応じた介護予防サービスの提供が重要であります。モデル地区に指定した二区市において、サービスの内容と効果を検証してまいります。児童虐待に的確に対処することも喫緊の課題であり、すべての児童相談所に非常勤の弁護士を配置するなど、専門的機能を強化いたしました。
地域福祉を実効あるものとするには、日夜、住民一人ひとりと接し、地域の実情に精通している都内1万人の民生・児童委員との連携が欠かせません。私も過日、約2千人が出席した連絡会で直接協力をお願いいたしました。力を合わせて「共助」の視点に立った福祉を一層推進してまいりたいと思います。
都は、多様な事業主体が競い合って良質な福祉サービスを提供し、利用者が選択できる社会の実現を目指して、全国に先駆けた取組みを重ねてきました。その一環として都が独自に導入した第三者評価システムは、全国的に高く評価されており、昨日、50を超える自治体の参加のもと、第三者評価全国会議を開催いたしました。国は相変わらず、全国画一の手法を押しつけようとしておりますが、それぞれの自治体が民間の創意を活かして地域の実情に応じた評価システムを構築できるようにすべきであります。
(教育改革の新たな展開)
次に、教育改革についてであります。
都はこれまで、学区制の廃止による都立高校の活性化や、進学指導重点校をはじめとする特色のある高校づくりなど、独自の教育改革に取り組んでまいりました。
改革をさらに進めるには、校長がリーダーシップを発揮し、自律的な学校経営を行っていくことが不可欠であります。このため、都内6地域に「都立学校経営支援センター(仮称)」を設置して、より現場に近いセンターに一般教員の人事や教育課程の指導などの機能を集約し、機動的できめ細かな支援を行いたいと思います。平成18年度の開設に向けて準備を進めてまいります。
(広域連携の強化)
次に、首都圏における広域連携についてであります。
<環境問題への広域的な取組み>
昨年10月に開始したディーゼル車の排気ガス規制により、首都圏の大気汚染は大幅に改善されましたが、事業者の中には、この地域内では走れない車を規制のない地方に回しているケースも出ております。こうした規制逃れともいえる動きに対しては、1都3県の取組みだけでは限界があります。国民の健康を守るのは国の義務であり、国は即刻、行動を起こすべきであります。
廃棄物処理に関しては、来月、臨海部において1都3県のPCB廃棄物を処理する施設が着工の運びとなりました。引き続き、首都圏の自治体と協力して、スーパーエコタウン事業を推進してまいります。
近年、世帯当たりの家電製品数の増加などにより、家庭でのエネルギーの消費の伸びが大きくなっております。地球温暖化防止対策の一環として、今月から八都県市などと連携し、省エネ性能の高い家電製品の普及拡大を目指したキャンペーンを実施いたします。販売店の協力を得て、共通のラベルを用いて、エアコンや冷蔵庫などの省エネ性能を5段階で表示し、消費者が選択しやすいようにしてまいります。
<東京湾における横の連携>
東京港は、平成10年以降、日本最大の外国貿易コンテナの取扱量を維持しており、横浜港など東京湾内の主要3港と合わせると、世界第10位の規模となります。
経済のグローバル化を反映して、世界の港の間で競争が激化しているなか、東京湾でも各港の連携した取組みが求められております。
すでに4月には、横浜、川崎の両港と「京浜3港広域連携協議会」を設立し、手続きの共通化やコストの低減など直面する課題の解決に向けた取組みを開始いたしました。近く、東京港と横浜港が一体として「スーパー中枢港湾」の指定を受ける予定でありまして、協力して物流システムのIT化などに取り組んでまいります。今後とも、東京湾内の広域連携を一層強化してまいります。
<ジェンダーフリーへの対応>
最近、教育の現場をはじめ様々な場面で、男女の違いを無理矢理無視しようとするジェンダーフリー論が跋扈しております。
男らしさ、女らしさを差別につながるものとして否定したり、ひな祭りや鯉のぼりといった伝統文化までも拒否するなど、極端でグロテスクな主張が見受けられます。
男と女という二つの性が存在することは、人間社会の基本原理であり、これを無視することは、自然の摂理と人類の文化を真っ向から否定することに他なりません。男と女は同等であっても同質ではあり得ません。男女の区別なくして、人としての規範はもとより、家庭、社会も成り立ち得ないことは自明の理であります。
すでに全国各地で反対の動きが始まっております。四都県知事懇談会においても先月、ジェンダーフリーについて意見を交わし、全員一致で反対していくことを確認いたしました。人としてごく当たり前の感覚を共有する多くの国民と共に、この問題に対峙してまいります。
<首都圏での広域連携>
地方分権改革や青少年の健全育成に見られるように、首都圏における広域連携の重要性はますます高まっております。先月開催した八都県市首脳会議において、連携をさらに強化するため、事務局の設置と、テーマごとに人材を出し合い集中的に検討することを合意いたしました。首都圏の力を結集するため、都としても積極的な役割を担っていきたいと思います。
4 おわりに
明治維新を例に引くまでもなく、いつの時代にあっても、停滞を打ち破り新しい地平を切り拓いていくのは若者であります。
イラクでの邦人人質事件では、期せずして、今の若い世代の国家や公共との関わりの持ち方が浮き彫りになりました。事件発生直後に、ある放送局が、首都圏の20代を中心に実施した意識調査によれば、9割近くが「テロに屈せず自衛隊派遣の意志を貫くべき」と回答しております。一昔前には考えられなかったことであります。
男女そろってアテネ・オリンピック出場を決めたサッカーの試合では、国立競技場を埋めた数万の若い人たちが日の丸を振り、君が代を共に歌う姿がたいへん印象的でありました。彼らの中に、健全で開かれたナショナリズムが芽生えはじめていると感じたのは、私だけではないと思います。
戦後長らく、国家や公を批判し否定することそれ自体が正義であるとする風潮が続き、近年では、国家の存在そのものを意識しないことが時代の流れであるかのような考え方が流布しておりました。今の若い世代も事あるごとに、自己中心的で公の意識がないと世間の批判を浴びてきましたが、実は必ずしもそうではなかった、戦後の日本を呪縛してきた観念的な理想主義や言葉だけの平和主義にとらわれず、地に足ついた現実感覚を身につけた若者が増えていると感じております。
彼らが胸を張って生きていける国にこの日本をつくり変えていくことが、私たち大人に課せられた使命でもあります。日本人の底力は、これまでも幾度か大きな国難を乗り越えてきました。この国の若者の可能性を信じ、ともに日本再生の途を歩んでいきたいと思います。
なお、本定例会には、条例案18件、契約案9件など、合わせて31件の議案を提出しております。よろしくご審議をお願いいたします。
以上をもちまして、所信表明を終わります。ありがとうございました。