平成13年8月8日 平成13年第一回都議会臨時会知事発言 平成13年第一回臨時会の開会にあたり、一言ごあいさつを申し上げます。 まずはじめに、先の選挙において都民の信任を得て当選された127名の都議会議員の 皆様に、心からお祝いを申し上げます。 おめでとうございます。 我々は、日本の首都である東京において、都民から、政治という、文明工学上、最も大 きな力を託されました。本日ここにお集まりになられた皆様とは、都政の両輪として、こ れまで以上に連携を強めることで、この東京から新しい社会の流れを創り出していきたい と考えております。よろしくお願いいたします。 改めて申し上げるまでもなく、東京は、日本の心臓部、頭脳部として、我が国の発展、 繁栄に極めて重要な役割を果たしてまいりました。しかし、日本は今、大きな混乱と深い 停滞の中で、国際競争力の低下、教育の荒廃、環境の悪化など、国家の崩壊にも繋がりか ねない様々な危機に直面しております。 東京には、日本の危機の根源的、先鋭的な事象がいたるところで露呈しており、しかも、 ヒートアイランド現象の深刻化や来日外国人犯罪の凶悪化など、新たな難問が後を絶つこ となく発生しております。 この危機を乗り越えるには、多くの弊害をもたらしている硬直したシステムを根底から 見直し、我が国の持つ潜在能力を十分に引き出すことが不可欠であります。 先般実施された参議院議員選挙でも明らかになったように、根本的な変化を願う国民の 声は、党派を超えてかつてないほど高まっております。 日本を変えるため、誰もが手をつけていない改革にも積極的に挑み、 再生の嚆矢となること−これこそがまさに今日の東京の使命であると思います。 東京都は、ディーゼル車規制や震災対策、土地収用の新しいルールづくり、あるいは羽 田空港の再拡張など喫緊の課題にいち早く着手し、多くの分野で国を動かしてまいりまし た。また、東京都が独自に持つ税制調査会を活用し、銀行への外形標準課税に続く新しい 財源を生み出すことで、東京から地方主権の確かな道筋を切り開いていきたいと考えてお ります。都民、国民の期待を裏切ることなく改革を進めるには、こうした取組みをさらに 加速、増強することが不可欠であります。 ただ今就任された三田敏哉議長、橋本辰二郎副議長をはじめ、都議会の皆様と力を合わ せ、首都東京の再生、ひいては日本の再生を是非とも成し遂げたいと考えております。皆 様の一層のご理解とご協力をお願い申し上げます。 なお、本臨時会には、監査委員の選任の同意に関する議案を提出しております。よろし くご審議をお願いいたします。 以上をもちまして、私の発言を終わります。ありがとうございました。