石原知事施政方針

平成19年5月10日更新

平成19年第一回都議会臨時会知事発言

平成19年5月10日

 平成19年第一回都議会臨時会の開会に当たりまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 このたび、都民の皆様のご支持を賜り、三度、首都東京の舵取りを担うこととなりました。引き続き、よろしくお願いいたします。

(都民の漠たる不安)

 改めて二期8年を振り返ってみますと、東京から日本を変えようということで、都独自の取組みを重層的、複合的に講じ、そのいくつかは、国を動かす大きな力となって、日本全体に新しい流れを作り出してもきました。都議会の多くの方々との歯車も噛み合い、前向きな議論を重ねることができたからこそ、多くの成果を形をもって示し得たのだと思っております。

 しかし、今、都民の間に、漠たる不安、漠たる閉塞感があることも事実であります。今回の選挙においても、街頭に立ち、都民のこうした心情を肌で感じてまいりました。

 東京には、良きにつけ悪しきにつけ、日本の現況が先鋭的に現れております。都民・国民の不安を一刻も早く払拭し、「より安心で安全な東京」を実現するには、未だ多くの課題が残されていると言わざるを得ません。

(安心で安全な首都東京の実現)

 もちろん「安心・安全」の確保は、いつの時代にあっても、行政の最も基本的な役割であります。しかしそれは、最大の都民福祉である治安の維持や回復、あるいは、充実した医療の提供に止まるものではありません。

 高齢者、障害者も安心して生活できる社会のしくみづくりや、不安なく子供を産み育てられる環境の整備、次代を担う子供たちの健全な育成と教育の再生など、都民生活の根幹に関わる裾野の広い課題であります。

 同時に、地球の明日をも左右しかねない温暖化問題への対応など先進的な環境対策や、いつか必ず起こる大規模な地震への万全の備えについても、しっかりと手立てを講じる必要があります。

 今後、昨年末に策定しました「10年後の東京」の実現に向けて、さらにアクセルを踏み込み、日本をリードする先駆的な政策を着実かつ迅速に実行に移し、都民の安心・安全を確保してまいります。

 また、この東京で再びオリンピックを開催することは、都民・国民にとって大きな夢の実現であり、若い世代への素晴らしい遺産となるに違いありません。今後、招致活動に総力戦で臨み、大願を成就していきたいと考えております。

(三期目の決意)

 これからの4年間は、まさに、10年先の東京を見据えた基礎固めの時期であります。必要とあらば、国と鋭く対峙することも辞さず、一歩も引かない姿勢を貫いて、新しい首都東京の造成に取り組んでまいります。過去8年の実績をステップに、新たな一歩を力強く踏み出し、東京のため、日本のため、全身全霊を傾注していく覚悟であります。

 以上、三期目のスタートに当たり、都政運営に関する基本姿勢の一端を申し述べましたが、都民の皆さんとの約束を確実に果たしていくには、都議会の皆様の協力が不可欠であります。これまで以上に連携を深め、車の両輪として都政運営に当たってまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

 なお、本臨時会には、副知事選任の同意に関する議案を提出しております。よろしくご審議をお願いいたします。

 以上をもちまして、発言を終わります。