石原知事施政方針

平成19年6月12日更新

平成19年第二回都議会定例会知事所信表明

平成19年6月12日

 平成19年第二回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。

1 はじめに

(この国を覆う「空気」)

 今、我が国には、ある種不可解な「空気」が漂い始めているように思えてなりません。

 温暖化の進行が地球の未来を大きく狂わせ始め、国際情勢は、大国の求心力に陰りが見えるなか、多極化の域を超えて世界は混迷の度合いを増幅させています。

 しかし国内では、国家の根本原則を自らの手で書き換えるための準備が進められているにもかかわらず、目先の好景気に感覚が麻痺してか、都民・国民の危機意識は、かえって希釈されてしまっております。この国のかたちをどうするかを論ずべき時に、視野狭窄に陥り、内向きの空気が蔓延しております。

 象徴的なのは、個人レベルでの所得格差の問題が、いつの間にか、地方と大都市、とりわけ東京との格差の問題にすり替えられ、地方が疲弊している原因が、あたかも東京にあると言わんばかりの妄言が流布していることであります。

 もちろん、税収規模の差は全国の自治体間に存在しております。しかし、そもそもこの問題は、国が地方交付税の蛇口を一方的に閉めておきながら、抜本的な税源移譲をまったく行おうとしないことに起因しているに過ぎません。にもかかわらず張本人の国は、本来論ずべき国と地方の役割分担の見直しにはいっさい手をつけることなく、「地方対東京」という対立軸をねつ造して、自らの無為無策を糊塗しようとしているのであります。

 困窮する地方を救うという美名のもとに、右から左に税を動かせば事足れりとする安直な手法がまかり通れば、この国の行く末を見誤ることになりかねません。税制の根幹をなす受益と負担の原則を曲げてまで、国がなりふり構わず振る舞うようであれば、都は、志を同じくする自治体や都議会の皆様などと連携し、断固反対の姿勢を貫き、しかるべき対抗手段を講じていく覚悟であります。

(金の鶏を殺すな)

 申すまでもなく、東京ほど集中・集積が高度に進んだ首都は世界を見渡しても他にありません。日本の頭脳部・心臓部である東京が十全に機能を発揮するには、税という名の血液が不可欠であり、それが滞れば、国そのものが立ち行かなくなるのは自明の理であります。

 都は、これまでの8年間、血のにじむような努力を積み重ね、財政の立て直しを成し遂げてまいりました。この間の歳費節減や職員定数の削減など徹底した「量的な行革」に加え、昨年4月からは、複式簿記・発生主義に基づくまったく新しい公会計制度を導入し、行政のあり方そのものを根底から変革する試みを進めるなど、「質的な行革」にも先駆的に取り組んでおります。

 この秋には、平成18年度決算に基づき、我が国初の本格的な財務諸表を作成・公表いたします。資産や負債など都の財政状況を白日の下に晒すことで、職員の金利感覚、コスト意識を研ぎ澄ますとともに、民間にも負けない高効率な行政運営を実現していきたいと考えております。

 繰り返して申し上げますが、都が進めてきた改革の努力も、他県からの昼間流入人口300万を抱える大都市特有の膨大な財政需要も無視した議論はまったくナンセンスであり、都民の貴重な税について、国から云々される謂れはどこにもありません。むしろ、金の卵を産む鶏をみすみす殺してしまっては、子々孫々に至るまで禍根を残すことになりかねないのであります。国は、このことを肝に銘ずべきであります。

 今後とも、東京が転べば日本が倒れるという強い危機意識と使命感を持って、新しい首都東京の創造を進め、日本の未来の礎を築いていきたいと思っております。

2 10年先を見据えた新たな政策の展開

(「10年後の東京」を目指して)

 そうしたことからも、今、都が取り組むべきは、「10年後の東京」に掲げた近未来図の着実な実現であります。同時に、次世代への大きな贈り物として、東京オリンピックの実現に全力で取り組んでまいります。

 先月、まず、星野仙一さん、有森裕子さん、山下泰裕さんの3名を招致大使として任命いたしました。今後、招致委員会と連携し、全国各地でオリンピック・フォーラムを開催するとともに、閣議了解が一日も早く得られるよう国への働きかけを強めるなど、2年後のIOC総会に向けた動きを加速させてまいります。

(世界の大都市が地球を救う)

 先月、世界の主要50都市で構成する世界大都市気候変動サミットに参加し、大気汚染や水の循環に関する東京の先駆的な取組みを世界に披瀝してまいりました。

 なかでも、漏水率3%台を誇る東京の水道技術に対しては、世界各都市から驚嘆の声とともに大きな賞賛が寄せられました。水の枯渇は、温暖化とも密接に関連する重大な問題であります。既に都では、下水を高度処理した再生水を都市活動の様々な場面で積極的に活用しており、今後、こうした水循環の高度な技術で世界に貢献していきたいと思っております。

 会議に出席して痛感したのは、世界のどの都市も動きの鈍い自国の政府に手を焼いているという事実であります。首都圏のディーゼル車排出ガス規制の成果を日本国政府が一向に斟酌しないのと同様、温暖化問題に率先して取り組むニューヨークとは裏腹に、米国政府は京都議定書の批准を拒み続け、世界全体の環境悪化の責任から逃げ回っております。

 こうしたねじれ現象を克服し、大都市が国境を越えて連携・協力することで、地球の未来を切り拓いていく必要があります。この地球がこの先どれだけ存続できるかという危機感を世界の諸都市と共有し、行動を共にすることが何よりも重要であります。

 都はこの度、実効性のある具体策を提示できない国を待つことなく、「東京都気候変動対策方針」を策定いたしました。CO2の大幅な削減を可能とする都市モデルをこの東京で実現するため、大規模なCO2排出事業者に対する削減の義務化、すなわち大幅な省エネ・節電や、排出量取引制度の導入など、都独自の対策の実施を目指して取り組んでまいります。

 さらに、新たに創設する「環境CBO」を活用して、中小企業の省エネ対策等を金融面で支援するとともに、企業や家庭などでの省エネを促進するための新しい税制度の確立に向け、東京都税制調査会において検討を開始いたします。

 また、東京を水と緑の回廊で結ばれた世界最先端の環境都市につくり上げていくため、民間による都市空間の緑化をさらに促進するとともに、臨海部に造成する海の森づくりのために募金を先行して開始し、東京全体の緑のムーブメントにつなげてまいります。

 都民の皆様にも、「たとえ明日地球が滅びようとも君は今日リンゴの木を植える」という志を是非、持ち続けていただきたいと思います。

(世界一高効率で安心・安全が確保された首都の実現)

 21世紀をリードする大都市の条件は、環境問題への積極的な取組みに止まるものではありません。効率性と快適性、そして高い安全性を兼ね備えている必要があります。

〈幹線道路ネットワークの整備〉

 首都圏を結ぶ三環状道路の整備は、オリンピック招致の成否にかかわらず、一刻も早い完成が求められております。

 来週、圏央道のあきる野インターチェンジと八王子ジャンクションの区間が開通いたします。これをもって関越道と中央道が直結し、渋滞の解消はもちろんのこと、多摩地域の新しい可能性も見えてまいりました。また中央環状線については、今年12月、池袋から新宿までの区間が開通いたします。

 さらに、30年以上にわたる凍結を解除した外環道では、この春、大深度地下方式の都市計画を決定いたしました。一刻も早い事業着手に向け、国に対して、早急に整備計画路線として位置づけるよう、強く働きかけてまいります。

 今年度末、日暮里・舎人ライナーがいよいよ開業いたします。これにより、区部北東部の交通利便性の向上や地域の活性化が大いに図られるものと期待しております。

 今後、交通ネットワークの整備のテンポをさらに加速させ、首都圏における人とモノの流れを円滑にし、世界に類を見ない快適で効率的な都市としていきたいと思っております。

〈空港機能のさらなる拡充〉

 3年後の供用開始を目指す羽田空港の再拡張について、4本目となるD滑走路の工事が本格的に開始されました。滑走路完成の暁には、年間の離発着回数が現行の1.4倍に増大するなど、大都市の空の利便性は格段に向上いたします。

 ただし、羽田の機能は近距離に限定されるべきものでは決してありません。東南アジア諸国にまで足を伸ばすのは当然であり、日本の新しい発展のため、羽田の潜在力を最大限に生かすべきであります。

 また、長年の懸案であった横田基地の軍民共用化は、実現の一歩手前まで、ようやく漕ぎ着けました。昨年10月に始まった日米協議は、今年の秋までと明確に期限が切られておりますが、私から安倍首相にも重ねて要請したとおり、先般の日米首脳会談では、首相からブッシュ大統領に念を押すことができました。目前に迫った共用化に向け、国や米側に対し、さらに強く働きかけてまいります。

〈自然災害、感染症の脅威への対応〉

 先月、首都直下地震などへの万全の備えを講じるため、地域防災計画を全面的に改定いたしました。人命の被害を半減する等の減災目標を達成するための建物の耐震化・不燃化や初動態勢の強化などを進め、総合的な防災力を一層向上させてまいります。

 とりわけ、建築物の耐震化は喫緊の課題であります。発災時に人員・物資の輸送を迅速に行うには、緊急輸送道路の沿道建築物を地震に負けない構造にしていく必要があります。今月中にも横断型の戦略会議を設置し、住宅の耐震化9割の実現などとともに、沿道建築物の100%耐震化を目指し、有効な手立てを講じていきたいと思います。

 大規模地震から都民の生命、財産を守るため、在日米軍が協力することは当然であります。去る4月、米軍基地の災害時及び防災訓練での利用に関して、日米合同委員会で包括的な枠組みが合意されました。今後とも、自衛隊や在日米軍の参加・協力を得て実践的な訓練を積み重ね、発災時に米軍基地の積極的な活用を図ってまいります。

 この春以降、はしかが6年振りに大流行し、高校や大学など休校が相次ぎました。都では関係3局が連携して、感染リスクの高いすべての高校生が予防接種を受けられるようにするとともに、区市町村立、私立を問わず、小中学校での集団感染の防止に取り組むなど、緊急対策を速やかに講じてまいりました。今後とも、自然災害の脅威だけでなく、感染症からも都民をしっかりと守ってまいります。

〈地域の力で犯罪阻止〉

 暴力団による白昼の発砲事件が続発し、市民生活の安心・安全が著しく脅かされております。警察力の強化を基本とする犯罪対策の拡充により、東京の治安回復は確実に進んでおりますが、身近な場所で起こる犯罪や事件に対する都民の不安感は、未だ払拭されておりません。

 都営住宅における都民の安心・安全を守るため、暴力団員の入居を排除する規定を盛り込んだ条例の改正案を本定例会に提出しております。警察の協力を得ながら、暴力団員を徹底して締め出すとともに、銃の不法所持をこれまで以上に厳重に取り締まってまいります。

 また犯罪阻止には、警察や行政の力だけではなく、地域住民や事業者などが主体となった地域の防犯力が欠かせません。今年度、都内5地域でモデル事業を実施し、学校へのスクールサポーターの派遣や、防犯活動アドバイザーによる町会等の自主活動に対する支援などに加え、共同住宅への防犯カメラの設置を促進するなど、地域と行政、警察が一体となって街の安全を守ってまいります。

〈高齢者、障害者の社会参加の促進〉

 世界のどの国も経験したことのない超高齢社会の到来を目前に控え、高齢者であるか否か、障害の有無にもかかわらず、誰もが安心して暮らせる社会の実現が強く求められております。

 「人生80年時代」を迎えた今日、65以上を機械的に「高齢者」と定義することは、実情にそぐわなくなっているようにも感じます。「支えられる存在」から「社会を活性化する存在」へと高齢者像を180度転換し、あらゆる機会を活用して高齢者の社会参加を進めてまいります。

 同時に、高齢者に医療・介護サービスを提供するモデルの発信拠点として、「健康長寿医療センター(仮称)」を平成24年度には新設いたします。研究と医療、介護を融合させ、認知症をはじめ、高齢者のがん医療、動脈硬化や心筋梗塞に対する新しい治療に重点的に取り組むなど、高齢者医療の先導的な役割を果たしてまいります。

 先月、障害者の地域生活を総合的に支援するため、新たに数値目標を盛り込んだ「障害福祉計画」を策定いたしました。施設から地域生活への移行をさらに促進するとともに、グループホームや日中活動の場など、地域生活を支える基盤の整備を促進いたします。

 併せて、一般就労への移行者を今後5年間で2倍以上に増やすなど、「10年後の東京」で示した障害者雇用3万人増加の達成に向けて積極的に取り組んでまいります。

〈次代を担う子供と若者のために〉

 子供を産み育てたいと望む人が安心して子育てができ、子供たちが健やかに育つ環境を整えることは、社会全体で取り組むべき課題であります。明日、庁内の組織の壁を越えて「子育て応援戦略会議」を立ち上げ、今後、企業、NPO、都民などを巻き込みながら、子育て支援の取組みを全都的に展開してまいります。

 なかでも、保育サービスの充実は喫緊の課題であり、待機児童5千人の解消を目指して、大都市に見合ったサービスの拡充を進めてまいります。

 子供を巡っては、深刻な問題が重層的に生じております。朝食を親と一緒に摂らない子供が小中学生の4割に上るなど、食生活の混乱は、我々の時代には到底考えられなかった状況にあります。食事の大切さを就学前から小学生までの子供たちやその保護者に理解してもらうため、夏休みを中心に様々な機会を捉えてキャンペーンを展開してまいります。

 来年夏、宇宙航空研究開発機構が打ち上げを予定しているH2Aロケットに、都立の高等専門学校の学生たちが製作した小型衛星が搭載されることになりました。

 人材の育成、とりわけ我が国の産業を支えるものづくり人材の育成が大きな課題となっており、彼らのような若い才能をさらに伸ばしていくため、同校を来春から、公立大学法人・首都大学東京に移管し、9年間連続したものづくり人材の教育システムを確立してまいります。

 また今年度、産業技術大学院大学において、中小企業の人材育成、なかでも技術と経営の両方に精通した幹部、後継者等を育成する講座を開講し、即戦力となる人材を育ててまいります。

(多摩・島しょ地域の新たな発展)

 次に、多摩・島しょ地域についてであります。

 今月末、JR中央線三鷹・国分寺間の下り線で、高架への切換えが実施され、踏切の遮断時間が短縮されます。中央線の連続立体交差化に限らず、今後、多摩地域では、圏央道の全線開通や横田基地の軍民共用化など、新たな都市インフラが相次いで整備されます。

 こうした都市機能の飛躍的な向上を契機に、「多摩シリコンバレー」の広域的な形成に取り組んでまいります。多摩の産業支援拠点を平成21年度を目途に整備するとともに、エレクトロニクスなどの分野での新事業の創出を促進するため、異業種間の交流機能を強化し、世界に向けた事業展開を積極的に支援してまいります。

 8月に、しごとセンター多摩を開設いたします。この地域には、人生経験豊富な団塊の世代をはじめ、才能豊かな都民が数多く居住しております。飯田橋のセンターでは、開設以来3年間で、5万人以上の登録者の4割が就職するなど大きな成果をあげており、そこで積み上げたノウハウを活かして、多摩地域の人的な潜在力を十分に引き出し、同地域の発展に結びつけていきたいと思っております。

 平成25年の開催を目指して、東京国体の準備が着々と進められております。すでに会場候補地もほぼ出揃い、来月、大会運営のための準備委員会を設置いたします。今年度中に開催基本構想を策定するなど、今後、開催に向けた動きを本格化させてまいります。

 平成23年、体操の世界選手権が東京で開催されることが決定しましたが、その2年後の東京国体、さらには東京オリンピックを睨み、将来の有力選手の発掘やジュニア選手の育成が急務となっております。来月、「東京都競技力向上推進本部」を関係団体や区市町村等と連携して設置いたします。選手の育成に止まらず、指導者の確保やスポーツ医科学のサポートの充実など、世界で戦うための総合的な体制を整備してまいります。

 オートバイを活用した三宅島の復興支援についてでありますが、国内のオートバイ主要メーカーの協力を得られる形で実現したいと考えております。村の実行組織と協力し、この秋、オートバイによる多彩なイベントを繰り広げ、島の再生の起爆剤としてまいります。

3 おわりに

 東京が直面する課題を解決するには、首都圏という大きな枠組みで、複合的に政策を展開していく必要があります。

 ディーゼル車排出ガス規制の成功はその先駆けであり、幹線道路ネットワークの整備や温暖化、花粉症対策はもちろん、治安の維持・回復や青少年の健全育成、そして、大規模地震への備えなど、どの課題の解決にも、一自治体の範疇を越えた広域的な取組みが不可欠であります。

 都はこれまでも、隣接する三県の知事とスクラムを組み、首都圏が合同で事に当たってまいりました。道州制の議論が盛んになっているとはいえ、地図の上に境界線を引くことだけに固執する空論よりも、一都三県による実体のある取組みこそが、3千万「首都圏民」の実利実益に叶うものであると思います。今後とも、動かぬ国に代わって首都圏連合の力を存分に発揮していきたいと思っております。

 また、東京23区を巡っては、都心を直轄地とするというような案が国などで取り沙汰されていますが、本来、東京の自治のあり方は、都と区が主体的に考えるべき課題であります。第一、江戸時代の天領ではないのでありまして、都心に住む住民の方々から自治の権利を奪うなどということは絶対にあってはなりません。

 今月から「都区のあり方検討委員会」において、具体的な議論を開始いたします。60年間変わっていない特別区の区域の再編をはじめ、都と区で知恵を出し合い、あるべき姿を創出してまいります。

 以上、申し上げた事柄を着実かつ迅速に実施するため、今年中に、「10年後の東京」を具体化するための実行プログラムを策定いたします。都議会の皆様との連携をさらに深め、横断型戦略会議もフルに活用しながら、10年先の東京を見据え全力で取り組んでまいります。

 最後に、都政の直近の動きについて二点申し上げます。

 まず、新銀行東京についてであります。金融環境が大きく変化する中、厳しい経営状況にある新銀行東京では、先日、平成21年度の単年度黒字化を目指す新たな経営計画を策定するとともに、人事の刷新を含めた経営体制の見直しを打ち出しました。

 都としても、経営体質強化のため、今月、職員の派遣を行いました。今後とも、新銀行東京を支援してまいります。

 次に、東京大気汚染訴訟についてであります。昨秋、東京高等裁判所に出向き、解決に向けた都の考え方を裁判官に直接伝え、さらに先日の安倍首相との会談では、政治決断を強く促しました。こうした強い働きかけにより、国から財政負担を引き出し、メーカーをも巻き込んだ新たな医療費助成の実現に向けて、最大の壁を越えることができたと思います。

 引き続き、正当な文明批判という大きな視点に立ち、ディーゼル車排出ガス規制や三環状道路の整備などと合わせて、都民の健康を守るための重層的な取組みを進め、二十世紀の負の遺産を解消していきたいと思っております。

 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、条例案22件、契約案2件など、合わせて27件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。

 以上をもちまして、所信表明を終わります。