石原知事施政方針

平成21年12月1日更新

平成21年第四回都議会定例会知事所信表明

平成21年12月1日

 平成21年第四回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に対する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。

 去る11月10日、名誉都民である森繁久彌さんが逝去されました。ここに謹んで哀悼の意を表し、心よりご冥福をお祈りいたします。

1 2016年大会の招致活動を振り返って

(全ての方々に心より感謝)

 さて、10月2日、コペンハーゲンで開催されたIOC総会で、2016年オリンピック・パラリンピックの開催都市がリオデジャネイロに決まりました。

 日系移民とその子孫が多く住み、我が国と深いつながりを持つブラジルの都市での開催を心から祝福いたします。また、東京が世界に訴えた地球の環境を守り平和を実現するとの理念は人類普遍の理念でありまして、これを是非ともリオデジャネイロ大会においても実現して欲しいと思います。リオデジャネイロは東京と共にC40(世界大都市気候先導グループ)のメンバーでもあり、環境技術などで協力を行ってまいりたいと思います。

 招致活動に際しては、都議会及び国会の招致議員連盟の方々をはじめ、政権発足直後にもかかわらずIOC総会に駆けつけて下さった鳩山首相及び政府関係者、アスリート、招致大使の方々、現地応援ツアーに参加した皆さんなど、最後の最後まで奮闘いただいた皆様に心から感謝を申し上げます。

 勝利のために応援をいただいた多くの都民・国民、企業や地域、都内はもとより全国の自治体など、全ての皆様に篤く御礼を申し上げます。

(招致活動を振り返って)

 招致レースは、地球最大のイベントの開催を勝ち取るためとはいえ、国家同士が総力を挙げてぶつかり合う大変熾烈な戦いでありました。それゆえ開催都市決定のメカニズムは複雑極まりなく、東京は、IOCの求める条件を全て、十全に満たした開催計画を用意したにもかかわらず、勝利には手が届きませんでした。

 しかし、我々がこれまで力を尽くしてきた取組みは、未来に繋がる重要な意味を持っていると思います。

 スポーツ分野では、子供たちに、オリンピアン・パラリンピアンとの交流を通じて努力する素晴らしさを伝える取組みを進めました。都民・国民のスポーツに対する意識もかつてなく高まっており、例えば、東京マラソンは定員の9倍もの応募が殺到しております。僅か3回の開催で、世界最高位・ゴールドラベルの大会にまで成長したことは、こうした高まりを背景にしているからに他なりません。

 環境分野でも、開発優先で来た現代文明を環境と調和した姿に変える象徴として「カーボンマイナスオリンピック」を掲げ、国内外に大きな一石を投じました。そして、東京は自ら率先してモデルビルディングに取り組み、街路樹の倍増や校庭の芝生化などを10年計画に沿って、着実に前進させてきました。都市として世界で初めてICAP(国際炭素行動パートナーシップ)に加盟しております。

 招致活動は都市の総合力の競い合いでもあり、東京の豊穣な歴史と文化など様々な魅力を海外に発信したことは、東京の存在感を世界の中でさらに高めていくため、またとない機会ともなりました。なかでも、各国の大都市に比して正確無比な公共交通網や良好な治安は、高く評価されました。

 これを跳躍台として、今後、21世紀の都市モデルの造形を、一層進めてまいります。先進的な環境政策を一段と加速するとともに、美しく安全で住み心地の良い世界の範となる都市へと東京を成熟させてまいります。

(次なる挑戦に向けて)

 10月2日のIOC総会前後に行われた内閣府の調査によれば、オリンピックなどの国際大会を我が国で開催することを望む国民の割合が、89.4%にも上り、過去最高となっておりました。

 こうした国民のオリンピックへの期待をさらに高めながら、今回の招致活動のレガシー(遺産)である貴重な経験を最大限活かして、やがては日本でのオリンピック開催という大きな夢を実現していきたいと思います。

 豊かな緑に包まれた美しい環境を次代に引き継ぐとともに、最終プレゼンテーションに登壇してくれた三科怜咲さんなど若者たちの想いに報いるためにも、次なる国内候補都市を選定する手続きの時間的問題をも勘案して、先般、再挑戦についての意思を表明しました。

 もとより再挑戦については、都民・国民の意向を十分に忖度し、都議会の皆様との議論を踏まえた、東京としての結論を出していくべきものと考えております。

 都議会の皆様、都民・国民の皆様のご理解をよろしくお願いいたします。

 なお、現在、2016年オリンピック・パラリンピック招致活動報告書をまとめさせております。会計監査も実施し、公表してまいります。

2 国政に対する建言

 次に国政について申し上げます。

 現在、我が国は停滞の只中にあり、これまでかち得てきた経済的豊かさも、さらには国家としての存在感さえも失いかねない状況にあります。国家の舵取りを担うべき国政が、一貫性・継続性を自負する官僚によって壟断されて硬直を極め、政治家も本質的な改革を先送りにしてきたからに他なりません。この国を変身蘇生させるためには、官僚支配を撤廃し、社会工学上最も力を持つ政治が、国家の大計に立って、その責任を十分に果たさなければならないのであります。

 こうした状況の中で誕生した新政権の動向を刮目してまいりました。鳩山首相が就任早々、高いCO2削減目標を掲げ国際社会をリードする政治としての強い決意を示したことを高く評価いたします。

(全国的なキャップアンドトレード制度の構築に向けた提言)

 鳩山首相が掲げた目標を達成するには、大規模事業所にCO2の排出削減義務を課し、削減した排出量を取引する市場を創設してCO2削減にインセンティブを与える、いわゆるキャップアンドトレードの枠組みを構築することが不可欠であります。

 これを日本全体で実施するには、様々な意見の相違や利害の対立を乗り越えなければなりません。既に東京都は、昨年、全会一致で、世界初の都市型キャップアンドトレードの導入を決定しており、来年4月より開始いたします。そうした東京から、全国的な制度のあり方についての具体的な提言を行い、導入を先導してまいりたいと思います。

 今回の提言では、国が発電所や製鉄所など大規模施設を対象として運営する「国家キャップアンドトレード」と、現場を知る地方がオフィスビルや製造工場などを対象とする「地域キャップアンドトレード」を組み合わせた、国と地方が共に積極的な役割を果たす制度を示しました。国には、都が蓄積したノウハウを惜しみなく提供してまいりたいと思います。同時に、首都圏での先行実施に向けた具体的な議論を八都県市に呼びかけてまいります。

 今月開催される国連のCOP15の場において、CO2削減の国際的枠組みづくりは難航することが予想されております。国家間交渉の停滞を日本が突き破っていくためにも、国際公約である高いCO2削減目標の実現を国運を賭す決意で急がなければなりません。東京は他の都市と共に連携しながら、この動きを牽引してまいりたいと思います。

(「はじめに言葉ありき」ではなく)

 一方、新政権の国政運営について懸念される点もあり、首都を預かる知事としていくつか建言したいと思います。

 新政権は、マニフェストに掲げたコンクリートではなく人を大事にする政治の理念に沿って公共事業を削り、「子ども手当」など国民への直接給付に政策の重点を移そうとしております。

〈社会資本整備の重要性〉

 確かに、無駄な公共事業は許されません。しかし、理念先行の「はじめに言葉ありき」で社会資本整備そのものを過小評価しては、政治の責任を果たすことにはなりません。

 急峻な山々が連なり、平野部が限られた狭隘なこの国土に1億を超える人々が暮らすには、社会資本の整備によって地勢的不利を克服し、国民の生命と財産を守り、生活を支えていかなければなりません。都内においても、整備を進めている奥多摩の山間部を支える道路や区部東部に広がるゼロメートル地帯を守る河川の護岸などが、こうした社会資本整備の重要性を示しております。

 また、社会資本の整備は、国家財政が拠って立つ経済を活性化し、発展させる原動力でもあります。費用対効果の高い事業の実施は、先行き不透明な景気への即効薬ともなり、将来にわたって経済の成長を促し国民生活を向上させます。特に、外環道のような首都圏のみならず日本全体の活力を引き出す事業は全速力で進めなければなりません。

〈勇気ある決断を〉

 こうした社会資本整備の重要性を斟酌せずに、新政権は利水・治水に大きな効果を持つ八ッ場ダムの建設について、中止の判断に至った根拠も明らかにしないまま、関係自治体との協議もなく、マニフェストに基づき中止する方針を示しております。

 もとより、国民は、マニフェストに書かれた公約の遵守のみを求めているのでは決してありません。政治と国民を結ぶ言葉であるがゆえの重みを持つとしても、その公約ありきで柔軟性・機動性を欠いては、国民の期待に応えることはできません。日々刻々変化する社会経済情勢を睨みながら、国家の大計に立って冷静に政策を選択し、限りある財源を最も効果的に使うことが国民の求める政治なのであります。

 国の来年度予算編成では、マニフェストに掲げた内容であっても、事業効果や経済への波及を十分に吟味すべきであります。吟味の上で、複雑な連立方程式を解くが如くに、政策の整合性・優先度を判断し、勇気を持って決断することを強く求めてまいります。

(地方主権を確立するために)

 新政権は、国の官僚の支配を排し、自治体が自らの責任と自らの財源で主体的に施策を展開できるよう「地方主権」を確立しなければなりません。

〈地方を国の管理下から解き放つために〉

 国の官僚はこれまで、地方を信用せず全国画一の基準を構え、制度が実態と乖離してもなお現状維持を図って、自らの権限・財源を死守してまいりました。これに対して都は、現状に即した新しい行政のフォーマットを提起し、国に変革を迫ってまいりました。とりわけ認証保育所は、大都市の実情に立脚した基準を設け、時代遅れとなった国の制度自体を抜本的に見直したことから、既に470か所以上設置され、東京における子育ての支援策の大きな柱に成長したのです。

 国の官僚による基準設定や制度運用を通じた地方支配を政治が根本から変えなければ、地方主権は成り立ち得ません。年内に国が策定する「地方分権改革推進計画」では、国が地方を管理下に置いてきた仕組みに政治の力でメスを入れ、地方へ権限と財源を大きく移す道筋を明確に示すことを求めます。

〈地方主権に不可欠な自治財政権の確立〉

 地方主権の実現を占う試金石となるのが、国の来年度予算における地方への対応であります。

 国はこれまで、地方への税源移譲を中長期的な課題として棚上げし、その時々の都合で財政負担を付け回してきました。新政権からも「子ども手当」などに対して財政負担を求められる懸念が十分あります。

 地方主権を実現するべく、新政権は、これまで置き去りにされてきた自治財政権の確立に向けて大きく舵を切らなければなりません。当然にして、法人事業税の暫定措置を即時撤廃すべきであります。これは、民主党の複数の議員たちが、福田内閣時代に強く国会で反対してくれたものであります。同時に新たに実施する国策は全額、国の財源で遂行するように求めます。

 また、国は地方の懐をあてにするのではなく、公会計制度を一変し、複式簿記・発生主義会計を導入して無駄を省くとともに、職員定数の削減や組織のスリム化といった自らの身を切る改革を果断に行うべきであります。

3 都政の主要課題

 国政の動向を、引き続き刮目してまいります。ただし、都政は現場で次々と発生する課題への対応を迫られており、国の動きを待つわけにはいきません。直面する緊急課題に迅速に対処し、現場ならではの創意と工夫を凝らして都民生活を守ってまいります。

(直面する緊急課題への対処)

〈新型インフルエンザ対策〉

 新型インフルエンザは、この1か月余り、流行警報の発令された状況が続いております。都は、発生当初より、医師会をはじめ関係機関と緊密に連携し、流行の状況を迅速に把握して、診療体制を整えてまいりました。学校等における流行の拡大防止にも全力で取り組んでおります。

 先月上旬、妊娠中の方や基礎疾患を有する方へのワクチン接種が全国で始まりました。都では患者の発生動向を詳細に分析し、国のスケジュールを前倒しして幼児へのワクチン接種を既に開始しております。

 今後も、流行の状況に機動的に対応しながら、重症化した患者のための病床確保を引き続き進めるなど万全の対策を講じてまいります。

〈経済・雇用対策〉

 雇用情勢は、完全失業率が高い水準で推移しており、依然として深刻であります。雇用の場の創出とともに、一人ひとりの状況に即した就職相談など、多面的な支援を講じなければなりません。

 とりわけ、離職を余儀なくされた方々が安心して新年を迎えられるよう、年末特別相談会を実施し、労働問題の解決や早期の再就職に繋げてまいります。また、学生の厳しい採用状況を踏まえ先月開催した合同面接会を2月に再度実施し、区市町村と共に連携して実施する「緊急雇用創出事業」も拡充するなど、切れ目無く支援を講じてまいります。

 年末、年度末に向けて、資金繰りに悩む小零細企業を支えていかなければなりません。これまで都は、緊急保証制度に対応した制度融資を積極的に推進し、開始から1年間の実績は、6万9千件、1兆5千億円になっております。10月からは、地域の金融機関と連携した都独自の新たな保証付融資制度の取り扱いを開始し、順次、取扱金融機関を拡大しております。

 今後も、現下の経済危機を踏まえ、これらの融資制度によって小零細企業の資金需要への対応に万全を期してまいります。

(「現場」発の発想で都民の安全と安心を守る)

 首都ゆえに先鋭的に現れる様々な課題にも、現場発の発想で、都民の安全と安心を守るべく確実に手立てを講じてまいります。

〈少子高齢時代にふさわしい新しい「すまい」づくり〉

 日本は世界に類を見ない速さで高齢化をしております。今後急増する単身や夫婦のみの高齢者世帯の不安を解消するには、介護保険が対象にしていない多様なニーズにも応えるなど現場に即した発想で対策を講じていくことが必要であります。

 このたび、群馬県の未届け有料老人ホームでの火災事故も教訓として、国の縦割りの弊害ゆえ別個に展開されてきた住宅政策と福祉政策に東京という現場で横串を通して、新しい「すまい」のモデルを構築しました。

 介護関連施設や診療所などを併設し、緊急時のサポートも備えた高齢者向けの賃貸住宅などの「ケア付きすまい」を民間の力・投資意欲を活かして提供してまいります。地域の支援窓口も創設し、自宅で暮らす高齢者を24時間体制で見守るほか、日常生活の手助けなども行ってまいります。

〈安心して子供を産み育てるために〉

 産科、小児科などを中心とする医師不足が、現場に疲弊をもたらす中、医療機関の連携の下、限られた資源を有効に活用し、都民の安心を確保しなければなりません。

 都民が安心して子供を産むことができるように、昨年来、周産期医療について緊急対策を重ねております。これまで周産期連携病院を9か所指定し、スーパー総合周産期センターも3か所設けました。8月には東京消防庁に周産期搬送コーディネーターを配置し、10月にも都立大塚病院に総合周産期母子医療センターを設置しております。

 さらに、安心して子供を育てることができるように、小児医療体制を一層強化してまいります。重篤な子供を迅速に受け入れ、外科・内科を問わず小児特有の症状に対応した高度な救命医療を行う「子ども救命センター(仮称)」を新たに設置するとともに、地域における医療機関相互の協力体制も強化してまいります。

〈子供の健やかな成長のために〉

 子供を健やかに成長させるためには、心身共にバランス良く鍛え、確かな学力を培う必要があります。これまでも、授業内容の改善や教員の資質向上はもとより、生活習慣を確立し、体力も向上させるべく、幅広く取り組んでまいりました。

 先般、東京都教育委員会が調査したところ、生活環境が大きく変化する小学一年生、学習の内容が難しくなり量も格段に増加する中学一年の入学直後に、多くの児童・生徒がそれに順応し切れずに不安を抱え、授業中の規律低下などにも繋がっていることが明らかとなりました。

 今後、教育委員会と連携して早急に改善を進め、次代を担う子供たちに人生を生き抜く力を身に付けさせてまいります。

〈豪雨対策の推進〉

 去る10月、台風18号は全国で100名を超す死傷者を出すなど大きな被害をもたらしました。都内でも、1時間の最大雨量が56ミリという豪雨を記録しましたが、河川の氾濫は全く起きませんでした。災害リスクを把握し、環状七号線の地下など都内全域28か所に小学校のプール約7300杯分の水をためることのできる地下調節池を建設するとともに、河川の護岸整備など複合的に取り組んできたからであります。

 今後も、古川地下調節池や白子川地下調節池の整備などを着実に進め、豪雨対策をさらに強化して都民の安全と安心を確保してまいります。

(東京国体の開催準備)

 2013年に開催する首都として54年ぶりの東京国体は、国内最大規模のスポーツ大会であると同時に、多摩・島しょの豊かな自然や歴史など東京の多様な魅力を発信する絶好の機会でもあります。

 現在、競技施設の整備などを着実に進めており、先月からは、大会の愛称やマスコットキャラクターの公募も始めました。多くのトップアスリートの参加により競技水準を一層向上させ、障害者スポーツ大会とも連携させるなど、新しい国体像を構築しながら、大会を成功に導いてまいります。

4 首都の大計

 最新の調査によれば東京の人口は、1299万3920人となっており、1300万人の大台が目前となっております。東京は、人・モノ・情報を引き寄せる独特の強い磁気を帯びながら、都市機能の集積が生み出す活力に溢れ、最も著名な食のガイドブックも世界一と認めた食文化などの魅力に満ちております。

 東京をはじめとする大都市には、地球の人口の5割を超える人々が住むまでになっておりまして、21世紀は都市の世紀とも言えます。

 都市は、人々の夢をかなえ便利な生活をもたらし、文明発展の原動力となっております。一方で、多大なエネルギーと資源を消費して地球環境に大きな負荷をかけており、社会の成熟に伴い発生した少子化などの危機にも直面しております。大都市の世紀にあって、大都市のあり方が国家の将来を決定づけ、地球の未来をも左右すると言っても過言ではありません。

 東京は、長い歴史の中で震災や戦災など幾多の試練を乗り越え、大気汚染など困難な大都市問題を克服しながら、高度な集中・集積を遂げてまいりました。東京が持つ豊かな経験・最先端技術・多種多才な人材こそ、難局を乗り越えるための力に他なりません。

 それゆえ都政は、東京の持つ力を大きく花開かせて新しい歴史を紡いでいかなければなりません。国家の大計をも方向付ける、いわば首都の大計に立って、きれいな空気と水、豊かな緑を次世代に引き継ぎ、未来を担う瞳輝く子供たちを育てていかなければならないのです。

 足下を見れば、厳しい経済情勢が都税収入を直撃しております。国とは異なり財政再建を果たしておりまして、今回の税収減がすぐさま深刻な事態を招くわけではありません。しかし、来年度以降、都を取り巻く状況が益々厳しくなることは間違いありません。

 ゆえにも、手綱を今一度締め直しつつ、打つべき手は揺るぎなく打ってまいります。「10年後の東京への実行プログラム」を改定し、効果の高い施策を厳選して来年度予算を編成いたします。東京の持つ可能性と潜在力を信じ、日本と世界の未来を東京の手で切り拓くべく、全力で都政運営にあたってまいります。

 なお、本定例会には、これまで申し上げたものを含め、予算案1件、条例案28件など、合わせて46件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。

 以上をもちまして、所信表明を終わります。