知事の海外出張

平成21年3月30日更新

ニューヨーク出張

 知事はこれまでも国に先駆けたディーゼル排ガス対策の実施など、地球温暖化対策に先進的に取り組んできました。
 この度、こうした取り組みをさらに進めるため、40の世界の大都市の首長が参加する第2回世界大都市気候変動サミットに出席し、東京都の取組をアピールするとともに意見交換を行いました。今後、都は世界の各都市と連携して、温暖化対策を推進していきます。

出張の主な目的

(1)ニューヨーク市長からの招へいを受け、当地で開催される第2回世界大都市気候変動サミットにパネリストとして参加することにより、東京都が地球環境問題に積極的に取り組んでいることを世界の都市へ広くアピールする。
(2)世界各都市の首長と環境問題について意見交換をし、環境負荷の少ない都市の実現に向け大都市との連携をより一層深めるとともに、今後の都の施策展開の参考とする。

出張の概要

  ○期間 平成19年5月14日〜5月19日
○目的 第2回世界大都市気候変動サミット出席
○出張人数 11人(知事、特別秘書などの職員を派遣しました。)
○総経費 16,269千円(※)
※北米トヨタとともに先進的な取組をした企業として参加した東京都水道局分の出張経費は含まれていません。

出張先での主な行動

 大都市気候変動先導グループ(C40)は、2005年10月にロンドン市長の提唱により創設された、気候変動対策に取り組む大都市の集まりです。東京都は、昨年5月にロンドン市と政策提携を行った際、グループへの参加を要請されたことをきっかけに参加しています。
 今回の「第2回世界大都市気候変動サミット」の開催にあたって、開催都市であるニューヨーク市のブルームバーグ市長から知事本人の出席を強く要請され、この会議に出席しました。サミットでは、都における環境対策の優れた取組を紹介することを求められ、パネリストとして発言やディスカッションを行いました。さらに、東京都は、ロンドン市、ニューヨーク市などの8都市とともに、本サミットの運営委員会に参加を請われ、今後のサミットの運営方針などを検討しました。
 5月14日は、到着直後のサミットのウエルカム・レセプションは体調不良のため欠席しましたが、ニューヨーク市長が参加都市を招待した市長公邸での夕食会に出席し、各首長と歓談しました。
 5月15日の水に関するパネル会議では、いかにして都市が水道事業をより効率的に行うかについて議論をしました。知事は、東京は高い技術力に基づいて効率的に水道事業を実施しており、3.6%という他の都市に比べて非常に少ない漏水率を達成して大量の水道水の節約につながったことを発表し、出席した諸都市から驚嘆の声を浴びました。また、会場内で「東京水」のペットボトルを配布し、東京の水の安全性やおいしさについてもアピールしました。このような効率的かつ安全な水道事業は、CO2排出量の大幅な削減につながり、地球温暖化対策に非常に有効であることを訴えました。
 このほか、ニューヨーク市が5月に公表した温暖化ガス削減のための環境対策についての会議に参加しました。また、サミットに出席した首長たちによるセントラルパークでの共同会見に参加しました。その後サミットの運営委員会に、委員の1人として出席し、運営方法の検討等を行いました。

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水に関する会議
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セントラルパークでの会見

 5月16日は、サミット事務局が設定した民間企業経営者との朝食会に出席しました。この朝食会では、サミットに協賛したジェネラル・エレクトリック社の経営者や幹部などと温暖化対策などの日本の持つ高い技術力などについて意見を交わしました。
 その後、環境対策を進めるうえでの市民とのコミュニケーションをテーマとした、総会3(plenary3)にパネリストとして出席し、気候変動対策に取り組んでいくために、いかにして市民や企業からの理解を得て、CO2削減のための連携を進めていくのかについて議論をしました。知事は、ディーゼル自動車から排出された粉塵の入ったペットボトルを振り、このような目に見えるわかりやすい方法で東京の深刻な大気環境を都民や企業に訴え、東京のディーゼル車排ガス規制に対する理解と協力を得た経験について発表をしました。また、東欧の詩人ゲオルグの作とも言われる詩の一節を引用し、環境問題については、「たとえ明日地球が滅びるとも、君は今日りんごの木を植える」という志が大切であることを会場内の各都市の関係者に訴えました。
 →参考(新聞報道記事)(PDF形式:114KB)
 また、午後には、ニューヨーク市長とニューヨーク市庁舎において個別に会談を行い、災害対策や財政問題について意見を交わしました。さらに夕方に開催された、サミットの締めくくりの会議である全体会議に出席しました。この会議にはすべての都市が参加し、今後の各都市が連携した取組に関して合議が行われ、共同宣言が採択されました。また、本サミットは、ビル・クリントン前大統領が主催するクリントン財団と協力関係にあることから、各首長と前大統領との意見交換会が行われましたが、これにも参加しました。
 なお、会議の模様はC40事務局がインターネット上で映像と音声を公開しています。
 大都市気候変動サミットグループ(http://www.c40cities.org/summit/2007/

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朝食会の様子 コミュニケーションに関する会議 ニューヨーク市長との会談

 5月17日は、かねてから依頼のあったジャパン・ソサエティーにおいて、日米関係に関する講演会を実施しました。この団体は、日米間の相互理解と友好関係を目的として講演会やシンポジウムなどを実施している非営利民間団体で、日米の文化交流事業などを行っています。ジャパン・ソサエティーは本年が創立100周年にあたり、この講演会は記念事業の一環として行われたものです。当日は、200名ほどの聴衆を前に、日本と米国の交流における今日的な問題や課題を踏まえ、今後の日米関係のあり方についての講演を行いました。

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ジャパン・ソサエティーでの講演の様子