知事の海外出張

平成19年7月13日更新

ニューヨーク出張

 本年6月に環境局が発表した「東京都気候変動対応方針」は、第2回世界大都市気候変動サミットでの議論等を活かして策定されました。
 今後、都はサミットに参加した世界の各都市と連携して、温暖化対策を推進していきます。

出張の主な成果

(1)「東京都気候変動対策方針」の策定に反映

 気候変動のもたらす地球の危機を回避するためには、世界全体の温暖化ガスの排出量を今世紀の半ばまでに半減していかなければならず、日本やEU、アメリカなどの先進国は、それを上回る6〜8割程度の劇的な削減を行うことが必要であるとされています。
 一方、サミットに参加した各都市からは、どの都市も異常気象に悩まされており、都市が温暖化対策にそれなりの努力をしているにもかかわらず、それぞれの国の政府の協力が乏しいということが共通した問題として報告されました。
 東京都は既に、昨年12月に世界で最も環境負荷の少ない先進的な環境都市を実現するため、「カーボンマイナス東京10年プロジェクト」を発表しています。今回の出張を踏まえ、気候変動対策にいち早く取り組むため、東京都は今後10年間の都の気候変動対策の基本姿勢を明確に示すものとして、「東京都気候変動対策方針」を平成19年6月1日に策定しました。
 今後は、本方針に基づき、様々な主体との連携や条例化などの仕組みづくりを行って、実効性のある具体策を提示できない国を待つことなく、都独自の対策の全面的な展開を目指し、世界の大都市における気候変動対策をリードして、先駆的都市モデルを広くアピールしていきます。

【関連ページ】

(2)世界の大都市に向け、東京都が取り組んできた環境対策をアピールし、今後の世界の各都市の気候変動対策をリードしていきます。

 知事は、第2回世界大都市気候変動サミットの総会とパネル会議にパネリストとして出席し、東京都がこれまで先駆的に取り組んできた環境対策について発表を行いました。参加した各都市から、東京都の先進的な環境対策について高い関心と評価を得ました。
 また、サミットの全体会議では、地球温暖化問題をはじめとする環境問題について、東京都は議論に積極的に参加し、大都市がいかにリーダーシップを発揮して取り組んでいくべきなのかについて、各都市と意見交換を行いました。最終的に、サミットで採択された共同声明では、世界の大都市の指導者が、温暖化ガスの削減において、都市の果たすべき責任を認識し、問題意識を持って、気候変動対策を連携して進めていくことを誓いました。また、G8の指導者や京都議定書の締約国に対して、長期的目標設定の必要性や世界的な交渉の継続の重要性を訴え、世界に向けて気候変動対策の重要性をアピールしました。
 →参考(新聞報道記事)(PDF形式:224KB)
 さらに、本サミットから、東京都は、ロンドン市、ニューヨーク市などの8都市と共に、世界大都市気候変動先導グループ(C40)の総合戦略と全体的な方向性について助言を行う「C40運営委員会」に参加していくこととなりました。運営委員会の参加都市として、東京都は気候変動に関するC40参加都市の活動を前進させるため、指導力を発揮していきます。
 今後、東京都はC40参加都市として、また、環境対策の先進都市として、これまで東京都が培ってきた気候変動対策分野における先進的な技術や政策手法について、各都市に積極的に情報提供等を行い、世界の都市における気候変動対策の前進に努めていきます。