知事の海外出張

平成22年3月11日更新

ローザンヌ出張の概要・成果

 「立候補都市によるIOC委員に対するブリーフィング」は、2016年のオリンピック・パラリンピックの開催都市を決定するプロセスにおいて、今回初めて導入されたものです。10月のIOC総会に先立ち、IOC本部があるスイス・ローザンヌにおいて立候補都市がIOC委員に対して直接大会コンセプトや開催計画などを説明できる重要な機会です。

【出張の概要】

  ○期間 平成21年6月14日〜20日
○目的 立候補都市によるIOC委員に対するブリーフィング
○人数 10名
○経費 27,357千円

【出張先での主な行動と成果】

(東京オリンピック・パラリンピック招致委員会活動報告より)

スイス・ローザンヌにてIOC委員に対するプレゼンテーションを実施しました

 2016年大会の招致を目指す東京オリンピック・パラリンピック招致委員会は6月17日(水)、国際オリンピック委員会(IOC)の本部が置かれているスイス・ローザンヌ市で開催された「2016 Candidate Cities Briefing for IOC Members」(立候補都市によるIOC委員に対するブリーフィング)において、東京の招致の目的や開催計画についてプレゼンテーションを実施しました。

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(左から)岡野理事、猪谷理事、石原会長、竹田副会長、河野事務総長、小谷理事、槙事務次長、保坂参事
(写真提供:フォート・キシモト)

 オリンピックミュージアムで行われたプレゼンテーションには、石原慎太郎招致委員会会長(都知事)、竹田恆和副会長(日本オリンピック委員会会長)らが登壇。2016年大会の開催地の決定権を持つIOC委員92名に対し、競技会場、選手村、大会予算などについて、東京の計画がいかに優れているかをアピールしました。また、大会が開催される東京という街の魅力についても、治安の良さや緑化の推進、世界に誇る食文化、日本人のホスピタリティなどを紹介しました。
 プレゼンテーションではビデオも用いられ、麻生太郎総理大臣、アナウンサーの滝川クリステルさん、2007年ミス・ユニバースの森理世さんが出演。滝川さんと森さんは東京の素晴らしい街並み紹介し、自らもオリンピアンである麻生首相は、政府代表として、立候補ファイルに記載されたあらゆる事を確実に遂行すると改めて約束しました。

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(REUTERS)

 なお、東京のほか、同じく2016年のオリンピック・パラリンピック開催を希望しているシカゴ、リオデジャネイロ、マドリードの各立候補都市も同様のプレゼンテーションを実施しています。

【ローザンヌ プレゼンテーションの概要】

  • 名称:立候補都市によるIOC委員に対するブリーフィング(2016 Candidate Cities Briefing for IOC Members)
  • 場所:スイス・ローザンヌ市 オリンピックミュージアム
  • 登壇者:
    石原慎太郎 東京オリンピック・パラリンピック招致委員会会長、東京都知事
    竹田恆和 同副会長、日本オリンピック委員会会長
    猪谷千春 同理事、日本オリンピック委員会理事
    岡野俊一郎 同理事、日本オリンピック委員会理事
    小谷実可子 同理事
    河野一郎 同事務総長
    槙英俊 同事務次長
    保坂俊明 東京オリンピック・パラリンピック招致本部参事

【ローザンヌでのプレゼンテーション概略】

石原慎太郎会長

 なぜ東京にオリンピック・パラリンピックを招致したいのか、様々な観点から訴えました。東京が夜も安心して歩ける安全な街であること、CO2排出量の規制や植樹などに積極的に取り組んでいることなど安全性と環境の面からも、東京が最高の舞台を提供できることを強調し、世界中の選手たちをお迎えする機会を心から待ち望んでいると説明しました。

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(写真提供:フォート・キシモト)

石原会長のスピーチのフルテキスト(PDF形式:138KB)

河野一郎事務総長

 選手が最高のパフォーマンスをし、観客がそれを観戦することのできる舞台を、東京がいかに整えることができるかについて説明しました。

竹田恆和副会長

 8キロメートル圏内にほとんど全ての競技会場を配置したコンパクトな計画を紹介。オリンピック・スタジアムからわずか4分の距離にある選手村について、緑と水に囲まれた環境、あらゆる種類の食事、プールやスパも備えた優れた施設などの点を挙げて、全ての選手がリラックスできると説明しました。さらに、70%の選手を10分以内で競技会場へ運ぶ交通ネットワークなど、東京の優れた点を紹介しました。

河野一郎事務総長

 大会の予算について説明し、全ての用地が既に東京都によって取得されていること、開催に向けて4,000億円の資金を確保していることや東京都、日本政府による財政保証が得られていることを述べました。
 麻生太郎内閣総理大臣もビデオレターの形で登場し、自らもオリンピアンとして大会に参加した感動を知る者として、世界中の若者が感動を分かち合う最高の舞台を用意すること、そして、そのために必要な建設や財政支援など立候補ファイルに記載されたあらゆる事を確実に遂行することを日本国政府の代表として改めて約束しました。

麻生総理のスピーチのフルテキスト(PDF形式:103KB)

槙英俊事務次長

 東京の街が、いかに際立った都市であるかを安全面、環境面、宿泊面など、具体的な数字を挙げて説明しました。日本でのオリンピック開催が、選手や観客を含めた全ての人に極めて安全で快適であることを訴え、1億人の日本人がオリンピックを歓迎すると述べました。

小谷実可子理事

 東京の魅力を”City Video”で紹介。ビデオには、アナウンサーの滝川クリステルさんや、2007年ミス・ユニバース世界大会優勝の森理世さんらが登場し、代々木・原宿・お台場・六本木といった東京の素晴らしい街並みを伝えました。また、東京の国際性とホスピタリティ、過去に多くの国際大会が開催されている事実を明らかにしました。

槙英俊事務次長

 チケットをかざすと情報を読み取り、競技情報やアクセス方法が表示されるデジタルサイネージという最新技術を紹介し、加えて、成長を続けるアジアは、プライムタイムの視聴者が30億人存在しているという巨大市場であり、オリンピック史上において未だかつてない規模のテレビ放映権のポテンシャルがあることを示唆しました。

河野一郎事務総長

 大会の開催準備と同時期に進められている「10年後の東京」計画による東京の変革、小・中・高校生向けのオリンピックに関する教育プログラムの確立を紹介。オリンピック・ムーブメントに基づく研究を推進する嘉納治五郎国際スポーツ交流センターが設立されたことで、将来に渡っても東京がオリンピック・ムーブメントの最高のパートナーであると述べました。

岡野理事

 1964年の大会にコーチとして参加し、開会式に入場行進したときの感動を語り、半世紀後の東京で再びオリンピックを開催する喜びを述べました。そして、最高の舞台で、最高のパフォーマンスが繰り広げられ、世界中に感動をもたらす大会を今こそ東京で、と力強く訴えました。