石原知事記者会見

平成19年4月19日更新

石原知事定例記者会見録

平成19(2007)年4月13日(金)
15:00〜15:15

知事冒頭発言

【知事】私から申し上げることは何もございません。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】一部報道で、4人目の副知事の人事案について書かれていましたけれども、今現在、石原知事の方でどのように4人目の副知事についてお考えか、もう少し詳しく教えていただけますでしょうか。

【知事】これから国との摩擦を生じる問題が幾つか想定されましてね。そのときに、私より的確に物事を掌握し、的確に東京側の意思を伝える。しかも、それが国に対して非常に効力を持つような、そういう人材を探してます。

【記者】その人物なんですが、候補者が何人ぐらいいらっしゃって、例えばその候補者の中に民間の方で…。

【知事】ほとんど民間です。ほとんど今、民間の人です。治安問題については、竹花副知事(竹花豊 元東京都副知事)は警察庁に相談して招聘(しょうへい)した。これは非常に成功しましたよ。そういう方ではなくて、もっと広範な問題、摩擦があると思います、これから。

【記者】女性もいらっしゃいますか。

【知事】女性も含めて数人考えていますけど、みんなそれぞれ現在の仕事を持ち、活躍してる人ですから、果たしてうんと言ってくれるかどうか分かりませんが。

【記者】最後にというか、私の質問の最後に、副知事の候補の方の特徴として、石原知事よりドスのきいたような方だという報道もありましたけれども、具体的にはどんな感じの…。

【知事】私よりも頭がよくて、ドスがきいて、弁が立って、優しい人ね。(笑)

【記者】ありがとうございました。

【記者】新銀行東京へ、また執行役を東京から送るという話がありますが、どのような人材を考えて、どのように立て直していこうと考えられているんでしょうか。

【知事】いずれにしろ、システムを全部変えます。変えなくちゃいかんと思います。今なんか、2つのボードがあって、それをつなぐのが頭取1人という形でやってるみたいですけども、そこで十全な討論が行われたかどうか、非常に疑問です。結果見れば分かることですし、それから意見の合わない、むしろバンキング(銀行業務)に関しての専門家が私の知らんうちに更迭されていた。そういう人事についても、事前の相談も何もなかった。これはやっぱり大株主でありますからね、こちらから東京都を代表する役員を送ってなかったということも瑕瑾(かきん)であったかもしれませんけど、しかしそれにしてもやはり、そういう大事な人事についての報告1つが後になって伝わってくるというのは、透明感がありませんしね。そういう点で、もうちょっと銀行の運営そのものを開かれたものにして、透明感が伝わるようにしたいし、まして今度ははっきり都を代表する役員を送るつもりでいますから、そういう人を通じて銀行のこれからの進捗状況を立て直さなくちゃいけないんでね。それがどこまでどういうふうに効果があったか、逐次の報告というものを受けるような体制にしたいと思ってます。

【記者】人材としては、例えばどういった経歴の方とか専門の方を…

【知事】考えてますけど、やっぱり責任者、重い責任を持つ人ですから、ちゃんとした幹部を送らなくちゃいけないと思ってます。

【記者】それは都の職員ということですか、それとも民間の方からということですか。

【知事】いやいや、これはもう都庁の、要するに職員というか、都庁のスタッフですね。

【記者】先ほどの副知事人事の話なんですが、確認なんですけれども、今度の臨時議会に提出されるということでよろしいんでしょうか。

【知事】間に合えばそれにこしたことはないと思いますけどね。

【記者】あともう1つなんですが、その報道だと、4年後の後継者含みで選びたいというような話なんですが、これについてはどうでしょうか。

【知事】それはその人がそうなるのが一番いいんじゃないかと思いますね。4年間副知事という重責を果たしてね、行政が分かれば、その人が、もうその人の意思次第ですけどね。実績次第でしょうけども、なれればなと思ってますけども。それは何も決定的な条件ではありません。

【記者】月曜日(4月9日)も出た質問で恐縮なんですが、参議院の紀尾井町にある清水谷の議員宿舎の建てかえの件ですけれども、都の条例で風致地区に指定されているところに高さ56メートルもの宿舎の建設が今予定されて、建設業者も決まっている段階なんだそうですが、建設に当たって都と協議を始めるということなんですが、都としてはどのように対応されるんでしょうか。

【知事】さっき建設局長から俯瞰(ふかん)の写真も含めて説明を受けましたが、都としてはまだ正式に具体的な計画を聞き及んでおりません。ですから、それが正式に提出された時点で判断します。

 まあ、あれを見ると、やっぱりその後ろ側に普通の民家があったりしてね、かなりそこの住民から見ればうっとおしいものになったりすると思っておりますし、それから、風致地区でもありますので、それを勘案して判断いたします。

【記者】オリンピックのメインスタジアムの建設予定地なんですけれども、これも一部報道で、晴海の方でほぼ固まったというような趣旨の発言を知事がなさっているようなのですけれども…。

【知事】いやいや、そうじゃないんだけどね。ただ、この間、安藤さん(安藤忠雄:建築家)とも現場を見まして話したんですが、安藤さんがじかにあれを設計するということではないんですよ。しかし、総監督として建築家の見地で眺めて、これはやっぱり、あそこ、最低8万人の人を収容できる、しかも、トラックが9レーンあるようなスタジアムをつくるのはかなり無理やろうということでしたな。それで、国は、お金も余りないしね、あそこ(国立競技場)を直して使えということでしょうけども、専門家が見て無理なものは無理だし、今、実際に、部分的には法規からはみ出しているものもあるんですよね。一方、片方は東京が土地を持っててね、これは何も東京が東京のお金で建てなくても、並びに、お台場の幾つかの第三セクターがあって、これは会計統合しましたけどね(※)、ビッグサイトのように、向こう2年間ぐらい予約済み(予約が入っている)みたいな大入り満員の施設もあるわけですね。

※本年1月31日に臨海地域を活動基盤とする監理団体を経営統合するための持株会社として、株式会社東京臨海ホールディングスを設立。今後、順次経営統合し、平成21年度からグループ経営を本格稼動をする予定

 そうすると、やっぱり、後楽園の東京ドームなんかだって、リサイタルやったり、それから展示会なんかやってるようにね、そういう機能をあわせたスタジアムというのは、それはもう簡単にできると。専門家、建築家の安藤さんの話ですしね。だったら、要するに、競技場だけじゃなくてね、場合によったら、コンサートもする、あるいは展示会もするというような、そういう施設にし、かつまた、それをPFIでですね、東京は土地を提供するけど、合理的に企業が運営するということもあり得るんじゃないかと思ってますけども。ただ、問題はやっぱりアクセスですね。ですから、ちょっと「ゆりかもめ」じゃ容量が足りませんので、地下鉄を延伸するとしたって、これまたべらぼうな工事になりますからね、このごろまたリバイブ(復活)してる路面電車のようなものを走らせるのも1つの方法かなと思ってますけども。

【記者】その路面電車というのはどこから走ってくるんですか。

【知事】それは、最寄りの、何ていうんでしょうね、リゾート(市街地)というかターミナルからでしょうな。僕は詳しく既存のアクセスを調べてませんけど、それとコネクトするという形で。

【記者】統一地方選の第2ラウンド、首長選、今度の日曜日(4月15日)に告示されますけれども、知事も恐らく応援に何カ所か行かれるかと思うんですが、その行かれる方の条件というか、その辺は、どういった方に行かれるんでしょうか。

【知事】それはまあ、親しい人でしょうね。それから、どうしても通ってもらいたい人。そうたくさん走り回るわけにもいかないしね。

【記者】2点お伺いしたいんですが、最近、新聞社に対する総務大臣のインタビューなんかで、東京ないしは大都市圏が持っている税財源で税制をいじる、ないしは配分の基準を変えてやはり地方へ持っていくことを考えたいという発言が増えているんですけれども、知事だけじゃなくて、ほとんどの候補者が知事選中に、そういうのに反対であるということを表明されていたわけですけれども、夏にもそういう議論というものが相当現実に反映される形で起きてくると思うんですが、これに対しては、知事、国とけんかするという中でかなり強硬に抵抗されるのかということが1つと、もう1つは、先ほどおっしゃられた新銀行東京の問題なんですが、都から都の意思を代表するスタッフを送るということは、例えば都営銀行的に運用するのか、あるいは、民間の経験豊かな方にやってもらいながら、情報というのが逐次入るようにするということを期待しているのか、どちらですか。

【知事】それは後者、あなたの言った後者。

 それから、前段の問題はね、前からいろんな、要するに、手をかえ品をかえでやってきてね、東京ひとり勝ち論というものに集約されてそういう形になるんですけども、あなたの新聞の側からいったって、専門性はあれだろうけど、要するに、法人の事業税を理由もなく過去2回も変えた。しかも、2度目の理由に至ってはだね、要するに、現代文明の表象的なIT革命が進行することで本社の業務が少々減ったからって、こんなもの理由にならぬよね。抱え切れないからIT化したんでね、そこで扱っている仕事の量というのは膨大なものですよ。それをね、何をとらえてか、とにかく理由にもならぬ、全く文明論的に噴飯というかね、本質をとらえてない理由でね、理由にならない理由でああいうものの分割基準を変えるということ、国は一方的にできるかもしらぬけどね、こっちだって、それ以上たたかれたら黙ってないでしょうね、本当に。それじゃ、東京の機能が落ちていいんですかということですよ。東京は日本の心臓部、頭脳部だと前から言ってきましたけどね、東京の頭脳機能が低下してね、認知症みたいになってきていいのか、それとも、心臓が不整脈を打つようになって、あなた、国はもつんですかということでね。やっぱり場当たりで物を考えずに、もうちょっと、とにかく財政なら財政に責任を持ってかじ取りをしてもらいたいと思うね、日本は。

 はい、どうも。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)