石原知事記者会見

平成19年5月8日更新

石原知事定例記者会見録

平成19(2007)年4月27日(金)
15:04〜15:22

知事冒頭発言

「東京ストリート陸上」の開催について

【知事】1つだけ冒頭にですね、「東京ストリート陸上」なるものを開催いたします。陸上競技というのはね、大きなスタンドで見てると、100メートルでも何でもあんまり迫力ないんだよな。それでね、それをひとつ路上で公道を使って、間近で見て、観客に大いに刺激を与えてね、理解を得たいということで、これは為末選手(為末大:陸上選手)というのはハードルの有名な選手だそうだけど、僕も出たんだけど、この人、そのクイズで1000万円当てたんだって。それを基金にしてね、何かこういうことをやりたいという大変殊勝な心がけでね、新しい試みとしてこちらも歓迎しているんですけれども。

 5月の27日の日曜日、丸の内で「東京ストリート陸上」と称する試みと、それからヘブンアーティストに集まってもらってね、「ヘブンアーティスト・イン・丸の内」が同時に開催をされますが、かねてから主催者から協力依頼を受けていましたけども、都民が日本のトップアスリートを本当に間近に眺めて、その迫力を満喫することはとても大事な体験になると思いますので、イベントの後援をすることにしました。

 また、都が主催している「ヘブンアーティスト・イン・丸の内」では、丸の内仲通りを中心に6カ所で、多くのアーティストたちがアクロバットやジャグリングなどを行います。連休中は、ラ・フォル・ジュルネなどで大変にぎわうと思いますけどね、引き続きスポーツと文化の両方を都民が堪能できる機会をつくり出していきたいと思ってます。この公道を使っての陸上では、マットを敷くんでしょうけど、為末選手、朝原選手(朝原宣治:短距離)など、日本のトップの陸上選手たちが全速力で走り、かつ、また棒高跳びも行う。これはやっぱり、スタジアムにいるとね、棒高跳びというのは、ああそうかという高さしか感じないけど、あれビルの谷間で見るとかなり高いところを跳ぶわけですからね、恐らく地上3階、4階ぐらいを跳ぶ感じになるんじゃないかな。

 そういうことで、そういうのを目の当たりにしてもらうのと、勝ち抜き戦で勝ち上がってきた東京の小学生が、こういったトップアスリートたちと一緒になって走って、当然それはかなうわけないでしょうけど、そうすることでいろんな実感を体得できると思います。こうしたイベントには、都民のスポーツに対する感受性を高めて、東京オリンピック招致に向けた機運を盛り上げていく上でもいい影響を与えるものと考えています。都民の皆さんもぜひ実際に現場に来て、体感をしていただければと思っております。

 私から申し上げることは以上です。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】三宅島のオートバイレースのことでお伺いしたいんですけれども、これは島を1周するレースは難しいのではないかという声も挙がっていますが、知事の今のお考えを聞かせてください。

【知事】この間、村長以下村会議員の人たちもみんな来ましてね。やっぱり島をとにかく復興させたい、興したい、そのために人を呼びたい。そういう熱意は変わらないんでね、「魚がたくさん釣れますよ」って言ったって、やってくる釣り師の数は知れてるし、そんなものじゃなくてね、もっとビッグイベントでということで、せっかく言い出したことですからね、ちょっと形を変えてね、危険のないいい地域も見つかったんでね、それだったらあの…。最初の意見も、私はね、何周かするかと思ったら、島1周するだけじゃ、ああ、通ったなって、それで終わりになっちゃうからね。限られたところをぐるぐる回るみたいないい条件の土地が見つかりましたので、そこで少し考え直そうと思ってます。近々また専門家を連れて現地に行って、コースの設定なんかも考えたいと思いますけれども。とにかく1人だけ反対している共産党の村会議員を除いては、全員が何らの形でとにかく島興ししたい、ぜひ協力してくれということでしたが、私、その共産党の議員に言ったの、「おまえさんだって、島を興したいんだろう。だったら、反対するだけじゃなしに代案を持ってこい、代案を」と言ったんですよ。黙ってたけどね。

【記者】それからもう1点あるんですけれども、知事が当選したときに、阪神大震災のことで、自衛隊への要請が遅れたから2000人がというようなお話…。

【知事】ちょっと数字が違ったかもしれないけど、詳しくは佐々さん(佐々淳行 初代内閣安全保障室長)に聞いてください。私、佐々さんの受け売りでね。とにかくあれはまさに、要するに崩れた家の中で人の気配がするのに、結局火が迫ってきてね、それを持ち上げる重機も何もないままに人がむざむざ死んだんですよ。ですから、自衛隊の出動がもう少し早ければね、いろんな形での救済ができたと思うしね。これは実は、当時の内閣官房にも責任がある。まあ、それ以上言わない。それは、あなた方ジャーナリストが調べなさい、そのころのことは。とにかく、要するに知事、市長の要請は遅れました。ですから、7時間、8時間、恐らく自衛隊は腕をこまねいて出動を控えていたんでね。だから、それから法改正したでしょう。つまり、該当地の県知事なり市長の要請がなくても、自衛隊の判断で出動できるということになったはずですよ。なぜかね、やっぱり自衛隊の要請を、出動要請をすることに何のてらいがあるんだろう。北海道では積丹(しゃこたん)半島のトンネルの中で大きな岩が落っこちたときもね、あのときの知事は今と違いますけど、聞いたことは、それは国道か県道か、何道だって。そんなことじゃないんだよね。起こった事故の対応でね、そういったものが、岩盤を破壊して人を救済する能力を持っているというのは自衛隊しかないんだから。事故の実態を見たときにね、何道であろうと、県道であろうと市道であろうと何だろうと、人を救うためにね、有効な力をとにかく発動要請するのは、自治体の首長の責任じゃないですか。

【記者】先日23日に日米合同委員会で赤坂プレスセンターのへリポートの、前に一度既に発表されてた内容の、一部代替地の返還ということで合意されたということなんですけれども、これについて予定どおり合意されたということのご感想と、あと港区の区議会が、やはりあくまでヘリポート、協定で決められたヘリポートの返還、原状回復を求めていて、今回の合意はやはり大変遺憾だというようなコメントを出しているんですが、これから全面返還に向けてどういうふうに知事はお考えですか。

【知事】それはそうでしょうね。あんなところにあんな土地を占めてる理由はないしね、合意があったかなかろうが、とにかく緊急のときはだれが持っていようと使うんだよ、スペースがあったら。しかしやっぱり該当の区はね、国民の1人としてね、何でこんな時期にここまでアメリカ人がこんなところを、要するに土地を占有してるんだという不満を持つのは当たり前ですよ。政府の責任だよ、政府。政府に言ってやれよ、こういう話。こんなものはとっくに返させればいいんだよ。僕はね、横田の問題に手をつけるときに、まだ後藤田さん(後藤田正晴 元衆議院議員)生きてて、なぜか後藤田さんから電話があってね、横田も結構、石原さんね、あのスターズ・アンド・ストライプス(星条旗新聞)、あの土地、あれも真っ先に返させてくれよと言うから、あなたがやればよかったじゃないですかと言ったの、僕は。そんな話もありましたけどね。まあ、ツー・プラス・ツー(日米安全保障協議委員会:安全保障問題に関する日米の外務・防衛担当の4閣僚による協議の場)という協議方式もできたし、防衛庁も、官房通じずに防衛省として資格を得ましたからね、どんどん言いたいこと言ってだね、米軍が、アメリカが日本の中に構えてる基地なんてものを合理化してくべきだと私は思いますよ。お宅も異論はないでしょう、どちらの味方か知らんけども。

【記者】知事、すみません、この「防犯の目」というんですか、なんですが、このたび全国で10万台を突破したと、非常に好評のようでして、ほかの自治体とかからもかなり引き合いが来ていると。知事の肝入りというか、デザインについてもいろいろと指示をされて始まったあれですが、10万台突破ということで、何か。

【知事】結構ですね。みんなまちの安心と安全に関心があるんでね、ちょっとそれ、持ってきて。こういうことがばかげてるんだよ。これ、なかなか迫力あるだろう。これ、記者の諸君、視聴者の皆さんにも言いたい。なぜか知らんけどね、ここに東京都と入れるの、これ。鼻の頭にハエがとまったみたいでみっともないんだ、デザインで。こういうばかなことするなと。何も東京都をここで売らなくたっていいじゃないか、削りなさいと言ったんですよ。だから、今市販(使用)されてるものは、たしかこれ鼻の頭にハエはとまってないよね。何でもかんでもうちがやってます、やってますって、役所というのはそういうことを言いたがる。おかしいでしょう、これ、ついてるとね。鼻の頭についてるみたい、墨がさ。

【記者】鼻のハエはあれとして、かなり歌舞伎の目のデザインが好評なのだという…。

【知事】そうそう、ちょっと角度が弱かったんですけどね、もうちょっと目をつり上げさせて、隈(くま)が強く効くようにした。今はどうなのかな、これはとにかくとらせたんだけど、これはもう少し今はつり上がってるかもしれませんよ。

【記者】東京が始めたことでほかの自治体も興味を示して、うちもうちもと言っている…。

【知事】いいじゃないですか。これはやっぱり日本全体のムーブメントにしたらいいんだよ。排ガス規制は、政府は音頭を取ってやらないけどね、なぜかね。こんなものはやったらいいんだよ、本当に。別に政府がやらなくたって、デザイン、何も東京が独占するつもりなんかない。どんどんほかでやっていただいても結構だと思いますよ、私は。

【記者】知事の周辺でどこかに張っていらっしゃるところはありますか。例えばご自分の家とか車とか。

【知事】私、自分の公用車に張ろうと思ったら、知事だというのがわかると、治安に、要するに警護の上で問題があるからやめてくれって言われたけど。いいだろう、こうやって「暫(しばらく)」って…。

【記者】先週質問させていただいたんですけれども、宮崎の東国原(英夫)知事のことなんですけれども、「東京の傲慢(ごうまん)は復活した」と…。

【知事】目の前に来て言え、おれの前で言ってみろって、向こうにそう言っときゃいいよ。

【記者】東国原知事に聞いたところ、都知事が傲慢ではなくて、都民が都政に満足しては変革が起きない、都民が変革を求めず、保守でありたいというのが傲慢だということなんですけれども。

【知事】つじつまが合わないね。あんまり日本語になってないんじゃないか。もう一回勉強して、整理し直してメッセージを出した方がいいね。東京都民は大変意欲的ですし、いろんな注文が来てます。その実態も知らないで、あんまり他人のこと、余計なこと言わない方がいいや。恥かくのはそっちだから。

【記者】東京が勝手に成長していて、変革を求めないと。

【知事】どういうことなの?

【記者】都民は保守的でありたい、そこが傲慢だということなんですけれども。

【知事】都民が保守的でありたい?そりゃ、いいものを残すのが保守であり、悪いものを直すのが改革でしょう。両方やってるじゃないですか。どこの人か知らぬけどさ、あまり田舎者が東京のことを偉そうに言わぬ方がいいよ、実態知らずに。

【記者】じゃ、何か言いたいことはありますか。

【知事】ないね。だから、その舌足らずな話に何か言うことあるなら、おれの目の前に来て物を言え、面と向かって。別にそこでけんかするわけじゃないけど。また、そんなことで、あなた方、あおりなさんなよ。つまらない週刊誌の記事か何かになりそうなことでね。お互いに忙しいんだから。

【記者】世間一般はあすからゴールデンウイークなんですけれども、知事は、ゴールデンウイーク、ごゆっくりされる予定はおありでしょうか。差し支えなければ教えていただけますでしょうか。

【知事】そうですね、ちょっとたまってる仕事も、書き物の仕事もしたいし。2日と3日は、映画ができましたんでね、その記念もあってね、知覧(鹿児島県)で慰霊祭が行われますので出かけます。

【記者】ほかの祝日は、そのままごゆっくり自宅でご静養あるいは勉強という形ですか。

【知事】えっ、別居?

【記者】勉強されるのかなと。

【知事】勉強は毎日してるから、遊びたいね。海にでも行ってのんびりしてます。

【記者】わかりました。

【知事】まだ寒いんだよな、しかし、連休って。

【記者】ゴールデンウイークをゆっくりされた後、都議会の臨時会が予定されて、そこでは幹部人事を提案されると思うんですけれども、今の知事の構想と、特に、都の外郭団体、ないし、都が出資している新銀行東京に対して、人事的な、幹部を送り込んでサポートするところとも関係してくると思うんですけれども、現段階でのお考えをちょっとお聞かせいただきたいと思います。

【知事】だって、あなたのところ、抜いちゃったじゃないか、どこかから。それ以上のこと言えないよ。

【記者】わかりました。

【知事】まあまあ大体妥当な線で。銀行はやっぱりね、別に、都の幹部ったって、営業能力があるわけじゃありませんから。そうじゃなしに、管理っていうのかな。基本的にね、株主総会にかけなくちゃいけないんですがね、僕は前から疑問を呈していたんだけど、アメリカではああいう新しい形はあるかもしれぬけど、今の、つまり2つ合議機関があってね、それを1人の会頭が結ぶというのはだめ。あれはもう変えさせます、必ず。

【記者】今のお話と関連するんですけれども、組織を変更するというのはある程度時間がかかると思うんですが、現段階では、銀行の実務をやる方と監督する方で、実務を直前まで官庁にいた人がやると、やはり銀行の独立性その他に問題があるということで、幹部が行かれるのは、いわば取締役としてということを念頭に置いていらっしゃるんでしょうか。

【知事】そうですね。銀行の実務といってもいろいろあるでしょうから、メインのものはやっぱり営業ですからね、それはとてもじゃないけど、都の役員が行ったってできるものじゃありませんからね。ただ、やっぱり、今まで、報告がおくれたり、意思の疎通を非常に欠いててね、こちらなんか非常に心外なことがありましたんでね。

 いいですか。はい、どうも。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)