石原知事記者会見

平成19年10月4日更新

石原知事定例記者会見

平成19(2007)年9月28日(金)
15:00〜15:11

知事冒頭発言

「2008東京国際ユースサッカー大会」について

【知事】冒頭1つ申し上げます。

 2008年の東京国際ユースサッカー大会についてですけれども、都と都のサッカー協会は、来年4月に東京国際ユースサッカー大会を開催することで合意しました。「10年後の東京」にも東京におけるスポーツの意義を盛り込んでありますけれども、世界的な人気スポーツのサッカーを通して次世代を担う若者同士の交流機会を創出し、世界のスポーツの発展に貢献する東京の姿を示したいと思っています。

 試合は、4月26日から3日間の日程で、味の素スタジアムなど多摩地域の会場で行います。対象は、2016年の東京オリンピックでも活躍できるアンダー14、14歳以下のジュニア選手で、姉妹友好都市などの世界の大都市に参加を呼びかけてまいります。来月には競技団体などと実行委員会を立ち上げて準備を進めてまいります。

 以上です。何か質問がありましたら。

質疑応答

【記者】26日に福田内閣が発足して以降、額賀(福志郎)財務大臣や増田(寛也)総務大臣が自治体間の財政力格差を問題視して、ふるさと納税はもちろんですけども、地方法人2税の配分見直しを考えるような発言が頻繁に、いろんなところで耳にしますけれども、今後本格的に税制改正に向けて議論が展開される中で、首都東京が格好の的になっているような感じがします。この件に関して、知事はどのようにお考えでしょうか。

 また、もともと地方の活性化という課題があったと思うんですけども、それが知らない間に自治体間の財政力格差にすりかえられてきたような気がするんですけども・・・。

【知事】まさにそうですね。

【記者】その件についても、お聞かせください。

【知事】これはまさにあなたの言われたとおりでね。国に見識がないのか、力がないのか知りませんがね、問題をとにかく、上っ面で見ればなるほどというふうな形ですりかえているというしか、私は言いようはないと思います。法人2税の成り立ち、歴史的な経過を眺めても、これは要するに殖産による地方の振興というものが眼目になっているわけでね。これをそのような形でいじると、私はこの税金の、税制の原理にもとると思います。

 やっぱり税源そのものが足りないというなら、この間も全国知事会で申し上げたんだけども、何で知事会そのものが、与党も野党も、その問題ではたたらを踏むけれども、一番税金として公平な、公正な、買いたくないものは買わなきゃいいんだから、ぜいたくなものに、必要もないようなブランド製品、これは生活を左右するものではないと思いますが、そういうものには税率を上げて課する、その濃淡をつけた消費税が私は一番妥当だと思いますけども、何でそれが取り上げられないのかわからないね。国民にも説明すれば納得してもらえることだと思いますよ。

【記者】昨日、都議会でも一部質問が出ていましたが、切迫早産の妊婦の方が東京都内でもすぐに治療のできる病院が見つからないというケースがあったという事例がありましたが、それに関して知事のお考えをお聞かせいただきたいのですが。

【知事】ただ、あのケースは非常にお気の毒なケースですけどね、詳細に経過というものを知った上で論評していただきたいと思う。メディアだから、詳細は知っていると思いますけどね。

 あの奥さんが、あの事態に陥る前に、かなり長いタイムスパンで産院を出たり入ったりしていて、その間、救急車ですか、アンビュランスで搬送する途中も含めてね、医療が絶えたことはないんですよ。しかも、これは流産というけど、一種の早産でしてね。5ヶ月、つまり22週ですか、これは一番危ない時期なんだけども、仮にそこで無事出産しても、破水しているわけですから、500グラムに満たない、非常に危険な未熟児として誕生せざるを得ない。それが結果としてこういうことになった。非常に残念で、お気の毒ですけども、やっぱりその実態を知った上で論評していただきたいのと・・・。それでもなお十全に手を尽くせばいいんですけども、今までこういうケースでこういう事態になった事例というのは、全体で2%か何か、非常に少ない事例でしかないんです(※)。

※都内で周産期(妊娠満22週から生後満7日未満までの期間)にかかる救急搬送で搬送連絡を6箇所以上した事例は、全搬送中3%程度である。(平成19年4月〜8月)

 この場合には、その間も医療をそれなりに続けていて、結局、ああいう結果に終わってしまったということで、それでもなお、結局は受け入れどころがなかったから、ああいう悲劇が起こったんでしょうが、そういう情報をもっと綿密にとり合って、こういうことが起こらないように、十全の備えをしたいと思いますけれども。ただ、あの事例は非常に際どい、結果としても、その500グラムの赤ちゃんが、出産されても助かったかどうかわからない、非常に際どい事例だったことはやっぱり認識した上で、物事をよく判断していただきたいと思います。

【記者】際どい事例であったというのは認識はしておるんですが、ただ、それでもああいった切迫した患者さんが、3時間程度かかっても病院が見つからないという現実が、東京でもあったという…。

【知事】それはおっしゃるとおりでね、何というのかな、産科のお医者さんが少ない。それから、病院がどこも手いっぱいというこの形は、今度のケースだけじゃなしに、総体的に反省するというんでしょうか、そういう体制を立て直し、何というんでしょうね、こういう情報時代ですから、もっと緊密な連絡をとり合って、ほかの病院のケースもあり得たんじゃないかと思いますけれども。いずれにしろお医者さんの数が足りない。中でも産婦人科のお医者さんと小児科のお医者さんが決定的に足りないというのは全国的な兆候でね、これはやっぱり東京ひとりでばたばたしてもできる問題じゃないし、東京なりにね、今度「医師アカデミー」を設けて、お医者さんの数をふやそうと思ってますけども、国が福祉と考え、長寿社会というものを維持を考えるなら、何も子どものケースだけじゃなしに、老人だって当てはまることでしょうからね。私はやっぱり深刻に踏まえ、抜本的な対処というか制度というか、いいかげんなお医者さんをつくっても、数だけそろえてもしょうがないですけどね、そこら辺のところは、専門家と相談して考えてもらいたいと思いますね。

【記者】今回の議会で、猪瀬(直樹)副知事にとって初めての議会になりましたけれども、猪瀬副知事の答弁、いかがでしたでしょうか。

【知事】いいじゃないですか、とっても。皮肉っちゃ皮肉だけれども、実際事実だし、さっきも2人で会ったときに、彼が引用した「赤旗」のコピーを見せてもらいましたけどね、あの記事から、特に朝日新聞なんか格差というものにね、これはやっぱり社会的な問題になった。実際格差があるわけで、これは91年ぐらいからね、バブルが崩壊した後、私は、自民党のかじ取りが悪かったと思いますね。

 この責任者ってやっぱり、今、民主党の党首をしている小沢君(小沢一郎 民主党代表)と、あるいは加藤紘一君(衆議院議員)とか、亡くなったけど金丸さん(金丸信 元自由民主党副総裁)という人たちが、アメリカの意向全部聞いてね。それはオレンジの自由化、牛肉の自由化、それから大店舗法改定ですね。これは消費者にとっては結構かもしらぬけど、安い品物をどんどん回せという形で、結局、地方が置いてかれちゃったわけでしょう。それで格差が始まったんですからね。やっぱりそういったものを踏まえて、相当かじ取りを考えないと、だれが政府になっても難しい問題だと思います。それを彼はうまく指摘したんで、とてもウィッティ(機知に富んだ)でよかったんじゃないですか。

【記者】明後日なんですけれども、30日、知事、75歳の誕生日を…。

【知事】余計なこと言うなよ、本当にね。57歳だよ。(笑)

【記者】ご所感をお聞かせください。

【知事】聞いたら、「後期高齢者」って言うんだってね、75歳以上。私もね、とうとうそこへ入っちゃったんで、考えてみると、うちのおやじも弟も早死にしたなという気がしますがね。老いてこそ人生ですよ。本当はそう思ってないけどな。

 ほかにないですか。それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)