石原知事記者会見

平成20年6月9日更新

石原知事臨時記者会見録

平成20(2008)年6月5日(木)
9:10〜9:24

知事冒頭発言

第31回オリンピック競技大会(2016年)立候補都市発表にあたって

【知事】あんまりこんなところで飛び上がって喜ぶことないんでね。あの自明の結果だと思いますけど。決して自惚れてじゃなくて。ただこれからの方がね、非常に複雑な見えにくい、その何て言うんでしょうね、まあ競争が始まる訳でね。案外こういうの、一番日本は苦手なんだよな。大体、外交官が社交ができない。ですから外交力にならない。白州次郎さん(実業家)なんか、昔書いてたけどね。その、国際的な社交のできない人間に外交ができる訳ないって言ってたけど、確かにあの人は無類の人だったから。まあこれからですね、このビッグイベントのために、そういう意味で、従来なかった努力もつとめて備えてですな、社交の上でもやっぱり積極的な外交を、これあの本当に複合的なものですけど。

 その前に、これから私、あの超党派でできたらしい、推進議員連盟(2016オリンピック日本招致推進議員連盟)に、国会に行って話しますけど、幹部の諸君に。とにかくその、財務保証がですね、ペーパーに書いてするということがね、ある意味、絶対に必要とは言いませんが、必要条件のようですからね、国から現実に、一文ももらうつもりはないけども、問題ですよね。建てるべき国立競技場、メインスタジアムは、今の神宮のあれで役に立たないんで、とにかく東京に造ってくれというんで、東京に造りますけど。ですからね、ブレア(トニー・ブレア 前イギリス首相)がですね、啖呵きった、あれが非常に効果があったように、万々々が一のときにはとにかく国が面倒みます、間違いありません、尻拭いしますということぐらいは言ってくれないとね、紙に書いて。それもなんか一部にはね、その憲法で、地方自治体のイベントに国がね協力するのはおかしい、違憲だという、(※)これやっぱり国家のイベントなんですから、だからやっぱりキャッチフレーズを、「オリンピックを東京に!」じゃなく、「オリンピックを日本に!」に書き直させたんで、それに対して国も最低限の協力だけはしてもらいたい。今日もこれからそれを申し込んできます。

※政府の一部は、憲法第85条(国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とする)を根拠に、国による財政保証が困難であると主張するが、現在、文部科学省内において保証書が発行できるよう検討を進めている。

質疑応答

【記者】今回東京がですね、IOC(国際オリンピック委員会)の評価で非常に高かったということですが、一方で手元の資料にもありますが、あの世論調査の結果がですね・・・

【知事】君らのせいだよ。メディアが足引っ張るから。

【記者】まあ、今後それを上げていく方策として何か。

【知事】君らが協力してくれたらいいいんだよ。国家の事業なんだから、同じ日本人として、やらないよりやったほうがいいじゃないか。みんなでやろうって、もう少しキャンペーンしてくれよ。

【記者】すいません、あともう1点。あの先ほどちょっとあの民放番組のなかで発言されてましたが、あの、まあ、中国の北京五輪についてですけど、開会式に行かれるという発言がございましたけど、今までは・・・・

【知事】あんまりそんな問題にしなければいいんですよ。あのね、友人、隣の隣国ですし、同じオリンピックやるのに非常に参考になることもあるでしょうから行きますよ。だけどそれ以上に大事な案件が出てきたらね、そらもちろんそっちを優先すると言ったまでで、最初から行かないとか行くとかいった話じゃないんだ。まあ私は興味がありますから。

【記者】同じアジアのドーハが落選したことについてはどうお考えでしょうか。

【知事】これ昔から言われててね、やっぱり非常に暑いところですからね。10月にやりたいと、これがなんか向こうの条件だったようだけども。他にもいろいろありますがね、あすこの国の人口のわりにですね、観客の、なんていうの、この間のアジアオリンピック(アジア競技大会)だって、あれでしょ、やるのは問題があったんだけど。いずれにしろ、とにかくその、10月開催ってのは、困るというのがIOCの全体意見だったようですね。それはあの、一番大きなスポンサーの国のアメリカのメジャーリーグのワールドシリーズとか、あるいはフットボールのビッグイベントとか、バスケットボールとかなんかファイナルがあるらしいから。まあそういうものに比べると、オリンピックのポテンシャルはアメリカでは低いようですからね。そういうものもあってね、10月は困るというのが大勢の意向だったようですね。

 ですからそれによってね、アジアの票がどう動くかってことも、これから一つの大きな要因になると思いますが、これも日本の外交力でどうするこうするってことはやっぱり繰り返して申すように、複合的な努力がいるんでね。そういうのは日本人は下手なんだな。とにかく役人もだめ、政治家も気が利かない、総理大臣も何言ってるかよくわからないこともあるから、他人事みたいで。他のことに関しても、そうだろ、だからやっぱり支持率の問題になってくるんだよ。

 これはとにかく国のためにやるんだから、日本が、福岡にしたってそうなんですよ、そう思ってやったことなんだから。

【記者】豊洲新市場の土壌汚染問題がちょっと焦点になってきて、築地の跡地のですねメディアセンターっていう計画が・・・

【知事】君のところのテレビでさっきやったんだよこれ。

【記者】見直す考えがあるかどうかというのをもう一度改めて・・・

【知事】何を見直す?

【記者】メディアセンターの建設工事を・・・

【知事】もしあそこが頓挫してだめだったら、場所なんかたくさんありますから。どこでもいい。ただ、豊洲はね、やっぱりそのオリンピック関係なしに東京の市場として、豊洲に限らず今の築地移転も含めてね、そのリクリエイトしないとね、やっぱり、都そのものの流通がもたないですよ。ですから豊洲ということになったんでしょうけど。あの土壌汚染ってのは、新しい技術、従来の土壌汚染を解決する技術よりも、もっと違う技術もありますし、いろんなアイディアがあるんで、それ勘案すれば我々考えているよりも、もっと早くできる可能性もでてきました。だから、限られたところだけ考えずに、日本の技術は進んでいるんだから、いろんな衆知を集めたらいいんですよ。これはね、要するに、別にオリンピックの障害にならないと思います。仮に豊洲を何とかしようと思うんだったら、間に合う技術は十分あります。お金はあります。

【記者】そのメディアセンターの建設予定地としては、築地にはこだわっていないということ?

【知事】ああそうですね。他にありますから。

【記者】わかりました。

【記者】月並みな質問で恐縮なんですが、選定の一報を受けたとき、知事はまずどんなことを考えられたでしょうか。

【知事】ああなるほどな、と思った。

【記者】なるほどな、というのはどういう意味でしょうか。

【知事】いや、だからさっき言ったように、おごるつもりはないけどもね、まああの、ごく妥当な結果だと。大事なことは、これからの勝負だから、これは。それはやっぱり、4つのうちに入らないなら、日本の国力も相当低下したことになるでしょうから。皆さんがメディア通じて卑下されるほど、日本はだめな国じゃないと思いますよ。ですからね、そういったものを実績重ねれば、国全体のイメージってものは、主催地の東京のイメージがギャップがあるのかどうかわかりませんけど、私はやっぱり東京は東京なりに、東京が中心になって、広域行政の、主催地としての評価を受けたと思うし。例えばこの間、ニューヨークの会議でも、自慢じゃないけど水の問題で、東京水を持って行って、こういう水道を提供している都市は他にありますか。大都市ありますか。東京だけでしょ。みんなびっくりしてましたよ。それから要するに再生水の問題、そういったものもね、見えないところで、みなさん当たり前のことしか書いてないけど、東京は当然努力してきた。そういった点が相対的に評価されたと、やっぱりすべきことは黙々とやってきて良かったと思っています。

【記者】現時点で、山登りに例えると、何合目くらいと?

【知事】え?登山口だよ、登山口。

【記者】今回、あの第一次選考で残るのは3つから5つくらいと言われてましたけど、結果的に4都市だったことに関しては、どのように受け止めてますか。少ない方が良いというお考えでしょうか。

【知事】ごく妥当な、要するに、数字、結論だと思いましたね。ドーハはですね、前から言ってる開催月の問題からいってね、非常に難しいなと、気がしてましたが。果たせるかな、そういうことになりましたな。

【記者】残った都市であの最大のライバルになると思われるのはどこでしょうか。

【知事】まあ、いろんな人がいろんな見方があって、さっきも休みの間にテレビを見たら、もっともらしいコメントしてたけど、いちいち当たっているような、当たっていないような、これはまたこれからの努力次第で、ひっくり返るのもあるし、ひっくり返らないのもあると思いますけど。

 大事なことはね、やっと登山口に入ったんだからね。あとこの山に登るんだという思いいで、皆で肩貸し合ってね。まさにその、坂の上の雲をつかむ気持ちでね、みんなで頑張ろうじゃないかこれ。やればできると思うよ。東京の都民もね、何があっても当たり前な贅沢な環境に住んでらっしゃるけど、やっぱり東京に決まると楽しみもずいぶん違うと思いますよ。ロンドンの次にね、日本に、東京にオリンピックやって来るのと、他に決まって皆でそこへ出かけていくのと、大きく違うと思うからね。

 やっぱりあれですね、その環境問題にね、東京が取り組んできた、日本もそこそこにやってるのか、やってないのかわからんがね。あのこれから洞爺湖でサミット行われるときに、その議題も環境問題らしいけど、そういった兆候、流れも踏まえて、やっぱり首都圏が東京だけじゃなしにね、神奈川、埼玉、千葉県が協力してやってきたいくつかの実績ってのはやっぱり相対的に日本人にとっては当たり前のことに思えるけど、外国人にみればですね、なかなかやっとるわいと評価受けるんじゃないでしょうか。

 力貸してくださいよ本当に、水ぶっかけるだけじゃなくてな。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)