石原知事記者会見

平成20年7月17日更新

石原知事定例記者会見録

平成20(2008)年7月11日(金)
15:02〜15:16

知事冒頭発言

「2008 ジュニアスポーツアジア交流大会」の開催について

【知事】冒頭、1つだけ。2008年のジュニアスポーツアジア交流大会についてでありますけれども、東京都と都バドミントン協会、都柔道連盟の主催によりますジュニアスポーツアジア交流大会を、8月26日から6日間にわたって、駒沢公園総合運動場、東京武道館などで開催をいたします。

 第2回目の開催となる今回は、オリンピックを目指すアジアの15都市のジュニア選手が、バドミントン、柔道を通じて交流を深める催しであります。交流試合のほかに、アテネオリンピックのゴールドメダリストによる公開指導や、国際柔道連盟審判員によるレフリーセミナー、東京での指導者フォーラムなどを行います。

 アジアのジュニア選手については、都内の中学・高校10校で、授業、部活動、学校給食の体験を通して文化的な交流も深めてもらいたいと思っています。

 今後も、こうした取組みを通じて、アジア各国との将来を担う次世代の育成を支援することで、スポーツのみならず、アジアの発展にも寄与していきたいと思っております。

 以上であります。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】皇太子の東京オリンピック招致活動への参加について、宮内庁の幹部等からですね、厳しいのではといったことが会見で話に出ていますが、それに関して知事のお考えを。

【知事】これは、どういうきっかけで宮内庁がそういう発表をしたか知りませんがね、これから正式に政府を通じて申し込む、その前段階としても、今度、世界の水の何か大会があるんですか、そこに皇太子が、その会長をしていらっしゃるので、森(喜朗)元総理も同伴するようですけど、その旅行の中で、いろいろ皇太子の意向もお尋ねして、それで政府に持ちかけようと森君とも相談していることですから。これからの話でありましてね、だれがどういうふうに質問したか知りませんけど、余計なことしてくれた話だね。是か非か知りませんよ。これから宮内庁の意向を聞いた上で、反論することがあったら反論しようと思うし。

 恐らく、国民で、皇太子がコペンハーゲン(※)にいらして、日本のために一席弁じていただくことに反対する理由というのはだれもないと思うし、むしろ国民は圧倒的に支持すると思いますけどね。その段階で宮内庁が何を言うかわからんけど、役人が出てくる話じゃないんだ、こんなこと。国家の事業の話だから。

※2009年10月2日、IOC(国際オリンピック委員会)総会がデンマークのコペンハーゲンで開かれ、2016年第31回夏季五輪オリンピック競技大会の開催都市が決定する予定。

【記者】知事、去年の今ごろ、ふるさと納税についていろいろご意見を伺っていたんですが、実はこれ、5月に、既にもう制度として始まっておりまして、私どもで調べると、宮崎ですとか福井とかでは500万とか、結構な額をふるさと納税として、寄附として集めているようなんですが、まず、この制度自体が始まったことについて、知事はどのように…。

【知事】どういう形でやってるんですか。私、つまびらかにしませんけども。

【記者】総務省が最初に考えていたように、納税者が自分の好きな自治体を決めて、そこに納税できるような形で制度としてスタートしているということなんですが。

【知事】制度といったって、要するに、その地方の、県なら県の出身者の意向次第なんでしょう。

【記者】ええ。

【知事】それだったら、僕はしようがないと思いますね。ただね、法律でそれを決めてしまって、あるパーセンテージを強制的というか、法律の規定の中でその人の出身の県に振り向けるというのは、私は基本的に反対です、それは。納税者が自分の納税先をチェックできないんだから。できなくてもいいよということで、おれは何がしの貢献を出身の地方のためにしたいというのなら、それはその人の意向で結構だけど、義務化するというんでしょうかね、全面的に規定してしまうというのは、私は、税金というものの原則にもとると思うし、納税者の立場を損なうと思いますから、そういう意味で反対してきましたが、やりたい人間がやるのは結構じゃない、それは。

【記者】出身の県に出すのであればわかるんですが、最近は、寄附を集めるために地元の特産品を提供するとか、これだけ納税したらお肉を差し上げますとかいうのもあるようなんですが。

【知事】それはどうも、ちょっとあんまり芳しくないね。何ていうのかな、それは一種のセールスかもしらないけどね。商品価値のない産物しかないようなところというのは、そういうことができんわけでしょう。その限りでは、私、あんまり感心しませんな。

【記者】ちなみに、東京都は、我々が調べたところ、ゼロだそうです。

【知事】いや、東京に寄附してもらうのは大いに歓迎しますよ。

【記者】北海道洞爺湖サミットが閉幕いたしまして、知事は、市場原理主義の話も含めて、環境問題等々、議論すべき問題はたくさんあるというふうにおっしゃっていましたが、結果、数値のない目標に合意したみたいな感じでございまして、福田(康夫)首相は評価をしているみたいなことを言っておったんですが、知事のご所見、ご見解を伺いたいと思います。

【知事】ここまで事態が世界全体で切迫してるのにね、ナンセンスだね、あの結果は。

 さっきもね、実はワシントンポストの記者が来ましてね、この問題でインタビューされたんだ。「君、どう思う」と言ったら、肩をすくめていましたな。大山鳴動(たいざんめいどう)、1匹のネズミも出なかったね。半歩前進なんて、半歩、半歩進んで、去年から今年、バリ島の会議から半歩しか進まないんだったら、間に合わないよ、これ。あと5年たったらポイント・オブ・ノーリターン(引き返し限界点)が来ると世界中の学者が言っているのにね、1年に半歩ずつしか進まないんだったら、これは間に合わない。人間、救われないよ。何を考えているのかと思いますな。あんなもんでね、会議を持った意味があるんですか。

 それから、私は福田総理に言いましたけどね、森君と3人で会ったときについでにね。「あなた、やっぱりさ、アメリカの市場原理主義ね、この資本主義って本当に世界を悪くしているんだから、何というのかな、規制力のある抑制の効いた資本主義というのを考えようじゃないか。」そういう声もヨーロッパにあったみたいだけどね、何も出なかったね。

 とにかくね、べらぼうな世界全体のGDPを上回るお金がフローしてね、投機、投機、投機で結局原油の価格を上げる、穀物の価格を上げて、世界中本当に迷惑しているし、食料危機が迫っているし、インフレはひたひたひたと押し寄せてきているでしょう。何をしたんだ、一体、あのサミットは。何もしなかったじゃないか。あんなものを評価する人はだれもいないよ。

 僕は本当に、世界中の国民は怒っていると思うね。ああいうのをラケットというんだよ。無駄騒ぎ。もう少しね、何かこう、確実なものが出てくると思ったけどね。

 それから、やっぱりね、発展途上国がね、「おまえたちが勝手に地球をこうやってだめにしてきたんじゃないか。だったら先進国は85%や90%、CO2を削減しろ」という理屈はわかりますよ。やったってできっこないよ、そんなもの、世界中に。

 ブッシュ(ジョージ・ブッシュ 米国大統領)なんてね、やっぱりね、その筋の一番これで儲かっている業界に支えられている大統領なんだから。まあ本当にね、厄介な時代になってきたね。

 東京は一生懸命やるだけのことをやってきて、これからやろうと思いますけど、本当にそんなものは貧者の一灯にもならない。まあしかし、それでもやらなきゃいけないと思うからやっているけども、具体的な案が何も出てこない、数値が一つも出てこない、それで大見得だけ切ったって、そんなものは地球を救うことにちっともならないと思う。非常に落胆しましたな。

【記者】今の環境問題に関してなんですけれども、オリンピックを環境オリンピックのようなものにして世界にアピールしていきたいんだという考え方も一方ではあるようですけれども…。

【知事】一方ではなく、それを言っているよ。ずっと言ってきたよ、東京は。

【記者】あっ、そうですか。

【知事】はい。あなたが知らないだけで。

【記者】それで、もうちょっと具体的に考えますと、例えばロンドンではロードプライシング(※)、パリでは放置自転車を…。

※特定の地域に進入または通行する車から料金を徴収することにより、道路混雑の激しい地域やその周辺の自動車交通量を抑制し、交通渋滞や大気環境の改善を図る制度。

【知事】全部考えた。東京は全部考えた。東京の地形とロンドン、パリは違う。パリはね、あの自転車の、昨日ね、たまたま私の知っている会社で、パリから帰ってきた人間と会った。あのおかげで大混乱して、事故が多発してだね。しかもね、東京でも自転車のことを考えたんですよ。フリーに使ってもらってね、乗り捨てにしても、だれかがそれに乗って次に。

 大体ね、今でも自転車が増えてさ、駅前の置き場がなくて困っていてだね、大体自転車というのはどこを走っているのかよくわからない。一応車道ということになったらしいけども、歩道を走っている。この間、車道を逆に走ってくる車があったけどね。そういう実積の中でね、歩道というものが確保されていない東京のこの状況の中では無理です。

 それから、ロードプライシング。ロンドンは限られた地域でやっていますがね、日本も、東京もね、やろうと思ってさんざん考えました。しかし、あれですな、山手線のあの高架線の施設というものを利用する以外きちんとしたゲートができない。道がもうめちゃくちゃにあるから。それをくぐって入ってくる車をどうやって取り締まるかとなったら不可能でね、これもあきらめました。

 まあね、これからできることといったら、あれですな、末尾が偶数のナンバーの車は偶数日、奇数日には奇数。そうすると奇数が得するじゃないかと言う人がいたけど、まあそういう取り締まり方があるかないかはともかく、そうしたら、自動車会社が喜んでね。みんな裕福だからね、1台しかない車を、その家庭で偶数でナンバーをそろえるために2台買ってくれると豪語もしていたけど、もうそんな時代でもないと思いますが、これからやり得るとしたら、それでしょうね。ただ、これはやっぱり警察がなかなか労が多くて、難しいと思いますけども、やるとしたらそれぐらいでしょう。

 ロードプライシング、自転車問題、とっくに考えました。東京では無理です。

【記者】オリンピックに関して、先ほどの皇太子様のお話にちょっと戻りたいんですけれども、宮内庁の幹部から森元総理に、スペインで話をしないでくれというような要請をした…。

【知事】そういうことがね、そういうことが僣越(せんえつ)なんだよ。ねっ。宮内庁の役人が何を考えているか知らないけど、ナショナルイベントなんだ。国家を挙げての事業なんだよ。しかも、元総理がついていってだね、個人としての皇太子が日本をどう思い、何を考えているか知らんけど、その意向もただした上でだね、要するに、何々打診して、その感触を伝えようと。それをさらに内閣にと言っているときに、宮内庁ごときが出てきてだな、そんなことを言うこと、僣越限りだ、本当に。そういう役人が日本を滅ぼしてきたんだ、これまでも。とんでもないやつだ、本当に。だれも許さないよ、そんな宮内庁の役人。名前を言ったの、そいつが。だれが何と言ったんだ。長官かい?

【記者】東宮大夫。

【知事】東宮大夫?

【記者】が話したのではないかという…。

【知事】「ではないか」、そういう想定でものを聞かないでくれ。宮内庁の役人もね、そういうことをコメントするなら、自分の名前を挙げて、責任を持ってものを言ったらいいよ。ぐじゃぐじゃ、ぐじゃぐじゃ言って、責任をとらないんだから。じゃあ、国民投票でもしてみたらいいんだ。みんな圧倒的に皇太子に行っていただきたいと言うに決まっていますよ。その声を感じているから、私もそういうことを持ちかけているんでね。

【記者】石原知事から森元総理を通してアプローチをしたいという考えは変わらないという…。

【知事】この間、それも話したんです。だから、森さんが行ってだね、皇太子に内意を確かめて、その上で正式に、つまり政府に通じてだ、政府からこういう依頼をしていただこうと思っています。

 これに反対する国民はいないと思うけどね。どうですか、皆さん。ねえ。皇太子に行っていただこうじゃないか、国を代表して。総理大臣はだれが、いつどうなるかわからないんだから、本当に。はい。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)