石原知事記者会見

平成20年11月13日更新

石原知事定例記者会見録

平成20(2008)年11月7日(金)
15:01〜15:13

知事冒頭発言

「東京マラソン2009」における賞金について

【知事】冒頭、1つだけ、私から申し上げます。

 来年行われます2009年における東京マラソンに賞金を出すことにしました。「東京マラソン2009」は来年の3月22日に開催されますけれども、この第3回大会では、もう既に26万人もの応募がありましてね、本当にうれしい悲鳴を上げていますが、もう既に我が国を代表するマラソンとなったと思います。

 もうちょっと走る人間を増やしたらどうだといわれるんですがね、これ以上増やすとね、ちょっと都庁の前の通り広場には収まり切れなくなっちゃうんでね。ちょっとそれはまあ、熱望していただくのはありがたいんだけど、残念ですが。今回から定員を3万5,000人にも増やしましたが、もっと増やしたらどうだと言ったんですけども、そういうことで。

 マラソン及び車いすのマラソンの成績優秀者に対してですね、国内の大会として初めて賞金を出すことにしました。これはほかのね、外国の大きなマラソンでは出しているそうですけどね。男子及び女子マラソンの優勝者には、協賛スポンサーの協力を仰ぎまして、賞金と副賞を合わせて1,000万円を渡します。

 また、国際陸上競技連盟の格付けは、現在ではシルバーでありますけれども、近いうちにゴールドラベルを取得して、東京マラソンを名実ともに世界レベルの大会としていきたいと思っております。

 私から申し上げることは以上です。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】先日行われたアメリカの大統領選挙でオバマ氏が勝利しましたけれども、シカゴを地元とするオバマ氏の新政権が発足することによるオリンピックの招致レースへの影響はどのようにお考えか。

【知事】それもあるけどね、これはね、やっぱりね、世界一の大国の大統領に黒人がなったんでね、アフリカなどの黒人国家というのは、非常にどういうんでしょうね、親近感を持ってね、そういう票が雪崩を打って動いたりすると、ちょっと厄介ですな。

 しかし、10月2日ですから、それまでアメリカが新しい政権の中で、今度の金融危機、経済危機を含めてね、世界に対する責任をどこまで果たせるか、どういう仕組みをつくるかということに、やっぱりアメリカのプレステージ(威信)もかかってくるんじゃないですか。

【記者】東京のほうが今有利というふうにお考えでしょうか。

【知事】そんなことは、あなたに聞いたって、誰に聞いてもわからんよ、そんなものは。君らが調べてきて報告してくれ。何でも聞きゃ、答えが返ってくるものじゃないよ。それがわかりゃ苦労しないのよ。

【記者】今日、東京地裁で裁判がありまして、4年前、2004年の1月にですね、交際相手の男の人に監禁され、暴行を受けた女性が死亡した事件があったそうです。その裁判に関して、その亡くなった女性の両親が警視庁に、相手の男の実名を挙げて警視庁に被害届を出したにもかかわらず、捜査が放置されたということで、損害賠償訴訟になっていまして、今日、東京地裁で判決があって、東京都側に1,000万円の支払いを命ずる判決が出たと。これに関して知事のお話を伺いたいんですが。

【知事】僕、その件について、ちょっと聞かされましたがね。つまびらかにしておりませんし、また警視庁側も控訴をするんだろうけども、結局、裁判の推移をですね、詳しく見届けてからコメントしたいと思います。

【記者】今日、地球温暖化対策で国のほうの排出量取引制度で第1号案件として、東京大学とかローソンだとかが、取引計画を申請したということなんですけど、国のほうの制度ということで、以前にもコメントがあったと思うんですけども、目標の設定の仕方なんかが違うと思うのですが、受けとめとその実効性について、現段階でどう考えているかお願いします。

【知事】ちょっともう少し詳しく知らんと、わからんね、その判断といってもね。いずれ詳細な情報が入ってくるでしょうけど、何がどうしたって?

【記者】国のほうの排出量取引制度がいよいよ本格化するということで、それの実効性というようなところをどう見ていらっしゃるか、という点です。

【知事】それはまあ、どういう規制があって、どういうペナルティー(罰則)が科されて、どれだけその規制力があるかわかりませんがね。それはやっぱりどんどんやらないと間に合わないと思いますよ、世の中。それは国がイニシアチブ(主導権)をとるのが一番好ましいんだけどね、どこの先進国もそうはいかないからね。首都を含めて大都市がね、例のC40(世界五大陸の40大都市で構成する、世界大都市気候先導グループ)ですけども、都市が動く必要があるんですけど、国が動くのは大変結構だと思いますよ。

 しかし、まあちなみにね、昔の功を誇るわけじゃないけども、神奈川、埼玉、千葉県と一緒にやった首都圏の排気ガス規制なんか、成功してこれだけ楽になっているのに、何で国はやらないのかね。小池(百合子)君が環境大臣のとき、わけの分からんザル法をつくってだな、あんなもので事足りると思ったら、とんでもない話だよ。

【記者】金融機能強化法の改正案で、参院の財務金融委員会で知事の参考人招致を求める声が民主党の内部で上がっているんですけれども、このことについて。

【知事】それは詳しく聞いていませんがね。あの問題についての、民主党はどうも政局にしよう、しようという節があってね。だいたい本会議で特定の企業の名前を出してですね、担当大臣にその是非を問うというのは異例なことだけども。まあね、来年都議会の選挙もありますしね、その前後に衆議院の選挙もあるんでしょうけど、そういう思惑でね、このことを軽々に論じないほうがいいと思う。呼ばれたら出ていきます。

 しかし、やっぱり銀行というのは銀行の主宰者がいて、責任者がいて運行しているんですからね。呼ぶんなら銀行の責任者をまず呼ぶべきじゃないでしょうかな。それが世の中の常識だと思うし、国会での手続も、それが正当な手順じゃないかと私は思いますけどね。次の段階で私が必要だということで、出ていくのはやぶさかではありませんよ。

【記者】わかりました。

【知事】とにかく覚えておいてもらいたいのは、金融事情が緩和してからね、何だかんだ言いながら、中小企業もなかなか要するにターゲットとしていいぞということで金融機関が動き出したと言うけどね、私が志したみたいな小零細企業、2人、3人でやって、大事な仕事をしている企業に大きな金融機関が金を貸した例は1件もない。1件もない。

 金融庁は自分がつくったコード(規則)に、従わない人間は許さない。例えばね、NHKがやっていたけれども、片っ方の企業は2人、おじいさん、おばあさん。片っ方は40代の息子とおじいさん、おばあさん、3人でやっている。非常に大事な部品をつくっている会社がディフェクトが出だした、欠陥品が。これはやっぱり据えている機械が古くなったというんで、小さな会社ですよ。資本200万〜300万の。それが数千万の機械を入れる。で、優良な部品をつくるようになった。それは、そのローンを払う段階から債務超過ですよ。金融庁の決めたコードというのは、債務超過の会社には貸してはいけない。貸すほうもいかんし、借りるほうもいかん。このコードに反するのは世界から消えていくとはっきり言ったんだから。

 しかも、その出先の信用組合が、この企業はつぶすわけにいかんだろうということで、信組の支店長といったって、まあ若い人だ。それから、その社員たって2〜3人しかいない。その3〜4人が鳩首(きゅうしゅ・集まって相談すること)して、いかに金融庁にごまかして報告をするかって、その特集をNHKでやっていたよ。僕はあれを見て、本当に胸が痛んだね。いろいろ制度融資もあります、それでもなお、とにかく対象になり得ない企業っていっぱいあるわけだ。そういうものを何で国が面倒を見ないのかね。

 そういうことであの銀行をつくりましたが、運営が悪くてね、こういう体たらくになったけども、しかし、東京都が決意してやったことは間違っていないと思うし、じゃ、一体その手当てを国がこれからどうするんだ。今までやってきたんだったら、そういう反省をしてもらいたいね。本当に底辺の底辺で呻吟(しんぎん・苦しくてうめくこと)しながら頑張っている小零細企業ってのは、いつまでたっても金融の面で報いられませんよ。

 僕の昔の選挙区に、岩井さんという有名な名人がいた。今でもやっているけども、奥さんと2人でやっている。奥さんは機械に手を挟まれて、片っ方、手がきかなくなった。その岩井さんという名人が、行ったら何か削っている。何を削っているんだと言ったら、原子炉の軸だよ。そんな大事なものを、とにかく夫婦2人でやっている町工場が、蒲田の隅っこでやっているんだ。そういうものに全然日が当たらないというこの国の仕組みって、間違っていると思いますよ。

【記者】東京都の2,000億の緊急経済対策予算が出されたようなんですけれども、その中で、雇用創出という問題がありまして、50万人分の仕事を確保するということが言われているんですが、こういう雇用対策は、本来ならもっと拡大すべきだというふうにお考えでしょうか。

【知事】拡大って、まずやってみなきゃわからんじゃないの。それで成功すれば拡大もするけど。どういうことをやろうかといったらね、公園の整備とか、道路の整備とか、何というのかな、それほど喫緊の問題でなくても、環境の整備のためにつながることは動員してやろうということですからね、その進行状態を見て、サイズも決めるでしょうし、それから、どういうのかな、対象にする人たちに喜んでもらえば結構だけれども、おれは働くの嫌だという人がいっぱいいるからね。

 しかし、新しい失業者は出ていますから、私は、それは結局効果があると思っていますよ。そのサイズについてはこれからの問題で、一応今その程度のものにして、これからそれを景気動向に応じて膨らましていくかどうか、これからその推移を見て決めます。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)