石原知事記者会見

平成20年12月18日更新

石原知事定例記者会見録

平成20(2008)年12月12日(金)
15:00〜15:13

知事冒頭発言

三月のスポーツイベントについて

【知事】最初に1つだけ、私から申し上げることがあります。

 東京のオリンピック・パラリンピックの招致に向けたスポーツムーブメントを一層盛り上げるために、東京マラソンが行われる来年の3月に2つ、割と大きなスポーツイベントを開催します。

 1つは、3月1日に、「東京レインボーウオーク」という、関係機関の協力のもとに、あのレインボーブリッジをですね、高速道路を封鎖して、お台場から芝浦までの約7キロを、海を渡るウオーキング大会として開催して、5,000人の参加者を募集します。レインボーブリッジの景観を楽しみながら歩けると思うので、ぜひ応募していただきたいと思います。

 私もよくあそこを通るんですけどね。本当に東京の新三景というかな、百景というかな、とにかく新しい景観の1つでね。とにかくあそこから眺めると、まあ、できたてのマンハッタンを見るみたいでね。本当にすばらしい景色だと思いますね。ただね、高速道路ですからね、降りて見るわけにもいかないので、いつも車をのろのろ走らせながら眺めているんだけど、あれはやっぱり歩いて渡るとね、すばらしいと思いますな。

 本当はね、東京マラソンね、私、お台場をフィニッシュにするなら、あそこをとにかく一時封鎖して、レインボーブリッジを渡ってフィニッシュするようにしたらどうと言ったら、最後の最後にあんな急勾配の橋を渡るのは、とてもランナーに酷だというので、違う橋を使ってお台場へ渡るようにしたんですけども、それをゆっくり歩きながら、車を通しませんからね、天気がよきゃすばらしいと思うんだけども、眺めて歩いていただきたいと思います。

 2つ目は、3月7,8日にですね、両日にわたって都庁の前の広場に雪を敷き詰めて、「Tokyo Snow Style」を開催します。これは、世界のトップレベルのスキー選手がね、あそこに仮設ですけど、高さ15メートルのクオーターパイプ(スキー競技施設の一つ)から超高層ビル街に向かって、この間三宅でやったオートバイのモトクロスに似て、急勾配の坂道を跳ね上がってトンボ返りするというのかな、そういう生々しい演技が披瀝されると思います。

 同時に開催している、これは猪苗代で大会が行われているんですけど、2009年のFIS(国際スキー連盟)フリースタイルスキー世界選手権を会場でライブでも中継しましてね、盛り上げていきたいと思っています。

 一方、子どもたちがそり遊びなど体験できる広場の「キッズ・スノースクエア」を開設しますので、この機会にですね、東京の都心でスノースポーツを満足してもらいたいと思います。

 詳細はこの後、生活文化スポーツ局から説明いたします。私から申し上げるのは以上です。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】参院宿舎の件なんですが、きのう西岡さん(西岡武夫 参議院議院運営委員長)と青木さん(青木幹雄 参議院議員)と会われたようですけれども、どういった話をされたのでしょうか。

【知事】要するにね、いろいろ時代も変わってきたし、白紙還元しましょうと青木さんから言われてね。私は結構ですよと。それで西岡君も同意しましてね。ただ、やっぱりいろんな条件が加わっているから、要するに、あそこ、西武が広い土地を持っていて、西武そのものが今のホテルを壊して大開発、再開発するみたいですけどね、それとの兼ね合いでね、土地をスワップ(交換)できる可能性もあるでしょうし、その他この他、もともとあそこにホテルニューオータニと並行したブランドの商店街をつくりたいということだったから、そんなのを含めてね、とにかく地区計画を再考して、それに合わせて考えましょうということで。

【記者】このあと三者協議もあるかと思うんですが、そこでまた区長も含めて。

【知事】ああ、そうですね。東京もね、こういう案がありますよ、あり得ますよと5つぐらい案を作ってあるんでね。それからまたね、もともとそういう案もあったみたいだけども、九段のほうに建て増しするというのかな、それも1つの選択肢じゃないんでしょうか。

【記者】それと、あと済みません、ちょっと違う話なんですけれども、今日、毎年恒例の今年の世相をあらわす漢字というのが発表されまして…。

【知事】あんまり興味ないんだよ、おれは。そんなの非常に短絡的でだな。いろんなことがありましたからね。それは、だれか好きな人に任せたらいいんだよ。お坊さんがいつもやるらしいんだけども。で、何だって、お坊さんは?

【記者】ことしは変化の「変」という字が。

【知事】「変」? 変じゃない、むしろ「乱」じゃないか、これは。乱れてきたんじゃないの、いろんなことが。いや、私は「乱」とも言いませんよ。

【記者】知事が今年を1文字であらわしたら。

【知事】やらない、そういうこと、私は。もっと高等な文学者ですから。

【記者】大変の「変」じゃないですか。

【知事】一言ってね、一言でくくれるものじゃない、世の中って。まあいいや、それは、お坊さんはお坊さんでさ、まあ思惑だってあるし。みんなもそれを多としてるんだから。

【記者】参院宿舎の件でまたお聞きしたいんですけど…。

【知事】古舘(古舘伊知郎 ニュースキャスター)に言っておけよ、ちょっと。考えもせずに、いいかげんなこと言うなって、オッチョコチョイが。

【記者】伝えます。

 それで、以前もちょっとお聞きしたんですが、今回、白紙撤回になると、既に調査費などで1億6,000万円ぐらい税金でお金を使っていまして、もちろんこれは東京都が出すお金じゃないので、国側の話になるんですけれども、新しいものを建てるということになった場合でも、これまでの1億6,000万が無駄なことになってしまうということについて、石原さんというか、東京都の側からはそれはどんなふうに考えられますか。

【知事】東京都の側って、それは国費を使うわけでしょう。国民の側から物を言わせたらいいじゃない。

【記者】国民の側からなんですけども。

【知事】まあ大体この時代にね、せっかくあるあの緑をつぶしてだね、目の前にあるものよりはるかに高いものを作るって、ちょっと乱暴なんじゃないのかね。これはどこから出てきたのかわかりませんよ、この案がね。はい、そういうことです。

【記者】今日、昼過ぎに参議院のほうが会見をやりまして、昨日、青木さんと西岡さんと知事の間で話し合いがされて、これからいい方向に向かうんじゃないかというようなお話があったようなんですけども…。

【知事】いい方向って、どんな方向?

【記者】いや、どういう方向かよくわからないんですけれども、いい方向に向かうと言っても、今申し上げたように、お金はかなり無駄になると思うんですけれども、お金を無駄にしてもいい方向だという参議院の考え方についてどう…。

【知事】いや、まあしかし、それは、あなたね、1億6,000万かかったか何か知らんけどね、それをそのまま活かすためにだね、あの森をつぶすというのもね。そんなこと考えればね、金目の問題じゃないと思うよ、それは。

 まあ、要はね、断っておくけど、古舘君に言っておいてくれよ。僕はだな、参議院の宿舎を建てることは、そんなのは国民、参議院が決めることでね。ただ、やっぱり東京が緑の計画を進めているときにね、あの森はつぶせないでしょうということを申し上げただけでありますからね。私は何も参議院の宿舎にね、賛成しているわけでも反対するわけでもない、基本的に。東京は、ただ東京の立場で申し上げたわけです。

【記者】新銀行東京について2点伺いたいんですけれども、1点目が、今日の衆院本会議で金融機能強化法が成立の見込みだと思うんですけれども、これまで新銀行は公的資金の注入に関しては、今そういう状態にはないというような…。

【知事】それを要望する立場じゃないってね。

【記者】ええ。ということなんです。現状の、今の石原知事のこの法案の評価と、あと、これから新銀行が言っているとおり、要望しないということが続いていく経営の自信というか、その再建の建て直しに自信があるのかどうかということを。

【知事】自信がなきゃ、それは銀行としてはだね、これを機会に公金を注入するという意思を持つかもしらんけど、とにかく水平飛行が上昇してきましたし、これから先、ちょっと私も幾つか思いがけない案を考えていますが、それは君らの想像力に余るかどうか知らんけども、そんなものを含めて、ああいう附帯決議もついたことですし、それを大いに活かして、国がほとんど手を染めてこなかった零細企業の救済には、大いにあの法律を役立ててもらいたいと思うね。一体だれがあの法律を活用するかといったら、結局、大手の銀行が大手の会社を対象にした形でしか運用されないんじゃないの。それはやっぱり諸君が監視したほうがいいよ。底辺であえいでいる人たちのほうがよっぽど苦しい思いをしているんだから。

【記者】紆余曲折いろいろありましたけども、じゃ、法律が成立すること自体は歓迎するということでよろしいんでしょうか。

【知事】歓迎するもしないも、私、関係ないもの、そんなもの。やったらいいじゃないですか。本当に小零細企業は困っているんだから。要するに、そのためにせっかく作った法律だから、大手の企業じゃなしに、大手の銀行が大手の企業を、助けるためじゃなしに、本当にマイナーな人たちを助けるために運用してもらいたいね。それが国会の管理責任、監督責任なんじゃないのかな。

【記者】もう1点なんですけども、今日、新銀行の元行員の方で、新銀行から、機密保持を入行時に誓約したのに、それを破って雑誌やテレビにその機密を漏らしたというようなことで損害賠償を求められて、裁判に訴えられた方がいるんですが、その方がちょっと記者会見をしまして、その訴訟そのものが不当であると…。

【知事】訴訟そのものについては、私はこれを云々する必要はないしね。成り行きをあなた方が記者として眺めたらよろしいことで、私がここでその是非を論ずる立場じゃないでしょう。

【記者】弁護団の方が…。

【知事】それは知らんて、あなた、私は。

【記者】訴訟の展開によっては、知事も証人に要求するという可能性もあるということをおっしゃったんですが。

【知事】それは何の件について、私を証人に要望されるかわかりませんけど、これから先の話じゃないですか。ただ、私はね、銀行の業務の運営については精通もしていないし、それを監督する立場にありませんからね。

【記者】新銀行のことなんですけれども、新銀行が9月末時点で、中小企業の貸出融資残高が34%にすぎない。中小企業の…。

【知事】それは、あなた、再三出ている質問だけどね、体力がなくなっているんだから、今は栄養をつけてね、要するに、力をつけてね、当初の目的である零細企業に融資のできるような体質を作らないとね。パーセンテージが少ない、少ないって、今この時期、確かにあの銀行の意味合いってのはもっと大きくなったと思うけども。今、要するに、倒れるか倒れないかわからない零細企業に、相手によったら貸す必要があると思いますよ、しかし、それはきちっと精査しなくちゃいけないしね、精査すれば難しい問題も出てくるでしょう。ですから、私たちもともと零細企業のために作った銀行ですから、それはそういう機能を果たすためにも、今やっぱりもう一回力をつけて、栄養をつけて立て直さない限り、当初の目的を遂行できませんから、それは残念ながら、今はちょっと我慢していただきたい。

 だから、せっかく国は金融機能強化法を作ったんでしょう。だから、それをせいぜいよく運用してだね、日の当たらない零細企業に、このときほど救済の手を伸べてもらいたいよ。保証協会が100%保証するというから、こんな楽な融資ないじゃないか。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)