石原知事記者会見

平成21年11月26日更新

石原知事定例記者会見録

平成21(2009)年11月20日(金)
15時02分〜15時13分

知事冒頭発言

【知事】今日は冒頭は申し上げることはございません。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】本日、発表のあった新銀行東京の中間決算についてお尋ねいたします。まず、中間期の最終利益が10億円の黒字ということになりましたが、この数字について、知事のご見解をお願いします。

【知事】それは、渾身の努力をしてくれているスタッフの努力の結果だと思います。この分でいって、単年度黒字が出るようになれば、これまた前から申し上げている、その銀行の信用性の問題になってきますから、第2段階の対外的な協力というものを積極的に進めることができる条件の整備になると思うので、大変、結果についてうれしく思っています。

【記者】これに関連して、記者会見で決算発表を説明された寺井(宏隆)社長も、収益源は過去に積み立てた引当金の戻り益ということで、まだお金を貸して金利で稼ぐという、普通の金融機関の状態には遠い状態だというお話でしたが、この金利で稼げていないという状況について、知事はどう見ていらっしゃいますでしょうか。

【知事】それはちょっと、あまり専門的なことは、私、大まかなことしかわかりませんから、それについては、むしろその専門家の意見、聞いてくださいよ。ただ、結果として、食い込んでこない、四半期続けて黒字出したってこと、とっても銀行そのものが健全化に向かっている一つの証左だと思いますから、スタッフの努力に感謝しています。はい。どうぞ。

【記者】新銀行の話で続いて質問なんですけれども、新銀行はリスケジュールをやっていて、中小企業の例えば返済を猶予して利子だけ返してくれればいいとか、毎月の返済額を減らすという、そういうリスケジュールをかなり手広くやっていまして、その結果、返済ができるようになった企業が増えたということで、これまで積み立ててきた、新銀行の中にある300億円ぐらいの貸倒引当金があるんですけれども、それを20億円、利益として差し戻すことで今回、10億円の黒字の…。

【知事】そんな小さな数字の話は、おれに聞いてもわからんよ。ただ、リスケジュールってのはほかの銀行はあまりやらないんだよ、面倒くさがって。

【記者】あまりやらないですね。

【知事】ええ。それは、綿密にやっていることで、大きな銀行は、何か知らんけども、かつては公金注入されて、いい身分になったから、そんな面倒くさいのするよりも、貸し倒れ結構だってな形で、非常にずさんな経営やってますよ。だけど、そういう点では、新銀行東京は、立場が立場ですから、渾身の努力で、わざわざ出向いていっていろんなかたにリスケジュールやっているわけで、そういう努力は本当はほかの金融機関もやったらいいと思うんだ。大体、大銀行だって、国民の税金注入されてもったんだから。はい。

【記者】わかりました。

【知事】どうぞ。

【記者】新銀行、最後にもう一つだけ。先ほど10億円の黒字という話でしたけども、通年での予想を13億円の黒字というふうに、今回の発表を受けて、あくまで試算ですけども、そのとおり、もし3月末で黒字化をすれば、内容はいろいろ議論があるかもしれませんけど、かたち上はまず再建計画が前倒し達成ということになりますが、その通年での予測について知事は。

【知事】だから前からも言っているように、とにかく単黒(単年度黒字)を出してもらいたいと、その可能性が少し濃くなってきたということで、感謝していますけども、これから問題あるでしょう。それから、世の中どういうふうに変わっていくかね。下手すると二番底が来るんじゃないか。これはいろんな予測がありますが、普通だったら、予算が執行されて、来年の秋口、来るとしたらですよ、そういうことになりゃいいけど、そういうその経済全体の推移眺めないと、にわかに安心できませんが、新銀行東京に限らず、どこの金融機関も今、非常にいろいろこう腐心し、苦労していますけども、経済全体がこういう状態ですから、先行き確固たる見通しがつかないというのが現況だと思うけども、いずれにしろ、とにかくセカンドステージに向かうためには、単年度黒字を出さないと、それはほかと交渉するにしたって、こちらの信用の問題になりますから、そういったものを確保して次のステージに向かうことが好ましい。それじゃなかったら次のステージに向かえないと思いますから、そういう点で、スタッフが、本当こまごま、リスケ(リスケジュール)なんてのはみんな面倒くさくてやらないんだよ、大所帯のとこは。だけど、それやって、経営健全化して、とってもありがたいと思っています。

【記者】今のお話の中で、対外的な協力とかほかとの交渉っていう、言葉の意味ですけど、それは、新銀行の将来的な業務提携だったり合併だったり、そういったことを指しているんでしょうか?

【知事】そうですね。東京もいろんなプロジェクトをこれから持っていますし、過去の段階でも、そういうものを見込んで、幾つかそのオファーがありましたよ。ただ、前に申し上げたけど、フランスとドイツの銀行がつぶれちゃったんでね。ただ、そのほかにも、これはにわかにそういうことにならんでしょうけども、例えばメトロの株の問題とか何かも、それマークしてるファンド(投資信託会社)というのは外国にたくさんあるわけだから、そういったものをうまく活用していくことも、これからの段階で、それに、銀行をどういうふうに活用していくか、いろんな多角的な努力をしなくちゃいけないと思っています。はい。

【記者】それと、別件でいいですか。国のほうで今、子ども手当等の話題の中で、地方負担って話が、報道ベースも含めて言えば、例えば今の児童手当を廃止した分の企業、自治体負担をやっぱり求めようじゃないかとか、そういった話が幾つか出てきているんですけれども、その地方負担が生じる、民主党のマニフェストの政策について…。

【知事】これはちょっと、筋が違う、大筋が違うんじゃないかと私は思います。国政をあずかる政党が、日本をこれからもっとよくするんだと、そのために官僚支配を撤廃して云々(うんぬん)で見栄を切った、それは結構だと思う。現にそのための努力もしているけども、しかしそのためにうたい上げた公約が、財源というものの把握ということになって難しい問題になってきたので、その、マニフェスト、何も美辞麗句とは言いませんよ。一つの理念に絡めた具体案でしょうけども、それを実現するのには、財源の担保は要るわけで、それがないのに、どうも言い出してみたらなかなかおぼつかないから、それじゃ地方がそれ分担しろってのは、こういうツケ回しってのは基本的に無責任というか、遺棄というか、これはどの地方自治体だって、そんなもの許容しないと思います、これは。

【記者】特に東京都は交付税の問題がありますので、持ち出しが増える可能性もあります。

【知事】そうですね。かといって、例えば皆さん、これ問題にしてもらいたいんだけど、福田(康夫)内閣のとき、随分抵抗した。しようと思ったけど、なかなか手だてないから、玉砕覚悟で裁判やるかと思ったけども、印紙、6億も貼るんじゃたまんないから、合わせて6,000億、とにかく国にかっぱらわれるはずだったのが、あのとき、国会では民主党の議員たちは反対してくれたんですよ。その民主党が政権とったんだから、ことし、税収が減ったんで、第1年度の3,000億も額が減るんでしょうけど、それを、分割基準変えて、東京からむしりとっていく、これはまさかやらないんでしょうな。返してもらえるんでしょうね。

【記者】税制改正のときにというふうになっていますんで、それができるかどうかはちょっと。

【知事】総理によろしくし言っておいてよ、あなた。この間、菅さん(菅直人 副総理)にも話したの、その話。「いやあ、それは僕、知りませんでした」と言ってたけど、それは、そんな話はないよ。それで、それに反対した政党が政権とったんだから、それはだれの味方、彼の味方ってことじゃなく、基本的に間違って、自分たちの失態、糊塗(こと)するため財務省が勝手に法律変えたわけですから、そんなやり口を許してたまるかって。地方主権のために許さないって言ってくれたんだから、地方主権、地方分権を主唱している民主党が政権とったんで、ああいう財務省の一方的なやり口、悪代官のやり方だな、あれ、言わせると。そんなものは、当然、政治家主導の民主党政権が懲らしめてもらいたいと私は思います。

【記者】きのう、知事会のPT(プロジェクトチーム)が、国の出先機関の廃止について、それが地方に移管された場合どうなるかっていうのを協議して、猪瀬さん(猪瀬直樹 東京都副知事)が出ている話なんですけど。要は財源が来ないのに、仕事だけ降ってきたんじゃかなわないっていう意見と、だけど、それは来るものを前提にして、とにかく仕事引き受けようじゃないかっていう意見と、双方、割れているようなんです、知事会の中でも。この議論について、知事…。

【知事】それ、なかなか難しい問題で、鶏か卵かどっちが先かみたいな問題になると思うんですよ。それから、経済状態が今のこういう形ですから、かつまた一方で、そうは言い切っていないけども、コンクリートより人間をということならば、公共事業なるものに対する民主党政権の価値観というのはちょっと今までと違うような気がしますが、そうすると、どういう仕事を政府が主唱するのか、そのどの部分を、我々が必要だとして受け取るのか、その選択というか、こう見極めといいましょうか、バランスというのはなかなか難しいと思うし、これからの問題だと思いますけれど。

 地方の言い分でいえば、仕事はおれたちに任せてくれ、そのかわり、その金は出してくれということでしょう。それはそうで、なかなか進まない状況にあるから、これはなかなか難しい、非常に選択の幅の広い問題だと私は思いますけども。はい。

  それじゃ、どうも。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)