石原知事記者会見

平成23年6月23日更新

石原知事定例記者会見

平成23(2011)年6月17日(金曜)
15時07分〜15時35分

知事冒頭発言

1 内閣改造等について

【知事】冒頭、申し上げることはございませんが、記者の諸君も、あちこち情報をとって、いろいろ仄聞を含めてあれしていたけれど、どうやら菅(直人)内閣は、月曜日に内閣改造するみたいだね。それで、私の得たかなりの情報では、亀井(静香 国民新党代表)が入って、副総理格になって、災害復旧責任者で引き受けるのかと思って、大変結構なことだから、それだったらと、きのう亀ちゃんに電話したら、「とんでもない」というんだ。彼もちょっとお酒飲んでいたから、でも、酩酊しているわけじゃないけれども、「いや、そんなことない」と。だけど、「間違いなく改造はするでしょう」というんだ。どういうことなのかね。そうすると、内閣改造したら、半年や1年もつだろう。そうすることで、今以上にどんどんやってくれれば結構なんだけれど。
 それから、これは、諸君に言っても通じないかもしれないが、むしろ、消費者、都民の皆さん、国民の皆さんに知ってもらいたいけれど。色々な情報がアメリカから入ってくるわけです。直接、間接。昔はよく議論もしたキッシンジャー(元米国務長官)なんかの意見も入ってくるんだけれども、1つ大事なことは、アメリカのオバマの大統領選挙の推移いかんでは、結局、社会福祉を切るわけにいかないから、何をやるかというと、どんどんドルを刷る。インフレになる。それで、それを予測してか、これは確かな話だけれど、ジョージア州という州の議会は、下院から上院、既に、税金を納める時は金買ってきて金で納めろというんだ。これはすごい話だぜ。本当だとしたら。自分の国の通貨を、州の知事が、州の知事というのは、アメリカは日本と違ってはるかに権限がありますから、それが自分の州の財政のために、納税の金本位というのを打ち出したと、すごい話なの。
 それからもう1つ、リビアでの、あのばかばかしい戦争を議会が反対しだした。これは皆さん知っているかどうか知らないけれども、アメリカの戦争権限法というのがありまして、大統領は勝手に戦争を始めることはできるけれども、その戦争の成り行きいかんでは、議会が反対して、ストップすることができるんです。アメリカ議会はそれを持ち出した、今度。それで、アフガンでやったあの不毛な、NATOと一緒にやっている戦闘は、これは一種のイスラム対キリスト教圏、白人対イスラミックの人たちの闘いになっているけれど、色々な分析があるでしょうけれど、アメリカはこれに絶対勝てない。キリスト教圏は勝てない。どっちが勝つかといったら、これは分からない。だけど、キリスト教圏は絶対にイスラム教圏に、あんな形の戦争で勝てない。イラクから撤退すれば元の木阿弥になるでしょうし、私も、若い頃、ベトナム戦争の、まさにアウトポスト(前哨地)まで行きました。開高健(小説家)もかなりのところ行ったけれど、僕はもっと怖い思いして最前線まで行ってきたけれども、その時に、この戦争に絶対アメリカは勝てないと思ったが、やっぱり勝てなかった。その予感が当たるかどうか、原理的に言っても勝てないと思うけれど。そうすると、アメリカの国力、どんどん疲弊していく。キッシンジャーの予言では、アメリカはオバマが再選されたら、韓国に駐留しているアメリカの兵隊の数をかなり削減するだろうと。それから、航空母艦というのは非常に乗員が多くて、1隻に5,500人ぐらい乗っているのかな。10隻近く持っている航空母艦の兵隊も限界が来て、この人間たちに給料払って引退させる財力もないということを勘案して、アメリカは、どうやら太平洋に展開している、特に日本の近海で、西太平洋に展開している航空母艦を廃止して、原子力潜水艦に変えるという意向も強いらしいけれども、それで、キッシンジャーは、中国は(アメリカが)保証するから、韓国と北朝鮮は一緒になったらどうだという動きに出るんじゃないかと、予測をしているようです。そのとき北と南が、互いに受け入れるかどうか。韓国がそれを拒否したら、私は七分通りするだろうと思うけれど、その後、どうするかと、これもひとつ予測だけど、日本と韓国は共同で核開発するかもしれませんな。そういう風な、非常に渦巻く世界情勢になってきたんです。
 その中で、災害の復興・復旧は焦眉の問題だけれども、プラス、これから先、日本が国土の保持のためにどういう戦略展開していくかと、戦術も含めて。例えば僕は、尖閣諸島に最初に灯台立てた人間だけれども、その後、日本青年社なんてたくさんのお金出して立派な灯台つくってくれた。それも、外務省の腰が引けて時期尚早ということで、10年以上チャート(海図)に載せなかった、ばかなことしてきた。それで、今度は問題が起こって、尖閣は、おそらくこの夏、もうちょっと色々な問題起きます。だから私は、それ対処するために、超党派で、民主党にもやりたい議員たくさんいるから、あの尖閣を領土として守るための自衛隊の駐留というものの可能性の調査のために、国政調査権は国会議員にあるから、石垣島の市議会議員が行くといっても、それは、保安庁は許さないけれど、国会議員が行ってものを調べる権利があるんだから、行ったらどうだと、「やります」と言っていた、谷垣(禎一 自民党総裁)も石破(茂 自民党政務調査会長)も。災害が起こったらどこか行っちゃった。なぜ日本の政治家というのは、2つも3つも一緒に考えられないのかね。1つに夢中になって、どこか行っちゃった。ものを重層的、複合的にとらえて考えられない人間というのはばかですよ、これは。言っては悪いけれども。本当にそんなになっちゃったんだな。それで、あそこで、繰り返して言うけれども、日本の保安庁と向こうの漁船監視船、訳の分からない船がぶつかって、保安庁の船も相当な装甲を持っているけれども、ぶつけてきた向こうの漁船監視船というものが何者か分からないが、装甲が厚くて、向こうは無傷で、こっちの保安庁の船が大きく引っ込むみたいな、そういうフリクション(摩擦)は、皆さん、どこまで日米安保条約、精通しているか知らないけれど、これは安保の対象にならないんです。軍事紛争じゃないんです。保安庁は軍事じゃない。一種の第4軍みたいなものかもしれないが、少なくとも軍じゃない。それと、得体の知れない、民間とも何ともつかない船がぶつかって、そこでドンパチやって人が死んだって、戦争のフリクションにはならないんだ。結局、あそこに日本の兵隊が3人でも4人でもいて、これが攻撃されたら初めて軍事紛争になるんで、非常にこの解釈というのは難しいんだけれど、下手すると、尖閣はスプラトリー諸島と同じように向こうに実効支配されますよ。そういうところがどんどん迫ってきているのに、目先のことしか、目先のことも着実にやってくれるんならいいけれども、全然国が動かないというのは、えらいことになりましたな。本当に。ナポレオンが、戦争の時に一番厄介なのは有能な敵じゃない、無能な味方だと言ったけれども、災害の混乱に含めて、国境、国土の問題の領有権でフリクションが起こったら、日本の政府は本気で動ききれるのかね。この頃、本当にそのことを私は心配でしようがない。いつも考えているんだけれども。抗議でもない、愚痴でもない、皆さんにささやかな情報をお伝えするわけだけれど、テレビ見ていらっしゃる国民の皆さん、それをどう判断しますか。ということです、私から申し上げるのは。他に質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】冒頭、まず石原知事から、国政に関しての感想と言いますか、お話が出ましたので、ちょっとそこの点を伺いたいのですが。今、ポスト菅の、誰がいいだろうかなどのアンケートではなく、本当に日本がどうなってしまうのか。この人にリーダーシップを任せたらいいと、そういう状態が、今、切迫していると思うのです。せっかく日本が震災から立ち上がろうという、1つにまとまろうとしているのに、閉塞感が更に続いていくと、どうにもしようがなくなるような状況を迎えようとしています。こんな中で、亀井さんの名前が何度か石原知事の中からも出てきましたけれども、私たちの知らない亀井さんのリーダーシップ論というか、そういったものがあって、「よし、この人なら任せられるぞ」というようなものがおありならば、プラスアルファでつけ加えていただきたいのが1つと。実は2つ質問ございまして、もう一つは、4期目、東京都知事を入られまして、初の定例都議会がきょう始まりました。この定例都議会で石原知事、4期目も始まったわけなのですが、これからどういうふうに進めていきたいか、この2点を、ちょっとお伺いしたいと思います。

【知事】2点目の方から言うと、これは是々非々で従来やってきたことですし、きわどい数の均衡ですけれども、ああいう形で、豊洲への移転も決まりましたし、あとは着実にそれをやっていくしかないと思うし、今、共産党のような政党は別だけれど、民主にしろ、公明にしろ、自民にしろ、目に角立てて反対とか、異論を唱えるような政治案件というのは、都政に関しては、私はあまり無いんじゃないかと思っています。ですから、淡々とやればよろしい。
 それから、今、日本に必要なリーダーというのは、亀井静香さんに限らず、まあ、亀井にその特性、能力があるから言っているんだけれど、実務のできる人です。実務ができるということは、役人を使える人間。役人を使うのは、おだてて使うこともあれば、脅かして使うこともある。私と亀井が、羽田空港の4本目の滑走路をやって、あそこをハブ空港にした時も、それを期待している、官僚はいないでもなかった。だけど、官僚は自分でなかなか物を言い出しにくい。だから、2人で、あの時は本当に次官呼び出して、まさに恐喝しました。それで15分で決めた。調査費がつくと、物事というのは動いていくんです。亀井はなかなかそのやり方うまい。できますよ。僕は、外環道の工事費の問題も、かねがね彼と協力してやってきて、国土交通省の意向も質して、最後は彼が一押しでやってくれましたが。そういうふうに、役人を突き動かす、そして実務を、目に見えて、積み上げていくことの出来る、それがなかったら、政治家は政治家として意味ないんじゃないですか。空論理念ばっかり、演説うまくても。ということです。

【記者】恫喝だけでは困るとは思う……。

【知事】もちろんそうでしょう。しかし、「おどしすかし」という言葉もあるぐらいで、人間というのは、そういうものだよ。役人が持っている知恵というか、知識というか、経験というものを、政治家がふるいにかけて取捨選択して、1つのスキームを作って、これやろうじゃないかというふうに持ちかけていく、それで初めて行政が動くんで、役人、頭から毛嫌いして、俺たちだけでやるんだと言っても、経験もない人間が集まってみたのは、中学校の生徒会じゃないんだから、国政というのは、今のていたらくになるわけです。例えば、東京は、6億円かな、義援金集まったんで、これは政府に関係なしに、ぱっと配りました。3つの県に均等に。しかし、それは、向こうの県が引き受けてやってくれたからいいんだけれども、国が預かって赤十字が預かっている義援金というのは、なぜ配られないんですか。着のみ着のまま財布持たずに逃げ込んで、体育館で暮らしていた人たちに、やっと、仮設住宅が当たって、そこに行って住みなさいと。しかし、電気代も水道代も払いなさい。スーパー開いていますから、マーケット行って買い物なさい。体育館でみんなで暮らしている時は、義援物資があって、それで食べられましたけれど、今度は、1戸を構えることになった、仮設住宅の。自分で自給自足しなくちゃいけない。そのお金がないんだ。何故、被災した人たちに、とりあえず頭金として30万、40万円配らない。それやったら、親が死んだ人、死なない人に、家が半分つぶれた人、全滅した人、いろいろ条件が違うと不公平になると。不公平になるもならぬも、頭金、最初払ったらいいじゃないか、さっさと。プラスアルファ、後で考えたらいい。そのために役人の手が足りなくて困っているんだから。そういうことができないというのは、考えられないね。

【記者】つまり、そういう閉塞感みたいなものが蔓延してしまっているわけなので、何とか、ぱっと吹き飛ばして、青空が見えるような、そういうリーダーを求めているわけなのですが。

【知事】それはなかなかね。季節も今、梅雨ですから。非常に明るい話のうまいリーダーが出てきても、空が晴れるわけじゃないが、しかし、やっぱり気持ちは晴れるわね。望みを持てるみたいな。

【記者】どうもありがとうございました。

【知事】いえ。しかし、非常に不幸な巡り合わせになったね、日本は。ほかに何かありますか。どうぞ。

【記者】先ほど議会で知事が所信表明で、オリンピック招致についての発言を受けて、JOC(日本オリンピック委員会)側は「大変歓迎しています」とコメントしています。今後、さらに都民、国民の機運を盛り上げるために、知事はどのようなことが必要だとお考えでしょうか。

【知事】もう少しJOC、立派なチームにならなきゃだめだね。強いスクラム組んで、突進力のあるチームにならなかったら、JOCそのものが、もっと組みがえして。それから、一種の国際政治だけれども、IOC(国際オリンピック委員会)に、日本の代表をもっとたくさん送っていくような工作をしなきゃ。そうしなかったらだめですよ。「東京、お願いします。」と言うけれど。やることはやります。しかし、9年先の話だけれど。被災した3県の、東北の知事さんたちが、その頃は目途もつくだろうし、その一つの象徴として、オリンピックやってもらいたいと言ってくれればいいんだけれども、それを取りつけに行くのはJOCじゃないの。東京都がやるわけじゃない。東京都は車の両輪の1つですけれど。主体者というのは日本のオリンピック協会なんだから、自分らがそれをやりたいんだったら、3県の知事の同意が得たいと思ったら、自分らで行ってくればいいんだ。東京の俺の台詞じゃない、そんなことは。そうでしょう、どう考えても。今みたいな甘ったれたチームワークじゃだめだ。はい。

【記者】引き続き、オリンピックの話をお伺いしたいのですけれども。

【知事】オリンピックは、きょう言った限りのことよ。

【記者】前回、1回目の招致活動は失敗に終わったわけですが、その反省を踏まえて、今度またやりたいということだと思うのですけれども……。

【知事】失敗を踏まえてやるんじゃない。9年先に、日本もかなり復興してるだろうけれども、そう想定して、それも祝いながら、さらに前進していく。そのためのイベントとして、せっかくたいまつに火を灯したんだから消す必要ないと思って、9月1日が事務的なリミットなの。だから、東京はそのつもりがあると言ったんで。だけど、昨日、あるテレビが言ったけれども、日本はこのままいったらデフォルトする、財政破綻しますよ。間違いなくするよ。その時、オリンピックもへったくれもあるかね。そんなことも、君ら考えたらいいんだ。日本の経済もつと思うのかね、このままいって。絶対デフォルトします。もう余裕はないね。下手したら3年、遅くとも4年たったら、このままでいったら日本の経済デフォルトするね。

【記者】先ほど「たいまつを消さない」という発言があったかと思うのですが、それは前回の招致で養ったといいますか、使ったものを、また利用していくということで、挑戦をするということ……。

【知事】経験も、そのための費用も蓄えてありますけれども、9年先に世の中どうなるか分からないよ。東京がその時に富裕団体でいられればいいけれど。国が傾いて、周りから相手にされなくなって、東京だけが取引してもらうというわけにいかないでしょう。

【記者】4,000億円の積立金は使って……。

【知事】それはそれ。これからの財政運営の話で、そんな話じゃない。もっと根幹の話なの。

【記者】例えば、ロゴマークとかは、また使う?

【知事】そんなのどうでもいいんだよ。国がしっかりしてくれれば、借金してでもオリンピックはできる。このまま無為無策で破産してしまったら、誰も金貸してくれないし、「何がオリンピックだ、お前らの分際でそんなのが言えるか」とばかにされるだけです。君はこのままいって日本の財政もつと思うのかね。どう考えてももたないよ。

【記者】もう1点お伺いしてもよろしいでしょうか。神奈川県の前知事だった松沢成文さんが、昨日、吉本興業に所属するという会見を開かれたのですが、これに関して……。

【知事】吉本興業というのはどんな会社か知らないし、彼がいきなりお笑いの芸人になるわけ全くないと思うし、あそこがアレンジして、色々な形でコメンテーターになって、何とかわざを磨いていくんじゃないですか。結構なことだと思います。

【記者】何かアドバイスみたいなものは……。

【知事】それはないよ、私は別に。
 はい、どうぞ。

【記者】大地震の時の帰宅困難者のための対策なのですけれども、東京都の方では駅周辺の大きなビルなどに困難者を抱え込むんだというのが大きな課題だというふうにとらえているようですけれども、問題は、3・11の時もそうでしたけれども、自分の足で帰宅したいという人が、たくさんいるわけです。そういう人たちのために対策を、東京都はもう少し重視してもいいじゃないかと思うのですが、その辺りはどういう風に考えていますでしょうか。

【知事】あなたの言うこと、よく分からないんだな。具体的に何か注文あるのかね。

【記者】例えば帰宅困難者が歩いて帰りたいという人が……。

【知事】歩いて帰るのは大変だから海から帰れというんで、アメリカ軍に協力しろと言ったら、あいつら来なかったんだ、今度。政府もしっかりしていないんで、東京がやっていることよく知らないから、東京のやること、「ふーん」と思って見ているだけでうまくいっても知らない顔して、国の役人というのは。東京は、米軍使って練習やっているんだから、その情報も入れているけれど、彼ら、あまりそれを多として、受容もしてないから、あんな時にこそ、防衛庁が、今まで協力したアメリカの海軍に船回せといって、帰れない人、東京湾に集まりなさいって、乗せて帰してやればいいじゃないの。そんな能力がないんだ、今の政府も。国の役人もその発想がないんだ。かと思うと、今度、JRの社長が謝りに来るそうだけれど、当たり前だ。JRだけがシャッター閉めて、駅にいる人、追い出して、あんな寒いところで野宿させて、私鉄や地下鉄は出来るだけ早く復旧させて、辛うじて動かして人も帰したりしたけれども、何ですか、あのJR東日本というのは。相変わらず中核だ、革マルというか、昔の過激派がコントロールしているから、あの組合のあの様になる。あんなもんだったら、公共のスペースだからといって、課税どれぐらいしているか知らないけれど、中に店がいっぱいあるわけだろう。町の商店街と同じように課税したらいいんだ、あのスペースに。

【記者】帰宅困難者に対して、駅周辺の大きなビルで全部抱え込んでいくと……。

【知事】それも1つの案でしょう。だけど、帰りたい人は、アメリカでも日本の何でもいいから、自衛隊の船に乗って帰ったらいいんだ、海軍の船に乗って。神奈川県とか千葉県なんか、東京湾の沿岸だったら、あそこまで乗って降ろしてもらったら歩いて簡単に帰れるじゃない?ここから横須賀まで歩いて帰ったら大変なものだけれど、船に乗って横須賀に降ろしてもらって歩いて帰れるんだよ。横須賀から東京へ通勤している人いっぱいいるんだから。千葉県だってそうだよ。

【記者】そんな遠くじゃなくて、23区内でも、練馬だとか……。

【知事】23区は歩いて帰るんだな、しょうがないから。

【記者】帰るんですよね。そのために、東京都がもう少し色々な形でコンビニにトイレだとか、水だとか、食料を用意しろとかいう協定を結んでいるようですけれども、もっと数を増やしていくとか。

【知事】何の数を増やすんだ?

【記者】簡単に言えばトイレの数ですとか、それから備蓄の量です。

【知事】コンビニなんか、そこらじゅう開いているんだよ、一晩中。トイレ使ったらいいじゃないか、そこの。

【記者】今のコンビニの中では数は少ないですよ、トイレは。

【知事】そうかね。僕なんか時々使うけれど。非常にコンビニエントだけれどね。

【記者】帰宅困難者の、その帰りたい人のためにもう少し……。

【知事】そこで行列ぐらいしたっていいじゃないか、そんなものは。そのために、災害に備えて路上に簡易トイレを置くわけにはいかないよ、そんなことは。

【記者】駐車場みたいな隣にあるところがありますから、そういうところをうまく利用してトイレの数を増やしていくとかしまして、帰宅困難者の歩いて帰れる人たちにも対策をもう少し講じてもいいんじゃないかなと。

【知事】なるほど。結構ですね。まず、新聞社にトイレ設けて、頑張れよ。お互いに頑張ろう。はい。

【記者】先ほど冒頭で知事が内閣の改造が月曜日に行われるということ……。

【知事】らしいよ。

【記者】らしいということをおっしゃいましたが、それに伴って、都知事は都政において役人をうまく使っていると思うんです。

【知事】どうかな。こっちが使われているかもしれないよ。

【記者】そうなんですか。だとしたら、役人をうまく使う方法など、何かアドバイスみたいなものをここでいただければ、次の内閣の。

【知事】東京の都庁の役人は、地方官僚でも「首都官僚」と私言っていますけれど、非常に生々しい現場を直に持っているんです。国の役人は、対象が大き過ぎるせいかもしれないけれど、現場を持ちません。彼らの現場は、どこからか上がってくる、こんな分厚い書類だよ。会議しても、それ読むだけなんだ。そんなものでは、現場感覚ないし、本当に、国民なり住民が納得するようなことにはならないし、だから、うまく使う使わないというのは、まず、現場を見させることです。尊大に構えて、下から情報上げてこさせろ、聞いてやるという形でいるけれども、この間もちょっと言ったと思うけれど、気仙沼の実態なんかにしたって、僕が行ってみて聞いて取り次いで、初めて知った。なぜ水産庁の役人が行かないんだ、そこへ。これが実態だよ、国の役人の。聞いて初めて知って、「よかった」と。よかったというんでは遅過ぎるんだよ。どうぞ。

【記者】五輪の話、もう1個だけ。その後、教育の話、聞かせてください。

【知事】もういいよ。

【記者】五輪のことで、震災から必ずや立ち直り、9年後の日本の姿を披瀝すると。被災地ともスクラムを組むということなのですが、そのスクラムの組み方として、例えば一部の競技を被災地で開催するとか、そういうようなお考えはおありでしょうか。

【知事】それも場合によってあるかもしれません。

【記者】例えばこんな競技やったらいいんじゃないかというのはございますか。

【知事】それは分かりませんけれど、IOCとの話し合いでしょう。ただ、原発も生々しい体験だけれど、あれだけの惨禍に遭って、その実態は世界の人、見ていますけれど、会場に、9年前の惨状の写真貼って、今これこれなったと、この町になったと見せることも、1つのプレゼンテーションだと思います。ただ、その前に、日本の財政が持つか持たないかだよ。それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)