石原知事記者会見

平成23年8月24日更新

石原知事定例記者会見

平成23(2011)年8月19日(金曜)
15時00分〜15時14分

知事冒頭発言

1 三宅島のバイクレースについて

【知事】冒頭、私から1つだけ申し上げます。
 三宅島のバイクレースですけれども、この秋、10月22日に三宅島でのオフロードのバイクレース(エンデューロレース)、耐久レースを開催します。本日からレースへの参加や観戦のためのツアーの募集を開始しますので、ぜひ多くの方々に参加していただきたいと思います。今年のレースでは、世界選手権でチャンピオンになったオーストラリアのライダー、ステファン・メリマン君ですか、エンデューロ世界選手権チャンピオンを4回取った、こういう選手も参加しますし、本格的なレースになると思いますが、昨年度、大変好評であった三宅島ならではの地形を活かしたコースで、総勢120台が参加して賞金をかけた、非常にエキサイティングなレースになると思います。
 今後もこうした取組を通じて、この島の持つ魅力を広くアピールして、三宅島の振興を強力に支援していきたいと思いますので、三宅島というのは非常に美しい島でありますし、どうか皆さんもたくさん、選手としてもあるいは観客としても三宅島に行っていただきたいと思っています。
 なお、賞金は30万円で、2位から10位まで賞金がありますが、オートバイのレースというのは、あんまり恵まれていないんじゃない、賞金が出るレースというのは珍しいんですけれども。
 それから少し工夫して、見ている前で、ああいうところをぐるぐる何十回も回るんじゃなくて、外輪山と内輪山のかつての牧草地ですか、砂漠になっているので、これを活用して、直線コースなども、非常にスピードを要するダート(土)のコースですけれども、そういうものを組み込んだエキサイティングなレースにしたいと思っていますので、期待してください。
 私から申し上げることは、それだけです。どうぞ。

質疑応答

【記者】上野のパンダについてお伺いします。

【知事】パンダ?またパンダかね。

【記者】パンダなのですけれども、体重が150キロを超えると繁殖に支障が出るという話があるみたいなのですが、現在リーリーのほうが140キロ前半で、これから秋に向けて、食欲の秋に向けて150キロをオーバーしてしまうのではないかということで……。

【知事】それは飼育係に聞いてくれよ。そんなところまで知事が知るわけないじゃないか。

【記者】ダイエットをしようという話もあるのですが、東京都として呼んでいることもありますので、知事、コメントをお願いします。

【知事】ノーコメント(笑)。
 どうぞ。

【記者】五輪の招致の関係で、都民に対してアンケート調査をなさるご予定はないのかと。以前、前回の招致で失敗された直後の記者会見で、民意を斟酌(しんしゃく)して決めると、一方的に決めることはないというふうに会見でおっしゃっているのですが、札幌市のように1万人のアンケートをして賛否を問うということをされるご予定があるのかないのか。

【知事】ありません。その前に政府も組み込んで、もうちょっと準備態勢というのを強化しないと、準備も出来ていないのに民意を問うてもしようがないですね。東京オリンピックをやった時は、池田(勇人)内閣であったけれど、大物の政治家がオリンピックの担当、あの時は佐藤栄作さんだったけれど、あの人が担当になって、すぐ首相になるわけだけれども、そういう挙国態勢というのをつくらないと。舞台は東京になるわけでしょうけれど。そういう準備をしないで、民意を問うといっても、これは無責任な質問になりますから。ある程度の準備の体制をつくった上で、そういう問いかけをしたいし、東京がすることで、それはキャンペーンになると思いますから。

【記者】ただ、前回の会見、招致を失敗された直後は、民意を斟酌して一方的に決めることはしないと、まず民意を問うということから始めるという……。

【知事】ですから、まず民意を問う前に、準備体制をこれだけ整えましたと。つまり、政府が踏み込んでもいない中で闘っても、結局この間みたいにああいう敗戦になるわけです。ですから、民意を問う前の準備というのは、しなくちゃいけないと思います。

【記者】震災を掲げている以上……。

【知事】あなた何が言いたいんだい。けちをつけたいのか。

【記者】震災を掲げて、五輪招致をされている以上、被災地の意見も聞くということでよろしいのでしょうか。

【知事】被災地の意見?

【記者】オリンピックの基金4,000億円……。

【知事】そんなものを含めて、国家全体の体制を作らなかったら、戦いにならない。そういうこと。

【記者】基金を復興資金に回した方がいいという……。

【知事】ほかの質問。どうぞ。

【記者】先ほど、高校野球で日大三高(西東京代表)が決勝進出しました。5年ぶりの東京勢の優勝がかかっていますが、知事から応援の一言をお願いいたします。

【知事】そのまま頑張って、久しぶりに勝ってもらいたいね。なかなか、高校野球というのは地方に思いがけない強豪がいますから。野球の名門みたいなチームはあちこちあるけれど、今度、本当に久しぶりに優勝旗を東京に持って帰ってもらいたいと思います。
 どうぞ。

【記者】菅(直人)首相が退陣を明言しまして、今、民主の代表選の話題がかなり盛り上がっているのですけれども、その中で大連立構想ですとか、色々な議論が交わされているのですが、知事として、どういう形になれば一番都にとっていいとお考え……。

【知事】そんなもの分からない。私は国会にいるわけじゃないし、民主党なんてよく分からないから。ただ、もう少し行政能力のある政権が出来てもらいたいですな。はい、どうぞ。

【記者】北海道の泊原発が再開されることになったわけですけれども、安全性の面で、大震災の前に試運転をやっていた泊原発ということになっているわけですが、その安全性については、どこまで保証されているのかということについては、十分、まだ議論されていないではないかと思うのです。そういう中で、北海道の高橋(はるみ)知事が再開を承認したという動きがあったわけですけれども、こういう流れを見て……。

【知事】あなたの言う、その北海道の原発の、その安全性、信憑性というものの論拠というのは、何によって担保されるんですか。北海道の知事の責任で再開しますという限り、専門家が専門的な技術、知識を駆使して、調べているわけでしょう。それ以外に何なの? 市民、北海道の道民の世論、そんなもので行政が左右されたら怖いことですよ、逆に。
 私が言っているみたいに、技術的な管理というのは決まったことやればいいんです。フランスはそれで事故起こしていないじゃないですか。人災起こしていないじゃないですか。フランス人が出来て、日本で出来なかったということは、組織とか管理体制が良くないんです。責任の所在がばらばらになっていて、一貫性がないんです。だから、フランスのまねをしてでも、政府が直轄するみたいな形で運営すれば、私は、原発はフランスが実証しているみたいに、管理の体制さえしっかりしていたら人災は起こらないと思いますけれど。
 ただ、ああいう事故が起こる可能性は、それは技術的にあるでしょう。確かに、それに加えて、未曾有の天災というものがあったわけですから。だけど、その天災だって、防げといったら防げないことはなかったと思うんだけれども。実際に1000年前の記録が出て来て、それを検証するため、この現代で、地質学者が1000年前の記録があるところまで行って調べたら、津波の痕跡があった。その報告をしていたのに、それを斟酌しなかったんじゃない、日本の政府は。これは人災じゃないですか。ほかに、どうぞ。

【記者】オリンピックの立候補都市についてお聞きしたいのですけれども、南アフリカが断念するということを、昨日、政府が明らかにしました。今、上がっているのがスペイン、イタリア、トルコと、正式に断念を表明すればヨーロッパとの対決になりますけれども、そこに影響はあると思われますでしょうか。

【知事】そうでしょうね。影響はあるといえばある、ないといえばない。複数の立候補都市が、その間、競争して落ちるものは落ちていくわけだけども、ということですよ。戦いというのは、やってみなければ分からないし、それを色々、斟酌するのは、IOC(国際オリンピック委員会)の専門委員会の方たちだし、日本は、あれだけのことを準備しましたけれど、そのオリンピックの招致運動、ビディングゲームというのは、裏も表もあるのよ。それを、ばか正直に頭から信じてやっても、それは、なかなか、日本の外交力と言いましょうか、日本人は、純粋、朴訥(ぼくとつ)といえばそれきりだけど、ばか正直なところがあって、そういったものも心得ないと、国際的な競争には勝てないと思います。いい勉強しましたよ。
 はい、次の人。

【記者】先ほどの挙国体制でオリンピック招致ということですけれども、知事みずから、国のほうに、今代表選も控えて、なかなか政府のほうがはっきりしない状況かもしれませんけれども、アクションを起こされるというお話になるということはありますでしょうか。

【知事】当事者の1人として、JOC(日本オリンピック委員会)と一緒になって、政府というものを、もっと積極的に踏み出させる努力はします。宮内庁も含めて、この間のビディングゲームの中では、非常に政府全体が冷淡だったね。私は知りませんというような感じで。

【記者】例えば担当の何か、ポジションを置くとか、そういう具体的に目に見えるような形で……。

【知事】内閣、影響力があるんで、総理大臣というわけにはいかないでしょうけれど。主要な閣僚は、内閣引っ張っていくために、閣議の中でも発言するチャンスが多々あると思うから、そういう力量のある政治家に、担当の大臣として座ってもらたいと思いますけれど。かつて池田内閣の時は、佐藤さんがそれやったんだから。それから、やっぱり石坂泰三みたいな立派な経済人がね、鈴木俊一さんを起用して、いずれにしろ、経済界もバックアップしましたからね。そういう、官民挙げてのナショナルイベントなんだから、場所は東京かもしれないけれど、東京がやってくれということで済む問題じゃないですよ。

【記者】その組織という意味では、前回知事が会長になられたオリンピック招致委員会という組織、今度、その前回を踏まえて、組織づくりで何らか、こう変えるとか……。

【知事】招致委員会というものの性格、もっと違ったもので、挙国態勢というのを表示するみたいな組織になってもらいたい。私が会長なんか務めるよりも、もっと、国を動かす力量のある人がトップに座れば、なお結構じゃないですか。それは政治家でもいいし、経済人でもいいし。
 今、そういう、本当に牽引力のある人がいなくなったよ。みんなのっぺりして、みんな同じでボーリングのピンみたいなもんだよ。

【記者】知事がなってほしい方というのは……。

【知事】いませんな。これから探します。皆さん、推挽(すいばん)してよ。この人がいいんじゃないかと言って。
 はい、それじゃあ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)