石原知事記者会見

平成23年11月17日更新

石原知事定例記者会見

2011年11月11日(金曜)
15時01分〜15時18分

知事冒頭発言

【知事】私から申し上げることございませんから、質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】都庁と全く関係ない話で恐縮なのですが……。

【知事】関係ない話するなよ。

【記者】先ほど、文部科学省で、巨人軍の球団代表が会見をしまして……。

【知事】プロ野球、あまり関心ないんだよ。

【記者】ヘッドコーチの人事権をめぐって、渡辺恒雄さん(読売新聞グループ本社代表取締役会長・主筆)と対立し、渡辺恒雄さんを批判するような会見をしたのですが、ご存じですか。

【知事】渡辺さんというのは実質的なオーナーで、大実力者。同時に、巨人軍のファンなんだろうから、天の声というのもあるだろう。一々そんなことに目くじら立てて、事を面白くするのは、悪いメディアの傾向ですよ。ちゃんとしたメディアが、そんなことで一々話題にもしない方がいいよ。
 どうぞ。

【記者】大阪のダブル選挙始まって、今度は市長選も告示になってくるわけですけれども、大都市制度のあり方が争点になっていて、橋下(徹 前大阪府知事)さんは大阪都の構想、要は、府と市の合併ということを掲げているわけですけれども、東京の場合の都の成り立ちの経緯というのは、東京も東京府と東京市が合併して都ができたわけですが、当時は、戦時中だったわけですね。

【知事】色々と行政の区分というのは、歴史的な推移があって、その時の事情事情で、勝手な、気ままというか、その場しのぎのことをやってきたんだろうけれど、結果を見ての話だと思いますが、私は、大阪の場合には、ちょっとおかしいと思いますね。市議会があれだけ強く力を持って、府議会に力がないというのは、非常にバランスを欠いていると私は思います。それを、どうこうしようと、私が言う立場でもないけれど、府知事になってみたら、その矛盾というか、いらだちというのがだんだん募ってきて、橋下さんも、今度の挙に出たんだと思うけれども、痛感したのは、自分が参議院の選挙の時に、大阪でもいろいろ仲間に手伝ってもらった。その時に、中山兄弟が手伝ってくれたんですが、市議会議員の正暉さんと府議会議員の中山太郎さんでは、ちょっと、迫力というか、こんなに違うものかなという実感があった。その後、それが行政の上で具体的にどういう形でひずみになっていくか、知りません、大阪の事情は。ただ、外部から眺めても、非常に市議会が強くて、府議会が弱いというのは、大阪府があり、その中に市があるはずなのに、大阪市も政令指定都市なんでしょう。ということは、この間も首都圏会議(九都県市首脳会議)の時に質問が出たけれども、政令都市そのものの存在がおかしいと思うし、この今の日本の中で、47都道府県みたいな形の行政区分もおかしいし、道州制の問題も当然出てくると思っています。これを、一挙にどう変えるかということは、なかなか至難のことだと思いますが、そういう行政区分の現実を踏まえての矛盾の上に、今度の問題も出てきたんだと思います。その発端は、何か水道の事業の問題で、僕もそのことは具体的に分からない。

【記者】今、府の……。

【知事】報道陣なんだから調べて教えてくれよ、逆に、人に物を聞かずに。君らは全国をカバーしているんだろう。こっちは、東京しかカバーしてないんだから。
 ほかに質問、どうぞ。

【記者】中央区は、築地市場の跡地の利用の仕方について再利用計画をまとめまして、以前は卸売などの市場機能の一部を残す案もありましたけれども、決定では、小売に特化した施設ということで、都に協力を求めていますけれども、知事はどのようにお考えでしょうか。

【知事】案を拝見した上で、できることは協力いたします。まだ知りません、具体的に、どんな案か。
 どうぞ。

【記者】先日、国の発表で、生活保護受給者の数が205万人と、戦後の混乱期よりも増えたという状況が発表されたのですが、東京都内もかなりの多くの受給者の方がいらっしゃると思うのですが、こういう現状についてどうお考えでしょうか。

【知事】戦後の混乱の時の生活保護者の存在と、現代における、そういう人たちの存在の意味というのは違ってくると。この間も、外国のエコノミストと話をしたんだけれども、円高がまかり通っている。その理由は、相対的に眺めて、色々な問題がある。例えば、日本の国家の債務というのは、GDPの2倍というべらぼうなものだけれども、その内訳「その他」を見ても、ここでごたごた言いませんが、相対的に眺めて、日本の経済、日本の社会は安定しているという1つの所以は、それだけの数の生活保護者というものを抱えて、それに生活保護費というのを支給しているということの経済のダイナミズムと柔軟性というか、そういう許容力というものを、我々から見れば、過大評価されているのか知らないけれど、そういう1つの指標になっているんです。こういうべらぼうな数の生活保護者を、例えば、イタリアとかスペインとかポルトガルとかギリシャが支えられるか。支えられないね。ある意味、日本社会の、特に経済の強さの1つということになるのかもしれない。決して、誇るべき問題でもないと思いますが、高齢化社会というのが進み、それから失業率との兼ね合いなの。その失業率だって、相対的に、そんなに外国に比べたら高いものではないんですよね。その中で、国民の負担で生活保護者をそれだけの数抱えているというのは。この間も、新宿で大火事があって、1人で暮らしている、ほとんどの生活保護者の実態を、どこかのテレビが報道していまして、私も非常に印象深く見たんだけれども。ですから、いい悪いの問題じゃなくて、ほかの国の実態とバランスで比べてみると、ある意味では、それだけの数の生活保護を受ける人達を国民が支えているというのも、国の1つの力の表示だと言えるわけで、それを外国はそういう形で評価して、円高につながっているというのは、ある意味、非常に皮肉な循環だと思いますな。
 はい、どうぞ。

【記者】知事、今日で震災からちょうど8カ月がたったわけですけれども、都は人を継続的に送り込んだりと引き続き支援を続けているわけですが、現地のボランティアセンターに取材してみますと、冬場になって、どんどん数が減ってきていると、そんな声も聞いています。被災直後の空気感とは、また今、変わってきている部分があると思うのですが、この震災から8カ月という日に、知事は都民の方にどんなことを伝えたい、呼びかけたいというふうに思われますか。

【知事】東京というのは、まだまだ力があるし、力のある者が力のない者に力を貸すというのは、人間の社会で当然の持ちつ持たれつの問題だと思いますよ。だから、瓦れきの処理の問題だって、東京がやるべき仕事の1つで、これは東京のためじゃないけれども、国家のためだし、同胞のためだから。同胞という言葉を、私としては、もう一回考える必要があると思う。聞いてみると、大阪なんか、東日本大震災は話題にもならないそうだよ、あれだけ離れてしまうと。それも情けない話だよ。
 はい、どうぞ。

【記者】知事、前に伺ったことあるのですが、この機会なので、改めてTPP(環太平洋パートナーシップ協定)について、今、ぎりぎりの段階ですので、お話を伺えればと思って。

【知事】何を言いたいんだね。私は基本的に反対ですな。

【記者】それは伺っているのですが。

【知事】例えば、あれは東京だけじゃないと思うよ。東京は東京なりの決断してやったんですが、遺伝子組みかえの食べ物、これは結果がどうなるか分からないんです。10年とか20年たってみないと。ですから、アメリカは大丈夫だと言うけれど、その科学的根拠はどこにあるかといったら、よく分からない。彼らは「大丈夫だ」と言うだけ。だったら、アメリカからその作物を買わないわけにいかないだろうから、東京で売る場合には、これは遺伝子組みかえの商品です、これは違いますという形で、お客さんに判断させて選択してもらえと。値段の違いもあるのかもしれないけれど、いずれもそれを踏まえて判断してもらいなさいということを言って、実施しているわけです。そのステッカーを外せというんでしょう、アメリカは。そんなばかな話はないよ。日本人の食生活を通じての生命の安全に対して、アメリカはどういうギャランティー(保証)ができるんですか。それもせずに、ただ物をやたら売り込むために、今やっている遺伝子組みかえの、アメリカが専らやっている、そういう食品の識別を、アメリカが介入してきて、やめろと言う筋合いはないと思うよ。これも1つの横暴、横着だと思います。それ1つもって、私は許せないね。詳細に各項目について、どういう要求をこれからしてくるか分からないけれど、今の総理も、相当しっかりして、対応した方がいいと思うよ、本当に。

【記者】まず交渉に参加してみて、色々まだ分からないところ等が、これから分かるんじゃないかという部分ではどうなのでしょうか。

【知事】それはそうでしょう。最初からテーブルにつかないという訳にいかないんじゃないでしょうか。ただ、こういったものを持ち込む、腰抜けの外務省の姿勢というのは、もう全部対米追従だから。今日も対談に行ってきたんだけれども、菅沼(光弘)さんという、かつての公安調査庁の第二部長というのは、外国の情報を全部とる責任者です。彼の本も読んだけれど、あるみたいね。日本の官庁の連絡の情報というのは全部、(青森県)三沢で盗聴されているのよ、エシュロンという装置で筒抜けなんですよ。日本の政府の手のうちなんて全部知れている。ポーカーならポーカーのカードやって、こっちはカードを全部開いて、向こうは伏せて勝負しているみたいなものだから、そういう状況の中での交渉というのは、とても危ないと思うし、それを今の政府がどれだけ認識しているか分からないけれど、日本の政府関係の情報、主な政治家のプライベートな情報も全部流れているのよ。私なんかもちゃんと把握されていますよ、向こうに。その筋の人間から聞かされたよ。これこれの問題について、この人はこんな問題がありますけれど、云々。そういう実態の中で、特に、こういう大事な交渉が始まるとした時に、日本の役所の中の往復の交信なんて全部知られているんだよ。その中で、テーブルにつくことも結構だろうけれど、日本は一体どういう情報を持って、相手の手のうちをどこまで読んでやっているかというのは、日本の役所というのは全部盲信だから、アメリカの言うことを、よほど注意してやらないと、後でほえ面かくことになると思いますね。遺伝子組みかえの商品についているステッカーを外せと、どういう根拠なんですか。勝手に先に死んでも構わないぞ、俺は知らないぞと、今だけ買うものは買えというんだったら、こんな交渉は交渉にならないと私は思います。この1項目限って言っても。
 はい、どうぞ。

【記者】教育委員会を取材していると、傍聴したりしていると、教育委員のうちに瀬古(利彦 エスビー食品株式会社スポーツ推進局局長)さんがいらっしゃって、川淵(三郎 日本サッカー協会名誉会長)さんがいらっしゃって、スポーツ関係者の内館(牧子 脚本家)さんも相撲に造詣が深かったり、子供の体力の話というのが非常に多くて、子供に万歩計つけて体力をはかってみるとか、アスリートを学校に派遣するとか、これだけ体力向上に力を入れる必要性というのは、知事、どのようにお考えでしょうか。

【知事】あるじゃないか、全然。健全な精神は健全な身体に宿るんだよ。物事の発想がまともにいくわけないよ。外国の子供に比べても、アベレージ、白人と日本人では体格の違いがあるかもしれないけれど、それにしても、今の日本の子供というのは、頑張らないわな。しかも、徒競走で100メートルでゴールする時は手をつないで、平等に入るなんて、こんなばかな教育やったら、精神までだめになっちゃいますよ。そういうことよ。
 はい、どうぞ。

【記者】今週、アメリカ政府が、宇宙人がいる証拠はないという公式見解を出しました。軍などが宇宙人と交渉しているという噂を否定するという意図があるようなのですけれども、知事、いろいろ軍の施設などを視察なさったりしていますが、今回の公式見解、どのように受けとめますか。

【知事】宇宙人そのものが、どこにどういう形でいるか分からないけれど、前にも言ったと思うけれど、ブラックホールを発見したホーキング(スティーブン・ホーキング イギリスの理論物理学者)が言ったみたいに、文明がこの程度進んでくると、地球に限らず、星の循環というのは非常に不安定になって、宇宙時間で言うと、瞬間的に地球時間で100年ぐらいで消滅する、あれから、40年たったわけだけれど、その時に質問が許されて、他の人が言っていましたが「宇宙の中に、地球並みの文明持っている星が、200〜300万あるというんだったら、なぜ宇宙人来ないんですか」と言ったら、ホーキングがその時に「そういう文明は、自分の星の循環を狂わしてしまって、あっという間に消滅する」と。地球もその段階じゃないですか。例えば、地球がこれから1,000年、2,000年続いて、宇宙船飛ばして、他のプラネットに飛んでいく可能性がないと同じように、他の星も同じことなんじゃないんでしょうか。ですから、ペンタゴン、ホワイトハウスの下に宇宙人がいるなんていうのは、ハリウッドの二流映画の発想だと思うね。
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)