石原知事記者会見

平成23年12月9日更新

石原知事定例記者会見

平成23(2011)年12月2日(金曜)
15時00分〜15時12分

知事冒頭発言

1 東京マラソンのチャリティについて

【知事】冒頭、私から1つ、東京マラソンのチャリティーについてですけれど、どうも、集まりが悪いね。来年の2月26日に東京マラソン2012を開催しますが、これまで新たな取組を、数多く実現してきた東京マラソンでは、前回大会から、我が国初となります、本格的なチャリティーランナー制度を導入しました。集まった善意を、東日本大震災の孤児を支える活動や難病と戦う子供たちが家族と過ごす時間を増やす活動などに寄付することができました。今回は、チャリティランナーの定員を3,000人に増やしまして、東日本大震災では多くの人々がボランティアに参加をしましたが、こうした日本人が本来持っている素晴らしい部分を、同胞を思い遣る復興支援への思いに込めたものでありますが、東京マラソンは非常に人気が高くて、なかなか当選しないんですけれども、今回大会のチャリティランナーは12月16日まで受け付けておりますので、現在、約1,400人の申し込みを受けておりますけれども、一般ランナーは28万人以上の申込があるに関わらず、チャリティランナーの申し込みは、その0.5%に過ぎません。ロンドンマラソンでは60億円規模のチャリティが行われていまして、1万5,000人がチャリティランナーとして他人のために、自分のためにも走っているわけですけれど、昨今、東京に端を発して、あちこちにあるみたいだけれども、自分の親の弔いもしないような、その年金を詐取するみたいな我欲の強い人間が跋扈(ばっこ)している世の中で、東京マラソンのチャリティに参加して、自分のためと同時に、他人のためにも走ることで、ひとつ、日本人の気概を見せていただきたいなと思っております。
 私から申し上げることは、それだけです。質問があったら、どうぞ。

質疑応答

【記者】この前、月曜日にオリンピックの評議会が発足しまして、メンバーに作詞家の秋元康さんが入っております。秋元さんは芸能界を代表して、こちらに入ったと思うのですけれども、秋元さんに期待することは、知事は何かありますでしょうか。

【知事】秋元さんはよく知らないんですよ。スタッフが選んで、白羽の矢が立ったんでしょうけれど、いずれにしろ、ジャンルの違う人たちが、それぞれの立場で、色々なアイデアを出してもらうことで、オリンピックへの期待も高まってくると思いますし、異色なスタッフで、ある意味で異色な発想をして、オリンピックを盛り上げてくれたらと思いますけれども。
 はい、どうぞ。

【記者】先日、大阪市長選で当選された橋下(徹)元知事と、その後、会話を交わされましたか。

【知事】まだしていません。幾つか機会があるみたいで、ゆっくり話しますけれども。応援に行ったことを、一々「ありがとうございました。」なんて電話してくることはない。忙しいんだから、お互いに。どうぞ。

【記者】間もなく12月8日が来ます。1941年に日本の真珠湾攻撃で太平洋戦争が始まってから70年になります。これまでの、あるいは現在のアメリカとの関係を踏まえて、一言お願いいたします。

【知事】一言では言えないね。日本はずっとアメリカの妾で来たんだから。大体、そんな無条件降伏するのはばかで、ドイツ人は、ちゃんと条件つけて降伏したんだ。戦後のドイツの新しい憲法はドイツ人がつくる。新しい教育はドイツ人が発想してやると。日本人は何もかもアメリカ任せで、色々なものを収奪されたのは仕方ないかもしれないけれど、精神性といいますか、国家、民族の自主性まで収奪されて、率直に言ってアメリカの情婦ですよ、日本は。敗戦を終戦と言うレトリック(修辞)で、日本人は、そのプライドを守ったのか知らないけれども、こてんぱんにやられて負けたんだ。しかし、それはそれで、アメリカの戦後の統治が、すべて日本にとって正しかったかといったらとんでもない話だね。例えば、同じ枢軸で戦ったドイツと日本の国家、民族の今の意思の表示なんか見てごらんなさいよ。私は、随分違うと思います。ドイツは残念ながら、1回、2つに分割統治しましたが、随分違ったと思います。
 この間も言ったけれども、視聴者の皆さん、覚えておいた方がいい。日本が降伏した日とドイツが降伏した日に、アメリカの代表的なニューヨーク・タイムズが社説を書いた。ドイツの降伏は、日本より数カ月前でしたけれど、その時のアメリカのメディアの総体的な意思、全体の意思は、ニューヨーク・タイムズが表示していますけれども、「これは優秀な民族だから、ナチスに非常に道を間違わされたけれども、この復興のために我々は、皆で力を貸そう」と書いてあるけれども、日本の場合には漫画がついていて、醜悪なクジラよりもっと大きいナマズの化け物みたいな怪物がひっくり返って、その大きな口の中にアメリカの兵隊が鉄かぶとをかぶって入っていって、やっとこで牙を抜いている。解説には、「この醜くくて危険な化け物は倒れはしたが、まだ生きている。我々、世界の平和のために、この牙を徹底して抜いて、この怪物を解体しなくてはいけない。」そこからアメリカの統治始まったんだ。それに甘んじてきたんだよ、日本人は。君ら若い人間は分からないかもしれないけれど。戦後の推移というのを。本当にアメリカさんにさんざんやられてきたんだ。今でもそうですよ。特にだめなのは外務省だね。これはもう本当にだめ、腰抜けで。
 ほかに質問あったらどうぞ。

【記者】野田(佳彦)総理が、消費増税について、年内に素案、年明けにも大綱ということで具体的におっしゃいましたが、それに関して、知事はどういうふうにお感じでいらっしゃいますか。

【知事】話が長くなるかもしれないけれど、この間も、外国の、名前は言いませんけれど、大きなファンドマネジャーと話した。エコノミストとしても優秀な男だけれど、それが、総体的に眺めて、日本は、遥かに財政的に期待が持てると。だから、円高になるんだと。その幾つか理由ありましたが、その1つは、日本人もばかじゃないから、これだけの高いレベルの福祉をやりながら、こんな低負担で済むわけがないということ、やがて分かるだろうと。その時に、例えば、福祉なら福祉というのに限って、目的税として、消費税を上げざるを得ませんなと。当然、上げざるを得ないでしょう。上げるというのを想定すれば、日本の財政は、そこでかなり持ち直すし、そのほか、財務省が隠している、色々な財源がある。これもはき出させたらいいと。そんなこんなで、私たちは、円というものに非常に期待をつないでいますから、円高になるのは仕方ないということだけれど、言われてうれしいような、ありがたくないような、迷惑なような感じがしますが、そういうことなんで。消費税だけを先行して云々というのは、野田総理も財務省のパペット(操り人形)だね。ランニングドッグ(手下)だと思いますね。もっと、総体的に、色々な案を出すことで、日本の財政は再生できるけれど、消費税だけに物を頼るというのは、非常に短絡的だし、財務省の役人らしい、限られた、自分たちの負担というか、抱えているものをはき出させようとする1つの方策でしかないと思うけれど、それはそんなもので済まないと思います。当然、消費税は私は上げざるを得ないと思うけれど、プラスアルファのことをしないと、国民は反発するんじゃないでしょうか。
 はい。

【記者】先日ちょっとお話があった、知事に期待を寄せていらっしゃる亀井(静香 国民新党代表)さんは、消費増税にはかなり慎重な立場ですけれども、その辺りは……。

【知事】彼は彼で、自民党の政調会長の時に財務省とけんかして云々という話をするんだけれど、それなら具体的に財務省に何をやらせると言ってくれと。言わないで新党とか何とか言っても、それはだめだよと。国民は納得しないし。増税に反対だとするんだったら、それに代わる政策、方策というものを、君は心得ているなら具体的に話してくれと言うけれど、あまり出てこないね。ほかにも案ありますよ。彼だけじゃなく、言っている人は。例えば、相続税の代わりに、無利子の国債を買ってもらうとか、色々な案があるだろうけれど、それは合わせてやることで、日本の財政というのは速やかに回復すると思うけれど、単に消費税を上げるだけでは、とてもおぼつかないと思います。はい。

【記者】11月30日に給与改定がなされ、可決されたようなのですけれども、都の人勧の削減率、確か0.24%ですか。野田総理の方、国の方では7%から8%を考えているようですけれども、東京都の場合はそこへ行かなかったというのは……。

【知事】物事の推移を眺めて、物言わなければだめなんだね。東京は、国がやるべきことをとっくに先にやってきたから、今その削減で済むけれど、国はやってこなかったんだから、歴代。当たり前じゃないですか、今では、歳出の削減するのは。人を減らしてもいないし。大体、国に対する人事院勧告なんていうのは、国の役人が構成する組織だから、役人が役人を守っているんだよ。あんなものはベースダウンを食いとめる、首を切って減らすということを防ぐバリアにしかなってないんですよ。東京はやってきましたよ、国がやらないことを先に。だから、その程度で済む。この時点で、7%、0.何%を比較してもだめよ。あなたが、物事をよく知らないの。

【記者】それで。

【知事】それで何だい。それに尽きるよ、俺の言うことは。

【記者】東京都の一般職員の給与の平均値。これが幾らになっているかと言いますと、662万円、年収ですよ。それから、東京都の一般の会社の社員の所得が415万円※。これだけの差があるということについては、どういうふうにお感じになるでしょうか。

【知事】民間の企業といっても、ピンからキリまであるんですよ。自助努力をしていない企業もあるし、やっているところもあるし、合理化をしているところ、していないところもあるんで。その結果、そういう平均値が出たんだろうけれど、大事なことは、国の役人の給料と都の職員の給料の比較をやってもらいたい。それで物を言ってもらいたいんだよ。同じ公務員なんだから。こっちはそれだけの合理化をやってきたんだから。
 はい。それじゃ。

(※いわゆる所得とは、年収から各種控除額(社会保険料控除、扶養控除等)を引いた額をいうため、年収と所得とを単純に比較することはできない。また、「県民経済計算(平成20年度)」(平成23年4月26月内閣府発表)によると、東京都民1人当たりの所得額は415万円と算出されているが、これは雇用者報酬、企業所得、財産所得を合計したものを総人口で割って算出したものである。)

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)