石原知事記者会見

平成24年6月4日更新

石原知事定例記者会見録

2012年5月25日(金曜)
15時02分〜15時22分

質疑応答

【知事】私からは冒頭申し上げる事はございませんから、質問があったらどうぞ。
もう石原新党の話はしないでくれ。そんなもの、何も決まってないんだから。それ以外の質問なら受けるけれども。
 はい、どうぞ。

【記者】五輪招致の支持率についてなんですが、東京が調査した結果は65〜66%と賛成がなっていまして、昨日のIOCの数値は47%だったんですが、知事はこのどちらの数字がより現実に近いとお思いですか。

【知事】知らない、私。自分自身でそんな調査をしたこともないし。人の心ってまちまちだから。大体、日本人というのは、何に本当に関心があるか良く分からない民族になっちゃったんでね。どうでも良い、そんなものは。それを上げる努力をするだけの事で、他に比べて低いんだったら。スポーツの競技の記録とも違うけどね。
 じゃあ一体、日本人は今何を望んで、何を実現したら胸がときめくのかというと、もう何か非常にちまちました自分の我欲の充実でね、そういう点でも、非常に痩せた民族になっちゃったという感じはしますがね。

【記者】今週に入って東京スカイツリーがオープンしたり、オリンピックの第1次選考も通過したり、東京が活気づいているように思いますけれども、このムードについては、知事はどのようにお考えですか。

【知事】オリンピックじゃ活気づいていないんじゃない。今質問があったみたいに、東京の支持率が低いんだったら。東京って、そういう街になっちゃった、薄っぺらくて薄情なね。スカイツリーは良いんじゃないですか、ああいう名所ができると物見高い人がわーっと行って。高度恐怖症の人は、あの下の見える窓へ行って立ってみたら良いんだ、治るよきっと。
 はい、どうぞ、ほかに。

【記者】5月18日の事なんですけれども。

【知事】そんな昔の事は覚えてないな。

【記者】愛知の大村知事が、知事がですね、かけはし塾を使って塾をするという事で…。

【知事】君、言っとくけどね、政局に関係ある事、人が何言った件って、俺、一々そんなの精通していないのよ。大村なんてあっち行ってべらべらべらべらしゃべる男でね、私は別に彼の事はあまり多としてませんからね。

【記者】たちあがれ日本の政治塾は借りもので、それを借りて石原さんはやっていると。で、一人ぼっちでやってるだけだというような話を大村さんがしてるんですが。

【知事】あ、そう。そうかも知れない。大村の言う通りかも知れないんじゃない。君、行って聞いてこいよ、その信憑性を。つまらん質問するな、こんな時に。
 はい、ほかに。

【記者】今月の10日に都知事に直接請求のありました、原発都民投票条例に関する質問です。32万人を超える署名があって、都知事のもとに届けられた今回の条例制定の請求なんですけれども、請求の趣旨、条例案などに対する、都知事もご覧になっていると思いますが…。

【知事】まだ見てない。まだ見てない、そんなもの。見たら見たで反論します。日本全体が原子力に関してヒステリーになってて、あっちもこっちもなってるけど、その問題はどういう形で出ているか分かりませんが、彼らの要望の具体的な検討をした上で、評価もし、返答もします。決めるのは東京都で決めます。議会で決めます。

【記者】今、静岡でも同様の県民投票の署名等が始まっていて、新潟でも同じような動きがあるようですが。

【知事】それは日本中あるじゃないか、もうヒステリーになってて。もうちょっと頭冷やして、もっと正気に、ものを冷静に分析的に総合的に考えたらいいんだ。それを決めるのは、行政の責任、議会の責任ですから、責任持って判断、対処します。

【記者】原発の再稼働についてお伺いしたいんですが、知事はかねてから脱原発には反対だとおっしゃっていて…。

【知事】いや、反対じゃないんだけど、唱えるなら唱えるで、その前に行政の主体者の政府があるタイムスパンを設けて、10年なら10年の中で何%の経済成長を望むのか、望まないのか。望まなければ、今の成長よりもっと生活の質が下落してもそれで満足するのか。そういう調査をして、その意識調査の上で、ある決めたタイムスパンの中で、皆が同意する経済成長を確保するために、どれだけエネルギーをヘッジするか、そういう分析をしないで、その時に原子力が一体そのうちの何%を占めるべきか、べからざるかという事を、そういう大事なシミュレーションもしないで、一部、二部の現象を捉えてヒステリーになってるんだから、後になって後悔するよ。君らメディアもそれを焚きつけているからな。
 ただ、昨日毎日がすっぱ抜いてた、あの原子力ムラの会合なんかでも、ああいう事は多々あって来たし、実際にあるんだろう。結局、あれは何を象徴するかと言ったら、国家官僚の国家支配ですよ。そういうものを壊さなくちゃいかんと私は思いました。原子力問題に関してもね。
 ただ、フランスというかなり知的なレベルの高い、日本と似ているセンシビリティ(感受性)を持っている民族がやっている原子力の行政は、向こうでは成功し事故を起こしてないのに、何で日本で起こしたかと言えば、システムが悪いんですよ、日本の。通産と東電と政治家がグルになって利権行動をやってだね、そういうものを直してかかればだね。それから、立地というものも、日本の地政学的な条件等を考えて勘案すれば間違っていたと思いますよ。そういう事です。

【記者】で、ちょっと質問したいんですが。

【知事】ちょっと?今の質問で良いんじゃないか。

【記者】知事は、原発の再稼働について、国がお墨つきを与えた原発であれば、政府の責任で速やかに稼働すべきだということをおっしゃっていると思います。

【知事】俺はそんな事は言ったこと無いな。国のお墨つきって、一体何なんだね。

【記者】原子力安全委員会で安全が確認…。

【知事】それそのものが不安定だから。だから、そういうシステムそのものを直さないと、おたくの新聞がすっぱ抜いた、非常に疑心暗鬼の、見るものをして非常に不安な、閉ざされた、一部の人間たちがものを決めるという、そういう状況が続く訳でしょう。あの報道が合っているかどうか分かりませんよ。だけどね、そういう事なんだよ。
 はい、次。

【記者】原発、住民投票の関係でちょっと教えていただきたいんですが、これまで、議会があるから良いじゃないかというような事を知事はおっしゃいまして、どちらかというと否定的なお考えなのかなと思うんですが。

【知事】いや、それは議会は受け止めますよ。しかし、ものを決めて修正したりするのも議会の責任じゃないですか、選ばれた。それが議会制民主主義というものの主要なメカニズムじゃないの。一部の人間がわーっと言って、その人間たちの数が何十万集まったか知らんけど、それをいちいち斟酌(しんしゃく)しなきゃいけないっていうのは、言うとおりにしなきゃ、そんな義理はないし、そんな形で行政なんて行えるものじゃないですよ。頭冷やして考えろよ、そんな事は。

【記者】ちょっとすいません、確認させていただきたいんですが、今回の住民投票のテーマが、原発の稼働の是非を問うという事、原発の事だから否定的なのか、それとも、住民投票という制度そのもの自体に否定的に考えていらっしゃるのか。

【知事】いや、住民投票、結構ですよ。しかし、それを受けとめるのは議会で、あくまで物事の最終決定は議会ですよ。だって、議会は皆に選ばれて構成されてるんじゃないですか。
 だから、住民投票、結構だよ、動議出してきたら良いよ、それは。開かれた社会なんだから。それを、是非を決めるのは君らじゃないよ。君らに選ばれた議会だよ。行政の首長である私でもあるよ。そうでしょう。
 はい、どうぞ。

【記者】尖閣諸島の件なんですが、知事は、尖閣諸島購入の理由を、領土を保全するという大きな目標を持たれておるかと思うんですが、ただ、地方自治法上ですと、それは国の仕事であって、都はあくまで身近な行政をやれというふうに規定されております。都としては、都民のためになる相応の理由をつけて議案をつくるなりしなければならないんですが、そのあたりについてはどうお考えですか。

【知事】東京都はとにかくお金も集めて、尖閣を、非常に不安な形でいる個人の所有者から買う必要はもともと無いんだ。やるなら国がやらなきゃいけないんだ、こんな事は。ところがだな、外務省っていう腰抜けの役所が、一々、自民党の時もそうだけど、政府を規定して野放図な事をして来たんですよ。
 今年の2月か3月に、シナは、日本の実効支配を破壊するために、私はもっと果敢な行動を取ると、そのための機材も揃えるって宣言した。お前の国に強盗に入るぞと言われて、戸締まりしない人間がどこにいますか。国がやらないんだから、しようが無いんだ。
 君、知ってるかどうか知らないが、平櫛田中(ひらくしでんちゅう)っていう有名な彫刻家がいた。晩年、相当な年まで立派な作品をした人だけど、その人が、頑張りますなと言われたら良いことを言ったんだよ。有名な言葉だけど、「俺がやらなきゃ誰がやる。今やらなきゃいつできる」。私はその言葉を思い出したね。国がやらないんだ、私たちがやるしかないじゃないですか。都民だって国民なんだよ。日本の一部が、勝手な野放図なことを言ってる国に侵食されて、領土が奪われて、だんだんだんだんそれが広がっていってね、その度に日本人があきらめていたんでは、この国はもたないと思うね。
 君、尖閣なら良いのか、シナへ行っちまって。困ると思うね。誰でもそう思ってると思うよ。俺はダライ・ラマと仲良いけど、ダライ・ラマと話して、向こうの惨状を聞きますと、本当に気の毒だね。チベットだって、モンゴルだって、皆そうやって侵食されたんじゃないですか。かつてのシナの政権の、地図の中の版図、ここまでがシナならシナの領土だという、あれ見ると、あの万里の長城が表象するみたいに、ごくごく限られたものだったものね。共産党が政権取って、軍事力を背景にして、どんどんどんどん欲望を拡大していくと、内モンゴルまで侵食して、外モンゴルは辛うじて残っているけども。それから、チベットは完全に奪われちゃったじゃないですか。それは悲惨極まりない、行ってみると分かるけど。
 僕はああいう風になりたくないね。東京をそうしたくない。その発端に尖閣を、私はシナに取られて、あそこが日本の領土でなしになるのは見るに忍びないから、国がやらないから、しようが無いから東京がやったんだ。それに呼応して出した、今日にも10億集まりますよ、拠金が。これはありがたいことで、日本人の心意気ってまだあるんだなと、そう思ってます。

【記者】知事が尖閣をこのままではいけないと思うのは、本当ごもっともだと思うんですけれども、正式な形で国にちゃんと尖閣をしろと、一度ちゃんとそういう形で…。

【知事】散々言ってきました、私は。散々。代議士の頃から散々言ってきた。自民党の政府も腰抜けだった。外務省に左右されて。昔の外務省というのは、田中角栄がシナに行って実務協定やった時に、訳の分からない航空協定をやり出して、これを私たちは反対した。その時の外務省の役人は、周恩来と大平の間に交わされた密電、秘密の電報をわざわざ持ってきて、暴露してね、一緒にご飯を食べようと思ったら、彼は泣きながら飯食わなかった。「こんな事がありますか。こんな外交がありますか。私、これを許せません」と、泣いてたよ。そんな役人はどこか行っちゃった、もう。今の外務省、本当に横田の問題も全部腰抜けだ。誰を気にしてるんだ、一体、日本の中央の政府というのは。自民党もそうだったよ。そんな役人を相手にするのが私、嫌になって、辞めたんだ。
 東京がやる前に国がやってくれるといったら、東京は別にそんなことに苦労せずに済んだんだよ。君らの責任だ、君らの、メディアの。今まで日本のメディアがだな、尖閣何とかしろ、国が何とかしろと言った事あるか。
 はい、どうぞ。

【記者】尖閣諸島を購入することによって、その周りの国々との関係はどのように変わったりするという風には思われますか。

【知事】日本人が日本の領土を確保するために、その手を尽くすことで、シナ以外の国がどこが異議しますか。
 はい、どうぞ。

【記者】尖閣の関係なんですけど、日本列島に台風接近という話がちらほら聞こえてきますけれども、これから台風シーズンが近づいてくると、上陸調査等、難しくなってくると思うんですけれども、それの進捗状況というか、政府に対する申請等はどうなっているんでしょうか。

【知事】行くときゃ行きゃ良いんだよ。東京は船持ってるんだから。

【記者】現時点の進捗というか、進展。

【知事】谷垣(禎一 自民党総裁)君に言ったんだけど、民主党を巻き込んで、同憂の士がたくさんいるんだから、国政調査権を持っている国会議員が申請して、あの島へまず行って調査をすることが必要じゃないですかと言ったら、彼は、それじゃ委員会にかけて、理事会で決めます。理事会で決まっているそうだ、半年前に。何で行かないんだと言ったら、行こうと思ったら政府が反対し、保安庁が船を出さないんだって。だったら東京都の船貸してやるよ。行ったらいいんだよ。

【記者】都としての申請はまだされていないんでしょうか。

【知事】これから。まだ東京都は、完全に取得したわけではありませんからね。今、地主が、国の契約で、来年の3月まで、契約の中で、契約の期間中は人に島を売らないという約束をしてますから、それが終わった時に、今、内定している契約はちゃんと実行して、東京が所有する事になるでしょう。

【記者】都として購入する前に、現地調査して測量することが必要であるやに伺っているんですけれども。

【知事】それは、ある時点で、売買の契約をきちっと固定化して、今、弁護士が話し合っていますけどね。それが内定した段階で申請します、当然それは。

【記者】現時点では、取得手続きに進捗は特にないという事ですね。

【知事】いや、向こうの代理人は、私の親しかった、弁護士の資格を持っている松永光君になったんで、昨日か一昨日彼と話しましたし、向こうの代理人がまた代わっちゃったんでね、前の弁護士と。ですから、こちらの代理人の弁護士と松永さんが、弁護士同士でこれから話すことになると思っています。

【記者】確認ですけれども、東京都としての上陸調査というのは、今のところまだ未定ということですか。

【知事】そうですね。話が半ばコンクリートになったときに、ちゃんと申請します。多分、政府はうんと言わないだろうな。どこの国の政府か分からんね、本当。

【記者】夏の停電の問題なんですが、関西の方では橋下市長が、原発を夏の分だけ稼働させれば良いんではないかという事を提案してます。そういう形で、原発再稼働を開始するということについて、どうお考えになりますでしょうか。

【知事】彼もやっぱりちょっとトーンダウンしている感じはするよね、それは。何れにしても、そんな事の前に、政府が停電に関する政令を出したら良いんですよ。例えば私が言って、蓮舫君が、政令っていうのがよく分からないでぽかんとしてたけど、東京だけに節電協力して来たってしようが無いんだ。首都圏というのは大きな消費地だから。東京だけじゃなしに、埼玉、千葉も、神奈川も回らなきゃいけない筈だけども、そんな事する暇無いんだったら政令を出しなさいと。
 田中角さんの時代に、オイルショックになって出た政令って、政令というのはまだ生きているんですよ、廃止されない限り。ただ、あの時に無かった厄介なもの、例えば、自動販売機なんて、あの頃は無かったんだ。ですから、自動販売機とかパチンコ屋なんか、チンジャラチンジャラ昼間から沢山電力使っているけど、あれはやっぱりいかがなものかと、規制したらどうですかって言ったら、自動販売機は最初はサントリーが反対したけど、アメリカのコカ・コーラが、石原の言うとおりだと実施してくれて、電力を制限することで節電になった。パチンコ業界は、セガの社長さんが、これはメーカーの方だけど、石原の言うとおりだと、あんまり電力使わないようにしようという事で節電してくれましたよ。
 本当は、こんなものは政府が言わなくちゃいけないんだ、政令出して。大阪のケースだって、政令を出したら良いんですよ、政令を出したら。具体性のある。抽象論じゃなくてね。だから、橋下君のような意見も出てくるんだろうけどね。政令を出したら良いんだ、政令を。そういうこと。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)