石原知事記者会見

平成24年6月29日更新

石原知事定例記者会見録

2012年6月22日(金曜)
15時00分〜15時30分

質疑応答

【知事】私から冒頭申し上げることはありませんので、質問があったらどうぞ。

【記者】民主党の小沢さんが、新党結成を目指すという動きになって来ておりまして、54人以上離党すると内閣不信任案も可決される状況という事なんですが、この辺りの政局の動き、知事はどのようにご覧になってますか。

【知事】都庁なんだから、国の政局の話をこっちに持ち出してもしようがないんじゃないの。ただ、傍から眺めていると、皆、私利私欲。皆、政治家は政治家それぞれの我欲、保身。世間はそれを知って眺めてますよ。理念的な事を言ってみても、国民の生活どうのこうのって、具体的なのは何も出てこないじゃないか。勝手にやれっていう感じしかしないね。

【記者】解散に、もしなってくると、知事が今、いろいろ相談なり、頭の中で考えていらっしゃる新党のことも、一気呵成に動き出すものなんでしょうか。

【知事】さあ、それは、解散が明日あったらとても間に合わない話だものな、そんな事。

【記者】やっぱり、尖閣問題は、きちっと道筋立てるまでは。

【知事】それはそうですね。また1つ厄介な問題が起こって来てね。久場島というのは、妹さんが持っている。これは今度の対象に入ってないというから、それは困るので、それも一緒に、一括して話を進めたいと思うのと、久場島のもう1つ北東の方に、政府が所有しているちっちゃな島があるんですよ。それに対する管理もきちっとやってもらわないと、我々の意思表示が魚釣島とか南小島、北小島という大きな島に向かってはっきり表示されても、相手は、南シナ海でやってるみたいに、勝手に人のいない島に乗り込んで勝手なものを作ってしまって、ここは俺のだ、とやりかねないので、政府が持ってるものを東京が買うわけに行きませんが、栗原さんの妹さんが持ってる久場島だけは、ちゃんとお願いして取得したいなと思ってます。政府が持ってる、何ていう島なのかな、非常に小さな岩礁ですけど、人が住もうと思ったら住めない事も無いんだろうし、そんな問題も絡んで来てますし、これからまたちょっと次のステージでいろんな話をしなくちゃいけないと思ってます。

【記者】そういう一連の問題が解決するまでは、以前おっしゃっていた、ご自身が国政の選挙の舞台で陣頭指揮をとるとか、そういう事はやっぱり難しいというお考えですか。

【知事】それはやっぱり、都が言い出した事でこれだけの皆さんが反応してくれてるんですから、その仕事の目途がつきましたって、中途半端で放り出す訳に行かないと思ってます、私。
 はい、ほかに何かあったらどうぞ。

【記者】直下型大地震の事でお聞きしたいと思っております。以前に知事にもお尋ねしましたが、直下型地震のときの第1次避難地域、避難場所、これが地方の自治体にとってはなかなか確保できないでいる訳ですね。特に新宿の場合は、地価一等地という事もありまして、そう簡単に確保できません。そこで、どうしても、ここの超高層ビル街、この地域にある、30本ぐらいビルがあるんですが、ここの1、2階を、前にも言いましたが、開放して、避難民がここに一時避難ができるような体制づくりを進めなきゃいけないと思っているんですが、知事のご認識はどうでしょうか。

【知事】その通りだと思います。これ、秦野(章)さんがまだ警視総監の頃って、私も政治家になる前でして、ちょうど日生劇場を作って一生懸命やってる頃だったけども、三井不動産の江戸(英雄)会長があの小澤征爾の岳父で、発起人の1人でもあったんですけど、その時の四方山話に、ああいう会社の社長さん、いろいろ心配したんでしょうな。それで秦野さんとも話をしたら、結局、都会の中心地で一番安全な所はどこかって言ったら、なまじの公園なんかじゃなくて、耐震性もしっかりして、あの時期でもそうでしたけど、今もっと技術が進んでる訳だけども、高層ビルが一番、実は安全だということが分かったんで、私は今でもそうだと思いますよ。
 あなたの地元の新宿だって、高層ビル沢山あるんだから、いざという時は当然開放されるべきだと思うし、この間のJR東日本みたいに、肝心の駅のシャッター下ろして、お客さん追い出すみたいな馬鹿な事は絶対させない。あそこは、革マルだか中核だか知らんけども、依然としてかつての極左の組合が支配してるから、ああいう馬鹿な事が罷り通ったんで、私、社長呼びつけて怒りましたが、絶対二度としませんって言うけども、分からないねこれは、JR東日本は。駅は人の拠点ですから、駅もかなり強靱なものだと思うし、何と言っても高層ビルってのは沢山ある、これの1階、2階のホールというのは、私は安全だと思うし、当然、そこは避難所として確保されるべきだと思ってます。
 これ、ことさら条例とか何かやらなくても、通達すればビルの持ち主だって企業の責任者だってしっかりしてる人多いんだから、うちは別だって、嫌だっていうことは言わないと思うけども、それはむしろ、そういう所が一番安全なんだという、その周知徹底というか、そういう情報を周知徹底させることが大事だと思ってますけども。

【記者】この超高層ビルの中にもあるんですが、私の所の名前は出さないでくれとか、定員数はどれだけ収容できるか分からないから出さないでくれとか、そういう問題がありまして、なかなか徹底しないようですね、新宿区なんかも言ってましたけれども。それで、ここに東京都がもう1つ、大号令をかけると言いますか、石原知事のリーダーシップで出来ないものなんでしょうかね。

【知事】それはむしろ区長さんの責任だと思います。ですけど、区長さんたちと協力してそれを周知徹底し、ビルの管理者、オーナーにも、いざという時に出来るだけ沢山の人を収容する事を是としようという位の事はやります。

【記者】例えばJRが、渋谷区と新宿にまたがってるんですね。新宿駅南口にあるんですが、そうした場合に、行政単位で行きますと、あれは渋谷区でやってくれ、新宿区の人はそう言いますね。向こうも同じような事を言う訳ですが、そういう場合もありますので、どうしてもやっぱり東京都の力が必要だと。

【知事】分かりました。都がやります、はい。

【記者】尖閣の久場島の件なんですけれども、先に3島については地権者側と合意が出来ているというお話でしたが、久場島についてはどのような状況になっているんでしょうか。

【知事】ちょっと私、意外だったんですが、久場島含めてと思ったら久場島は別だという事なんで、どういう意向で向こうがそういう事にしたのか分かりませんけれども、これは勿論、そういうもの含めて、東京が責任持って取得したいと思ってます。
久場島は、栗原さんの相続人の妹さん夫婦が所有者になっているんです。ですから、この間も妹さんとも会食しましたので、別にこちらがオファーすれば、スムーズに行くと思ってますけども。

【記者】その4島、久場島が入っていなかった事は意外だったというのは、どういう意味なんでしょうか。

【知事】いや、私は尖閣諸島を全部お願いしますと言ったんですけどね。

【記者】ただワシントンでは3島のことについてお話をされてたと思いますが。

【知事】3島っていうのは主な大きな島のことを言ったつもりでね。久場島も、政府が持ってる島は小さな島ですから、そういうものを含めて、尖閣問題の島の数と言ったらもっと沢山になる訳です。ちっちゃな島が沢山ありますから。
 私が念じている事は、尖閣全体をとりあえず東京都が国に代わって取得して、しかるべき時にバトンタッチしたいと。例えば南小島、北小島の間の岩盤っていうのは、非常に平たくて、満潮になると潮を被るけども、普通はちょっと、1メートルぐらい露呈してるんですけど、これは例えば西側にテトラ積んで東側から掘削すれば、沖縄の石垣から出かけて行く、シナの漁船みたいに大きくない漁船達も、そこで、船泊まりで退避できるんで、そういう作業というのは、私たちはやっぱり国に代わってやりたいと思ってますよ。

【記者】そうしますと民間が所有している島を公にしたいというのが趣旨だと思うんですけれども、今ですと4島のうち、4島一括購入をお考えになっているのか、状況を伺うと、そのうちの3島が地権者と合意が出来ていると。東京都の手続きとしては、知事は12月議会にも提案出したいという風なお話をされていますので、そういう期限的なものを考えていくと、合意されている3島で先行していくのか、あくまでもその4島一括でやるのかというのは、どういうお考えでしょうか。

【知事】4島一括、もちろんそういう形でオファーしようと思ってます。今週の月曜日にも両方の代表権を持っている弁護士が話し合っていましたけども、今日もその報告が来ますけど、改めて私から、久場島も含めてという事で、栗原さんにお願いしたいと思ってますが。
 やっぱり、かなり年配の妹さんご夫婦があそこを持っていても、どうなるものでもないだろうと思います。合わせて東京が預かって、国のためにしっかり守るという事が必要だと思います。
 どうぞ。

【記者】23日に知事が大阪維新の会の政治塾で講演をされるかと思うんですが、こういった政治状況の中で、知事が何を話されるかというのは非常に注目されるかと思うんですが、あいにく知事の講演部分は非公開という風な事を伺っておりまして、出来ればその辺りをちょっと、皆さん注目していますので、オープンにして頂きたいなと思うんですが、非公開にする意図は。

【知事】それは向こうが決めたことで。

【記者】知事が言った訳ではない訳ですか。

【知事】ええ。私は、別に誰に聞かれても後ろめたい話はするつもりはありませんから。
 どうぞ。

【記者】昨日猪瀬(直樹)副知事が、九段下駅の、東京メトロと都営地下鉄のホームの壁を無くす工事の現場を視察されましたが、両社の一元化に向けて、現在の進捗状況ですとか、今後の見通しについてお聞かせください。

【知事】一歩前進だね、一歩前進。どこかの新聞が、正にああいうの、馬鹿の壁って言うんだね、養老(孟司)君の本じゃないけど。あんな物を放置してきたその会社そのものの経営感覚というのは、サービス感覚って分かりませんな。こういうものを積み上げていく事、やっぱり一本化しないと、お客に対するサービスも非常にむらが出来てますし、共に東京都が株主でいる地下鉄が2つあるというのも妙な話で、いろんないきさつがあって出来た事ですけど、結果として。
 いずれにしろ、国は財政多端なんでしょう。この株の安い時期に、あの株を売るということを財務省が言い出した。国交省もそれに押されて、そのつもりになってきた。僕は反対だよと。株の安いときに売る馬鹿がどこにいるんだってね。だから、君ら売るんなら、ちょうどいい、東京が全部買ってやるからって言った。一元化すれば、それで東京が買ってしまえば、それで一元化も進む訳ですしね。
 東京都の役人も、出かけて行くと、国の役人がよほど偉いと思ってるのか何か知らんけども、向こうに言われたとおり、そう取り次いで来るから、お前何だ、頭を冷やして物を言えと。「こんな時期に株を売る馬鹿がどこにいますか」と、「買うなら東京が買う」って言い直して来いって言ったんですけれども。国はたたら踏んでいますが。彼らは自分達が手がけた仕事を、地方自治体が全面的にそれを掌握して運営するって事を、下らん国の役人の沽券で嫌がるんだ。ナンセンスな話ですよ。現場も知らない連中が。
 猪瀬君じゃないけど、うちの担当者が出かけて行って、壁1枚破れば、隣のホームへ階段上ったり下りたりせずに行けるものが分かる訳だけど、そういうちっちゃなようで下らん実情というものを、国の役人というのは全然掌握してないから、だから一元化なんていう事も、何か絵空事にしか感じないけど、とにかく国の役人は現場を知らない、見ない。
 はい、どうぞ。

【記者】消費税増税法案に関連して1点伺いたいと思います。今日、大阪市の橋下市長は、国民との約束であるならば、増税するなら、総選挙で信を問うてからやれというような発言をされておりますが、石原知事は、消費税を増税する場合に、選挙で信を問うべきようなものであるのか、もしくは問うてから増税という手続きに入るべきなのか、その辺、お考えをいただければと思います。

【知事】国会議員さん達にしてみれば、誰のでもいいから他人の名義で消費税を上げたあと選挙をやりたいんだ。自民党もそうなんだ。民主党だって、俺達だけでやったんじゃないぞと、赤信号、皆で渡れば怖くないで、自民党も公明党も一蓮托生でやりたいんでね。
ただ、国民もわがままですよ。今のような高福祉低負担というのが、今の財政じゃ罷り通るかって事を考えれば、社会保障だけを目的に限った増税というのも、私はあってしかるべきだと思うけども。同時に小沢一郎が言ってるみたいに、「国民の幸せのために、増税する前にやる事が沢山あるじゃないか」、じゃあ、何をやるんだって。何をやるんだって、具体的に言ってもらいたい。
 例えば、亀井静香が言ってるみたいに、国の特別会計、インチキなものがいっぱいあると。それなら会計制度を変えたら良いじゃないですか。東京がやったみたいに会計制度を変えたら良いじゃないですか。発生主義複式簿記でやったら、財務諸表はちゃんと出てくるし、バランスシートも出てくるし、どこに役人が嘘をついてた、どこに無駄があるか、どこに隠し金があるか、すぐ分かって来ますよ。
 それからやっぱり、地方自治体には命令して、法律も作った訳だけど、国だって外部監査入れたら良いじゃないですか、しっかりした。あんな(会計)検査院なんて、役人が役人調べるって役所じゃなくて、きちっとした公認会計士に頼んで、国の外部監査やったら良い。たちまちばれて来る事がある。そういう事は財務省が怖いから言わない、政治家みな。
 もうちょっといろんな手の内をさらし出すように、諸君も努力して、「ほかにもっと大事な名代があるぞ、選挙するならこういうものを論じたらどうなんだ」、「一体国は、世界中で日本のような先進国が唯一やっていない、ほかの国は全部やってる発生主義複式簿記というのをやる気があるのか無いのか」、「役人は自分の手の内をもっとちゃんとさらす気あるのか無いのか」っていう事を、選挙で問うように、あなた方は教えてくれよ、本当に。
 はい、ほかにありますか。どうぞ。

【記者】先日、副知事が交代して、4人から3人に減ったんですけれども、改めて副知事の分担をどういう風にされるのかというのと、それについてのお考えをお聞かせください。

【知事】これは今、これから皆で合議して決める事ですから、まだ今の段階で。地下鉄の合理化、単一化の問題なんかは当然交通局だろうけど、これは猪瀬君は熱意持ってやってくれてますが、役人にはできない事のプロモーションなんだ。だけど、交通局と言ったって、他の仕事もありますから、交通局全体を彼が受け持ったら、これはまた煩雑な事で、彼の才能も生かされて来ませんし、どういう風な分担にするか、局、局という事じゃなくて、アイテムアイテムで分担を決めるという事にしないと、本当に横串も通って来ないし。
 例えば新しい発電所の問題なんかだって、環境局の問題ですけど、環境問題、他にも沢山ある訳ですから、そういう分担をどうするかという事、もうちょっと細目決めて、合理的に物が動くようにやります。
 はい。どうぞ。

【記者】その関連なんですけれども、都議会の後に、早目にシャッフルしていくことが良いと思うという風に記者団に語ってらしたんですが、早目にシャッフルする事は、どういう風に。

【知事】これは停滞してる部分もある訳だし、人事ってのはいろんな物の兼ね合いがあって、内側からの告発とかいろんなものがあるんですよ。そういうものも勘案して、無下にそれを退ける訳には行かないし、いろんな事で勘案して、ちょうど良い時期だと思います。
 どうぞ。

【記者】関西電力の大飯原発が、近く再稼働する見通しですが、知事と同じように、原子力発電所が、これから日本の経済を維持、発展させていくためには当面は必要だというお考えの方の中にも、原子力を規制する行政がきちんと形づくられるまでは待つべきだとか、電力不足が一番激しい夏の稼働に限るべきだという意見もありますが、そこら辺は知事はどういうふうに受けとめていらっしゃるか。

【知事】だって今度、単一の管理システム、組織が出来たじゃないですか。だから、それにやらせればよろしい事でね。
それから、皆もうちょっと冷静に考え直したら良いと思うんだけど、確かに福島の原発の事故は痛ましいし、大変な損害を与えましたし、特に住民の方々は本当に大迷惑でお気の毒だと思いますよ。でも、あの福島の原発の事故、放射能の拡散が何によって起こったかと言ったら、これは建物が地震で崩壊したんじゃない。絶対そうじゃない。それから日本中の原発も、日本の建築工学からいったら、震度、いや、マグニチュード8とか7とか、そんな地震で倒壊するほど脆くは出来ていない。ただ、想定外と言いながら実は想定十分され得た、1000年前の記録はちゃんとあって、それを調べた地質学者が、数年前にも海岸の立地は危ないという事を言っていながら、無視してこれを進めてきた、国のシステムに問題が私はあると思います。
 しかも今度の場合には、津波が被って、しかも緊急事態の時、その電源を補填する臨時のダイナモですか、バッテリーの大きなのみたいな、そういう機械があったんでしょう、それまでが同じレベルにあるから水を被っちゃった。こういった問題は、ああいう原子炉の破壊の直接の原因になっているので、そういうものを反省して建て戻せば、私は極端なことをいつも言っているんだけど、言うと皆キャンキャン怒るけど、例えばの話ですよ、千葉県の鋸山の、東京湾の上に造ったって、それはまた東京湾の地盤そのものの信憑性というのはありますよ。だけど、そういうものを勘案した上で、何で内陸に造って来なかったのか、私は本当に、そこら辺の所はやっぱり日本の原子力の開発、運営のシステム、その事がもう間違ってたと思うし、とにかく繰り返して言うけど、フランス人に出来た事が何で日本に出来ないかって。私はフランスの原発を見に行った事がありますし、アメリカの原発を見に行った事もありますけども、海岸線のところには無いですな。特にシアトルの郊外のあれなんかは、かなり陸の中に、海に近いので、あってですね、川から水を引いて冷却してましたから。

 そんなこんなで、私は、福島の原発の挫折というものの原因をちゃんと絞って原発の批判を行うべきだと思うし、それからこの間もどこかの新聞の、読売だったかな、ちゃんと論説してたけども、原発の存続って人間の生命に関係あるというけど、確かにそうだろう。ただ、これで経済が荒廃して失業者が増えて、自殺者が増えた時、そうしたら生命の問題じゃないか。そんなこんなで、非常に人間の生命っていうのは複合的に補填されているので、原発だけがこれを毀損する一番大きな決定的な原因だなんて事は虚妄であって、もっと物事を重層的に考えるべきだって書いてあったけども、生命ってものの毀損っていうのは、何も原発が爆発したり崩壊しなくたって、経済が疲弊して行ったり、失業者が増えたって出来て来る訳ですから、そういう事も考えた上で、タイムスパンを決めて、その時に何%の成長をして云々っていうこと。

 それから、電力不足という事もこれからあるんだろうけど、蓮舫にも言ったんだけど、何で今の政府は政令を出さないのかね。田中角(角栄)さんの時のオイルショックの時には、きちっと政令出しましたよ。今出したら良いじゃないですか。チンジャラチンジャラ昼間から電力使って、ネオンサインまで昼間から点けてるパチンコ屋とか、夜中通して煌々と灯つけて稼働してる自動販売機なんて、これはやっぱり制御したら良いと思うし、私が言ったら業界が自分で自粛してくれて、東京の場合には節電になりましたよ。だけど、そんなものは、政府は関西でも言ったら良いんじゃないですか、それは。橋下(徹)君だって、音頭を取って、何も大阪だけじゃなしに、大阪圏の、関西電力の供給を受けてる企業、あるいは商店にそういうことを呼び掛けて。一晩中自動販売機に灯してる国というのは日本ぐらいだな。如何なる先進国でも、あんなものを夜中灯したら皆ぶっ壊されて、かっぱらわれている。
 それからパチンコ屋も、外国から帰ってくると、日本の街は何でこんなに明るいんだと思うぐらい余計な電力使ってるでしょう。そういうものを政府が政令で制御したら良いじゃないですか。そのために最高権威の政府がある訳だから。

【記者】橋下市長もおっしゃっていましたが、電力不足が特に懸念される夏だけ動かすという考え方はどうなんでしょうか。

【知事】いや、夏だけ動かすって言ったって、これから先、長期の展望というか、10年なら10年の、長いようで短いスパンの中で、日本の経済をどうして行くか、どこまで発展させて行くという事を考えれば、経済というものの根底にはエネルギーの需給が、供給がある訳だから、それをどういう形で、どういう配分でやっていくかという事を考えもしないで、私はこの問題を論じるというのはナンセンスだと思います。
 どうぞ。

【記者】ご自身で目指されている政治塾の立ち上げ、目途っていうのは立ちました?

【知事】やってますよ、もう、平沼君の所で。かけはし塾っていうの。

【記者】さらに、6月中に具体的な動きがあるという。

【知事】あれ、拡大したら良いと思います、私ね。

【記者】拡大する目途というのは立って…。

【知事】それはこれからの問題ですね。私はこの間も講演しましたし。でも、塾だけで人間が育つ訳じゃないからね。しかし、金だけでも育たないわな。金使えば、市会議員にもなれない奴が国会議員になるような時代になっちゃったけど、でも、そんな者はやっぱり1回で淘汰されて行きますわな。

【記者】確認ですけど、今あるかけはし塾をさらに拡大して行くという。

【知事】既にあるんだもん、立派なものが。しかも3期もやって、人を募集して、卒業で論文まで書かせて、一種の検定までやっているんだから。これ皆、非常に粒の高い、論文1つ見たって水準の高い連中ですよ。私は、大阪に今晩行って明日講演しますが、橋下君の塾生っていうのはどんなレベルか非常に興味がある。これはやっぱり収斂されて行くでしょう。彼だって今、2000人を500人とか、絞ると言ってるけどね、そんなもんですわ。
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)