石原知事記者会見

平成24年7月25日更新

石原知事定例記者会見録

2012年7月19日(木曜)
15時00分〜15時23分

知事冒頭発言

1 東京マラソンのチャリティーについて

【知事】冒頭2つ申し上げます。東京マラソンのチャリティーについてですけども、来年2月24日に、7回目となる東京マラソン2013を開催します。前回同様、3万6000人の規模の大会として、8月1日から一般ランナーの募集を開始しますが、同時に、3回目となるチャリティーランナーを3000人募集します。これまでは個人に限定していましたが、今回、新たに法人からも寄附を受けられるようにいたしました。
 また、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致のためにも、この集まったお金の、寄附の使い方の一つとして考えていきたいと思ってます。自分自身のためだけではなくて、社会や日本の未来のために走る東京マラソンのチャリティーに、是非、前回よりも多くの皆さんに参加していただきたいと思います。

2 ロンドン出張の中止について

【知事】これはいささか私事ですけれども、僕はシンガポールから帰って、向こうで風邪を引きましてね、どうもなかなか熱が下がらなくて、あちこち障害が起きて、医者から、更にきちんと検査を受けた方が良いというアドバイスもあったので、残念ながら、24日からのロンドンへの出張は断念します。行くときっと皆さんに迷惑をかけると思うので、非常に残念ですけれども、年来の友人であります森元総理に、知事の名代として幾つかの行事に参加していただきたいという事を依頼しました。
 以上であります。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】消費税の事なんですけれども、消費税の中には附則18条の2項というものがありまして。

【知事】そんな事詳しく、僕に訊いても駄目。国会議員ではありません。そういう問題について、私いちいちね、しかも今、討論中の事について僕に聞いても分かりません。

【記者】公共事業の方に、その中で予算が、消費税の徴収した予算が、公共事業の方に回されようとしてる基本法案というのが出されてるんですね、自民党の方から。それは国土強靭化基本法案という中身なんですけども、消費税がそういう風な使われ方になっていくという事については、ご意見、ございますでしょうか。

【知事】いずれにしろ、財政多端で、社会保障の問題だけではなくて何やるについてもお金が足りない現況なんですよね、日本の今の財政事情というのは。ですから、消費税の税率アップのパーセンテージの問題如何でしょうけど、もうちょっと幅を設けるなら、当然社会保障だけじゃなしに、ほかの用途にもそれが使われるという事もあり得ると思いますけども、今限りの議論の進行状況で私が口を差し挟む事でもないと思いますな。
 まずその税率そのものも、一応概略決まっているようですけれども、私はそれでも足りないと思うし、かつては社会保障というものの一種の目的税として消費税使おうと、アップしようという事もありました。これから推移を見てから、私、考えたい、論評したいと思います。
 はい、どうぞ。

【記者】お体のことについてですね…。

【知事】医者に聞いてくれ、だから。これから行くんだから。

【記者】お医者さんの診断では何か、ご病気とか、そういう事はおっしゃってるんでしょうか。

【知事】病気ですな。熱が下がらないんだし。

【記者】風邪とか何かおっしゃってます?

【知事】風邪でしょうね。風邪だけじゃなくてちょっとね、まあ、いろいろあるんですよ。

【記者】これから検査というお話でしたが、入院のご予定とかはあるんでしょうか。

【知事】入院なんかするったって、余計な人が来るから言わないよ、そんな事は、そんなもの。
 はい、どうぞ。

【記者】尖閣についてなんですが、政府に、尖閣上陸許可を申請する時期の見通しをまず教えていただきたいんですが、いかがでしょうか。

【知事】これから地主さんと話して、どういう時間帯でどういう風に話を進めていくか、それによってですから、明日、地主の栗原さんとお目にかかって、ゆっくり話すつもりでおりますけれども。

【記者】あともう1点なんですが、ちょっと先の事になりますが、寄附は既に13億円を超えてまして、非常に都知事には期待が広がってる訳なんですが、仮にその許可が下りた場合、都知事も上陸されて国内外に向けてメッセージを発するお考えがあるかどうか、ちょっと先のことですが。

【知事】僕は何度も行ってるもん。

【記者】そうですか。

【知事】もっと、これから、何をするかという事に関する専門家に行ってもらって、その意見を聞いてしようと思うんですが。国はこの問題について、国民の関心が高まって来たので、どういうつもりか知らんけど急に買う買うと言ってるんだけどね。いいんですよ、だから、それならささっとやってくれたら良いんだよ。船長をぶざまに釈放したり、それを検事のせいにしたり、今の内閣というのは何かどういうつもりだか知らんけどさ、ぺこぺこ、ぺこぺこするだけで、その後ろに外務省がいる訳だけども。ただ、国が買っても何もしないんじゃしょうがないのでね。東京が買い取って、国にこれを引き渡す時にきちっと条件を付けます。
 それは、石垣の市長さんとも話してるけど、何回もこれは言ってる事だけども、あそこで操業する日本の漁船というのはもう母港がほとんど石垣港ですから。150〜60キロあって、小っちゃな船だから、時化(しけ)に遭うと、危なくて長い事いられない。向こうからやって来るシナとか台湾の船というのは数十トンで、2〜30人、人が乗ったりするんですね。ですから、やっぱりまず船だまりを造ってもらいたい。港を、何十杯になるか知らんけど、一応の小っちゃな漁船が風待ち出来るような、そういうものを造る。
 それから、今、防衛省とか保安庁が非常に気にしているのは、向こうの工作員が漁民と称してやって来て漂着したと、流れ着いたというような形であそこに居住してしまった時に、これをどうするかという、そういうものをどうやって防ぐか或いは除去するか。その前に、あそこへ兵隊さん張り付ける訳に行かんでしょうけど、しかしやっぱり、ある何か能力を持った特殊な人達を島の番人として、あそこにこう、いろんな作業もしてもらうみたいな、最低それ位の覚悟を持ってプランを立てない限り、滅多に今の政府では預けられないという感じが私はしますよ。恐らく今の国民も全部そうじゃないでしょうかな。

【記者】東京都のぜん息医療費助成制度のことについてちょっと伺いたいんですが、これは2007年に和解した大気汚染訴訟の際に、それをきっかけに始まった制度で、東京都は当時、排ガス規制の強化と、被害者救済が行政の必要な使命というような事でこの制度を主導して、メーカーであるとか国であるとかからの搬出金に繋がったんですが、5年間で見直すというような事がその時和解条項の中で明記されております。で、ぜん息患者達は存続を求めていらっしゃるんですが、知事はこのぜん息助成制度については。

【知事】これから1年間まだ間がありますから、その間考えますが、やっぱりあの一種の広域行政としてやったディーゼルエンジンの規制というのは成功したと思います。空気がかなりきれいになったし、東京から富士山の見える日も増えたし、それから現に、東京にいるぜん息をお持ちの患者さんから感謝もされています。
 ぜん息というのはしかし、空気のいい所っておかしいけど、それは山の中は別ですが、どこにでもある病気ですし、そういったものと大気の汚染度の相対関係の中で考えることですし、そういったものを斟酌(しんしゃく)しながら、あと1年間余裕があるから、その間に考えます。

【記者】東京都の方では、来年度の予算の編成作業が始まる今年の秋頃までに決断をしたいというような事を聞いているんですが、知事もそれまでに決められるというお話で良いですか。

【知事】まあ、それプラス時間がかかるかも知れないけども、あと1年あることですから、1年先に結論出します、はい。

【記者】東電のことでお伺いします。今日、政府が、東京電力の電気料金の値上げ幅を8.47%という事で決めましたが、これに関して、知事の受けとめというかご意見をお聞かせください。

【知事】これはにわかに私がここでその結論を下せる問題じゃないし、これからの経済状況、日本経済全体の進展具合、或いは物価の水準、そういったものとの勘案の中で総体的に決める問題でしょうけども、やっぱりその前に、これは主に猪瀬君が頑張ってくれてますけども、東電はやっぱり、なかなか忸怩(じくじ)たる事があって、すべき思い切った改革をしませんな。
 それから、やっぱり東京だって、複合的な方法で2割以上の賃金カットもして、人も15万人いたのを2万5000人減らした。そういう努力もしないで、ボーナスもちゃんと出しますみたいな、そういう給与状況の中で料金を上げるというのは、私はなかなか通らないと思いますね。
 はい、どうぞ。

【記者】尖閣諸島に絡んで教えてください。明日、地権者の方とお会いして話すという事なんですが、これまでは上陸許可について、栗原さんとの了解というのはどういった話し合いがされてたんでしょうか。明日が初めてなんでしょうか。

【知事】何ですか。

【記者】これまで栗原さんから、上陸申請についての、何か都への協力しますという同意は得られているんでしょうか。

【知事】得られております。

【記者】明日は、そうすると、その上で、どういった中身を…。

【知事】そんな事を君らに一々事前に話す馬鹿がいるかね、世の中で。質問を考えてから質問してくれよ、あなた方、メディアの人間なら。言われて何でもべらべらしゃべるようでね、それで世の中が通るものじゃないだろう、本当に。
 はい、ほかに。どうぞ。

【記者】先日、石垣市長が東京にいらっしゃって講演をなさっていました。石垣市は、今の中山市長の代、さらにその前の市長の代から十数回にわたって国に上陸の申請をしていますが、ことごとく無視をされたり、あるいは一度だけ回答がありましたが許可をされませんでした。まずは尖閣に上陸をしたいという石垣市民の方がいらっしゃるんですけれども、これ、慰霊祭のためなんですが、ことごとく無視するような態度をとる政府についてのご見解をちょっと頂きたいんですが。

【知事】慰霊のためだったら人を上げたらいいじゃないですか。それが一体、何の障害になるんですか。あそこの主権を一方的に主張してるシナとの関係が、それでどうやって阻害されるんですか。

【記者】それを踏まえた上で、東京都が仮に今後上陸の申請をした場合に、石垣市と東京都では規模が全く違いますけれども、行政の規模は違いますが同じ上陸申請になる事になりますが、政府は認めない、もしくは回答を保留する可能性もあるんですけれども、そのあたり、ご見解はいかがでしょうか。

【知事】しかし民間の、東京都は地方自治体ですけど、自治体が民間の方と一般社会での商取引というんですか、ものの売買というものを行おうとする、そういう経済活動っていうものを、国が何の理由があって阻害出来るかと私は訊きたい、逆に。裁判に訴えたって訊きたいですな、そんな話。
 どうぞ。

【記者】上陸許可の話なんですけれども、都はこれまで、国が許可するという見通しを得た上で上陸申請をしようと、これまで協議されて来たかと思うんですが、ただ、12月議会に議案を提案するためにはもう時間も無い訳で、もう、ある程度見切り発車でも上陸申請しなければいけない情勢になって来たかと思います。こういう現状についてどう知事はお考えでしょうか。

【知事】だからですね、上陸申請しますよ。

【記者】いつぐらいに。

【知事】それに相手がどう答えるかですよね。近々。

【記者】月内にもという感じですか。

【知事】分からない、それは。出来るだけ早く。国が何でそれを阻止する、好まない理由があるのかね。日本の国土の中で、国が今、賃貸してるかもしれないけど、基本的には個人の持ち主がその所有権の譲渡に関して一種の商取引をしようとしてる時に、国がそれを上陸も許可しない、測量もさせないという形で妨害するいわれというのは何なのかね。これ、法治国家じゃないんじゃないんですか。

【記者】ただ、拒否じゃなくて保留という形にされたら、知事として考えているスケジュールが順調にいかないことがあり得るんですけれども、そういう保留という対応をされたときの知事のお考えはどうでしょう。

【知事】やっぱり、急に政府が買おうって言い出したのもそうだし、その前に東京が、焦れて、焦れて、焦れて、危険を感じるから繰り返して言うけど、2月に人民日報なる向こうの機関紙が、とにかく積極行動を起こして、あそこの島は国家にとって決定的か何か、ちょっと忘れたけど形容詞は、国家の利益につながる存在だと。
 それでね、日本の実効支配というものをぶち壊すために積極行動をするし、そのための船舶も増えて、機材を整えていこうと、一定の公的機関の人民日報が宣言してて、おまえの家に泥棒に入るぞ、強盗に入るぞと言われた時に、これ、守らなきゃいかんでしょうし、守る手立てというのを何でしないんですかね、国は。どうやって守るつもりなんですかね。
 東京都が買う、買わないの問題の前に、それに対して一体、この国を預かる今の政府として、あの島も、強盗に入ると言われてる相手に対してどうやって守るのか、具体的な動きを聞かせてもらいたいね。私はそれを聞きたいし、国民も聞きたいし、だから拠金もこれだけ集まったのと、それを聞くのが君らの責任なんかじゃないの。メディアの責任なんじゃないの。国民の声を代表して、一体国はこの時代、どうやってもうちょっと確かにあの島を実効支配するんだと訊いてくださいよ。

【記者】それで、先ほど裁判に訴えてでもというお話をされてた…。

【知事】場合によったらね、はい。

【記者】それはもう保留という態度であったとしても、そういう可能性が。

【知事】政府の態度次第でしょうね、これからの、はい。
 どうぞ。

【記者】朝日新聞の…。

【知事】また朝日か。あれは飲むもんだよな。

【記者】先ほど、栗原さんから上陸許可の同意を得ているという話だったんですが、今後、文書で改めて同意を得ることになるんでしょうか。

【知事】さあ、それはわからない。弁護士通じてやります、確かな法的な手続きとしてね。

【記者】一応、そういう文書をもらってから上陸許可申請するような形になるんでしょうか。

【知事】さあ、それは専門家に任せてありますから。

【記者】専門家というのは弁護士。

【知事】はい。
 はい、どうぞ。

【記者】ロンドン出張を断念されるという事ですが、今後は海外向けのスローガンも打ち出して、海外にアピールしていく所だと思うんですけれども、どういった言葉でアピールしていくのがよいとお考えか。

【知事】何をアピールするの?

【記者】東京招致を。そして森元総理をはじめ現地に行かれる関係者の皆さんには、知事のどのような思いを託したいとお考えでしょうか。

【知事】本当は私、行きたいんですけど、こんな体ですから向こうへ行って迷惑かけるし。しかし、オリンピックというのは私も行きましたけど、やってる最中はお祭りで、そこで何ていうのか、ビディングゲームについて、招致について取引がある訳でも無し、話し合いがある訳でも無いんですよ。これから先、専門家が資料というものをベースにして選択する訳ですから。
 そのお祭りに行って皆と一緒に踊るのも必要かも知らんけど、そこでそんなに突っ込んだ話が出来るものじゃないし、実際に北京の時もそうでしたし、ほかのオリンピックもそうですけど、大事な事は、やっぱりオリンピックが終わった後の、招致をしている自治体の努力の形という事でしょうね。
 はい、どうぞ。

【記者】生活保護の受給額の件でお伺いします。東京都内の最低賃金を生活保護の受給額が上回るという逆転現象が起きています。知事としていかがお考えでしょうか。

【知事】これは、私も聞いてちょっとショックを受けました。引っくり返して言えば、真面目な人間が損して、遊んでる人間が得するみたいな形になりかねない。
 これ、難しい問題ですが、それはやっぱり、賃金っていうものを決めるのはそれぞれの企業ですから、その立場っていうのは斟酌しなくちゃいけないと思うし、それからそれを承知で、とにかく職に就いて生活立てたいという人の気持ちも分かるし、ただ、やっぱり結果として、何もしないで生活保護を受けるという立場の人間の所得が汗水垂らしている人間よりも多いっていう事は、これは、私はやっぱり、基本的に考えなくちゃいけない事だと私は思いますね。
 これは、都だけじゃなしに、国全体の生活保護っていうものについての、もうちょっと、襟を正した厳しい姿勢っていうものを取り戻さないと、非常に社会的に不公平な事態がますます増幅されると思います。
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)