石原知事記者会見

平成24年9月7日更新

石原知事定例記者会見録

2012年8月31日(金曜)
15時00分〜15時40分

知事冒頭発言

1 名誉都民について

【知事】冒頭、1つ、私から。名誉都民についてでありますけども、今年の名誉都民の候補者として、北浦雅子さん、山田禎一さんのお二人を選びました。
 北浦さんは、ご子息の発病を契機として、重症心身障害者の福祉向上のために半世紀にわたり第一線で活躍されておりまして、障害者の能力開発による自立支援にも取り組んで、志を同じくする後継の範となっておられます。
 山田さんは、長きにわたって東京の地域医療に尽力されまして、国内初の精神障害者の授産施設の創設や、東京都で最初となる介護老人保健施設の開設など、進取の精神に富んだ画期的な取組を重ねてこられました。
 このお二人の素晴らしい功績は、都民が敬愛して誇りとするものであると思います。次の定例議会で同意をいただいた上で、顕彰式を行う予定であります。詳細は、所管局に聞いてください。
 私から申し上げることは以上です。質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】オリンピックの招致についてお願いします。
 支持率なんですけれども、5月の時点でIOCが発表した日本国民の支持率というのが47%と、ほかの2つの都市の70%に比べて非常に低い数字となっていましたが、まずこの点について、知事、改めてどのようにご覧になっているか、まず教えてください。

【知事】あんまり支持率は、私、気にしてないんですよ。そんなものは、原発については随分数値も違ってるし。期が熟して来れば自ずと機運が湧いてくると思うし。いちいちこまごま、47だ、48だとか、その違いを云々したってしょうがないでしょう、それ。やる事をやっていくしかないんだから。はい。

【記者】そのIOCの調査についてなんですけども、覆面調査ということで、調査員の数とかそういったものが、具体的なことがあまり明らかになっていないということなんですが、それはどのようにご覧になりますか。

【知事】それは他人様のやってることで、私は知らない組織だからね。それはそれの思惑でやってるんでしょうけども。
 はい、どうぞ。

【記者】東日本大震災に関連して、東京都の取組について1点伺えればと思います。発生から1年半にもうすぐなりますが、被災地に応援する旅行に対して、東京都が一部補助する事業が増枠になりまして、息の長い取り組みというのはなかなか、だんだん時間が経つに連れて難しくなっていく中で、こういう旅行に行くという応援の仕方を支持している都民が多いことの裏返しかなと思いますけれども、こういう被災地の応援ツアーに参加する都民が、予算で措置した以上に多くいらっしゃるということについて伺えればと思います。

【知事】もともと日本人、旅行好きだからね。そういう点で、国内の治安も良いし、他に比べれば。自分の国を簡単に旅行できない国が随分多い現況ですけども。そういう点で、旅行好きの日本人に、もともと東北っていうのはいろんなゆかりのある、名所のある、見物の多い所なんだし、食べ物もおいしいし。それにインセンティブを付けて旅行客を送り込むっていうのは私は良いことだと思ってますし。それが持続してるっていうのも良いことじゃないかな。
 特に東北の人々っていうのは、非常に孤独感のうちに、それから焦燥感のうちに暮らしてらして。例えばこの間も、関東知事会の話があったから、皆集まるんだったらちょっとの景気付けにでもなるから、福島県でやったらどうだと言ったら、これがものすごく、私達期待した以上に、期待もしてなかったんですが、予想以上に感謝されましてね。やっぱりやって良かったと思うしね、そしたら、次の秋の会も福島でやるっていうことになったようですけどね。皆やっぱり、それぞれ孤独の中に、東北が取り残されて生きてるっていう感じ。これやっぱり、他県の人にはなかなか分かってもらえないことだと思うけども。ささやかでも、そういうことをお手伝いできれば心の支えになるんじゃないでしょうか。
 どうぞ。

【記者】今、質問に関連してなんですが、昨日とおととい、2日間にわたり、岩手県の被災地を回ってまいりました。二十数人で回ってきたんですが、やはり地元の被災地の様子を見てみますと、なるほど、地元の人たちがおっしゃるには、がれきを早く、いち早く東京都のように引き取り手が現れた所は、もうがれきが処理されて、きれいな町に整地されていると。ところが、まだまだ引き受け手の無い所は、がれきが山になっていて、その山も、掘り返して何度も何度も空気を入れ替えたりしないと、虫がわいたりとか、いろんな状況がまだ生まれていると。そういう所の人達が、ウイークデーでもあったんでそんなに観光客もいなかったんですが、「できるだけ多くの人にやっぱり今の状況を見て欲しい、そしてお金を落として欲しいというのが、今一番の願いです。それともう一つは、やはり同じ日本国内で起きた災害でもあるので、是非被災地を見て、それを教訓にして欲しい」ということを強くおっしゃっていました。
 やっぱり行政が、どうも街づくりにまだ戸惑っているのか、全然意見が合わないのか、早く自分達の家を建てたいのにもうゴーサインを出してくれないというようなことは、もう自助、共助、公助の最後の公助の部分で、非常に足踏み状態になっていて、これはもう大きな問題だと思うんですね。やっぱりリーダーとしてもお思いになられると思いますが、知事、いかがでしょうか。

【知事】それは、如実にあちこちに現れてる現象でね。町の復興のために予算を組んで、予算は組まれていても、それを執行する手続きがごちゃごちゃして、金の使いようが、もう動かない、馬鹿なことが、あちこちにあるわけですよ。で、そういう手続きなるものを誰が決めてるかっていったら、皆中央の役人が決めてるわけだ。政府が決めてるわけだ。そういう点では、行政が本当に機能してないというか、もどかしい感じは、いろんな方々、してらっしゃると思います。
 何ていうのか、日本人っていうのは変に文章好きなんだね。誰かが作った訳の分からない文章が。一番、その最たるものが憲法だよ。憲法なんて、世界の歴史に例が無くて、占領軍が占領を統治するために作った基本法が独立した後も通用してる歴史的な事実なんかどこにも無いんですよ。今、憲法議論、また云々されてるけど、橋下(徹 大阪市長)君なども言い出してるけど、彼なんかも所詮、改正なんだな。51%にしたら良いと、国会議員の。国民投票要らない、そんなものじゃないんですよ。それは既存の、占領軍が作った法律の中での条項であって、私は憲法に関しての一番の罪人っていうのは吉田茂だと思いますよ。彼がサンフランシスコ条約で、日本の独立を獲得したときに、何で占領中に押しつけられた憲法っていうのを、間違いだらけの日本語で書かれた憲法を破棄しなかったんだから。破棄って言葉が強いなら、廃止したら良いんだ。で、未だになってその憲法が通用してて、世界が狭小になっていろんな事件起こってるときに集団自衛権に束縛されて、インド洋での給油作戦も小沢(一郎)なんか途中で言い出して止めざるをを得ないような、こんな馬鹿な国っていうのは世界中に無いね。
 尖閣の問題なんかそうなんじゃないですか。やっぱり憲法の作った、吉本隆明の言葉じゃないけど絶対平和なんていう共同幻想が未だに手足縛ってるからね。
 これ面白いね、これ、朝日新聞の論説だよ。「日中関係は今、重要な局面にあるが、一部の政治家は逆に相手を挑発するかのような言動を繰り返している」。一部っていうのは、私のことだろ、これ。大変光栄な話だけども。「都の尖閣上陸が実現すれば、中国との緊張が一層高まるのは明らかだ。政府が都の上陸申請を却下したのは当然である。偏狭なナショナリズムが盛り上がり、相互不信が広がらないよう目を配る、それこそが政治の役割である」。偏狭なナショナリズムっていうのは、どこにあるのかね。日本の大使の車やって、国旗かっぱらったりするのが偏狭なナショナリズムじゃないんですか。朝日さん、あなた方これ、了とするのかね、君らの論説。お前さん達の、これ書いた編集委員か何かの面見たいな俺、本当に。どこの新聞なんだこれ。やっぱりアサヒっていうのは飲むもので、読むものじゃないんだろ、これ。

【記者】やはり現実問題として、ゼロメートル以下になってしまった、地盤沈下が起きてしまったような所は、もちろん家が建っていた基礎のコンクリートだけが残って、そしてその水の中に雑草だけが生えていると。もう一面そういう状態なんですね。つまり日本国民、同じ日本国民の中で、こんなにも困っている、もう、仮設住宅、1年延びたとはいっても、3年の生活の中で本当に苦しんでる人がいっぱいいるんだということを、やっぱりこれも同時に考えていかなければいけない問題であろうというふうに、ちょっと、昨日感じながら戻ってまいった次第ですが。

【知事】結構です。おっしゃるとおりだと思います。行政って、やっぱり現場に行って、細かい所まで目を届かせるということで、改めて本当の問題が把握できるんでね。現場にも行かずに金だけ出して、これで済むだろうということの、そういう考え方っていうのは、私はやっぱり、非常に中央集権の悪い体質が出てきている一つの証左だと思いますね。

【記者】ちょうど防災の日に近付いたと思うんですが、ありがとうございます。

【知事】はい、どうぞ。

【記者】先ほど出ました尖閣についてなんですけれども、22日、政府は認めないと文書で伝え、その際、都知事もコメントを出されましたけれども、確認ですが、都としては今後も上陸許可を求めていくお考えなのかどうか。

【知事】簡単なことでね、私は事を急いでるから、今年中にと思ってるわけですけどね。契約が成立して、今の地主さんから東京なり、あるいは沖縄県とか石垣市が一緒になってこれを取得したときに、国との契約、切れるわけですから、国が民間の、第三者のそういった地権に関して口出しすることはできるわけないでしょう。ですから、3月が終われば、それで着々とやれば良いことだけど、私は、いろんな問題が起こってるからできるだけ早い方がいいなと思ってる。
 実はね、あ、ちょっとその前にNTVいる?日本テレビ。この間、あなたの所の記者が、突然1社だけやって来たんだ。それで、どういうニュースソースか知らないけど、「中国側が、政府が買って、買った上で何もしない、何も作らない、人も置かないというんだったら、我々はこれ以上尖閣について口出ししないと言ったけど、どう思いますか」と言うから、僕は初めて聞いたニュースだし、ショックを受けました。それをもしシナの政府が言ってきたとしたら正に内政干渉だし、他国が持ってる領土の中に他国が何を作ろうが作るまいが勝手な話だけど、それをしないなら許してやるみたいな話っていうのは、どういうニュースソースなの、あれ。あなたの所で報道したんでしょ、あれ。

【記者】すいません。今日、私、代理で来ておりまして、担当者が不在で。

【知事】いや、男の記者だ。同じ局でわからないの、そういうこと。

【記者】すいません。

【知事】あのニュースだけど他には出ないね。出ないとしたらガセか。

【記者】あれはありますよ。あれは、中国の方も出ました。

【知事】え。

【記者】中国の方も出ました。中国政府は、ああいうふうに3つの要求を出して、それであれば日本の実際の管理されるのは口出さないという趣旨のニュースを見ました。

【知事】ねえ。おかしな話だね。ああそうですか。向こうでも、そのニュース出てるんですか。

【記者】そう。おとといかな。

【知事】何で日本のもっと大きなメディアは報道しないのかね。

【記者】それも質問したいんですけど、今回の尖閣問題もそうですけど、日本のマスメディアの中国に関する報道は、ほとんど、うわべのごく一部分しか報道しないんですね。例えば先週、知事言ったのは、蟻族とか、いろいろ問題で譲歩する人とか、あと臓器狩りとかね、そういう問題はほとんど取り上げてないんですよね。どうしても、中国政府の都合のいいように報道してると私達は見てますけど。

【知事】日本のメディアは、向こうの政府の都合の悪いことは報道しないって、おかしな話でさ。

【記者】それで60年代に日中記者交換協定がありまして、それは、前の衆議院議員の田川誠一さんが、著書にもそういう過程を書きまして、それの協定でずっと、日本のマスメディアは縛られているんじゃないかなと思ってますけど、知事はそれはどう思いますか。

【知事】田川誠一が決めたの。

【記者】そうですね。田川誠一さんとあと何人か。それで、北京で、交渉のときはそういうふうに決めた。これ、こういう本の中に、国会図書館の中に、その本の中に、こういういきさつ、内容は書いてまして、田川誠一さんの著書の中にもそういう文もありまして。

【知事】どういう約束をしたんですか。

【記者】約束はね、大体3つの原則。1つは、日本政府は中国を敵視してはならない。米国に追随して、2つの中国の陰謀はしない。

【知事】それは台湾のことだね。

【記者】そうです。日中関係は正常化の方向に発展するのは妨げないという趣旨ですよ。それ、長い間、日本のマスメディアはほとんど、例えば中国で何かしたら、中国政府、一方的に法輪功の弾圧したら「邪教」。例えばウイグル族のことだったら「暴動」とかね、そういう報道が結構ありまして。それについては、そういう現状についてはおかしいかなと思いますけど、日本はアジアで一番歴史が長い、民主主義の国家ですよね。経済も大国でありまして、どうしてアジアで、そういう独裁の政権に対してこんな態度を取るのは不思議で。

【知事】それは、日本政府全体というよりも、田川誠一っていうのは河野一郎の親族だね。河野洋平君のおじさんになるのかな(注:いとこ)。あの二人の政治家の言動って、私は中国に関しては、許せないことはたくさんありますね。田川がそういう約束をしたってこと、私、不明にして知りませんでしたがね。とにかく日本の中国に関する報道っていうのは、どういう規制か何か知らないけど、非常にマニュピレート(操作)されてて、国民の目を塞いでると思う。
 で、実は今日、私にとって、とっても大事な日なんだこれ。1週間延ばしたんですが、先々週の日曜日に私は野田総理と会いました。公邸で秘密裏に。その前に園田代議士を通じて、藤村官房長官をどこでも遣るから会ってくれって。何の件だと言ったら尖閣の件だと言うから、あんな昼行灯みたいな人間と話してもしょうがないんで、私、直に、だから総理と話そうと言って、園田に段取りをさせて、園田君に君もちゃんと証人として横にいてくれということで官邸で話をしました。
 私は、とにかく一刻も早く、本当の実効支配を尖閣、しなきゃいけないし、また、香港の連中と称する、実は後ろで北京の政府がマニュピレートしてるんだけど、あの連中たちがやって来て、10月にも、これから先も同じ問題が起こりますよと。で、その度に国民の心が傷つけられるんで、私はできるだけ早くあの島を、今の個人の所有者から東京都なりが、石垣市も含めて、あるいは沖縄県も含めて、できれば国が一緒になって所有して、最後は国の責任であの国の実効支配、自主的にやってくれと。私は何もあそこに自衛隊を置けとは言わない。
 一つは石垣の零細な漁民。この漁民の船は小さいんだ。その壁からこれぐらいしかない。せいぜい1人か2人で、操業している。このちっちゃな漁船があの豊穣な漁場へ、150キロ、出かけて行きますと、時化(しけ)が来た時に、諸君は知らないだろうけど、私はヨットもやるんだけど、嵐の中で船が沈没しないように支えるっていうんだ。どうやって支えるかというと、シーアンカーっていって、長いロープを流して、風に向かって真向かいに微速前進するんです。つまり、これ、前進するというのは波を乗り切れるわけじゃない。これ、支えるというんだ。これはヘリコプターのホバリングと同じなんですよ。で、それをやらなかったらひっくり返っちゃう。
 ところが、石垣のような零細な漁民の漁船は、そこでホバリングしていると帰る燃料がなくなっちゃうんだ。台湾とかシナの漁船は数十トンあって、十何人も人が乗っていますから燃料も沢山ある。だから彼らはあそこへやって来て、漁ができないような時化になったときに、2日でも3日でも船を支えていられる。日本の漁船だけは母港に帰らなくちゃいけないから漁ができない。だから最低限、港というよりは船だまり、南の、あの南小島だったら岩盤が浅くて簡単にできるんだから、その漁民のための、日本の零細な漁民のための利益のために船だまりつくってくれ。
 それから、石垣市から距離が離れているから、漁業無線では情報が届かない。ピンチになっても、窮境を頼むような電信ができないんだ、連絡が取れない。だからあそこに電信の、電波の中継基地をつくってやってほしい。そしてできれば、青年社がつくった灯台というのは一番つくりやすい所の島影ですから、できれば島の頂上に灯台が欲しい、つくって欲しい。そして、更にできれば、鳥島にあったような、あれは爆発をしたんで今、有人から無人になりましたが、できれば有人の気象の観測所ぐらいつくってくれと。最低限、石垣の零細な漁民を守るため、利益を守るために、船だまりだけはつくってくれと言ったんですよ。
 園田さんびっくりして、「石原さん、自衛隊置けって言うかと思った」と。「俺はそんなこと言うつもりない、もともと言うつもりなかった」と言ったんだけれども、考えてくれと。「1週間のうちに返事する」と。来ない。「もう1週間延ばす」。今日中に返事来るはずだ。多分来ないだろうね。そんなことができないのかね、政府。何様を気にしてかね。シナ様を気にしてかね、朝日様を気にしてかね。日本の零細な漁民の利益と生命を守るために、あそこに、つくりやすい南小島に船だまりをつくるということができない政府は、これはもはや政府じゃないな、日本人の政府じゃないな。手前らの選挙のことを考えてものを言ったら良いんだ、本当に。ということですよ。
 私は期して待ってます。いい返事が来ることを願ってますがね。ま、どうも、朝日の勘では、私の勘では、あるいは朝日の勘ではかな、返事は来ないんじゃないかな。
 どうぞ。

【記者】それで正に、2問目、それをお聞きしたかったんですけれども、それは都知事としては、東京都、国が買うということでも良いという、そういう前提ですね、今のお話というのは。それはどうなんですか。

【知事】ですから、いつでも私は国に全部渡しますと。それで、あそこに港をつくるというのはかなりお金かかりますよ。集まっているお金じゃとてもできませんよ。それはやっぱり国の仕事じゃないですか。
 或いは、どうせ駄目なら、やっぱり沖縄県がやる仕事。あるいは東京も幾分のお手伝いできるかもしれない、行きがかりからいって。しかしとにかく、零細な漁民達が、目と鼻の先が自分の領海の中でやる漁ができなくて、外国の船が勝手気ままにやってて、それをプロテクトするために最低限、とにかく漁民のために船だまり、港といわない、それをつくって穴を掘って船を留めて、嵐のときはそこに物を係留すれば良いんだ。南小島の西側にはテトラ積んで防波堤つくったら、立派な船だまりできるんだ。それぐらいやってくださいよ、と言ったんだけどね、「考えさせてくれ」と。多分、どこで考えているかといったら、外務省と朝日新聞とで考えてるんじゃないか、相談して。

【記者】すいません、1点だけ。あと、寄附金、集まってますよね。寄附金の活用についてはどうですか、その、船だまりに。

【知事】これはですから、購入のためにと言った、購入のために使います。ですから国が幾ら出すか知らんけど、そのお金は数万人の人たちが出してくださったんだから、その人たちの意志に報いるために、もう当然、購入のために使います。これ、もっと膨大に集まれば、港つくるために使ったって良いんだけども。
 どうぞ。

【記者】尖閣諸島の件なんですけれども、国が上陸不許可ということで、あさって東京都は洋上からの視察を行うことになっていますが、今回のその洋上視察で特に知事はどういった成果を期待されるか、また、調査の方法とか内容について、何か指示は直接されましたでしょうか。

【知事】何人かの専門家が行きますから。上陸できないなら、特有の動物がいたりするんですが、そういう調査はできないでしょう。
 しかし、南小島の地形からいって、あそこの船だまりの可能性っていうのは、専門家が間近から眺めたら分かることですからね。それぐらいの報告があると思うし、10月にもう1回行き直すようですから、そのとき、私行きます。行って逮捕されましょう。
 はい、どうぞ。

【記者】朝日新聞です。

【知事】おお、あの有名な朝日新聞か。

【記者】野田総理との会談の件なんですが、先々週の日曜日というのは、まず、19日ということでいいですか。

【知事】この前の前の日曜日です。

【記者】前の前の日曜日。で、いつでも国に渡しますというような、そういうお話、されたということなんですが。

【知事】ただ、その条件としては、形の上でも、きちっと実効支配をしてください。そのためには、最々低限、貧しい漁民を救うために船だまりをつくってください。

【記者】そもそも、このタイミングで、政府側からどういう理由で、その…。

【知事】知らないね。官房長官が行って、会ってくれ、会ってくれって言うから、そんな人間に会ったってしょうがないだろう。シャレード(言葉当て遊び)みたいになっちゃうんだから。

【記者】で、東京都の、今、取得計画を進めているわけですが、この計画について、野田総理は理解を示すような言葉はありましたか。

【知事】理解を示すも知らないも、とにかく認知はしているし、承知はしているでしょう、新聞にこれだけ出てるんだから。

【記者】ただ、認知はもちろんしているんですけれども、東京のほうで取得するということに少し理解を示すというか…。

【知事】だって、国は国で買いたいと言ってるんだから。だったら一緒にやろうじゃないかと。お金も全部渡しますよ。そのかわり最低限これだけのことはやってくれという条件を提示したんだ。私はそれに覚書を交換しようと。俺は血判してもいいぞと。君は拇印でも結構だけどね、国民の前に約束する覚書を交わそうじゃないかと言ったんだよ。

【記者】お金を渡すというのは、例えば今ある寄附金を購入費として渡すとかそういう意味ですか。

【知事】もちろん、それはそのために拠金してくださったんだから。

【記者】そうすると、じゃ、東京都の方で購入したとしても、譲渡というのは無償譲渡のことを知事はおっしゃっているんですか。

【知事】無償譲渡か何か知らんけど、とにかく一緒に物を買ってだね、それであとは国に任せるということなんじゃないの。

【記者】上陸は今回、認められなかったんですが、藤村官房長官が理由の1つとして、東京都による島の取得の見通しが必ずしも立っているとは認識していないと。で、上陸の必要性を判断する状況にないということで、東京都が買える見通しというのはまだないんだということを理由の1つに挙げているんですが。

【知事】それは、彼らはだけど当事者じゃないですよ。私と栗原さんと地主と話したとき、彼らが立ち会ったわけじゃないでしょう。そのときの会話まで一々彼らに報告する義理はないの、こちらは。つまらんこと聞くなよ、本当に。
はい。

【記者】国政についてお伺いしたいんですけれども。国会の審議がストップして、選挙モードが近付いているようなんですけれども、今回の選挙では、大阪維新の会や名古屋の減税日本等の地域政党も、今度は国政に打って出るということを表明しておりまして、自民、民主以外の第三極の中心となるのを目指す政党が多いようです。
 そういった政党の中で、知事が政治理念として共感できるなと、或いはこの政党にはどうしても共感できないなと、そういうのがあればちょっと教えていただきたいんですが。

【知事】あんまりないね。

【記者】どこもないということですか。

【知事】いや、どこもないことなく、私は橋下君は非常に信頼していますしね。だけど、名古屋の人は何を考えているかよく分からんね。この時代に減税なんていったって通じるもんじゃないよね。
 でね、私は、新党をすること、やぶさかじゃないですよ、最後のご奉公で。それが大きな政治変動の起点になるなら。ただ、やっぱり1人の人間が2つのことをできない。やっぱり尖閣っていうのは、これ下手すると一点突破、全面拡大になって、日本がチベットみたいな国にされかねない、その1つの引き金になるんですよ。皆さん、どれだけの認識を持っていらっしゃるか知らないけど。
 で、はっきり言うと、シナの軍事力っていうのは、皆さんどう考えているか知らんけど、こんなものはものの数じゃないんだよ。あんな、彼らが買い込んだ航空母艦は何の象徴ですか。世界の笑い者だ。あれを使ってシナの空軍か海軍かが離発着の実験をやったことは1件もない。あの航空母艦は大体動かなくなったんだから。で、ロシアの巡洋艦のエンジンを2つ持ってきて据え直して、かろうじて動かしてるけど、それはベトナムやフィリピンみたいな国に持って行けば皆たまげるかも知らんけど、あんなものは世界の専門家は笑ってて、大体10時間走ったら止まっちゃうんだよ、あんなもの。
 その他この他で、まあ、安倍晋三君のときに、ある問題が起こった。それで、外務省の馬鹿が、「こういう返事しろ」と言ったら「そんなことしたら、向こうは軍艦出しますよ」って言ったら、安倍君が「こっちも軍艦出したらいいじゃないか」。また、それをそのまま外務省が向こうに取り次いだんだな。そうしたらすーっと問題が消えたんだ。彼らだって自分の通常兵器の戦闘能力の限界っていうのを知っているんですよ。じゃ、ミサイルに核詰んで沖縄の嘉手納攻撃するか。そんなことしたら、それは彼らが終わりだし、世界も終わりだけど、それほどシナ人は馬鹿じゃないと思いますよ。
 それからやっぱり、戦争が始まったら何事が起こるかといったら、やっぱり蟻族とか地下族といわれてる中産階級と学生達、就職できない。あの連中たちに鬱積したエネルギーというのは、爆発したら、私は農民にはまだその力ないと思うけど、中国の大きな変動というのは都市から来ると思います。
 ま、そういうことを念頭に置けば、私達は自分の国土、自分の領土に、貧しい漁民を守るために港をつくる、港でなくても船だまりをつくるぐらいのことを何で政府はできないのかね。2週間経って、私はこの返事が来なかったら、ここでやっても物足りないから、丸の内の記者会館で外国の記者も含めて記者会見しますよ。こういういきさつですということを、恥をさらすことになるかもしれないけど。
 どうぞ。

【記者】先ほど橋下市長には共感できるというお話しをされていましたけれども、今週、大阪都構想の法案が成立しました。これによって、200万人以上の市は、基本的に特別区を東京と同じ形でつくることができるということで、橋下市長の悲願でもあり、東京との都市間競争という部分も考えての法案を要望されてきたかと思うんですけれども、今回の法案内容についてどのようにお感じになられますか。

【知事】私はもともと政令指定都市というのは反対だったんだ。非常にいろんな問題のあるシステムでね。神奈川県なんかはやっぱり川崎と横浜という政令指定都市が2つあったら、知事の権限っていうのは全く及ばないし、どういうんでしょうね。
 例えば、あえて言うけど、第3京浜で、昔のワンマン道路だな。ずっと神奈川県に入ると、西に向かっていくと左側、向こうから帰ってくるとよく見えるんだけど、ソニーの、ジャンクションのある近くに、どうも筋の悪い人達がやっているごみの処理場がある。あんなものを何で整理できないんですか。これ、横浜市の問題なんだろうけど、神奈川県の問題ではあるし。恥ずかしいよ、あんな所へあんなごみの山があって。しかもあれ、創価学会のあれだな、金庫が捨てられて、あの中から2億円だか入ってたのはあそこだよ。そういう山がいずれ何か知らんけど、何の利権か知らないけど、崩しては立て、崩しては崩し、ごろごろごろごろ、いつも何かやってるわ。
 あんなものを、都市の美観から言ったってさっさと整理したらいいけど、横浜市と県との整合性がうまく行かないのか、とにかく動かない。まあ、とにかくあの1つ見ても、政令指定都市っていうのはいろんな意味で厄介で。私はだから今度の法律は結構だと思いますよ。
 どうぞ。

【記者】維新の会の関係なんですが、9月に、維新の会による新党の参加を希望する国会議員などの公開討論会に、河村たかし市長、大村知事らが参加を呼びかけたことを松井府知事が明らかにしましたが、石原知事にもお声はかかっているんでしょうか。

【知事】来ませんな。

【記者】来てない。

【知事】私、尖閣で忙しいんでね。

【記者】それと絡んでなんですが、先ほど、新党立ち上げはやぶさかじゃないけど、2つのことは同時にできないということをおっしゃられましたけども、こういう尖閣が動いている現状を踏まえると、次の総選挙の新党立ち上げは見送るということですか。

【知事】さあ、わかりませんね、これ。電光石火、どうなるかわかんないね。自民党が買うんだったら自民党に売ったっていいよ。石垣市が、石垣市は前から言ってるけど、これ、やっぱり沖縄県が動いてくれたら、電光石火できるんじゃないですか。まだ、オーナーのほうの、その金額の需要には満たすまで行ってませんけどね。

【記者】先ほど、野田首相に最低限でも船だまりをつくってくれということを条件を出したとおっしゃられましたけども、それを政府が受け入れるなら、国が主体となって買うことも…。

【知事】結構ですね。

【記者】ということですか。

【知事】ああ、結構です。でも、その拠金は役立ててもらいたいね。

【記者】なるほど。だから、都が先行購入して国に渡すんではなくて、その集まった寄付金を国に渡して国が買うことも。

【知事】結構ですよ。

【記者】そのための条件という認識でよろしいですか。

【知事】はいはい。

【記者】わかりました。

【知事】それがどうしてできないかね。朝日新聞で考えてもね。あれは普通の人間だってできると思うけど、政府はね。何様に気兼ねしているか知らないけど、多分シナと朝日新聞に気兼ねしているんじゃないのか。
 どうぞ。

【記者】防災なんですが、木造家屋の密集地域に対する不燃化特区プロジェクトですけれども、今日、都のほうが、12の地区を指定されるという発表がありました。もともと12の中から3つの区を選んで、3つの区で先行と言っていたと思うんですけれども、12、全部選ぶことになりました。このことについての知事のお考えをお聞かせください。

【知事】いや、これはまあ、物事にはやっぱりプライオリティー(優先順位)というのがあるんで、いきなり全部にそれ、網をかけるように、なかなか行かんでしょう。これは専門家が検討した上で、それでその優先順位を付けたんであって。私は細かいこと分かりませんけども。専門家の検討に任すしかないと思うし、それ、いきなり全部に網をかけるというのは、とても行かないと思いますよ。はい。ということ。
 どうぞ。

【記者】先ほど、東海沖から四国における巨大大地震が起きる予測が出ました。先日なんですけれども。死者が最悪32万3000人…。

【知事】聞いてる、聞いてる。そんなことは君に聞かなくても分かってる。で。

【記者】はい。これが直下型地震の対応を、今、東京都は進めていると思いますけれども、これとどういうふうにつながりをつけていったら良いんだろうかということをお考えになりますでしょうか。

【知事】これとつながりって、どういう、何のつながり。

【記者】これが巨大地震過ぎましてね、被害も大変大きなものになって…。

【知事】なるのは分かってる、そんなものは。だから。

【記者】ええ。それに対して東京都は対応を、どういうことが考えられるんだろうかということなんですがね。

【知事】それはやっぱり、津波の予想図見ても、東京湾まで3メートルぐらいのが来るらしいから、その予備をしますよ。それから、そんなもんで済まないでしょうけど、東北と違ってもっと甚大な被害が起こったときに、東京は東京でいろんな援助をこれからしなくちゃいけないし。それからまた、東京の直下型の地震についても対策しているわけですから、これは本当に複合的に考えなくちゃいけない問題だと思いますけど。
 はい。どうぞ。

【記者】すみません。大阪の都構想の関係で…。

【知事】都構想って言わないでもらいたいんだ。東京都は東京都しかないんだ。元首がいて国会がある所が都なんであってね、キャピタル(首都)っていうのはそういうものなんだから。

【記者】まさにそのお話で橋下市長が、大阪府の名称を都に変更するために住民投票を実施する意向を昨日示しているんですけれども、それについて。

【知事】それはもう全然間違いだね。迷惑千万だしね、世界中が迷惑しますよ。日本のキャピタル、どこだっていったら、東京と大阪って、そんな馬鹿な話ないでしょう。国家のキャピタルってのは1つしかないんだから。
 はい。それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)