石原知事記者会見

平成24年10月11日更新

石原知事定例記者会見録

石原知事定例記者会見
2012年10月5日(金曜)
15時02分〜15時24分

質疑応答

【知事】私から申し上げることはございません。質問があったら、どうぞ。

【記者】先月30日に知事はお誕生日をお迎えになられて、初の記者会見になりますけれども、今後の知事の意気込みを聞かせていただければと思います。

【知事】意気込み?だらだら生きていくだけだよ。80になれば、もう。

【記者】前回の記者会見は体調不良でお休みになられたということなんですが。

【知事】そう。ちょっと血糖値が高くて、だるくて、ちょっと調子悪いんですよ。運動不足みたい。
 はい。どうぞ。

【記者】大阪の橋下市長の動きについてお尋ねします。日本維新の党という国政政党をつくってから、国会議員を取り込む段階で少々つまずいているというか、もたついているような形で、支持率も直近の世論調査などでは振るわないんですけれども、この間の動き、知事はどのようにご覧になっているでしょうか。

【知事】まあ、他人事だからね。そうそうたるメンバーが駆け込んで集まったならともかく、あの顔ぶれじゃ、周りもちょっと失望するんじゃないかっていう気はしますがね。橋下君自身が失望しているんじゃないのかね。

【記者】それでまた、原点回帰というか、第3極というのを強く意識した動きを始めようという形で、みんなの党ともまた連携を模索するようなこともおっしゃっているんですけれども、これは知事がもともとからおっしゃっていた、手垢のついていないような政治勢力でヌーヴェルバーグ(新しい波)を起こそうというような動きに繋がってくるかと思うんですが、一部にまだ根強い期待がある石原新党の動きというのは、まだ急転直下どうなるか分からない状況なんでしょうか。

【知事】急転直下どうなるか分からんね。人生何が起こるか分からんよ。
 はい、ほかに。どうぞ。

【記者】都議会議員に支払われている費用弁償についてお話を伺いたいんですけれども、都議会議員には、議会や委員会に出席するごとに毎回1万円から1万2千円の費用弁償、これ、交通費が支払われているんですね。経費削減などが叫ばれる中で、やはりこれは税金の無駄遣いなのではないかという声もありまして、ほかの県ではこの費用弁償を実費精算に変えることによって、年間およそ6千万円の経費削減に成功したケースもあるんですが、都知事はこの費用弁償についてどう思われますか。

【知事】僕はそれは初めて聞いた話だけどね。人の住んでる地域によって、自分の選挙区から議会に出てくるだけじゃなくて、視察もあったりするでしょうけどね。一律に1万2千円っていうのも解せませんな、ちょっと私としては。都民としても解せないんじゃないかね。これは議会が、都側と、他の事例も踏まえて、妙な誤解を受けないように冷静な話をすべきじゃないかと思います。

【記者】都知事から政治主導で変えられるということはできるんでしょうか。期待できますか。

【知事】いや、初めて聞いた話なんでね。こっちは経費削減はしてきたし、自分の給料も削ってやってきてるわけだし、職員の数だって減らしてるんだからね。実態を把握した上で、議会と話しましょう。

【記者】ありがとうございます。

【知事】初めて聞いた話だ。あ、そう。議会に出てくるだけで1万2千円払ってるの。

【記者】23区から選出された議員には1万円なんですけれども、23区外から選出された議員には1万2千円が、毎回、議会や委員会に出るたびに支払われているんです。

【知事】電車で来ればそんなにかからないだろう。

【記者】そうですね。実際に都議会に出席されている議員にこの間お話を伺ったところ、やはり電車で来ている方もかなりいらっしゃいました。

【知事】あとは余録か、電車賃以外は。飲めない話だね、それは。自分の車で運転してるとか、その経費が要るとかだったら…、ま、1回、実態聞いてみます。
 どうぞ。

【記者】自民党の先日の総裁選で安倍(晋三)さんが選ばれましたが、知事が事前に出した公開質問状で、安倍さんが船だまりの設置や公務員が常駐する施設も検討というふうにご回答されていまして、今回、改めて尖閣の実効支配について、知事が期待されることは。

【知事】だから、言った通りのことをやってもらえればいいんですよ。公開質問状に答えたんだからさ。答えた限り、やらなきゃしょうがないじゃないか。

【記者】改めて何か申し入れとか、そういったご予定は。

【知事】しませんよ。まあしかし、政権、どういう形でいつ取るか分からない話だし。

【記者】その総裁選の関連なんですが、今回、都議会自民党が自主投票を決めたことによって、都連会長の(石原)伸晃さんの票が伸び悩んだという選挙結果が出ているんですが、これについて、知事はどのように受けとめていらっしゃいますか。

【知事】それは都議会と都連の関係の問題だから、私、知りません。私、自民党じゃございませんから。はい。

【記者】知事もかなりいろいろ心配されていたという話も聞くんですが。

【知事】それは、親だから心配し、関心は持つけどね。何もそれで右往左往できる問題じゃないじゃない、こんなもん。
 はい、どうぞ。

【記者】今回、所信表明で横田基地の軍民共用化のお話、出されておりましたが、解決にも時間がかかる問題かと思いますが。

【知事】かかり過ぎてるね。

【記者】これからどのような活動をしていこうかと思われていますか。

【知事】ただ、首都圏の、外国からのフライトの許容能力っていうのはもう限界に近くまで来てるんですよ。で、横田を何とか活用したいんですけど、1つの突破口として、やっぱりビジネスフライト、要するにビジネスジェットをまず、あそこを一点突破、開いていくための手掛かりとして招致しようと思ってます。
 それで、これはフライトも知れてますし、それからあそこを正式にオープンするとなるとアクセスの問題がありますから。これはやっぱり何か新しいインフラの整備にもつながるんですけどね。ビジネスジェットで来るような人達はやっぱり裕福な人ですから、あそこから後でヘリコプターをチャーターして、都心まで飛んで来ればよろしいんで、そういう点ではビジネスジェットは、何か非常に、それで来る連中だから大きなビジネストークを抱えてくるわけだから、日本の経済にとっても1つ刺激になると思います。
 まずそこからとにかく始めようと思うし、私、よく知ってるトム・ドナヒューという、随分長いことやってるアメリカの商工会議所の会頭も、是非それやってくれと前から言ってますので、それから手始めにということで、野田君に言って、この間の日米の首脳会談でもう1回議題に乗せました。これから下の役所も、具体的な手順について話していくことになると思いますけども。

【記者】いつ頃までに実現したいかという思いはありますか。

【知事】それはできるだけ早くですな。滑走路空いてるんだから。行ってごらんなさい。大体、ターミナルビルっていうか、ヘッドクオーターみたいなビルがあって、司令官がいる、こっち側に管制塔があるんですよ。普通、滑走路横切っていくときは、フライトの数が多かったら必ず地下道を掘るわけ。ところがあそこは、ゴー・ストップ(信号機)で飛行機が来るときに、赤信号があって、青のときはいつも滑走路、横切れるんだ。ほとんどいつも青点いてるんだ。だから、こういう馬鹿な使い方されてるキャパシティ(収容能力)っていうのは、横田ぐらいしかないんじゃないのかね。
 どうぞ。

【記者】東京都の暴力団排除条例について1点伺えればと思います。暴排条例、東京都施行から1年経ちまして、相談件数が随分、4割ほど、それの前に比べて増えているということですが、都民の意識も高まっているということですが、保護が必要な、危険にさらされるような人も少し増えているということで、歌舞伎町浄化作戦とか、暴力団排除を主導されてきた知事の1年目の運用成果について伺えればと思います。

【知事】だんだん効果が上がっているということは、警察筋からも報告でも聞いてますし。ただ、この間もテレビで報道されていた、福岡ですか、九州なんかでは、かなりラディカル(過激)な反発があって、咎(とが)もない市民が刺されたり傷害を受けたりする、ああいうことはやっぱりあっちゃいけないし、それはちゃんと警察が責任を持って守らなきゃいかんですな、それは。
 はい、どうぞ。

【記者】維新の会の話で恐縮なんですが、先日、維新の会との合流に向けて、日本創新党が解散を決めましたけれども。

【知事】日本創新党?

【記者】はい。山田宏さんや中田さん、横浜市長。

【知事】それは政党って、登録されているわけじゃないでしょう。

【記者】それで、その席で、元杉並区長の山田宏さんが、石原新党も立ち上がることは大きな期待をしていると。石原新党が出来上がっていけば、維新の会も含めて大きな連携ができるという発言をされたんですが、これについてどうお感じになるか。

【知事】私も大いに期待していますな、はい。どうぞ。

【記者】例のアメリカの大統領選挙は来週か再来週、外交問題でフロリダで改めて討論がなされるということですが、ま、その外交ということであれば、尖閣の問題でも出るのかなと思うんですが、都知事はどちらサイドですか。オバマですか。

【知事】私は別に、アメリカ人じゃないからね。日本にとって有利な政権ができればそれで結構ですよ。どうぞ。

【記者】知事は、日頃から、北朝鮮による拉致問題をできるだけ早く解決して欲しいと願っているというようなことで、日々口にされておられますが、今日はたまたま横田めぐみさんのお誕生日であると。それから、北朝鮮が拉致を認めてから10年、今年が、というような今日の日に寄せて、改めて北朝鮮による拉致問題、これについてお考えはございますでしょうか。

【知事】いや、これはもう本当に口惜しいというか、腹立たしいというか。私は佐々淳行、警察の高官だった彼、親友でしてね。彼あたりからの情報からも、小泉君が訪朝してこの問題がクローズアップされる前から、警察の情報としたらやっぱり非常に多くの日本人が拉致されていると、それはもう確証もあると、いう話も聞いてて、私が国会議員のときに自分の選挙区で話しましたら、品川から出ている社会党の女の議員が泣いて抗議したね。そんなこと、あり得ないって言って。でもね、やっぱり、結局そういう国だったんじゃないですか。
 それから、日本のインテリがどういうふうに思っているか知らんけど、大江健三郎なんてのは昔の友人だけど、彼がだね、青年にとっての未来っていうのは北朝鮮にしかないって馬鹿なこと言って、何か、後だか隠してしまったら、谷沢永一にすっぱ抜かれて往生しているみたいだけど。私達は、何で北朝鮮を一種のシャングリア(理想郷)みたいに考えたんでしょうかね。本当に軽率な、馬鹿馬鹿しい話ですけどね。状況証拠から言ったら、数百人の日本人が拉致されている、こういう被害に遭っている民族関係というのは滅多にないと思います。北と南の問題とは、またこれ、ちょっと違いますよ。
 それから、めぐみさんは本当に気の毒だ。だけど、これ、私の臆測ですけど、彼女、生きてると思いますな。でね、ああいうタイプの美人っていうのは、北朝鮮では珍しいの。これは、滅多なことで、だから、どういう形で生きておられるか知らんけども、かなり大事にされているんじゃないかと思うが、その形については私、臆測の域でしか言いませんがね。ああいうタイプの美人っていうのは珍しいんですよ。私は、めぐみさん、生きていると思いますな。大した論拠はありませんよ。ただね、そう思います。

【記者】国と国のこういった拉致問題、事件としては、事実関係はちょっとあるようなんですが、それ以外にも国と国としては本来、できるだけ仲よくしていきたいというような気持ちが本来あるのがしかるべきところなんですが、その動きの中で、日本からの墓参団が戻ってくることができた、そういうようなことで、少しずつ雪解けみたいなものも見えているかなとも思うんですが。

【知事】さあ、それはちょっと甘いんじゃないかな。

【記者】甘いですか。

【知事】とにかく北朝鮮の背後に中国があるということは、これ、歴然たる因果関係ですからね。私は、今の中国の姿勢ってものを見ると、尖閣の問題もそうだし、対日本だけじゃなしに、フィリピンに対してもベトナムに対しても、南シナ海の覇権主義というものを踏まえて考えれば、なかなかこういう厄介な状況というのは、この、雪解けのように解けて解決されるのは随分ほど遠いんじゃないかと思いますよ。
 私は、皆さん、メディアなんだから自分で調べたらよろしいんだけど、日本は鯉口切ったらいいんですよ、寄らば切るぞって。刀パチンと。で、切れるか切れないか切ってみろって言ったら、切ったらいいんだよ。
 例えば、シナが10億円か何かでスクラップで買った航空母艦、あんなもん、世界のもの笑いで動かないんだから。それで、文句言ったら、巡洋艦の古いエンジン2つ持ってきたんだけど、10時間走ったら止まっちゃうんだ。あの航空母艦で彼らが艦載機の離発着やった事例というのは、1件もない。ただの飾りですよ。比べて、日本が今造るやつは、航空母艦っていうのは、これは昔の飛龍、翔鶴、瑞鶴ですか、に似ていて、非常に大きなもので、これは例えば、突っ込もうと思ったらアメリカの艦載機のF-35も搭載できるぐらい、そういう能力のあるあれだよ。これは主に大きなヘリコプターの搭載艦ですけどね。そういったものも含めて、とにかく、寄らば切るぞと言えばいいんだよ。

【記者】ありがとうございます。お体、大切になさってください。

【知事】大事にしても駄目なんだもう。歳だ。はい。

【記者】原発のことなんですけれども、先だって、大間原発が建設再開をされました。野田総理のほうは、30年に原発ゼロを謳っているわけですが、この再開とは政策的にも整合性が無いんではないかと思うんです。それと、もう1点は、ここから生まれるプルトニウムってものが、いずれ、出てくるわけですが、原子力発電所がどんどん増えていきますと、日本にもプルトニウムがたくさん貯まっていきます。このプルトニウムの処理については、どういうふうに考えていったらいいのかということをお聞かせ願えれば。

【知事】その1つとして私は、些細な故障で止まっているもんじゅを動かしたらいいんですよ。これは本当に、二次的な、部分的な故障であってですね、高速増殖炉で動いたら、あそこに置かれる、六ヶ所に置いてある廃棄物というのは再燃焼できるわけだから。とにかく、今までと違った、他の原発と違うメカニズムで動く原発ですから、高速増殖炉、ファストブリーダというのは。だから、私は参議院の頃からそれを言ってきたんだ。
 これから日本の経済の発展度合いというものをシミュレーションもせずに、そのためにどれだけのエネルギーの需要があって、その何%、何割を原発で占めるか占めないか。それか、もう他の燃料を使うことにしたというなら、どれだけのコストが嵩むか。現に日本が入れている天然ガスのコストはどんどん上がっているでしょう。それから、かつて電気料金が上がっただけで、何年前でしたかな、日本のアルミ業界というのは全滅したんですよ。今でも、この間もテレビでやってたけど、中くらいの千葉県の製鉄所が、夜間のコストが安いから、昼間は休業して夜中に操業していますよ。そういう無理がどこまで続くかということも想定せずに、原発に対するトラウマっていうのはあるでしょう、被爆国家だから。ただ、私は、ものにも書いたけど、今、官邸の前で原発反対ってやっている人達を見てると、60年安保のときに、岸さんが頑張って片務条約をイコールのものにし、地位協定もつくって日本に対する安全保障というものを強化させた、あの条約の改定を、中身も知らずに反対、反対、反米、反権力ってことで、騒いでた連中によく似てるね。これは本当に怖いと思いますな、私。ということ。
 はい、どうぞ。

【記者】先月末、品川区の中学1年生の男の子が自殺をしました。因果関係はまだ分かっていないんですが、いじめを受けていたということが分かっていまして、教育庁とかもいろいろ対応されていると思うんですが、知事はこのいじめの問題に関して、どのような対策が必要だとお考えですか。

【知事】いつの時代も子供のいじめってのはありましてね。大人になりかかった子供の意識というのはなかなか複雑で捉えにくいところがあるし。しかしやっぱり、大勢の人間が1人の人間を犠牲者にするってのは卑劣な行為ですからね。そういう点では、じゃ、かつての日本になかったかというと、かつての日本にもあった。私も、北海道から転校したら随分いじめられましたよ。私はいじめの番長っていうのをぶん殴って問題になったんだけども。やっぱり自分で自分を防ぐというぐらいの、そういう気迫っていうのを持たせるような躾って、親もする必要あるんじゃないかね。
 はい、それじゃ。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)