石原知事記者会見

平成24年10月24日更新

石原知事定例記者会見録

石原知事定例記者会見
2012年10月19日(金曜)
15時17分〜15時50分

知事冒頭発言

1 官民連携インフラファンド第一号投融資案件について

【知事】ちょっと大事な長い電話をしてましたので、遅刻しまして失礼しました。
 冒頭1つ、今度、初めて官民連携のインフラファンド第1号を設置しましたが、社会資本整備のため、新しい資金循環システムであります、日本で初めての官民連携インフラファンドについて、この6月にファンド運営事業者を2社選んだところですけども、今般、IDIインフラファンドの第一号となる投融資案件を決定しました。まず、10万キロワットの最新型ガスコンバインドサイクル発電所に投資して、首都圏での電力の安定供給に貢献したいと思っています。今後は、再生可能エネルギーなどに対しても投資を行っていくことになります。

 先ほど、東大の大学院の、地質学の加藤(泰浩)先生の講義を聞いたんですが、あの人が南鳥島の周辺にレアアースがあるということを発見したんですね。これも、通産省は、何か全然乗り気じゃなくて、予算も出そうとしないし。日本の経済排他的水域の中にある資源ですから、これは活用したらいいと思うんですね。調査は2、3年で、わずかなお金ですよ、年間20億位のお金ですから。やろうと思ったら、こんなことにもこのインフラファンドで適用したらいいと思うんだけども。通産省のこの担当の役人っていうのは頭が固くて、他のプロジェクトをやってるもんだからこういったものに対して一向に関心を払わないんだけども。これは東京都下の問題ですから、東京都としてもそれ位のお金だったら十分出せますし、これ、やったらいいと思うんですね。

 それで、何で南鳥島にレアアースがあるかっていうと、これ、知らなかった。皆さんも知らないと思うけど。あれは日本の国土と違って、昔はマーカス島っていったんだけども、太平洋プレートの上に、末端に乗っかってるんだ。で、10億年くらいかかって、今、海底に沈んでる、レアアースの一番豊饒な水域っていうのは、タヒチのそばなんです。これは5000メートル位なんですね、水深。4000メートル弱。南鳥島の場合には6000メートル弱なんですけども、これ、もともと実は、南鳥島っていうのはタヒチの近くにあった島らしいんだ。これが数億年かかって、ずーっと、こう、移ってきて、今の場所にあるんです。これは日本の本土の乗っかってるユーラシアプレートと全く違う、太平洋プレートの末端に乗っかってるわけで、そういうことで、あの所にも、タヒチの周辺とか、あるいはハワイの周辺にあるレアアースがたくさんあるということが分かったんですな。
 こういったものを、国がやらないなら東京がさっさとやったらいいんだ。尖閣の問題じゃないけど。そうするとやっぱり「何だ、生意気にも東京がやるのか、じゃ、国がやる」ってことになるんで、その引き金、東京で引いたらいいなと思っていますが。

 いずれにしろ、残っておりますスパークス・グリーンインフラ・ファンドも、近々に投資を開始する予定ですけども、これらの2つのファンドに金融機関からの融資などを合わせれば2000億円規模でも投融資が実現して、インフラの整備に乗り出していきたいと思ってます。
 国の動きは相変わらず鈍いんですが、民間ではインフラファンドの取組が少しずつ広がりつつあるんですけども、東証でも上場インフラ市場の検討が始まっていると聞いてますが、新たな仕組みを、こうした仕組みを活用した我が国の社会資本の更新に、真剣に国を挙げて取り組んでいくべきだと思ってます。
詳細については、知事本局に聞いてください。

2 橋下大阪市長に関する週刊朝日の記事について

 それからもう1つ、これは私、友人だから、腹に据えかねてあえて申し上げるんだけども、大阪の橋下市長について、佐野眞一なるインチキ野郎が、週刊朝日にとんでもない記事を書いてる。朝日もさすがに、とにかく謝罪をするみたいだけど。
 この男ってのは、私も被害者の1人なんだ。彼は何故か、同和の問題、いわゆる部落っていうんですかね、それについて非常に強い偏見を持ってる男でね。私が何故それを感じたかというと、私に対しても好感を持っていないみたいで、私についての変な、1冊、本を書いたんですが、その調査のときにも、私の父親の本籍地っていうのは、伊予ですね。それで、そこへ出かけて行って、周辺の人にいろんな質問をしているんですけど、誘導尋問で、石原の一族は部落じゃないか、同和じゃないかっていう誘導尋問をして、で、聞かれた人達から、けしからんやつが来てこう誘導尋問しましたよと報告があって、私もあきれたんですが。
 幸か不幸か、私の家は没落士族でありましてね。昔の戸籍の原本、ハラホンというんですけど、これには士族と載ってるんだ。なぜ私がそのときに同和の問題に関心を持ったかといったら、私の父親が、うちは昔は武田の武士で残党で、ある戦で弓矢で功績を上げたんで、うちの家紋は子供心に覚えていますし、今でもそう、お正月に使うお膳についてますけども、黄金分轄のできない7本の矢なんですな、家紋が。で、そのゆえんを聞かされました。で、だから、故にうちはこの士族だというので、原本を見せてもらった。そのときに、あのときの階級というのは4つに分かれてまして、華族、士族、平民、新平民ってあった。私はその新平民って意味が分からなくて、これ何ですかと父親に聞いたら、これは、これこれしかじか、昔、政治的な理由で強引につくられた1つの差別階級で、非常に気の毒なんだっていう話を聞いたんですが、
 まあね、私の一族、どの出でも構わないんだけども、そういう出自とか、それから、お父さんとかおじいさんの職業というものをあげつらって、しかもそれがDNAとして橋下君に受け継がれて、ああいう性格のとんでもない人間をつくったと、これは非常に危険な存在だという、これは中傷誹謗の域の、本当に卑劣な作業だと思います。

 それで、私は彼が非常に卑しいと思うのは、彼、今まで剽窃(ひょうせつ)問題っていうのを何回も起こしてるんだ。うちの副知事の、猪瀬さんの書き物も盗まれまして、彼も抗議したんですが、今までも事例は5つか6つありますよ。
 典型的例は、大宅壮一賞ですかな、あの選考員をしてる深田祐介君という、日本航空の出身で直木賞をもらった作家ですけども、古い人だから、皆さん覚えてないかも知らないが、この深田さんの一部を剽窃して問題になって、結局、深田君が、その本を読んでたまげて、審査員としてこれは許せないといって、はねたことがある。
 それから、1985年の11月号の月刊現代に「池田大作『野望の軌跡』」という文章を書いて、これは三一書房の単行本が『池田大作ドキュメント−堕ちた庶民の神』というんですか、これ、溝口(敦)さんという人が書いた本ですけど、ここから、とにかく十数箇所あってですね、盗作が。これ、非常に問題になったんだ。
 それからまた、1993年講談社の『日本のゴミ』の359ページには、1987年のPHPから出た『ドキュメント東京のおそうじ』、山根一眞さんっていうんですか、この一部を盗用していて問題になったんだ。
 それから、幾つもありますな。1990年の文藝春秋の『紙の中の黙示録』には、1988年の文藝春秋の『新東洋事情』の、これ、深田さん、これですね、これから3ページか4ページがそのまま剽窃されている。こういう前科のある人間ですよ。非常に卑しい、卑劣な男だ、これ。これは本当に許せないね。

これがまた、朝日新聞がそれに、どういうつもりか知らんけど、彼の出自というものを暴くというんですか、問題にして、しかもお父さん、おじいさんの職業という、そのDNAが彼に生きてつながってると。こういう誹謗というのは、じゃあ、あの人は7人子供いるわけでしょう、立派な話だ。その子供たちに影響するんじゃないですか、その一生に。こういう、文筆を借りて、何というのか、他人の家族までを貶めるという、こういう物書きというのは本当に私は許せませんな。あなた方メディアの人、もうちょっとしっかりして、この佐野眞一なる卑しい男を監視してもらいたいね。これはアメリカなんかだったら、西洋社会では、絶対こんなことは通用しませんよ。
 私から申し上げたいことはそれだけですから、質問があったらどうぞ。

質疑応答

【記者】冒頭前半にありましたインフラファンドに関連して1問お尋ねします。後段のほうで、東京証券取引所が上場商品としてのインフラファンドについての検討会を始められていることに知事、触れられましたけれども、知事も1期目に中小企業の資金調達で債券市場構想なる市場をつくるという枠組みについて提唱されましたが、今後、東京都として、東京証券取引所のインフラ上場商品市場の創設というものについて何か支援されたり、後押しされたりするようなお考えがおありになるかどうか伺えればと思います。

【知事】これは本当に大歓迎でしてね。東京がこういうものの成長というのを支援できるんだったら、幾つかの紹介もさせていただきますしね。こういう仕事もあり得るんじゃないかとか、例えば、通産は嫌がってるみたいだけど、国土交通省は乗り気なんだけど、南鳥島のそういうレアアースの開発なんかは、これは日本の企業にとって大歓迎のことだと思いますし、それを国がやらないこともおかしいしね。中国、シナが何故、レアアースの出し渋りをしてるかというと、これは中国の、シナの南のところで掘ってるんだけども、これは野ざらしで、すごい放射能、その、障害が出てきて問題になってるんですよ。人も随分病気になったり。
 ですから彼らは、そういうものの抑制も含めて値段もつり上げてきてるけども。私達が自国の領土の中にあるそういうものを、そのインフラファンドみたいなものを活用して開発していったら、これは日本の企業も大歓迎すると思うし、東証というのはどこに属してるか知らないけども、日本の経済界がそういう新しい融資活動に賛意を表してこういったものを育成していくことは、とっても大事だと思いますね。
 はい。どうぞ。

【記者】高速道路が老朽化しまして、これを建て替えるという計画が国土交通省のほうで提言されたわけなんですけれども、これについては、非常に費用もかかるということもありまして、今、先ほどおっしゃってたインフラファンドとかいうものも、どういうふうに活用できるのか分かりませんけれども、東京の新しい姿としては、これはどういうふうに知事は考えておりますでしょうか。

【知事】首都高の老朽化というのは前からも言われていましたしね。例の阪神大震災のときに、高速道路が全部ぶっ倒れたのを見て、慌てて周りに、橋の柱ですね、高速を支えてる、それに鉄板巻いたりしてましたが。これ、かなり補強になるんですけど、肝心の道路そのものの破損というのはよく分かるようで分からないんだ。
 ところが今度、ベンチャーテクノロジー、東京でいつも表彰してる、今年も10ですか、先端技術を表彰しますけど、その中の1つに、高速道路の上を、60キロの速度で、のろのろじゃなしに走りながら、肝心の橋の路面のどこが傷んで、どういうふうな形で傷んでるかということを映像としてキャッチできる、そういう技術を開発した会社があるんです。私はこれ、大いに活用して、高速道路、首都高そのものを全部建て直すなんかべらぼうなお金かかって、とてもじゃないけど簡単にいきませんよ。ですから、そのうち技術も進むでしょうし、今あるものをさらに強力に補強するという、その手だての1つが技術的に見つかったわけですから、私はその限りでそれを活用してもらいたいと思うしね。首都高そのものを全部つくり直すというのはべらぼうな話で、そんな金はとてもじゃないけど日本にも東京にも無いと思いますな。
 はい。どうぞ。

【記者】2点お伺いします。先ほどの橋下市長の問題ですけれども、これ、朝日新聞が、子会社ですね、朝日新聞出版。こういう編集長は一種のお詫びということを出すと言ってますけれども、朝日新聞は編集権が違うという形でね、100%子会社、そして、記者もみんな出向してる人達が多い。こういう中で、別々のものだという形でやっています。それともう一つ、私達…。

【知事】それはイクスキューズ(弁解)ですね、ただのね。会社全体の責任ですよ、そんなの。

【記者】それともう一つ、若宮主筆という方が、この人が「安倍晋三叩きは朝日新聞の社是である」と、三宅久之さんにこれ言ってる。こういうことをね、公然と言ってるというのは、今言った佐野さんという、とんでもない人だと私も思いますけれども、こういう個人のね、ライターを使ってる、これ、組織的な問題だと私は思ってるんですね。これは、今言ったように、いろんな意味でこれから個人、政治家に対するバッシングとか、いろんなものがあると思いますけれども、知事はこの、いわゆるこういう問題についてね、ちょっと見解をまずひとつお伺いしたい。これが1つと、あと、尖閣もちょっと聞きたいと思います。まずそれをお答え…。

【知事】第1問はやっぱり、第4権力ですか、を自称しているメディアのおごりでね、それは卑劣な話で、(朝日新聞記者に向かって)石原叩きも社是なんだろ。な。人民日報と同じような記事書いてるじゃないか、尖閣に関して。こんな新聞が日本にあるということはちゃんちゃらおかしいよ、私に言わせると。何回も言うけど、あさひというのは飲むもので読むものじゃないんだよあんなもの。と、私は思っております。はい。

【記者】それから、尖閣の問題ですけれども、先週ちょっとお聞きしましたけども、短く2点ちょっとお聞きしたいと思います。1つは、我々のチャンネルにもたくさん、日本文化チャンネル桜ですけども、視聴者からいろんな反応がありまして、これを聞いてもらいたいというのがありました。
 1つは、知事が6月に衆議院に行きまして、参考人としてお話しになったこと、これ、「いよいよおまえの家に強盗が入るぞということを宣言したんだ。一体誰がこの島を守るんですか。政府にやってもらいたいよ。東京がやるのは筋違いだと言うが、筋違いだよ。筋違いだけれど、やらざるを得ないじゃないですか。強盗に入るぞと宣言されたら、戸締まりをしない国が世界中どこにあるんですか」。全くそのとおりだと思います。で、私達も、筋違い、本当は政府がやることだと思います。しかし、そのために14億7700万ぐらいのですね、東京都が筋違いのことをやっていただくということで皆動いたと思います。そして、今も期待をしていると思います。
 それで、船だまりとかね、こういうものはなるべく早く政府がやるべきだと思います。しかし、例えばニューヨークタイムズとか、ワシントンポストとか、フィナンシャルタイムズとか、海外のメディアにこの14億7000万を使って、今、宣伝戦が進行中ですから、これを尖閣は日本の領土であるというね、こういう広告を出すということは、東京都としても集めたときの趣旨が購入と活用、ということですから、購入はちょっと失敗したわけですから、これは売った方のがあると思いますけれども、活用としてですね、新聞に、各世界の各新聞、東南アジア、特にフィリピンとかベトナムとか、マレーシアの新聞、アメリカ、イギリス、ヨーロッパ、こういうところの新聞にそういう広告を出すのは、みんな大歓迎するんじゃないかと。

【知事】なるほど。

【記者】これがまず1つ。あと2点聞きたいんですけど、まずこの問題についてはいかがでしょうか。

【知事】それは賛成ですね。その前段で、この間も大阪の市長の橋下君と話したんですけど、彼が石原さんがそれを言ったのは意外だったと、知らなかったと言ったんですけど、私は前から、とにかく相手が出てこなくても、ハーグの国際司法裁判所に提訴したらどうだと言ってきたんですよ。出てこなきゃ出てこない相手の理由があるわけだから。だからこの問題について、原告が行っても被告が出てこないってのは、やっぱり片手落ちのことですけど、出てこない理由ってのが何なんだと聞けば、彼は答えられるか答えないか分かりません。答えたにしろ、それは非常に噴飯なものでね。そういったものも含めて私は、意見広告ということで、前段にそういう措置を取ってからですな、裁判の結末よりか裁判の推移についての広告を出したらいいと思います。
 それから、おっしゃったように、あのシナに領海を侵犯されつつあるフィリピンとかベトナムとか、マレーシアもそうですか、そういった国の新聞に、とにかくこういう侵略、横暴というのを許すまいと、みんなで力を合わせようという、そういう呼び掛けをする新聞広告も、私は有効だと思うし、やることについて、拠金された方々は異論がないと思います。

【記者】今、知事もおっしゃっていただいたように、マスメディアはですね、侵略、中国、これ、我々の領土には領土問題はないわけで、侵略と規定したほうがいいと思って、今、知事もおっしゃってましたけども。

【知事】侵略ですよ。

【記者】ええ。これをメディアは報道しないんですね。中国の侵略だということをね。もうちょっとこれも、広報の中で、中国の侵略が起こってるっていうことを世界中に知らしめるべきだということで、ぜひ、実現に向けて動いていただければと思います。
 それからもう1つ、具体的なことですけども、漁師さん達、石垣、宮古、与那国の漁師さん達に燃料費を出して、つまり、漁業支援活動、私達も10回それをやってきましたけれども、そのお金は使ってもいいんじゃないかと、石垣市と相談の上。いわゆる実効支配、漁師たちの生活の場であるということをね、世界中に知らしめるためにも、そういうことを援助してもいいんじゃないかと、あれを使ってですね、と思うんですけど、いかがでしょうか。

【知事】これはやっぱりちょっと、一考にする必要があると思いますね。沖縄だって潤沢な金もらってるわけですから、基地の問題でね、本当はそれはやっぱり沖縄の県がすべきことですよ。石垣市は財政の規模は知れてるでしょうけどね。
 でね、やっぱり大事なことは、日本の漁民ってのは非常に優秀で、漁業能力は非常に高いんだけども、如何せんとにかく船が小さいから、あそこに張りついて漁はできない。そういったものを補助するためには、とにかくあそこに、とにかく嵐を退避、避けるための船だまりぐらいはつくる必要があると思うし、それからあそこを通航する、限られた国かも知れんけど、決して日本やシナや台湾や、あるいはロシア、そんな国だけじゃないし、ほかの国もあちこち行ったりしてるわけですから、船が。やっぱり非常に暗礁の多い所ですし、あの島の魚釣島の頂上に、最低、世界の人々のために、生命と安全を守るために灯台をつくるってことを日本の政府がやることに彼らが反対するなら、それこそ、その理由をハーグの国際裁判所に言ったらどうだと、主張したらいいと、私は思いますけどね。

【記者】前にもちょっと言いましたけど、浮き漁礁とか浮き灯台とかいうことは、石垣市の行政区ですから、それもできます。それから、今政府が、さっき言いましたガソリン援助とかいうのは、調査費として実際、数千万、石垣市とか宮古島には出てます。これを石垣と相談の上、是非、その14億7000万のあれを、1回往復だけ、大体10万円ちょっとなんですよ、A重油というのが。これを一つ一つの船にやれば、たとえ漁が不漁であっても、尖閣の所は豊かな所ですから、何度でも行けるようになるんで、是非これは、むしろ生活の場を守る、生活の場であるということをアピールするためにも、これをもう一回、ちょっと検討していただけないかと思います。

【知事】これはまあ、しかしね、私、東京がやることじゃなくて、むしろ、やっぱりやるなら、沖縄県がすべきじゃないですかね。だから仲井真(沖縄県知事)さんに、あなた言ってくださいよ、直に。私からも取り次ぎますけどね。

【記者】ただ、知事がね、これ、やっぱり、一種の象徴のようになってるんで、先頭に立っていただきたいということです。
 それからもう1つ、また具体的にあれしますけども…。

【知事】ちょっと長いね。

【記者】これは、知事、私はもう10回行ってまして、1回上陸しましたけれども、この1年で。是非ですね、知事、上陸しなくてもいいですから、国民としてね、是非1回、尖閣のほうに、視察調査でも結構ですからお出かけいただけないかと思いますけど、いかがでしょうか。

【知事】私も、西村(眞悟)君が行くときに頼まれて、友人の船をフィリピンから持ってきたら、またあの子分の議員がしゃべっちゃったんでね、着いたらもうカメラの放列で、しかも保安庁がいらいらして、船近づけないからって、残念ながら上陸できませんでしたがね。
 とにかく、私がする、しないの問題じゃなしに、この間、皆さんが行っていただいて、あそこの島の映像を映して、皆、いろんな形の社が撮った、いろんな形の島の映像を見て、こんな美しい、こんな立派な島かという認識を持ったっていうのはとてもよかったと思いますね。
 それから大事なことは、あの島を俺達は命張ってでも守るぞっていう姿勢を示す必要があるんだ。昔の侍と同じように、刀抜く必要はない、まず鯉口を切ったらいいんですよ、かちゃっと。それをしないんだ、日本の政府っていうのは。そうしない限り舐められ続けて、とにかく一方的に勝手なことを言われて、日本が最後はあの島を盗んだという、馬鹿なことを向こうの高官が言ってはばからない。またそれを、よく事情を知らないアメリカのメディアが真に受けて、この問題についてそっぽ向いたりむしろシナの肩持ったりするってのは本当に滑稽な現象だと私は思いますし、これは政府がよっぽどしっかりしてもらわなくちゃ。
 ま、政権も変わるでしょうからね。安倍君が多分、総理になるんでしょうから、しっかり取り次ぎますよ。はい。
 どうぞ。

【記者】今の尖閣の話にも少し絡むんですけれど、先日、民主党の前原大臣がテレビ番組で、8月19日に知事が野田首相と面会されたときの言葉として、知事が中国と戦争も辞さずだという趣旨の発言をしたと前原氏が言いました。この発言が事実かどうかというのが1点。

【知事】そんなこと言ってませんよ。

【記者】それはおっしゃってない。

【知事】ああ。だからそのとき、言った、言わないの話になるっていうんで、前原ってのはろくでもない奴だけどね、外務大臣のときに面罵したことがある、横田の問題で。役人の言いなりになって馬鹿なこと言って、逆に妨害して。やって来る大事なパネリストの、アメリカの前の総司令官と、ジアラっていう前の日本部長がパネリストとして来るシンポジウムに、外務省、そのときに人を送ってこなかったし、それから前日、その2人を呼んで、これはもうナショナルイシュー(国家の問題)じゃないからお前ら余計なことを言うなと、そういう妨害をする。だから僕は面罵したんだ。お前はどこの国の大臣なんだと。それをそそのかした北米局長は、お前はどこの役人だと言ったら、しゃあしゃあと「日本でございます」って言いましたよ。私、そうは思わないね。
 ですから私はそのときに、そういうこともあるんじゃないかと思うから、園田代議士を、また、仲間ですから、言ってですね、彼は側で聞いてました。ということです。
 どうぞ。もう朝日はいいよ。

【記者】すいません、テレビ朝日です。

【知事】あ、そうか。

【記者】はい。1点、沖縄の話なんですけども、沖縄でまた米兵による事件が起きました。沖縄の抱える基地問題の1つなんですけども、一方、東京都にも、赤坂プレスセンター、港区のヘリポートや、知事、今おっしゃったように横田の問題等々、抱えてると思いますが、土地の返還等々について、都として今後どういうふうに働きかけていくのか。

【知事】これは本当に腹立たしいことで、今日の日本の首都・東京に星条旗通りなんて通りの名前が付いてることがおかしいよ。それから、マッカーサー計画のあった新橋に抜ける新しい道路計画も、まだ実現されませんけど、これも今だにあそこはマッカーサー通りとなってる。こんな馬鹿なネーミングを自分の首都にしてる国民ってのは世界中にないと思うね。
 それから星条旗通り、あそこのスターズ・アンド・ストライプスってのは米軍の新聞でしょ。私が横田の問題、知事になって手を着けて、これを何とか返還させたい、共同使用に行きたいと言ったら、真っ先に電話かけてきたのが、亡くなりましたけど後藤田(正晴)さんでしたな。この人は、「石原君、横田も頑張ってくれ。同時に星条旗通りって名前も変えてもらいたいし、あそこに持ってるヘリポートも取り戻してくれ」と言われましたが、これ、いくら交渉しても、全く、どういうのかな、のれんに腕押しでね。とにかく外務省が動かないんだから、この問題について。
 はい、どうぞ。

【記者】横田基地の問題で、周辺住民が17日に騒音被害を訴えて、国に対して、夜間と早朝の飛行停止と損害賠償を求める裁判を改めて起こすというふうに発表しましたが、この件についてはどのように…。

【知事】それはやっぱりエゴな話でね、あんなに眠れないほどの騒音があるわけないし、飛行機なんか飛んでないんだから、あそこ。だって、かつてだって、伊丹の空港なんかだってさ、問題が起こって、後から入居した人達が騒音で賠償して、随分補償もしましたよ。結局、大阪の新空港ができるから、あれ、つぶそうかと言ったら、地元が反対して残してくれっていう嘆願でしょ。そういうところはやっぱりちょっとね。特に横田の周りの住民が騒音訴訟を起こすなんていうのは、私に言わせればナンセンスだね。
 どうぞ。

【記者】都知事、先週、橋下市長と、あと、平沼代表と3人で会談をされたということですけれども、改めて、いろいろとお話しされたかと思いますが、橋本市長との連携について、今のお考えをお聞かせください。

【知事】これから先のことですから、今、それ、言えません。はい。
 どうぞ。朝日か、また。

【記者】平沼(赳夫)さんは、西の橋下、東の石原というふうに、かなり国政をにらんで…。

【知事】そんなことを…。

【記者】石原さんと橋下さんの連携について希望的観測を述べられているんですが、まず、この発言については…。

【知事】平沼君に聞いてくれ、平沼君に。
 それから、橋下さんが、政治家が、選挙区をすみ分けするっていうのはおかしいと、それは確かに、そんなつもりで言ったんじゃないですよ、平沼さんはね。平沼さんに本意を聞きなさい、君は。私に聞かずに。

【記者】もう1つすいません。

【知事】駄目。

【記者】先週、来月4日の…。

【知事】うるさい。

【記者】健康診断を見てからですね…。

【知事】個人の話だよ。

【記者】それからの身の振り方を決める、身を捨てるかどうか決めるというようなお話をされてましたが。

【知事】健康だって言われたから当分やりますよ。

【記者】もう、これは結果が出られたってことですか。

【知事】はい。

【記者】ということは、もうこれ、新党に向かって、身を捨てる覚悟でやっていくという、そういう決意なんですか。

【知事】それはあなたの憶測でしょ。あなたの憶測でしょ、それ。

【記者】私の憶測というと。

【知事】いや、だから、君がそう思ってるだけの話でさ、私はそれについて、イエスかノーかを答える筋合い、この時点でどこにあるのよ。馬鹿な質問するなよ。

【記者】するとイエスでもノーでもない…。

【知事】はい、じゃ、終わり。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)