平成23年3月15日更新

東北地方太平洋沖地震・東京都知事発言


発言内容

 まず、行政の長であります私が使いました、「天罰」という言葉が、添える言葉が足らずに、被災者の皆様、国民・都民の皆様を深く傷つけたことから、この発言を撤回し、深くお詫びいたします。

 かつてない困難の中にある被災者の皆様の失意・ご無念は、拝察するに余りがあります。同じ日本という国土に住むものとして、明日はわが身、我が事であると思います。

 私の手元にも、日々刻々、被災地の厳しい情報が入っておりまして、被災地の映像もつぶさに見ておりますが、首都の知事としても、被災地のために、幸い、財政の再建に成功しましたので、一人東京のためではないと思いますから、被災者のために全力を尽くすことを、改めてお約束いたします

 福島第一原発についてでありますが、状況が刻一刻と変化しております。

 福祉保健局が都内に設置しております機器のデータを確認したところ、昨日までの放射能に関する数値には特段の変化がありませんでしたが、一方、今朝になって、データに大事な変化があるとの報告を受けました。

 詳細については専門家から後で報告させますが、それがこの後、直ちに健康に問題が生ずるわけではないとは聞いております。報道の皆さんには、説明を十分に聞いて頂いて、冷静な報道に努めて頂きたいと思います。数箇所に設置されているカウンターでありますから、データは随時公表することにいたします。

 また、食料品の買占めやガソリンの品切れという状況が都内でも生じております。情報を随時収集させておりますが、まずは都民の皆様が冷静な行動をお願いして、とっていただきたいと思います。

 なお、既に申し込みのある義援金のための口座窓口を設置いたしました。是非、浄財を投じて、苦しんでる同胞を救うために役立てて頂きたいと思います。

 それから、いくつか新しい情報が入っておりまして、特に自治体によっては、首長さんそのものがいなくなって行方不明というのもあります。行政が完全に麻痺している訳で、実体が映像でしか見えずに、実際、具体的に掴みきれないものがあります。昨日も色々合議しましたが、日本全体のトラック協会は政府から依頼がないからまだということですが、それでは埒が明きませんので、東京都トラック協会の会長の星野(良三)さんに直に電話しましたら、これはもういつでもやりますということで、全面的な協力を確約してもらいましたので、あとは、余ってるものを運んでもしょうがないんで、どこでどういうニーズがあるかってことを、地域によって違うと思いますけれども、そういうものを確認した上で、積極的な援助物資をトラック協会の厚意で搬送したいと思っております。

 それから、総務省の次官に伝達させましたが、地元の政治家が帰っても、そう役に立つものじゃない。むしろ、昔、総務省から出向して、今、被災地になった地域に赴任して行政を手伝った経験者が総務省にたくさんおりますので、そういった人間をまず、派遣して、行政を通じての土地勘のある、そういう国の役人を速やかに派遣して、実情というものを把握して、必要な援助を的確に行うような、そういう人員配置をしてくれということを、総務省に申し込みました。以上であります。

東京都知事 石原 慎太郎

<関連ページ>
(別ウィンドウで開きます。)