知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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平成24年12月18日更新

知事就任あいさつ

 12月18日、都庁第一本庁舎5階大会議場において、職員への就任あいさつが行われました。会場を埋め尽くした職員は真剣な表情で知事の言葉に耳を傾けました。

知事就任あいさつ(動画:約13分15秒)

 

職員への就任あいさつ
 戦後、7人目の東京都知事に就任した猪瀬直樹です。既に皆さんとは、副知事を5年5か月やりましたので、たくさん知っている方がいらっしゃいます。一緒に仕事をやった人もいます。基本的には、副知事時代の5年間、5年5か月と、さらに知事としてこれから仕事をやるわけですが、今までの仕事をスピードアップして続けたいと、こういうふうに思っています。

 この間、僕が副知事になったときに、すぐにですね、夕張が財政破綻しました。そこで、鈴木君にですね、2人東京都から、職員を派遣しました。今、その鈴木君は31歳で史上最年少の夕張市長ということで、なっておりますが、東京都の職員は普通の地方公務員ではありません。当然、仕事を100点満点でやらなければいけないんですが、東京は日本の心臓です。東京の心臓の鼓動が常に絶えることなく、日本全体の、日本列島全体に血液を送り、酸素を送り、日本全体を支えていく、日本沈没を防ぐ、そういう役割を持っています。したがって、東京都の職員の満点は100点ではなくて、120点満点です。100点は都民のために頑張り、残りの20点は全国のためにやると。石原前知事が、東京都の職員は、首都公務員だと、国家公務員でもなく、普通の地方公務員でもなく、首都の公務員、首都公務員だと、こういうふうに述べましたが、全くそのとおりであります。使命感がなければ、首都公務員は務まりません。

 国は、総理大臣が毎年毎年、替わるような体たらくでありまして、さらに小選挙区制という、オセロゲームのような政権交代が起きて、またこれから先どうなるか分からない。しかし、僕は、知事として、まず4年間この仕事をやり尽くすつもりでありますが、東京が日本を支えるだけではなくて、実は、東京が日本を改革していく、こういう役割があります。霞が関は、地方自治体に対して、箸の上げ下げまで、様々な規制、様々な縛り、補助金や交付金を含めて、色んなところに口出しをする。これが今、霞が関の実情で、しかも、それが一つの政治体であればいいけれども、12の省が縦割りで、それぞれ排他的な利益を追求している。アメリカが、「United States of America」というふうにいうならば、日本は、「United Ministries of Japan」です。省庁連合です。しかし、この東京は「State」です。この東京の力が日本を支えるんです。いや、本当にそう思います。今回の選挙でも、各地を歩きましたが、何とか日本沈没を東京が防いで欲しいと、そういう強いまなざし、それを感じました。東京はStateです。Ministriesの連合体、省の連合体は、意思決定ができません。しかし東京は、それぞれのみなさんの司司を超えながら、仕事を進めることが出来ます。

 しかも現場を持っています。消防の現場であり、水道の現場であり、学校の現場であり、警察の現場であり、様々な現場を持っています。この現場を持つ力、これが東京の力です。国は、自分では何もできないんです。外交と金融と防衛だけやってればいいんです、国は。東京は、とにかく日本全体を担うという、そういう重い役割と、逆に言えば、皆さんにとっては、大変な生きがいになります。被災地でも、東京の支援はとても感謝されています。でもまだまだ足りないと思います。国の復興予算は、全部縦割りです。しかし、もちろん東京だけじゃないけれども、色んな自治体から被災地に具体的な支援がいきました。東京の職員もよく頑張りました。首都公務員として、東京を支え、さらに日本を支える、非常に重大な役割です。

 それから、もう一つ申し上げておきますが、情報公開という言葉はもう古いです。ツイッターとかフェイスブックとかそういうところから、常に直接都民に情報を出していく。今だいたい各局で10局くらいはツイッターのアカウントを持っていますが、30局あまり全部ツイッターのアカウントを持っていただきます。もちろん、そんな難しいことを考えなくていい。何月何日にどういうイベントがどこである。これを必ず書き込んでいく。そういう攻めの広報できちんと都民に情報を周知させていく。新聞に挟まった都庁の広報、あれ紙ですが、この都庁の職員の中でも20代の人たちは2人に1人は新聞とってないんです。したがって、その広報の紙は届いていない。ですから、きちんと新しいSNSの時代に対応できるような、そういう説明を果たしていく、一人ひとりが都民に語りかける。そうすると、語りかけるということは、「どういう表現がいいのかな。どうしたら理解してもらえるのかな」と自問するようになります。

 すでに「言葉の力」プロジェクトやっておりますが、それだけではなく地下鉄一元化、そして東京水道の海外進出、もちろん、東京電力改革。東京はすでに福島から原発900万キロワットがきていない。それから、新潟の柏崎刈羽から800万キロワットきていない。すでに脱原発状態に陥っています。では、どうしたらいいか。具体的には、東京湾に1700万キロワットの35年から40年物の老朽火力発電所が、そういう老朽火力発電所を、民間資金を導入しながら、一つひとつリプレースしていく。東京都でもファンドをつくりました。お皿を出して、そこに民間が入ってこれるような、そういう新しい発想で、改革を進めています。そういうことの一つひとつを都民の皆様にお伝えしていく。こんなことやったら、ちょっと個人の枠を超えてしまうかな、ということはありません。ちゃんと考えれば、そこは大丈夫ですから。まず何をやっているのかということを常にお知らせしていく。

 今回、434万票の票が集まりました。それは、国が何もやってくれない。東京都が変わりにやってくれるだろう。こういう期待です。これは党派に限らず、どの党派に偏ることなく、その期待が、今、都知事としての自分に、そして皆さんに集まっています。何よりも大事なことは、都民の安全・安心です。都民の安全・安心は片時も忘れてはいけません。ご存じのように帰宅困難者条例もできました。あの3.11の晩、この都庁の1階のホールに、5000人くらい人が集まりました。帰宅困難者条例は、民間に72時間の備蓄を義務づける。こういう行政が民間に義務づけるということは、非常に希有な事例ですが、しかし、行政だけではできないこと、民間ができること、自助・共助・公助といいますが、民間の力をできるだけ引き出し、そしてさらに、国ができないことを東京都がやる。こういう使命感をもっていただいて、皆さんと一緒にこれから4年間、やれることは全部やります。

 一緒に汗を流していただきたいと。こういうことを職員の皆さんに、切にお願いいたします。4年間、一緒にやりましょう。一人ひとりが、自分だけが、というふうに思わない。皆さん、一人ひとりがやって、一人しかいないんだ。自分しかここにはいないんだ。このテーマについては、自分だけがやるんだ。この机で、これをやっているのは自分だけなんだ。こういうことを忘れないで。時間がない、予算が足りない、部下が足りない。こういう言い訳はなしで。一人ひとりの決断、地位が上であろうが、下であろうが、その決断が、仕事をつくります。成果をつくります。では、これから4年間、皆さんと一緒に頑張りたいと思います。ご清聴ありがとうございました。