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猪瀬都知事「知事の部屋」
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平成25年1月18日更新

庁議を開催(予算原案・組織定数等)、職員への訓示

 1月18日、都庁第一本庁舎において庁議が行われ、猪瀬知事は予算原案・組織定数等について述べた後、職員への訓示を行いました。

 庁議、職員への訓示(動画:約12分16秒)

庁議および職員への訓示 猪瀬知事発言

 「2020年の東京」へのアクションプログラム、平成25年度の予算、組織・定数の原案がまとまりました。短期間での集中した作業でありましたが、これからの都政の方向性、改革の方向性を示すものができたと確信しています。これを基に、改革を、どんどんスピードアップさせていくように、現場で具体的に事業を展開する中でも、走りながら考えて、政策を更にブラッシュアップさせていって欲しいと思います。
 そして、先週ロンドンに行ってアピールしてきましたが、今年9月には、2020年オリンピック・パラリンピックの開催都市が決まります。必ず招致を勝ち取りましょう。
 都庁の総力を挙げて、東京から閉塞感を打ち破り、日本を元気にしていこうと。東京都職員の仕事は、一地方公務員の仕事ではなく、首都公務員の仕事ですから、100点満点ではなくて、120点満点、そういうつもりで頑張っていただきたい。
 組織や予算、定数の関係については、各担当局長から、後で、各それぞれの局長に説明があります。
 予算等の発言はここで終わりますが、ただ今から、職員全員に訓示を致します。

 職員の皆さんが日頃から、各職場で都民のために頑張っていることは承知しています。しかし、先日、都立高校を受験した福島の中学生に対して、両親が揃っていない、福島に父親がいて、母親は東京にいる、揃って転居していないというそれだけの理由で、東京都の教育委員会が受験を認めなかった。これは東京新聞が一面トップで報じました。すぐ、それは違うと、東京新聞が違うのではなくて、職員の杓子定規な対応がいけないんだということで、受験を認めました。

 さらには、出初式の日ですが、あの東京消防の出初式、ビッグサイトの横でやりました。行きました。そうしたら、終わった後に、僕のツイッターに、スマートフォンに、うちの息子は消防少年団だけれども会場に入れなかったと、どうしてでしょうかと、こういう問い合わせがあった。すぐ翌日、消防庁次長が説明に来ました。説明を求めましたから。そうしたら、20人くらいの少年団のグループが会場に入れなかったという事実は分かりました。しかし、それは1万5千人くらいの観客の中に入れようと思えば、ちょっと融通をきかせれば入れられた。僅かな、ちょっとした気遣いがあれば、杓子定規に対応しなければ、ちょっと遅れてきただけの20人の少年団員達は中に入れた。集合時間に遅れた子が2〜3人いただけだった。それが全員入れないことになった。
 そこで消防少年団は一体何人いるんだという話になりました。3千人だと。それならば、消防少年団というこれから東京を担ってくれる若者をもっと育てればいいじゃないかということで、消防少年団の団員を2倍の6千人にしようじゃないかと、すぐ予算の査定の中で確認して新しい形を作ることにしました。この教訓はどういうことかというと、杓子定規な判断をしてはいけない。同時に、新しい情報が入ったら機敏に対応する。それを皆さんにお願いしたい。役所はどうしても昨日の世界です。昨日のルールで動いている。今日何か起きた時に、今日の対応をしなければいけない。

 そこでもう一つ苦言を呈しておきたいが、あの月曜日に大雪が降った。10センチメートル近い雪が降りました。交通機関は乱れている。せっかく東京都が各局全部アカウントを持っているのに、NHK首都圏でどんどんどんどん都心の交通状況を報じている、その最中に都庁からの発信が一つもない。もちろん、都庁の防災にすぐ連絡を取り、そして防災の部長も、もちろん危機管理監も連絡を取り、各局やれることをみんなやれという指示が一応行き届きました。したがって、交通局は都営地下鉄は今どうなっているか、都バスが今どうなっているか、もちろん、建設局は道路がどうなっているか、港湾局はお台場の交通機関がどうなっているか、あるいは臨海線がどうなっているか、あるいは都市整備局を含めて多摩モノレールがどうなっているか。そういう一つ一つそれぞれが、皆できるところで情報発信をしなければ、危機管理なんかできません。

 すでに何度も報道されたことですが、あの3月11日の大震災の日に、僕のツイッターに、スマートフォンに、気仙沼の446人の中央公民館の避難者の一人から連絡が入って、そしてロンドンを経由して東京にきて、そして東京消防がすぐヘリを出すと。こういうスピーディな決断ができました。もちろんその時の東京消防の防災部長は、手続きは省略しますと、こう言ったんです。そして生まれて10日目の赤ちゃんも救われた。これが1時間、2時間、3時間遅れていたら、水も防寒具も何もないところにいる避難者は命を失っていたかもしれない。

 都立高校の受験生の話。それから消防少年団の、これからの都心の、あるいは日本の防災を担ってくれる消防団員の基になる人達、彼らに対する愛情というか眼差しが欠けていたこと。そして10年ぶりの大雪の時に、この間たくさん震災で学んだことが生かされなかったこと。もちろん結果的にほとんど全局がツイッターで情報を流したので、結果的には生かされたんだが。

 我々これから何が起きるか分からない。とにかく昨日のルールで動いてはだめです。今日今起きたことを自分の考えで上司に伝える。伝えても分からなかったら、もう一度伝える。それでも分からなかったらまた伝える。分かるまで言う。そういうつもりで、そもそも優秀な都庁のチームですから、総力を挙げてチームワークの力を発揮して、縦割りを越えながら都民のためにやることをすぐやる。今やらないということは、全くやらないと同じことなんだ。明日やってもしょうがない。今やることは今やる。今やらないことは明日もやらない。
 皆さん一人一人が改革者となって、都民へのサービスに徹するということで、一つ改めてここで、新年の挨拶を致しましたが、もう一度年の始めで訓示をすることにしました。

 皆さんと一緒に都民のための改革を進めていきたいと思います。お願いします。