知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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平成25年11月29日更新

平成25年第四回都議会定例会知事所信表明

 平成25年第四回都議会定例会の開会に当たりまして、都政運営に関する所信の一端を申し述べ、都議会の皆様と都民の皆様のご理解、ご協力を得たいと思います。

 はじめに、先般の台風26号による災害で亡くなられた方々のご冥福を心からお祈りするとともに、被害に遭われた方々に、心からお見舞い申し上げます。
 天皇皇后両陛下からは、犠牲者に対するお悼みと被害を被った人々に対するお見舞いの気持ちを、また、災害対策に努力している関係者に対するおねぎらいの思し召しを、侍従長を通じて、直接、賜りました。

 台風30号が東南アジア地域を襲い、とりわけフィリピンで甚大な被害が発生しました。犠牲となられた方々に対し深く哀悼の意を表します。また、被災者の皆様にはお見舞い申し上げます。一日も早く大災害の痛手から立ち直られることを、心から願っております。

 このたびの、私が徳田毅代議士から5000万円を借り入れた問題につきまして、一言、申し述べさせていただきます。
 この借入金は、当時、自分の先の生活に対する不安があり、昨年11月に私が個人として借入を行ったものであります。その借入金には手をつけず、全額返済いたしました。今年2月に返済する予定で具体的な約束も取り付けておりましたが、結果として延び延びとなり、返済が今年の9月になってしまったこと、また無利子・無担保で借りたこと、その軽率さにつきまして、ご批判をいただくのは当然であります。この間を振り返り、深く反省をしております。しかし、医療法人徳洲会グループに対して、見返りに便宜を図ったことは一切ありません。また、資産報告書への記載を怠って、先日、訂正いたしました。ひとえに私の不徳の致すところであります。
 今回の事態により、都民の皆様、共に都政を担っている都議会の皆様に多大なるご心配、ご迷惑をおかけしたことは痛恨の極みであり、心から深くお詫び申し上げます。誠に申し訳ございませんでした。
 一日も早い都民の信頼回復に向け、これからも、都民のため、国民のため、東京のため、日本のため、粉骨砕身努力してまいりますので、よろしくお願い申し上げます。

1 台風26号による被害

(対応の経過)

 台風26号への対応の経過について申し上げます。去る10月15日夜半から16日未明にかけて、台風26号が東京地方を襲い、伊豆大島で大規模な土石流が発生しました。東京都は16日午前8時に自衛隊への災害派遣要請を行い、その日のうちに副知事を本部長とする現地対策本部を設置して、対応に当たりました。自衛隊、海上保安庁、他県からの消防隊の皆様をはじめ、多くの方が応援に駆けつけてくださり、警視庁、東京消防庁、そして地元の消防団の方々と共に救助・救援活動に当たりました。
 私も現地に赴いて、台風27号が接近する差し迫った状況の中で、二次災害を食い止めるための対策を指示しました。大型土のうを2か所・440mと100m、合わせて540mにわたって積み上げ、堰を築くなど、被災地域にこれ以上の土砂が流れ込まないよう対策を講じました。災害即応対策本部を立ち上げて全庁的な体制を整え、高齢者や障害者などで希望する方には島外に避難していただくなど、大島町と力を合わせて、手を尽くし、幸い台風27号による被害はありませんでした。また、安倍総理をはじめ政府関係者の方々も現地入りされ、「局地激甚災害」の指定を速やかに行っていただきました。
 この間、ご尽力いただいた全ての関係者の皆様に、改めて深く感謝申し上げます。

(大島の復興に全力を尽くす)

 台風26号による被害は、東京を襲った自然災害としては、半世紀前、昭和33年の狩野川台風以来の大きなものとなりました。東京都は、大島の方々が一日も早く、日常の生活を取り戻し明日への希望を描けるよう、復旧・復興をしっかりと支えてまいります。
 自宅が損壊した方の当面の生活の場として、東京都の教職員住宅を提供しております。応急仮設住宅については、大島町からの要請を受け、早急に整備してまいります。また、生活の再建を支援するため、住宅が「全壊」や「大規模半壊」した世帯などに支援金が支給できるよう、被災者生活再建支援法を適用しました。それに加えて、東京都は独自に、「半壊」した世帯にも支援金を支給いたします。住宅の建設・補修のために資金を借りる際には利子への支援も行います。
 産業の復興も進めてまいります。大島では、来年1月から椿まつりが開かれるなど、観光のシーズンを迎えます。島の魅力、多彩な観光資源をアピールすることで、基幹産業である観光や農林水産業を支援します。土石流によって設備などが損壊した中小企業の方には、事業の復旧に必要な資金の融資に加え、その保証料と融資額1億円までの利子を全額補助いたします。取引先の被災や、観光客の減少によって間接的に被害を被った方にも、通常とは別枠で資金を融資するほか、保証料の2分の1を補助いたします。
 災害で発生した瓦礫については、島の中で処理しきれないものは、都内区市町村や民間と力を合わせ、島外での処理を始めたいと思います。12月中旬にも処理を開始するため、本定例会に、大島町から処理を受託するための議案を提案しております。よろしくお願いいたします。
 全国から多くの義援金が寄せられております。東京都や日本赤十字社東京都支部、東京都共同募金会に寄せられた義援金の総額は26日現在で2億3000万円に上り、既に大島町への一回目の配分を行っております。他の自治体の皆様からも、お見舞い金をお寄せいただきました。心から感謝申し上げます。
 全庁横断的に設置した「大島応急復旧プロジェクトチーム」の検討を踏まえ、こうした対策を矢継ぎ早に打ち出しております。さらに、追加の対策を盛り込み、年内に緊急対策として取りまとめてまいります。

(災害に強い東京をつくる)

〈教訓を最大限引き出す〉
 自然災害への対応に絶対の方法はありません。今回の台風でも、1日で、たった1日で800ミリを超える豪雨が、大島の中で、ごく一部の地域に局地的に降りました。砂防ダムの間隙を突いて、土石流が人家の集まる元町地区に流れ込んだという現実に、自然の脅威、予測の困難さを痛感しております。今、できることは災害を振り返りながら教訓を最大限引き出し、「防災・減災」の取組に結びつけることです。専門家の知見を得ながら、元町地区の土砂災害への緊急対策を実施し、梅雨の時期までに完了させます。同時に、今年度内に本格的な対策を取りまとめたいと思います。
 また、今回の災害で、情報連絡体制についても課題が明らかになりました。そこで、すぐにできる対策として、都内全62の区市町村長と防災担当責任者の携帯電話番号をリストアップして東京都の防災責任者とホットライン化し、緊急時に直接連絡が取れる体制を構築しました。ファクスなど防災情報が伝わったかの確認も徹底することにしました。
 先週、あきる野市と合同で実施した総合防災訓練では、土砂災害を想定した救出訓練をはじめ、孤立集落を想定したヘリコプターによる物資輸送訓練も行いました。土砂災害警戒区域の指定を着実に進めながら、砂防・治山対策などハード面での対策も行ってまいります。道路に面した斜面の土砂崩れに対する安全性を高めて、災害時の孤立を防ぎ、避難や救助・救援活動を行いやすい環境を整えます。地域の特性に応じた対策を着実に進め、災害対応能力を高めていきたいと思っております。

〈不燃化特区の拡大〉
 一方、区部では、防災上最大の弱点とも言える木造住宅密集地域の不燃化のため、税制優遇や補助制度など様々な支援メニューを展開します。そういう「不燃化特区」の取組を進めてまいります。既に先行的に取り組んでいる12の地区では、用地取得や建て替えなどが始まりました。これに加えて、来年度からの事業実施に向けて、新たに27地区が名乗りを上げました。これらの地区についても、一刻も早い事業着手を働きかけており、6つの地区で、春を待つことなく来月から、事業を前倒しで実施することになりました。目標の50地区の指定に向けて、引き続き区の取組を引き出してまいります。
 延焼を遮断し、避難や救援活動を行うための道路も、「特定整備路線」として重点的に整備していきます。事業に協力することで転居が必要となる方々などのために、生活再建に関する相談窓口を設置していきます。先般、墨田区内で第一号を開設しました。移転先に関する情報提供や税金に関する相談など、住民の皆さんの不安をきめ細かく取り除くことで、整備を加速してまいります。

2 政府による地方税制見直しの動き

(不合理で信義則に反する見直しを承服できない)

 次に、地方税制の見直しの動きについて申し上げます。元々、「法人事業税の一部国税化」は、「消費税を含む税体系の抜本的改革が行われるまで」という条件で導入された暫定的なものであります。にもかかわらず、国は、東京から財源を奪うため、今回の消費税率の引き上げに併せ、当然果たすべき「法人事業税の暫定措置」の撤廃という約束を反故にしようとしているばかりか、あろうことか法人住民税まで一部を国税化しようとしています。
 改めて申し上げます。この不合理で、信義則にも反する見直しを到底、承服することはできません。もしこのまま、強行されれば、災害対策の強化や急速な少子高齢化に備えた構造的福祉改革の推進はもちろん、オリンピック・パラリンピックの開催準備にも支障が出かねません。

(「東京への財源の集中」という事実はない)

 まず、「東京への財源集中」という誤解に対し、具体的に反論しなければなりません。国税収入は43兆円であります。その4割に当たる17兆円は東京都のエリアから納められています。これが総額17兆円の地方交付税の原資にもなり、広く全国に行き渡っているのです。地方交付税と地方税を合わせた人口一人当たりの一般財源の額では、東京都は、47都道府県中37位であります。そもそも財源が集中している事実はありません。

(地方分権は逆戻りしている)

 私は、第一次安倍内閣の時に地方分権改革推進委員を務めておりました。長年、歳出の割合は「国」対「地方」が4対6であるのに対し、税源の割合はその逆で6対4でした。このアンバランスを、いかに変えていくかということで、その当時、取り組んでいたわけです。そして、一時、税源の割合が5対5近くにまでなりました。しかし、法人事業税の一部国税化によって、再び「国」の6に対して「地方」は4に逆戻りしています。そして、今回さらに法人住民税の国税化を持ち出しました。国と地方の役割分担に見合う税源こそが地方に必要なのであり、国が税収を集めて地方に配分する仕組みを強めることは、地方分権のギアを再び、バックに入れることに他ならないのです。

(目指すべき国家像を明らかにする)

 「均衡ある発展」を目指した政府の政策が、戦後の高度経済成長や国民の生活の向上に一定の役割を果たしたことは事実だと思います。しかし、国家財政の危機的状況、地方の疲弊、バブル崩壊後の長い停滞を見ても、この政策が制度疲労に陥っているのは明らかです。一極集中を言うならば、それは霞ヶ関への権限集中であります。今、必要なことは、霞ヶ関とそれに雁字搦めにされた地方という日本の「旧体制」・アンシャンレジームを守ることではありません。国の権限、財源、人を地方政府に移して無駄を削り、それぞれの地方が個性を最大限発揮して、長所を伸ばし、短所を補い合う、地方が主体的に役割を果たすことで、有機的に結びついていく国家像を作り上げることが必要です。

(東京の活力が失われれば、日本は沈む)

 そして、私たちは、いかにして日本経済を活性化させ、税収全体のパイを拡大していくかというダイナミックな発想に立たなければなりません。東京が日本経済の成長を牽引し、その効果を全国に波及させていくことが重要であり、日本中に血液を送る心臓の役割を十分に果たさなければなりません。東京の活力が失われれば、日本は確実に沈みます。
 都議会の皆様と共に、そして、東京選出の国会議員や特別区長会、市長会、町村会、首都圏の九都県市の皆様などともタッグを組んで、戦ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。

3 洗練された成熟都市・東京の政策展開

(国家戦略特区)

 続いて、日本の活力を高めることに繋がる国家戦略特区について申し上げます。今の国会で審議されている「国家戦略特区関連法案」は、当初は、規制緩和に限定されており、外国企業が進出する上で、肝心要の税制面での支援がないなど、極めて不十分な内容でした。
 東京都は、すぐさま政府や国会議員に働きかけて、税制支援の検討が行われるところまでは来ました。結論は年末に持ち越されています。規制緩和については、外国人医師の診療機会拡大などは方向性こそ示されていますが、具体的な中身は先延ばしとなっております。オリンピック・パラリンピックの開催も決まった今、政府には、日本の再興に、本気で取り組んでもらいたいと思います。
 国際競争力の強化は待ったなしです。東京を世界で一番ビジネスのしやすい国際都市にするために、特区制度が本当に実効性のある取組となるよう、政府に働きかけていきます。同時に、東京都は、ただ待つのではなく、外国企業への経営コンサルティング、外国人子弟の教育環境の整備など、独自にできることは積極的に進めてまいります。

(首都東京が展開する都市外交)

〈東京都・北京市大気保全ワークショップ〉
 先般、友好都市である北京市環境保護局の実務担当者などが東京を訪れ、「東京都・北京市大気保全ワークショップ」を開催いたしました。PM2.5(微小粒子状物質)の問題など北京市が直面する深刻な大気汚染に対し、東京都が培った経験や政策のノウハウを提供するため、今年1月に、王安順(ワン・アンシュン)北京市長に呼びかけ、実現したものであります。東京都の環境科学研究所や民間の自動車工場などの現場も実際に見てもらい、実務家同士が専門的な知見を出し合うなど、非常に意義深いものとなったと思っております。

〈アジア大都市ネットワーク21〉
 さらに、先週18日、19日の2日間、ベトナムの首都ハノイで開かれた「アジア大都市ネットワーク21」の総会に出席してまいりました。総会では、政策対話で取り上げたテーマを、新技術の開発やビジネスに具体的に繋げていく新しい共同事業を提案し、全都市の合意を得ました。
 この機会を捉えて、ハノイのグエン・テー・タオ市長と会談しました。ハノイ市は、公共交通が未発達であり、大気汚染が問題になっております。北京市に対してと同じように、この分野で培った東京の経験・ノウハウを提供することになりました。同時に、日本で学ぶベトナム人留学生の就職を支援すること、水道分野での人材育成に引き続き協力していくこと、東京から柔道の指導者を派遣することを合意いたしました。そして、この4点の合意事項についてハノイ市と覚書を結びました。
 招待を受けてハノイ国家大学で日本語を学ぶ学生や、日本に関心のある現地の若者に講演する機会を得ました。みんな好奇心に溢れ、輝いた目をしていました。将来、東京とハノイ、日本とベトナムとの架け橋になってくれることを期待しております。

〈オリンピック・パラリンピックの開催都市としての責任〉
 このような都市同士の真に実のある交流は、それぞれの国民同士の友情を育て、国家間の友好をもたらし、お互いの発展にも繋がります。それを進めることは、世界のフロントランナー・東京の責任でもあるのです。オリンピック・パラリンピックの開催都市となったことで、その責任はより増したと思います。東京は、都市外交をこれまで以上に積極的に展開してまいります。

(スポーツの振興)

〈スポーツ祭東京2013を終えて〉
 スポーツ祭東京2013は、天皇皇后両陛下、皇族方にも競技をご覧いただき、選手、大会関係者、観客を合わせ、延べ120万人を超える方が参加し、大盛況のうちに全日程を終えることができました。東京都選手団は、日頃の練習の成果を遺憾なく発揮し、国民体育大会では天皇杯・皇后杯を、全国障害者スポーツ大会でも過去最高314個のメダルを獲得するなど素晴らしい成績を収めました。都議会の皆様、区市町村や競技団体など関係者の皆様、観客として、あるいはボランティアとして大会を盛り上げ支えていただいた都民の皆様に深く感謝申し上げます。
 「スポーツ祭東京2013」は、国民体育大会と全国障害者スポーツ大会を初めて、一つの祭典として開催し、スポーツ大会の新しいあり方を全国に発信しました。国体の閉会式と全国障害者スポーツ大会の開会式との間の3日間を結ぶイベントとして「東京ユニバーサルスポーツ3days」を実施しました。障害のある人もない人も、一緒に楽しみながら都庁周辺を走る「ユニバーサルジョグ」には、私も参加をいたしました。東京都は、誰もがスポーツを楽しむことができる社会を実現してまいります。今後、全国に東京の先導的な取組が受け継がれていくことを期待しております。

〈東京オリンピック・パラリンピック〉
 先日、IOCの実務担当者が来日し、「オリエンテーションセミナー」が開かれ、IOCとの間で具体的な準備が始まりました。続いて日本を訪れたトーマス・バッハ新会長とも会談し、パートナーとして、信頼関係をさらに強くしていくことを確認いたしました。招致決定後すぐに庁内に設置した大会実施準備会議では、東京都の責任で行う恒久的な競技施設の整備について検討を始めました。オリンピック・パラリンピックは、文化の祭典でもあります。来月、開かれる東京芸術文化評議会では、今後展開していく「文化プログラム」の具体化に向けた検討を始めます。また、鉄道の駅や道路の案内標識、レストランのメニューなどを、スマートフォンのアプリも使いながら複数の言語で表示する「多言語対応」も進めてまいります。政府や、鉄道会社、ホテル、通信事業者など民間の業界団体とも連携して協議会を立ち上げていきたいと思います。
 また、1月1日に、スポーツ振興局を改組し、オリンピック・パラリンピック準備局を設置するため、本定例会に組織条例の改正案を提案しております。大会の準備体制を強化し、開催都市としてオリンピックムーブメントを拡げるため、スポーツをさらに盛んにしていきたいと思います。よろしくお願いいたします。
 大会組織委員会については、来年2月までに立ち上げるべく、現在、関係者と精力的に調整を行っております。ロンドン大会の組織も参考にしながら、東京都、JOC、政府、財界など、オールジャパンの力が最大限発揮できる体制、「日本の中枢」をつくってまいりたいと思います。
 新国立競技場の整備について申し上げます。政府は、東京都に建設費を一部負担するよう求めてきましたが、「国立」である以上、国が当然負担すべきです。しかし、都民の便益となる周辺の施設の整備についてまで協力を拒むということではありません。協力するには、競技場の設計内容について専門機関による技術的な精査を受け、透明性を高めることが必要です。今後、具体的な中身を文部科学省と話し合ってまいります。都議会の皆様とも十分協議してまいりますので、よろしくお願いいたします。

4 主な条例案

(東京都駐車場条例の改正)

 本定例会には、「駐車場条例」の改正案を提案しております。これは、自動車の保有台数が低下傾向にある中で、東京都の調査で7割程度の利用に止まっていた区部の大規模オフィスビルやマンションなどの駐車場について、設置基準を見直して、緩和するものです。これにより、駐車場の空きスペースを防災備蓄倉庫などに転用することができ、駐輪場に転用することも可能となります。この改正条例は、災害に備えて備蓄を義務化した「帰宅困難者対策条例」や、放置自転車対策を進める「自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」という東京都の先進的な条例とも相俟って、効果を発揮いたします。いずれの条例も、民間の取組が重要であり、創意工夫の幅が広がってくると思います。
 時代に合わせて「昨日のルール」を見直すことで、社会のストックを有効に活用し、大都市の課題への対応に結びつけていきたいと思います。

(都営交通の運賃改定)

 また、本定例会には、来年4月からの消費税率の引き上げに伴い、都営交通の運賃を改定する条例案を提案しております。今後とも利用者サービスの向上に一層努めてまいりますので、ご理解のほど、よろしくお願いいたします。なお、水道・下水道などの他の公共料金につきましては、来年の第一回定例会で提案したいと考えております。

 なお、本定例会には、八王子市から申し出のあった中核市への移行に対する同意の議案をはじめ、これまで申し上げたものを含めて、条例案18件、契約案17件など、合わせて54件の議案を提案しております。よろしくご審議をお願いいたします。

 以上をもちまして、所信表明を終わります。