知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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海外出張

平成25年9月27日更新

アルゼンチン共和国(ブエノスアイレス市)出張の概要と成果

 2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市を決定する第125次国際オリンピック委員会(IOC)総会に出席するため、アルゼンチン共和国ブエノスアイレス市に出張しました。
 IOC総会では、プレゼンテーションや記者会見を行い、招致都市の知事として、強固な財政、輸送インフラといった東京の都市力、東京の安全と安心、大会のレガシーを将来にわたり残していくことなどを強調し、全IOC委員に対して直接、東京への招致を強く訴えました。
 都民・国民の皆様、国、全国の自治体、スポーツ界、財界、国会・都議会の皆様のご支援を得て、オールジャパンの体制で臨んだ結果、見事、開催都市の栄誉をつかむことが出来ました。

出張概要

○期間 平成25年8月31日(土曜)〜9月10日(火曜)

○出張人数 10名

○総経費 47,751千円

出張先での主な行動と成果

8月31日(土曜)

 猪瀬知事は8月31日(土曜)夕方に成田空港を出発し、同日、現地時間の夕方にニューヨークに到着しました。
 ホテル到着後、セントラルパークで、約3キロメートルジョギングし、長旅の疲れを癒すとともに、IOCブエノスアイレス総会に向けて体調を整えました。

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セントラルパークをジョギング

9月1日(日曜)

 プレゼンテーションの個人練習を入念に行いました。夕方にはジョギングで体調を整え、夕刻、ニューヨークのジョン・エフ・ケネディ国際空港を出発し、ブエノスアイレスへ向かいました。

9月2日(月曜)

 午前に、ブエノスアイレス・エセイサ国際空港へ到着しました。午後からはさっそく、海外の招致アドバイザーとの打ち合わせを行いました。引き続いて、質疑応答やメディア対応の個人トレーニングなどを集中的に行いました。
 その後、体調を整えるため、運河沿いをジョギングしました。
 夜には、在アルゼンチン日本国大使公邸で、水上正史特命全権大使、野村知宏在亜商工会議所会頭(アルゼンチン三井物産社長)、米須清文在亜日系団体連合会(FANA)会長(丸紅アルゼンチン副社長)から現地事情やオリンピック・パラリンピック東京招致に向けた現地日系社会の動向等についてブリーフィングを受け、意見交換を行いました。

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プエルト・マデーロ地区をジョギング

9月3日(火曜)

 午前は、関係者によるプレゼンテーションの全体リハーサルを行いました。午後は、ヒルトンホテルで、IOCから指定された4時間に及ぶ公式リハーサルに臨みました。
 夜は、来る7日に開催都市となった場合にIOCとの間で締結する開催都市契約書についてIOCから説明を受け、その後、メディア各社からの取材に応じました。

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リハーサル及び総会会場となった
ヒルトンホテル
公式リハーサルの様子

9月4日(水曜)

 午前は、ブエノスアイレス市庁舎で、ブエノスアイレス市のマウリシオ・マクリ市長を表敬訪問しました。
 面会の冒頭、マクリ市長は、ブエノスアイレスの名門サッカークラブ、ボカ・ジュニアーズの会長時代に東京を訪れたことを懐かしそうに語り、同クラブのユースチームが5月に開催された東京国際ユース・サッカー大会に招待されたことへの感謝を述べました。続いて、猪瀬知事がブエノスアイレス市の2018年のユース・オリンピック招致成功に対してお祝いを述べると、市長は、東京のオリンピック・パラリンピック招致にできる限り協力すると応じました。
 その後、猪瀬知事が今後はスポーツだけでなく文化的な交流も進めることを提案、市長が人的な交流も可能だと話すなど、両都市が今後、交流を拡大していくことを合意しました。
 面会終了後、市長から知事に「栄誉ある賓客」を示す証書が贈られました。証書授与セレモニーの様子は、翌日の現地新聞でも報道されました。

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ブエノスアイレス市長との面会 「栄誉ある賓客」証書贈呈式

 午後は、プレゼンテーションの個人トレーニングを行った後、プレゼンテーション、質疑応答、記者会見の各リハーサルを行いました。

9月5日(木曜)

 朝からプレゼンテーションと質疑応答のトレーニングを行い、午後はヒルトンホテルにおいて、2回目の公式リハーサルに臨みました。一昨日の公式リハーサルを踏まえて、改善を加え、本番さながらのドレスリハーサルを通しで実施しました。
 夜は、メディアからの個別取材に応じました。

9月6日(金曜)

 朝から日本の各メディアの生放送番組に出演し、東京招致成功への強い意気込みと決意を語りました。引き続いて、シェラトンホテルで開かれた招致委員会主催の記者会見に、太田雄貴選手、滝川クリステル氏とともに臨みました。記者会見では、オールジャパンの最高のチームで、これまでの集大成として大会実現能力の高さを強くアピールするとともに、何よりも熱い情熱、パッションをIOC委員に訴えていく決意であることを強調しました。
 その後、メディア各社による番組の生放送への出演や収録を精力的に行いました。

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東京2020記者会見

 夕刻は、ヒルトンホテルでIOC委員らと面会し、東京への招致を直接アピールしました。
 夜は、コロン劇場で開催されたIOC総会オープニングセレモニーとレセプションに出席し、多くのIOC委員と親しく挨拶を交わす中で、東京の招致にかける熱い情熱を伝え、東京招致への賛同を強く訴えました。

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オープニングセレモニーが催されたコロン劇場

9月7日(土曜)

 早朝、プレゼンテーションの最終チェックを行った後、プレゼンターや関係者とともに会場のヒルトンホテルへ向かいました。
 午前中に行った45分間のプレゼンテーションでは、まずはじめに、高円宮久子妃殿下が壇上に立ち、国際オリンピック委員会の被災地復興支援に謝意を表しました。
 続いて、パラリンピック陸上の佐藤真海選手が当日のプレゼンターのメンバーを紹介した後、病気でパラリンピアンへ転向するまでの自らの経験や、被災した
家族への想い、そしてスポーツの力で国民が深い悲しみを乗り越え、自信を取り戻すことなどを訴えました。
 次に、竹田恆和招致委員会理事長が、東京のビジョンと開催動機を語り、日本が過去のオリンピック・パラリンピック大会でドーピング違反者を一人も出していないという日本スポーツ界の健全性と、高い開催実現能力を訴えました。
 さらに、水野正人専務理事は、東京とアジアのスポーツ市場の大きさ、東京のコンパクトな開催計画とスポンサーの多さなどを説明しました。
 続けて登壇した猪瀬直樹都知事は、安全で確実な大会開催、強固な財政、輸送インフラやセキュリティなどに代表される東京の都市力、選手村をはじめ東京が残していくレガシーを強調しました。
 招致“Cool Tokyo”アンバサダーの滝川クリステル氏は、東京の魅力や日本人の“おもてなし”の心を紹介し、オリンピアンで招致アンバサダーの太田雄貴選手は、選手村などアスリートの視点を取り入れた会場計画、日本人のスポーツへの情熱、イノベーションがスポーツへもたらす貢献について訴えました。
 そして安倍晋三総理が壇上に立ち、福島の問題に対して政府としてきちんと対応していくこと、また1964年の東京オリンピック大会の自身の思い出に触れるとともに、スポーツの喜びを日本の若者が全世界に伝えていく新たなプログラム「スポーツ・フォー・トゥモロー」を紹介しました。
 プレゼンテーションに引き続き、IOC委員、国際競技団体、各国オリンピック委員会からの質疑応答が行われ、その後、記者会見を行いました。

 

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プレゼンテーションに臨む知事 記者会見

 プレゼンテーション、記者会見などを無事終え、午後になると、招致関係者一人ひとりを回って、これまでの尽力を称え、労いの言葉を投げかけました。
 その後、投票の様子をライブ映像で見守りました。東京は第1回目の投票を1位で通過。マドリードとイスタンブールが同数票であったため、両都市に対する再投票が行われ、イスタンブールが残りました。続けて東京とイスタンブールの決選投票が行われました。夕刻、東京の招致関係者は、ホテル内の開催都市発表セレモニー会場へ移動し、決選投票の結果発表を固唾を呑んで待ちました。
 そしてロゲ会長から、「トウキョウ」のアナウンスがなされると、会場は歓喜の渦に包まれました。東京は60票を獲得し、イスタンブールは36票でした。

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決定発表の瞬間 IOCレセプション

 開催都市決定発表の後、ホテルロビーで開かれていたIOC主催レセプションに参加し、IOC委員やオリンピック関係者に御礼を述べるとともに、会場を移して、安倍総理や竹田理事長、水野専務理事らとともに、IOCとの間で開催都市契約の締結を行いました。引き続き、開催都市東京とIOCとの合同記者会見に臨みました。
 記者会見でロゲ会長は「東京は非常に質の高い計画で説得力があり、圧勝だった。おめでとう。」などと語り、東京の健闘と栄誉を称えました。

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開催都市契約書を手に

 夜はシェラトンホテルに会場を移動し、祝勝会に臨みました。会場では、安倍晋三総理や森喜朗招致委員会評議会議長、吉野利明東京都議会議長、中村芳夫経済団体連合会副会長などが駆けつけ、祝辞を頂戴するとともに、国会議員、都議会議員をはじめ、政府関係者、これまで招致を応援してくださったスポーツ界、財界の関係者など500人以上が集まり、東京チームへのお祝いと労いの言葉が寄せられました。
 祝勝会の合間を縫って、報道各社からの取材を受け、番組への生出演に応えました。途中一時退場して、竹田理事長、水野専務理事、太田雄貴選手、佐藤真海選手、滝川クリステル氏とともに、東京2020招致委員会主催の記者会見を開きました。再び祝勝会場に戻ると、深夜までメディア各社からの取材と番組出演に精力的に応じました。

9月8日(日曜)

 早朝から、メインメディアセンターで、メディア各社による報道番組の生放送に出演しました。その後ホテルに戻り、東京大会開催へ向けて、組織委員会の設立や大まかな準備の手順など、当面の今後のスケジュールや進め方について、関係者と議論を重ねました。
 夜には全日程を終えて、ブエノスアイレス・エセイサ国際空港を出発し、ニューヨークを経由して、9月10日(火曜)の夕刻に成田空港に到着しました。

 このたびの出張を通して、アジアでは初めてとなる同一都市で2度目のオリンピック、2020年オリンピック・パラリンピックの東京招致を成功させることができました。都民・国民の皆様、安倍総理をはじめ政府関係者の皆様、国会、都議会、全国の自治体、スポーツ界、経済界、そして東京を応援いただいたすべての皆様に心から感謝申し上げます。