知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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海外出張

平成25年12月25日更新

ベトナム社会主義共和国・ハノイ出張の概要と成果

 ハノイで開催されたアジア大都市ネットワーク21第12回総会に東京都代表として出席し、アジアの大都市における共通の政策課題について会員各都市の代表と意見を交わすとともに、東京から提案した新たな共同事業の設立などを盛り込んだ、ハノイ宣言を採択しました。
 開催都市であるハノイ市のグエン・テー・タオ(Nguyen The Thao)市長(人民委員会委員長)との会談では、幅広い分野で具体的な協力事業について意見を交換し、両都市の友好と協力に関する覚書を締結しました。
 また、ハノイ国家大学からの招待を受け、「オリンピックムーブメントとスポーツの力 〜ベトナムの若者へのメッセージ」をテーマに講演を行い、ベトナムの若者たちに対して、将来に向けて夢を持ち続けることの大切さについて語りかけました。

1 出張概要

○期間 平成25年11月17日(日曜)〜11月20日(水曜)

○出張人数 7名

○総経費 5,514千円

2 出張先での主な行動と成果

11月17日(日曜)

 猪瀬知事は、11月17日(日曜)夜、成田空港を出発し、現地時間で同日の深夜にハノイに到着しました。

11月18日(月曜)

<アジア大都市ネットワーク21総会:1日目>

 18日(月曜)午前、第12回総会の開会にあたり、猪瀬知事は、参加各都市の代表者へ向けて次のようにスピーチしました。

(以下要旨)※スピーチは英語

  • 今日の訪問を楽しみにしていた。ベトナムには、2,000社近い日系の企業が進出している。発想力、高い技術、明るくて真面目な国民性がとても魅力的であるからだ。そして、この街には活気がある。未来の可能性を感じた。
  • ハノイ市長をはじめ、総会開催に向け尽力いただいたハノイ市の皆様に感謝する。また、先般の台風30号「ハイエン」により亡くなられた方々へのお悼みを、また被災された皆さまには、心からのお見舞いを申し上げる。
  • 東京は、2020年オリンピック・パラリンピック競技大会の招致に成功したが、世界の人口の6割を占めるアジアでもスポーツをもっと盛んにしたい。
  • 発展成長の先には、大気汚染などの環境問題、無秩序な都市開発など様々な都市問題が出てくる。アジアの諸都市が、より豊かな都市生活を楽しむ社会に生まれ変わっていくためにも、東京は貢献したい。
  • 後程、将来の東京の姿を見据えた都市の再生や、世界で最も環境負荷の少ない都市づくりについて紹介させていただく。皆さんの活発な議論を期待している。

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スピーチをする猪瀬知事 総会の様子

 開会に続き、参加各都市代表者による政策対話が行われました。「都市計画〜その実践における共通する課題」、「低炭素化・省エネルギー政策」の2つのテーマについて、各都市における課題を共有するとともに、解決に向けた取組の紹介などがされました。
 猪瀬知事は、セッションのまとめにおいて、東京から紹介したキャップ・アンド・トレード制度などの取組が、アジア各都市の課題解決の参考になることを期待すると発言しました。

<ハノイ市長との会談>

 猪瀬知事は、18日(月曜)午後、ハノイ市庁舎を訪れ、グエン・テー・タオ市長と会談しました。

 知事は、市長と都市計画やアジアにおけるスポーツ振興などについて意見を交わすとともに、大気汚染対策や水供給に関する技術協力、柔道の専門家による指導者セミナーの実施、ベトナム人留学生に対する就職支援などについて都による協力を提案しました。
 この会談において、東京都とハノイ市は、これらの分野における両都市の交流と協力の促進についての合意事項を、覚書として締結することに合意しました。

(覚書による合意事項)

  1. ハノイ市の大気質改善のための東京都からの技術提供
  2. ハノイ市の水供給に関する東京都からの技術提供
  3. 東京都からハノイ市への柔道指導者の派遣
  4. 日本へのベトナム人留学生に対する東京都の就職支援

 この覚書の内容を通じて、両都市間の協力関係を一層推進していきます。

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猪瀬知事とハノイ市長 覚書への調印(写真は19日の調印式の様子)
<ソウル市副市長との面会>

 猪瀬知事は、18日(月曜)午後、ソウル市のキ・ドンミン(Ki Dong Min)副市長と面会しました。副市長は、パク・ウォンスン(Park Won Soon)ソウル市長からの親書を知事に手渡しました。親書には、総会は出席できないことへの謝意と友好都市25周年を迎えた両都市の交流の活発化について述べていました。
 知事と副市長は、都市間交流の重要性を確認すると共に、両都市における共通課題の解決に向けた今後の協力などについて意見を交わしました。

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ソウル市副市長と猪瀬知事 市長からの親書の手交

11月19日(火曜)

<アジア大都市ネットワーク21総会:2日目>

 会議2日目(19日)は、新規共同事業の提案の議事等を行うとともに、ハノイ宣言を採択しました。
 具体的には東京都から、アジアの大都市が連携し、定期的な専門家会議、共同調査、見本市展開などの経済交流を行う新たな共同事業「経済交流促進のプラットフォーム」の立ち上げを提案しました。このほか、都市における個別・共通課題によりタイムリーに対応し、新たな政策連携の芽を育てるための「パイロット・プログラム」制度の発足などを盛り込んだハノイ宣言が合意されました。
 次回、2014年の第13回総会は、トムスク(ロシア連邦)で開催されます。

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新規共同事業の承認にコメントする猪瀬知事 各都市代表がハノイ宣言に署名
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一層の連携促進を確認 共同記者会見で発言する知事

(新規共同事業等の概要)

1 新規共同事業「経済交流促進のプラットフォーム」の設立
 会員都市による調査研究を、新技術の開発やビジネスにつなげていくための土台(プラットフォーム)を構築する。総会での政策対話を踏まえた調査研究、新技術の開発・活用及び人材育成、アジア市場への展開を通じて、最終的には、各国の中小企業の販路開拓やビジネスチャンスの拡大につなげ、アジア発の新産業を生み出していくことを目指す。
 最初の取組として、ハノイ総会の政策対話のテーマである環境・省エネルギー対策に関連した課題について取組むこととする。

2 「パイロット・プログラム」制度の発足
 都市における個別・共通課題によりタイムリーに対応し、新たな政策連携の芽を育てるための「パイロット・プログラム」制度を発足する。この制度のなかで、最初の具体的な取組として「都市問題解決のための教育」事業を立ち上げ、会員都市間における都市と大学の連携についての情報共有を開始する。

(ハノイ宣言の概要)

  1. 都市計画の計画・実践における共通の課題を見出すことで、社会経済の発展や、特に計画の実践段階における協力関係を更に強固にし、経験を共有していく。
  2. 持続可能な都市発展及び低炭素社会の形成に向けて、人材育成や情報共有において更なる協力を進める。
  3. 新規共同事業「経済交流促進のプラットフォーム」を立ち上げる。この取組のなかで、定期的な専門家会議や共同調査から見本市展開などの経済交流につなげていく。
  4. 都市における個別・共通課題によりタイムリーに対応し、時限的・単発的に政策連携を探るため、「パイロット・プログラム」制度を発足する。
  5. 第13回総会は、2014年にトムスクにおいて開催する。
<ハノイ国家大学での知事講演会>

 19日(火曜)午後、ハノイ国家大学外国語大学の招待を受け、「オリンピックムーブメントとスポーツの力 〜 ベトナムの若者へのメッセージ」と題する講演を行いました。この講演会は、同大学ブーディンリエン講堂において行われました。
 猪瀬知事は、自らのスポーツの経験などを交えながら、1時間以上にわたり、ベトナムの若者たち約250名に対し、将来に向けて大きな夢を持ち続けることの大切さを説きました。

<講演の概要>
  • 台風、地震などの災害に見舞われても、スポーツの力で元気を出せることがある。災害に負けないで生きていこう。
  • 2020年東京オリンピック・パラリンピックが開催される7年後に、自分が何をしているかを考え、夢を持ち続けることが大事だ。
  • 自分は最初自宅の周りを300メートル走るところから始めて、東京マラソンに出るまでになった。無謀な冒険はだめだが、計算したリスクは必要だ。
  • ベトナムはロボットコンテストで決勝まで進出するなど、細かい仕事に優れている。大きな目標を持ち、リスクをとることを恐れなければ、経済大国になるだろう。
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講演会の様子 学生と質疑応答する知事
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サテライト会場も満席に

 その後、深田博史駐ベトナム特命全権大使によるブリーフィングを受け、ベトナムにおける日系企業の動向をはじめとした現地事情について意見交換を行いました。

11月19日(火曜)〜11月20日(水曜)

 11月19日(火曜)深夜にハノイを出発し、20日(水曜)朝に成田空港に到着しました。