知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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記者会見

平成25年1月30日更新

猪瀬知事記者会見
平成25年1月25日(金曜)
15時00分〜15時53分

知事冒頭発言

1 「THE FUTURE IN TOKYO」の制作と「TOKYO COLORS」の改訂について

【知事】まずですね、皆さん、お手元に「THE FUTURE IN TOKYO」という、お手元に配られたばかりだと思いますが、これ、非常に中身の濃い、味わい深い、これ、プレゼンテーション用には非常によくできてます。立候補ファイルとは違う味です。それでね、ちょっと見ていただくと、まず表紙がセンスいいんですが、全体のレイアウトを含めた構成が非常によくできている。これは、木村裕治さんというエディトリアルデザイナー、もう日本一です。その人がこのロゴをつくってですね、そして、江本さんという女性がいるんですが、もともと「家庭画報」で4年前に「TOKYO COLORS」というのを、「家庭画報」を中心に、その江本さんが指揮してつくった。これ、僕も係わった、当時。この「TOKYO COLORS」を一部中身差しかえしまして、これはこれでリニューアルして、そして、新たに別にですね、これ、江本多佳子さんが各局の各現場の課長に全部連絡して、その写真を撮るような全体の指示をしまして、ちょっと、これ見ていただくとですね、まずこの、ここからこれ見ますね。いろんなおもしろい写真が多いんですが、これは水道の水ですね。これはどういう処理をされているかということをきちんと絵にしていますから、これも後で字を読んでいただくといいんですが。
 緑の、とにかく東京というのを強く打ち出していますので。グリーンキャピタル、これ、六義園ですけど、職人のおじさんたちですね。この人たちが六義園をやっているわけですね。で、これ、めくっていただくと、「品格」と、こういう言葉で表現されています。英語で。
 さらに、小石川後楽園。そして、これは浜離宮、で、皇居の外苑。緑あふれる町であるということを表現しています。そして、この皇居の東御苑、海の森公園、今、植樹してますね。それから校庭の芝生。これは杉並区の学校。これ、ただ校庭に芝生があるんじゃなくて、これは世田谷区かな、こういうふうに学校を緑が覆っていくと。
 それからね、例えばこの「清潔」。これ、中央区の公衆トイレです、これね。このデザイン見てください。こんなきれいな公衆トイレは、多分ヨーロッパ、アメリカ、先進国探してもありません。で、これは三越のキッズトイレですね。こんなものがある。あるいは、これは地下鉄のトイレ。こんなものが、どこ探したってない。こういう東京の本来持っているソフィティフィケートされた世界というものを、これはかなりそれぞれ深掘りしてやっています。
 それからですね、このモニタリングの、放射線量をはかる場所、こういうふうに地上から1メートルの高さ、これが100カ所あると、こういうことも全部わかるようにしています。
 それから、肉の検査ですね。これは、例のアメリカで問題が起きました、全頭検査きちっとやってるところを全部写しています。こういう機械も使っていますよと。やはり、繰り返しますが、ただの先進国の都市ではない。もっと違うよというところですね。
 さらには、この、これ、見てください。川の文化。この橋、きれいでしょう。これ、隅田川のね、まずここですね。そこに浮世絵の、江戸時代からこういうものがあるんですよという浮世絵を一緒に並べています。そして、ちょっとまためくっていただくと、それぞれの橋の昔の、さらに大きくして浮世絵との関係を示して、伝統とモダニズムが、より伝統が深まってモダニズムが深化するという、そういう意味で、この、「THE FUTURE IN TOKYO」という言葉、これはディスカバー・トゥモローという表現で東京オリンピックの招致を、今、行っていますが、それをさらに別の表現で深めていくわけですね。今のこの隅田川の橋のところをめくっていただいて、この花火、これはどこから撮ったと思いますか。スカイツリーから撮っているんですね。この一瞬のこの花火の美しさというものをきちんと捉えて、そして、さらにめくっていただくと、浮世絵が出てきます。江戸の花火の伝統を継いでいるということですね。つまり、江戸400年と世界最先端の技術が、文化が重なり合っているということで。ちょっとこれは皆さんおなじみのASIMO(アシモ)ですが、そういう先端テクノロジーとともに東京のイノベーションがあるんですよと。ちょっとめくっていただいて、こっち側ですね、ASIMO。この写真のシャッターチャンス、これ、すごく大事ですからね。下、見てください。地面についてませんね。この瞬間を捉えてる。ね。いいですね。こういうのが、この、要するに編集技術を含めて、東京という町が世界最先端ですよと。これは、今度来るIOCの調査団、これをお渡しして、さらにこの東京のすばらしさを理解してもらう。
 ま、あとは皆さん、これ、楽しみながら見ていただくとよろしいかと思いますが、そうだ、この、ここですね。パレスホテルから、ここでちょっと外を見て、この空気を見てもらうと、いいですね。ここでお茶を飲んだらですね、石垣が見えて、皇居のすぐ近くですね。いいでしょう。ま、あと、このもうデザインを見るだけで楽しいでしょう。もうちょっとめくって、石組みっていうのがあります。今、2、3ページめくったところ。これ、パレスホテルで、もうちょっと、これ、よく見えますね。いいですね。ここでコーヒー飲みたいですね。
 という、やはりホスピタリティーとは何ぞやっていう、究極の世界を描いているわけですね。あとはもちろん後半のほうにお寿司の絵とかいっぱい出てきますが、それだけじゃなくて、最後に世界自然遺産の小笠原がありますよというところで、この冊子は終わります。
 一つはこれが武器です。もちろんほかにも、今回、これから来る招致団に対してのプレゼンテーションはたくさん考えてありますが、スポーツをいかに普及させるか、あるいは、スポーツによって子供を、子供の心を豊かにしていくということと、その都市はどういう都市であるのかと、こういう一体となったプレゼンテーションがなければいけないというふうに思っています。
 改めてこの「THE FUTURE IN TOKYO」、今日紹介しましたが、4年前につくった「TOKYO COLORS」、これも新しく改訂版になってますのでご覧いただければと思います。それからこれのDVDは、4年前につくったものがあります。これも皆さん、また2、3年で交代してるから見てない人多いと思うんだが、是非見てください。DVDがあります、これの。

2 スポーツ祭東京2013冬季国体について

 次に行きます。「スポーツ祭東京2013」冬季国体が明日始まります。で、普通の国体という名前がありますが、あえて「スポーツ祭東京2013」と、こういう名前ですが、この2020年東京オリンピック・パラリンピック開催都市決定の同じ年、まさにスポーツイヤーと、こういうふうに言えると思います。その幕開けとなる1月、あしたは代々木体育館で荒川静香さんをはじめとするオリンピアン、そういう方々にエキシビジョンをやっていただきます。そして、都内ではフィギュアスケート、ショートトラック、アイスホッケーの3競技を行い、そしてスピードスケートは被災地である福島県の郡山市でやります。数回、開始式というのがありますので、もちろん僕もそこで開始宣言いたします。是非ご覧になっていただきたいなと思います。
 それから、会場周辺では、おもてなしのために「ゆりーと広場」というのを設置して、ステージパフォーマンスやトークイベントを実施するほか、郡山名物のつるりんこ鍋、豚汁みたいなものだと思うんですけどね、これを振る舞う。さまざまな催しを用意しています。
 結局、皆さんも覚えていらっしゃると思いますが、国体というのは高校生にとっては、まず国体出場だと。夏のインターハイ、そして国体と。こういうものを高校生は目指して、その向こうにオリンピックがあるわけですから。そういうこの国体というものが同じ年にやるという、東京でやるというのは、1つのスポーツイヤーの形としてはすごくうまくいったなというふうに思っています。ま、これからですが。
 27日からの競技会では、選手としてはフィギュアは織田信成さん、男ですね。織田信成選手。それから、鈴木明子選手が出場します。競技会は無料で観戦できますので、ぜひこの機会に多くの都民の皆さん、いらしてください。

3 東京武道館における電力の複数契約(部分供給)の導入について

 それから、別の話に移ります。東京武道館における電力の複数契約の導入について説明させていただきます。
 前々回の定例記者会見で、東京都立図書館の複数契約について導入を決めたということを説明しましたが、これもまた東京都独自の電力改革の取り組みでありまして、2月1日から、今度は東京武道館でも実施することにしました。複数契約というのは、この電力を一番使う時間帯、東京武道館ですから、昼間一番使うわけで、夜はほとんど使わない。ですから、ベース部分は東電と契約し、この変動部分を新電力と契約すると。これによって、現行の電気料金よりも10%、350万円削減できると。こういうのを一つ一つ丁寧にチェックしてやっていくことが改革ということであります。
 で、都立図書館の複数契約を以前に紹介しましたが、各自治体からどうやってやるんだと、そういうノウハウ、相談が多数寄せられておりますので、東電にもそういう相談が来ています。しかし東電の窓口は、本社の営業部門のみの対応となっておりまして、お客様にとって身近な支社で相談できる体制とはなっていません。こうしたユーザーのニーズに対して、東電としても十分な相談体制を整えて、真摯かつ迅速に対応することが必要だと思います。それこそが、都民、国民に開かれた新生東電のあるべき姿だと思っています。
 で、政府も複数契約の導入を支援して、新電力のシェア拡大に向け、リーダーシップを発揮してもらいたいと。東京都は、先頭に立って引き続きこのようなリアルな取り組みを積み重ねていくことで電力改革を牽引していくつもりです。
 さっと今申し上げたところで、今日の発表とさせていただきますが、まず、今日の発表についての質疑があれば、そこからお願いし、そうでないものについても応じるつもりでおりますので、よろしくお願いいたします。

質疑応答

【記者】こちらの冊子のことについてお伺いしたいんですが、これは具体的にどのように招致活動に役立てるといいますか、IOCの委員が3月に視察に来るときのプレゼンテーション用ということでよろしいんでしょうか。

【知事】まずは、もちろんそれが重要なタイミングですが、まずはこれを各都市のIOC委員にもちろん送りますし、それだけではなくて、機会、機会にこれをもとに、これをツールとして説明していく、そういう人たちがたくさんいなければなりません。
 その時に、どんな説明をしたらいいのだろうと思うでしょう。そこなんです。だから、「これ、見てください。これ、こうですよ」ということを、多分ね、いろいろ説明したいんだけれども、説明する材料がなかなか思いつかない。でも、これを見たら、1ページごとにいろんなことをプレゼンテーションできる。で、IOCの委員だけではなくて、日本に来る観光客にも、それから、各大使館にも、こういう説明をきちんとしておく必要があるだろうということですね。はい。我々の、自分自身の文化の再発見になると僕は思っています。自分自身にとっても、相手側に説明するときに、自分がどれほど逆に知らないかということが分かると思うんです。相手に一番いいところを伝えようとする時に、自分がよく知らないということがまずあるんです。それで、まず自分が勉強し、また相手に伝えるということになると思います。はい。
 はい、どうぞ。

【記者】霞ヶ関通信社の稲村と申します。先日、知事と国土交通省の太田大臣がお会いになったと、ちょっと伺いました。都営地下鉄と営団の統合について見通しとかそのあたり、いつ頃になりそうなのか、どういうお話をされたのか。それから、同時にその時に羽田国際空港の件でも、何かお話が出るということだったんですけど、そのあたりも、どういうお話があったのかお聞かせいただければと思います。

【知事】今、関連質問で、今、聞いてるんですけれども、せっかくご質問ですから。協議を再開すると、まずは。国土交通省と財務省と東京メトロと東京都で協議を再開するということを、この間、太田大臣と確認しました。はい。
 それから、羽田国際空港については、現行、昼3万回、夜3万回で、さらに、増やして9万回にするというところまでの確認は先日いたしております。

【記者】発着回数。

【知事】発着回数ですね。なるべく、きょうは関連質問から先だけれども、いいですか、なければ。

【記者】はい。

【知事】まだ、早いじゃないの、出番が。

【記者】あ、関連だから。

【知事】あ、そう。新宿区新聞ね。

【記者】はい、新宿区新聞です。今、このきれいな絵を見ていたわけですけれども、例えばですね、この新宿の超高層ビル街の足元にはですね、街の中をちょっと歩くだけで、電柱の線がね、いっぱいあるわけですよ。

【知事】共同溝のことを言ってるわけ。

【記者】いや、共同溝ではなくて電信柱から空を切ってるわけですね、電線が。

【知事】その、国道と都道はほぼ、電線は地中化されてますが、区道は電柱がまだいっぱいそれは残っています。

【記者】そういう、一方では現実がですね、新宿のこの先進都市の足元にもまだ残ってるわけですね。こういうきれいな一角の部分と、まちの中に一歩踏み入れるとですね、そういう問題が残っているということのギャップですね。こういうものは、視察団に対してどういう印象を与えるようになると思いますでしょうか。

【知事】それは、電線はないほうがいいでしょう。

【記者】ええ。ですから、それ、ないように進めるということが大事なんですかね。

【知事】今回の予算の中でも、電線の地中化は入れてありますし、本日の復活予算の査定の中でも、今回発表しましたが、電線の地中化の分量を増やしました。議会の要望にお応えしました。

【記者】工程表でいくと、猪瀬都知事の工程表でいくと、大体いつ頃になったら、例えば、新宿からですね、そういう電線の、えっと何ていうんですか、空を切るような事態がなくなるということになるんでしょうか。

【知事】でも、表通りはほぼ地中化できてますから、路地裏はね、区道なんですよ。要するにね。

【記者】ま、そうですね。

【知事】そうすると、道路の幅が狭くてなかなか地中化しにくい。それと、今、ちょうどいい質問だから言いますが、不燃化特区、木密地帯ですね。木造密集地帯の不燃化特区を3カ所とか10カ所じゃなくて、50カ所に今回増やしたわけ。ですから、その不燃化特区の中で、いらなくなった古い建物とか、人の住んでいない空き家ですね。あるいは、住んでいてもちょっと、ほかのところにもう少しいい場所に移っていただくと。で、道を少し広くすると。そうすると、延焼防止地帯ができますよね、その時に、電柱の地中化も一緒に行うことができるんです。

【記者】その時には解決すると。

【知事】うん、うん。だから、それを50カ所、今考えてるわけですから、それは非常に大きなことだと思っていただければいいと思います。はい。
 はい、どうぞ。

【記者】NHKです。金城です。電力複数契約のことでお伺いします。新電力にですね、変動部分をやっていただくということはいいんでしょうけど、これが呼び水となって民間等に広がっていった場合、現在の新電力のシェアでは対応できないという問題が今指摘されているんですが、東京都として新電力を育てるための施策、考えというのはいかがでしょうか。

【知事】これは、既に副知事時代から展開していますが、当時の政権に対してもいろいろ要求していましたが、東京電力と今、会合を持っていますね。それで、その中で、老朽火力発電所のリプレイス。これを、急げと言ってるんですが、老朽火力発電所のリプレイスは民間資金が入ることによってリプレイスされるわけですね。そうすると、その発電所は民間経営になるわけです。ただ、オペレーターは東電の社員であったりするかもしれないが民間になるわけです。それは、新電力になるわけですね。そこで、現在の東電の送配電網に接続されてくるということになりますが、それがそのまま直接エンドユーザーの直接契約でなくても、まず、発電したものを東電におろすと、そういう新電力もこれから生まれていくわけですね。重要なのは、公開入札が今遅れているということが問題です。はい。
 あと、いいですか。はい、どうぞ。

【記者】関連じゃないです。

【知事】はい。

【記者】東電との売電契約の件でお伺いしたいと思います。東電が請求してきた解約金、51億8千万円について、きのうMXの取材に対してですね、猪瀬知事はぼったくりバーみたいな計算書を持ってきたというふうにおっしゃっていましたけれども、このぼったくりという意味について、もう少し詳しく教えていただけますか。

【知事】はい。ぼったくりバーでいいと思います。表現はね。彼らの言ってる根拠というのは、非常に不可解でありまして、まずは、こういうことなんです。この間、朝日新聞書いてくれましたが、からくりがなかなか分かりにくくなっているんですが、それを改めて説明しますと、約52億円要求してきていると、そして、結局、まずは何を彼ら要求してきているかというと、10年契約なので、残り6年あると。6年あって、今9円で東電に売っていると。で、東電は、じゃあ、まず、52億円のうち36億円の部分についてですが、36億円の部分と16億円の部分がありますので、36足す16で52です。で、その52のうち36億円についての彼らの要求はどういうことかというと、今、東京都が9円で売っていると、それを別のところで買わなければいけなくなると14円になると、そうすると、5円高く買わざるを得ないと。その5円高く買わざるを得ないのを6年分計算すると、36億円になりますと、それを東京都に要求しているの。これ、馬鹿みたい。だからぼったくりバーなの。ね。理屈になってないんですよ。

 それともう一つは、残りの16億円は、東京が修繕、修理のための積立金を16億円しているんです、水力発電の。それは、東電のものだと言ってるわけです。つまり、今9円で、東電に売ってました。そうすると、9円のうち2円分ぐらいはその積立金なんですが、その積立金は東電のものだって言ってるんです。考えられない理屈です。それで、その積立金というのは、中小水力発電開発改良積立金という名前と、修繕引当金、これは13億と3億で合わせて16億ですが、その引当金は何で東電が自分のものかというと、そういう言い方をするかというと、総括原価方式の中で、それが原価だからと思ってるわけです、彼らは。だから、おそらく、何だろうね、考えられない世界を彼らはいまだに、世界観として持っているというか、そういうことになります。これは、後で詳しく、東京都の計算している当局がありますから、これは、結局交通局なのかな、数字ね。これ、交通局なの、水力発電は。で、全部計算書あります。で、僕は大体今、頭に入っていることを言いました。普通に、今、聞いていて、訳分からないと思うでしょう。その52億円を東京都に要求してきている訳だから、それは払いませんと。で、近日中に東電とまた会合ありますので、前に11月にそういうこと言ったんです。50億円ぐらい寄こせと。また1月になって、また50億円ぐらい寄こせと、こう言ったんです。何で、そうしたら廣瀬社長来たときに直接僕に言えばいいじゃない、そうしたら、ね。言わないんだよ。だから、それで何しに挨拶来たんだということになりますから。ま、東電は縦割りなんです。縦割りで、そういうところがそういうことを平気で要求してくる部門があるということだと理解していただければいいと思います、はい。
 はい、どうぞ。

【記者】朝日新聞の岡戸と申します。尖閣の寄附金についてなんですが、今月で受付を終了するということですけれども。

【知事】そうですね、はい。

【記者】そもそも副知事時代の猪瀬さんの発案で始まったと聞いていますが、今回この基金化を機にですね、受付をやめるに至った判断、どういった判断だったんでしょうか。

【知事】基本的には、野田政権で突然国有化したということなので、もちろん尖閣の調査をきちんとする必要がある。誰も調査してないんですから。固有の領土であれば当然調査する必要があるから調査しました。
 しかし、野田政権で国有化してしまい、では、次の自民党総裁選でどうしますかというふうに、こちらから提案しました。そうしたら、ちゃんと、きちんと考えたいということで、そういう、各候補が言いました。そこで、とりあえず、新しい政権ができて1カ月ぐらい経ちますので、ここで募集はもうとりあえず停止しまして、それから政権が何をするか、どういうふうに問題を解決してくれるのか、まだ分かりませんので、基金にして、皆さんのご意思を基金としてとっておいて、もしその基金が役に立つ時が政府の側で、具体的な政策を出してきた時に対応させていただくということになります。

【記者】知事おっしゃっていたように、安倍首相はですね、都の公開質問状に対して、船だまりの設置は、公務員が常駐する施設設置などを検討すると答えているんですが、知事、就任されてから何度か安倍首相とお会いになられていますが、具体的に尖閣の話というのはされたんでしょうか。

【知事】まだです。オリンピックの話が先なので。はい。別に、まだ安倍政権も今、新しいアベノミクスというのを打ち出して、次々と今、打ち出しているとこでしょう。だから、そういうものが一段落して、後での話のほうがよろしいかと思いますね、はい。

【記者】そういった点では、活用に向けて、安倍首相にも何かしら求めていくという形になるんでしょうか。

【知事】だから基金にして、ちょっと間を置いてというふうに思っています、はい。

【記者】日本経済新聞の森川でございます。東京メトロと都営地下鉄の一元化について、ちょっと伺えればと思います。先日、国交大臣とお会いした際に、東京都を事実上のホールディングカンパニーとする一元化構想というのをご説明いただきましたけれども、この件で伺いたいのは、今、知事の中のイメージとしては、まずメトロの株を東京都が取得して、そこから料金体系であったり、サービスだったりの一元化を深めていくという、まず株の取得を先行的に取り組まれるという、そういうイメージでしょうか。

【知事】ま、考え方の枠組みを説明したんですね。手順はどうするかはまだわかりませんが。いずれにしろ、財務省が株を手放して東京都が買った場合には、2000億円ぐらいの財務省の復興資金ができますよね。前に財務大臣になった、何だっけ、あの人、民主党の。

【事務方】安住さん。

【知事】安住さん。安住さんが、復興財源の中に2000億円、メトロ株があると、こう言いましたよね。ですから、2000億円はいつでも東京が復興資金のために出しますよと。そのかわり、その株式がいただきますよと、分かりやすいと思うんですね。誰も損しないんですから。ということがまず1つ、考え方としてなければいけない上で、どういう形の一元化が一番ご理解が得られやすいかということについては考えていきたい、これは。
 だから、いろんな案があります。これからつくっていきますから、もちろんこれ、話し合いも必要ですしね。上下分離という考え方もできますし、いろんな考え方ありますよ。まずは、わかりやすいのは運賃体系を共通化していくことで改札をなくすと。そのためには、どこかで経営の統合というか、一元化がなければできないんですね、これは。
 ということで、借金の返済構造というのは、僕は道路公団民営化でやりましたが、十分に可能な枠組みですから、できます、はい。

【記者】先日配付いただいた資料では、最終的には会社を上場させるということで、完全民営化させるという、工程表のようなものになっておりましたが、いずれどこかで会社化するに当たって、都営地下鉄を民間会社にするという手続きが、議論が出てくると思うんですが、この議論が出てくるのは、料金体系が一元化されて、メトロの株も取得されて、さらにその後での話というイメージで、今、知事はお考えなんでしょうか。

【知事】そういうご理解でいいと思います。まず第一歩の一元化の最初の段階ができないとですね、今おっしゃられたような、次の展開には進みません、はい。
 はい、どうぞ。

【記者】毎日新聞の清水です。また尖閣の寄附金に戻るんですが。

【知事】何だよ、まだ、戻ってどうすんだよ。

【記者】この基金化される寄附金をですね、国に譲渡するときの条件は、どのようなものでしょうか。例えば船だまりですとか、電波塔みたいなものをつくるという方針が決まったら渡すのか、それとも、実際にそういう施設ができたら渡すのか。あるいは、今、国もやっていますように、警備の強化ですね。そういうことに対しても活用の一環ということで寄附金をお渡しすることがあるのかどうか。そこら辺、教えてください。

【知事】それは、今、あなたが幾つか提案してくれたが、その中で最も最適な提案がね、あれば、それはそれでいいかと思いますよね、基金を使う場合にね。ですから、それはやっぱり、これ、外交問題でもあるから、政権の場合は。これ、東京都じゃなくて国に移ってしまったので、外交問題を含めた中で一番いい提案があれば、その提案に対して皆さんのご意思をそこに乗せると、こういうことになると思いますよね。

【記者】まず国から提案が来るのを待つという形なんですか。

【知事】今、オリンピック先なんだよ。だからね、オリンピックの、3月初旬に招致団が来る。そのときに安倍さんにも出てもらわなきゃいけないんです、これは、ちゃんと、何らかの形で。で、まずそういうことをやった上で、安倍政権自身も、今とりあえず成長戦略をつくっていますというところでしょう、その後になるんじゃないですか、はい。
 はい、どうぞ。

【記者】朝日新聞の中村と申します。ちょっと歴史教育の関係でお伺いできればと思います。きのう、高校、日本史のですね、「江戸から東京へ」について修正が幾つか発表されたんですけれども、その中で、関東大震災の項目について、デマによってですね、朝鮮人の方が虐殺されたという一文について、数多くの朝鮮人が虐殺されたという文章が、朝鮮……。

【知事】何の?

【記者】関東大震災の……。

【知事】だから、うん、何の、何の朝鮮人。

【記者】あ、数多くの。

【知事】あ、数多くのね、はいはいはい。

【記者】すいません。「朝鮮人が虐殺された」という一文が、「朝鮮人の尊い命が奪われましたと碑に記されています」という表現になっていまして、ちょっと知らない人が読むと、ぼかしたようなですね、ちょっと、よく分からない表現になっているかなと思うんですが、防災教育、非常に重要だと言われている今、知事としては、この変更については、どのようにお考えか、伺えますか。

【知事】形容詞を少し変えるぐらいのことは、大した意味はないと思いますよ。そうではなくて、本来だったら、もし変えるのであれば、風評被害の怖さというものをきちんと別枠でちょっとつくるとかね、そういう発想があっていいと思いますね。基本的にはその3.11のときにもそうですが、デマ情報、あるいは風評被害。これはパニックで必ず起きるんです。それは、関東大震災でも、デマ、風評が、一瞬ですが東京中を駆けめぐった。それは恐怖です、その時は。そういう恐怖が、誰が原因だというふうに、「あっ、これは朝鮮人が井戸に水を入れたからだ」っていうふうなデマになって、わーっと流れる。そういうパニックの心理をきちんと描かないと、もう、表現をね、いじってもしようがないと。ただ、表現がオーバーになっていて、その表現だけがひとり歩きしている場合は、それはある程度きちんとした表現に組みかえることも必要であろうというふうに思います。はい。

【記者】ありがとうございます。

【知事】はい、どうぞ。

【記者】東京MXの富田です。夕張の件でお聞きしたいんですが、先ほど、東京都の元職員でもある夕張の鈴木市長と面会されていましたが、鈴木市長の印象とですね、今後の夕張との連携についての考え方を教えていただけますか。

【知事】あれはね、今度の新政権でね、いきなり、一律交付税を削減とこうやったわけで、夕張は違うんじゃないのっていうことを言わないとね、駄目だよということで、鈴木市長は総務大臣に会いに行き、そして菅官房長官は、昔、総務大臣だったときに夕張の破綻があり、鈴木君を送り込んだころですから、そういうことで関係があるので、そういうところにまず働きかけるということが大事ですよと、彼はやりました。で、彼もたくましくなりました。ちゃんとね。やっぱり、最初に行ってからもう4、5年経つ訳ですから、元気にやってくれて、東京都の職員の仕事の一部が夕張に行ってるというふうに考えていただくと、前にも言いましたが、東京だけをやるのが首都公務員じゃなくて、国のため、120点満点で、あとの20点は国、あるいは日本全体のために働くんだと、そういうことで鈴木君がそれを1つ体現しているわけですね。
 で、今回、毎年この季節にゆうばり映画祭がありますから、雪かき部隊、出すわけですね。東京都、10人の青年が行くわけですが、既に80人ぐらい、延べ行ってるんです。したがって、その10人は今度、研修で行くんだが、今まで行った人はまた自発的にボランティアで20人ぐらい参加する。こういうことで、高齢化社会の中で雪おろしができないような、そういう建物がいっぱいあるので、そういうことで応援するのと、ゆうばり映画祭もまたそういう中で開かれて、東京、2020年、東京オリンピック、パラリンピックのポスターもそこで張ると、そういうことですね。はい。

【記者】長期派遣についても、今後も継続していくということでしょうか。

【知事】実は、被災地に今、長期派遣してるの、たくさん。ただ、夕張がやっぱり端緒となって、3.11があった後の被災地に東京の職員がいっぱい行って、働いてます。現場があるから。国は、現場、持ってないです。お金だけ持ってるんです。現場をちゃんと理解した東京都の職員が行って、現場で助けると。こういうことを貫いていきたいと思ってます。
 はい。

【記者】朝日新聞の采澤です。今週なんですけれども、都選管のほうで、都議選の日程が決まりまして、6月23日の投開票ということになりました。で、知事は、知事選のときにですね、自民党、公明党から支持を受けて知事選戦われていらっしゃいましたが、都議会…。

【知事】あのね、僕は無所属ですよ。ただ、自民党も、公明党も、維新も、みんなも、連合も、支持してくれたというか、そういうことですよ。

【記者】そうですね。都議会の自民党、公明党は、次の都議選でですね、やはり過半数を確保を目指して選挙戦を戦うことになると思うんですが、知事は都政運営の、議会側のパートナーとしてですね、この都議会、自民党、公明党についてはどういうふうに捉えてらっしゃいますでしょうか。

【知事】6月の選挙については、今、考えていません。この予算が、今、原案ができたところですよね。で、復活査定もやったところですね。それでまず、今いらっしゃる都議会の議員の人たちが、この予算を承認していただくということが、今、全ての課題です。そして、復活予算も全部終わりましたから、これで予算の形はでき上がったわけですね。あとは、その中身についていろいろと、もっとたくさんのコミュニケーションをとりながら議決していただくということが目標です。当面の課題です。はい。

【記者】すると、今後、その知事与党として都議会、自民党、公明党、知事与党として、その議席を伸ばしてもらいたいとか、そういうような考えも今のところはないと。

【知事】それは、現在いる議員を前提にしてお話をしているわけですから、今。そうでしょう。現在いる議員に予算を通していただくということです。はい。

【記者】読売新聞池亀と申します。関連に、政務の話なんですけど。

【知事】はい?

【記者】政務の話。関連で。

【知事】はい。

【記者】27日に、千代田区長選挙、告示されますけれども、現職の前の区長ですね、有力候補として上がっていて、現職の方から猪瀬さんに応援要請があるやの噂もあります。で、現職の方は猪瀬さんの選挙期間中にも応援で選挙カーにも乗ってらっしゃいましたけれども、知事として、どこか特定のですね、陣営に肩入れというか、応援というか、するような気持ちというのは、現時点でございますでしょうか。

【知事】それは後ほど明らかにしますが、特定という言葉は必要ないと思いますが、応援してくださった方には応援のお返しをすることも当然あります。はい。

【記者】もう一度、太田大臣のことで、先ほどちょっと聞いたんですが、閣議後の会見っていうのが今日あるんですね。で、先日、太田大臣とお会いしたときに、経営の一元化についてお話しされて、太田大臣にはご理解をいただいているのではないかとお話しされていました。ただ、今日の会見で大臣はですね、一元化については、いろんな言い方をしたんですが、「東京都が株を保有して単独で行うのではなくて、国と都が協力して進めるべきだ」とかですね、あと、「目の前にはさまざまな問題がある」と、いろんなことを言いまして、必ずしも一元化ありき、もしくは一元化が重要なんだという認識は示されませんでした。そのあたり、ちょっとトップ同士で認識が違うのかなというふうに受けとめてはいたんですが、いかがでしょうか。

【知事】これから認識が深まっていくんじゃないですか。協議会を開くことによって。ですから、大臣になったばっかりで、いろんなことをいろいろレクチャーを受けるでしょう。ね。だから、協議会を開いて公の場でちゃんと深めていけば、結局、ロジックというのは1つしかありませんから。つまり問題解決には、道筋というのはロジックなんですね。で、ロジックっていうのは1つしかないんです。ということで、この間、言いましたよ。僕、大臣室で。鉄道局長がいたからね。「鉄道局長」って言ってね。「あんた、どうせ2年で代わるんでしょ」って言ったんですよ。ね。2年で代わって、どっか天下り行っちゃうんですよ。そういう無責任な人間がですね、都民、国民の利益のための長期的展望を持って仕事をやるとは思えない。ということですよ。
 はい、どうぞ。

【記者】時事通信の新部です。電力のですね、再生可能エネルギーの全量買取制度についてお尋ねします。都のほうはですね、屋根貸しビジネスですとか、先駆的な取り組みをいろいろ始められていると思うんですが、太陽光の発電の買い取りの価格がですね、今後5円程度引き下げられるかもしれないというお話があるんですけれども、これについて知事のご意見があればお聞かせいただきたいと思います。

【知事】42円で自然再生エネルギーを買い取ると、これは民主党政権で決めた訳ですね。で、自然再生エネルギーの量を増やしたいと、こういうことだと思います。だから、民間資金がどんどん入っていくという展望だったと思われますが、42円が妥当かどうかというのは常にありました。で、ドイツの太陽光パネルの、太陽光の購入価格もですね、70円、80円からだんだん落ちていって、30円台ぐらいに落ちてきているんですね。で、つまりそれは太陽光、要するに、結局42円で、高額で買い取るということは、逆にそうではない利用者がというか、そうではない人たちが高いお金を払っているということになる訳ですからね。
 ただ、37円ぐらいですかね、それでも多分、採算はとれると思いますが、でもそれは全体の中の、僕はね、あるパートだと思うんですね。やはり全体の中で電力の電源というのはさまざまな電源があって、その中に自然再生エネルギーが、日本は少ないので大きく育てようと、こういうインセンティブで42円の買い取り価格にしたが、多少それが下がってもですね、まだインセンティブ効果があると思います、はい。

【記者】ありがとうございます。

【知事】いいかな、じゃ。はい、どこ。いいですよ。

【記者】いいですか。

【知事】どうぞ。あなた、トリだから、最後の。

【記者】すいません。実は、猪瀬都知事1カ月なった、なりましたんですが、猪瀬都知事のお考えになっている、例えば都知事というものは、石原さんのときにはカリスマ性というものが非常にあるように言われていました。猪瀬都知事ご自身では、カリスマ性というものについては必要だと、そして現在は、今、努力中であるとか、何かそういうお考えがありましたらばお答えいただきたいと思います。

【知事】新宿区新聞は変なこと書いたのあったな、この間。

【記者】えーと、何ですか。怪物ですか。

【知事】訳分かんないこと書いて…。

【記者】あれ、大変いいことだと思うんですがね。

【知事】あ、そうですか。じゃ、それでいいじゃないですか。はい。

【記者】それで、カリスマ性についてはどうですか。都知事というものが、このマンモス都庁をですね、引っ張っていかなくちゃいけない。それから、432万票の…。

【知事】434だよ。

【記者】すいません。434万票の得票を得た、こういう中でですね、東京のトップリーダーとしまして…。

【知事】やることをやればいいわけ、どんどんね。やることをやって、必ずやることをやろうとすると、既得権益とか、ね、それから縦割りとか、そういう壁にぶつかるから、それはバカの壁だって言ったでしょう、そういうのが。だから、そういうものを壊していくのが都知事の仕事。以上。はい。じゃ、どうも、失礼します。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)