知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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記者会見

平成25年2月13日更新

猪瀬知事記者会見
平成25年2月8日(金曜)
15時00分〜15時40分

知事冒頭発言

1 北京市をはじめとする中国各地の大気汚染への対応について

【知事】北京の大気汚染、いろいろと皆さんご心配かと思いますが、先月31日に北京市長宛てに親書をお送りしました。お祝いの親書ですけれども、その中で大気汚染に対する技術ノウハウは東京都にありますから、この機会に北京と東京の交流が一層深まることを期待しますというメッセージを込めております。現在、北京市の大気汚染はかなり深刻な状況であるという認識がありますので、昨日改めて事務レベルで技術協力しますよというペーパーをお送りしました。そのペーパーをちょっと配ってもいいよ。

【事務方】配りました。

【知事】東京はね、皆さんご存じのように、1968年の東京電力の発電所に対する公害防止協定締結や1971年の工場等に使用する重油の硫黄分規制など、大気汚染対策を全国に先駆けて導入しています。ちょうど1970年前後は、公害というのが大分言われました。そういうことがあり、さらに、そこからしばらくある程度の規制があるだろうということでやってきたんですけれども、石原知事のときに、ディーゼル車の排ガス規制を改めてやらなければということは、ディーゼル車がどんどん大きなトラックが増えていくに従って問題になってきました。そこで、従来のディーゼル車よりも大幅にPM排出量の少ないディーゼル車を普及するという意味で規制をやりました。これで大体、自動車から排出されるPMですね、石原前知事が黒いペットボトルを振ってましたけれども、規制開始の前の20分の1に減っています。こういう意味で、どういう規制があるかっていうことはきちんと北京市にもお伝えしてですね、やっぱりそれなりに成果が出てるんですよと。これはもちろん、自動車業界がですね、ディーゼル車のエンジンを含めたディーゼル車の排出規制というか、そういうものに基づいた技術開発、これをきちっとやって成果が上がってきたということになりますが、まずは規制があって技術開発があると。そこで、やはり行政がきちんとできることはやらなければいけません。昔、アメリカのカリフォルニア州で70年代、ものすごい排ガス規制が強く打ち出されました、州当局によって。そこで日本は、よく言われているように、例えば、ホンダならホンダという会社がCVCCエンジンという有害物質の排出が少ないエンジンを開発して、アメリカ市場を席巻したということがあります。そういう時代が1回終わって、そして、さらにディーゼル車規制というものを今度徹底的にやって、東京としては、単に東京だけじゃなくて、東京でそういうことを打ち出した結果、国はその対応は遅れたんだけれども、最終的にはディーゼル車の技術改良が行われることになって、全国的にもPMの排出が減ったと、こういうことになります。で、2009年に、東京都は北京市と技術交流・技術協力に関わる合意をしているんですね。そこで大気環境ワークショップにおいて、大気モニタリングやその評価の方法など、様々な技術供与を行ってはいます。しかし、それはその時点で、2009年で、特に向こうからその後の申し出がないのでそのままになっていたんですが、今回改めてアクションを起こして、積極的に持ってるもの、ノウハウを提供しようとこういうことであります。

2 部活動における体罰問題について

【知事】大気汚染については以上ですが、次にですね、このところ非常に問題になっている体罰の問題ですが、学校の部活動において体罰が特に多い。部活動において、部活動という指導の名のもとにおいて体罰が恒常化している例があることは大きな問題でありまして、東京都教育委員会は徹底調査をするということをやってきたわけですが、最終的に3月末にですね、調査結果がまとまります。まとまりますが、その途中の段階である程度見えてきた部分もありますので、体罰根絶を目指して、1月17日に調査したものを徹底的にやると、100万人ぐらいになるんですね、調査の対象が。学校の生徒が94万人、先生が6万人ですからね。これやって、一部最終的に3月末に結果が出ますが、まずは教育庁において、第三者を含めて事実関係を徹底的に解明する調査委員会の設置、それから弁護士が受けつける通報窓口の新設、体罰のない部活動のあり方を検討する委員会を設ける、こういう緊急対策を講じることにしました。既に今回の予算の査定の中で、体罰をなくす、あるだろうと思われてる、いろんな問題が想定されていましたので、全公立の小中高2117校にスクールカウンセラーを配置するという予算を既に計上しました。これは、今までスクールカウンセラーが700人だったのを1400人にしようと。予算面では17億円を34億円にしようと。こういうことで、これからも学校の部活動においての暴力や暴言、これを教育手段とするようなことはあってはならない。当然、オリンピックでも、オリンピック憲章で、スポーツにおいて暴力は許されない、こういうことで、今調査中ですが、いくつか事例が出てきてますので、徹底的に解明し、そして、また、体罰・暴力等を未然に防ぐ手だてを考えていきたいと。詳細は教育庁から説明させます。以上です。ご質問があればお願いします。はい、どうぞ。

質疑応答

【記者】日本経済新聞の森川です。すみません、冒頭でないんですけどよろしいですか。

【知事】何だい。

【記者】地方公務員の給与に関連して、今日総務大臣がラスパイレス指数について公表しております。それによると、国の給与削減分を除くとですね、都内でもほとんどの自治体が国より高い水準になるという指数の調査結果になっておりますが、この調査の数字の出し方も含めてですね、地方公務員のほうが給与が高いという国側の指摘に対して、知事のご見解改めてお願いできればと思います。

【知事】ラスパイレス指数というのはですね、これは必ずしも正確な指標ではないというふうに思っていますが、国が100に対して東京が110であると。おそらく、そういう数字が出てくるだろうということは、もう毎年出てますからね、分かってますが、じゃあ何で秋田県が110なんだと。こういう数字をどういう意味を持たせるかということですね。一律に大体108とか109とか110とか出るんです。全都道府県は全部環境が違いますよね。東京は民間給与が非常に高い。そういうことを含めて、家賃等も高い、通勤通学費もかかる、こういう世界ですから100に対して110というのは、ある意味ではそれはある種の指標としては成り立つが、何で他の、今秋田県とたまたま言いましたが、秋田県じゃなくていいんですよ。110という数字が出るのか不思議でしょうがない。これが1つですね。さらに、このラスパイレス指数の中には、この間東京都が13%削減した退職金が入っていませんね。ですから、これは霞が関の出した数字だなというふうに思います。ただ、この公務員の給与というのは、東京の大手民間に対して東京都は低いです、ややね。だけれども、地方都市ではやっぱり公務員の給与は突出して高いです。これはやはり是正すべきであるというふうに思っています。はい。

【記者】ということは、今回のラスパイレス指数の指標をして、東京都下の自治体、都のみならず区市町村も給料を引き下げろという国の要請は、東京には必ずしも当てはまらないと、そういうご見解ということになりますでしょうか。

【知事】これね景気の良いときも悪いときも、毎年毎年、今頃ラスパイレス指数を発表するんですよ。だから一種の茶番ですね、ラスパイレス指数というのはね。ただ、全然指標にならないわけじゃないですよ。そういうことじゃないですか、これは。

【記者】すいません、話飛んで恐縮なんですが、今日、新銀行東京の第3四半期決算が発表されて、約8億9,000万円の黒字という結果ですけれども、現況の決算の足元の状況および今の経営状況についてどう見てらっしゃるか伺えればと思います。

【知事】結局、資産額がどのくらい増えたのかというところが1つの目安だと思いますがね、第2四半期は510億円ですが、今回、第3四半期は514億円になってますので、別にね、これでいいというわけじゃないけれども、とりあえずリハビリ中ということになりますね。はい、NHK。

【記者】大気汚染の北京市のやつなんですが、関連で今日、石原環境大臣がですね、先ほどおっしゃったんですが、中国に対して汚染防止のですね、支援を進めると国のほうも表明しています。東京都も今やろうとしているんですが、国と協力してやるようなお考えはあるでしょうか。先ほどから国に先駆けて東京都は対策をとってきたと言っているんですが、両者がやったところで協力してもいいのかななんて思うんですがいかがでしょうか。

【知事】別に、別々にやると言っているわけじゃないが、しかし、要は北京市とか上海市でしょう。一番、そういう大都会ですよね。大都会で大気汚染が起きている。もちろん、大都会じゃなくても、工場で廃液の垂れ流しとか、そういうものがあるでしょう、地方でね。こういうことを含めて、やっぱり中国という国とこれからお付き合いしていく上で、やっぱり国家レベルでも、様々な環境における日本のノウハウというものは提供していくべきだと思いますし、先進国として一度通り過ぎた道ですから、そういう意味で先行モデルを示す必要があるでしょうね。そして、もちろん技術の蓄積を生かして、そういうことでは中国と非常に今後もお付き合いしていかざるを得ないわけだし、立派な、大事な市場でありますから、そういう意味で協力させていただくということですね。特に、ただ東京の場合は、具体的に国より進んでいるというのは、石原前知事がディーゼル車規制をやったのは国に先駆けてやったわけだし、それからあと、東京は2020年までに25%CO2削減ということで、具体的な政策を打ってますよね。その結果、ディーゼル車とか、工場とかだけじゃなくて高層ビルを含めた様々な東京都の1300ぐらいの事業所、そこがボイラーを変えたりとかですね、昔は重油で焚いていたボイラーが多かったわけですよ。そういうボイラーを変えたり、新しい最新の空調設備に変えたりとか、これも排気ガス規制の1つですからね。こういうこと、様々な総合的な手だてを打つということで、東京都の専門技術はできるだけ生かしたいなというふうに思ってます。はい。

【記者】朝日新聞の中村と申します。日中関係のことでちょっとお伺いしたいんですが、北京への大気環境の改善協力というお話が冒頭ありましたけれども、一方で、2月の定例議会のほうに尖閣の寄附金基金化について条例提出ということで、昨年4月の尖閣購入表明以降ですね、中国の最近もレーダー照射などありましたけれども、日中関係の悪化について、知事としてどのようにお考えか伺えますか。

【知事】中国の歴史をね、ある程度知っていたほうがいいと思うんですが、中国というのは必ずしも国家意思というものが統一された形で表現される世界ではないというふうに思っておりまして、今回もレーダー照射の問題というのが、ある部分でこれも、よく専門家が解説してますが、現場が少し先行してやったとかね、そういうこともあるのではないかと言われてますよね。戦前も中国というのは5つの軍閥があり、さらに共産党があって、さらにその中の派閥があって、それが戦後の中で共産党に一元化されていくんですけれども、そのそれぞれの軍の系統というのは必ずしも一元化されたものではない。もちろん、建前上は一元化されてますけどね。ですから、政府とそれから軍と現場と意思の疎通がですね、必ずしも一元的にスピーディーに行われているとは考えられないということもありますというんですね、はい。

【記者】そういうこともあるということなんですが、基金がですね、尖閣の実効支配強化のためを想定しているということではあるんですけれども、日中関係の悪化への懸念というのは、どのようにお考えでしょうか。

【知事】この間、基金のことで毎日新聞がちょっと書いてましたが、尖閣の寄附金は基金に今回議会でしてもらうわけですが、あれは、あの当時は尖閣の所有権が個人にあって、いつ亡くなられるかわからないという相続の問題が発生するので、それで購入するということがまず前提だったわけですね。それでこう言っちゃなんですけど、相場も大体10億円を超えるか超えないかぐらいの相場であったはずだったと思います、相場はね。だから、そういう問題だったのが突然、国が、野田政権が出てきて、20億円プラスアルファの金額を直接交渉して、そういう形でなりふり構わず決着したわけですよ。その後のことについては、こちらとしては、あとは国の政権も変わりましたし、どういう方法論があるのかということについて、離島をどういうふうに管理するかとか、そういう問題と含めて安倍政権が方針を出す、あるいは国会ですね、国会がどういう考え方を表明するのか、各議員の議員立法とかいろいろありますから、そういう中でしばらくは、基金として置いておくということになると思いますね。はい。

【記者】そうすると、主導権は国に移ったということだと思うんですが、知事としてですね、尖閣問題含めた日中関係、どうあるべきかというのを、先ほど北京の親書もありましたけれども、ちょっとお考えを最後に伺えますか。

【知事】それは外交の問題でしょう。東京都の問題じゃないですから。

【記者】尖閣の問題もあるので、東京も自治体とはいえ、非常に国際的な部分、影響力強いと思うんですが。

【知事】尖閣は日本の領土だからね、きちんとヤギを駆除したりしなきゃいけないでしょうと、そういう話ですから、それと外交の問題は別の話でしょう。はい。

【記者】講談社フライデーの記者のイワサキと申します。ほのぼの質問なんで、お答え願えればと思うんですけども、知事は、副知事時代、夜中遅くてもランニングを欠かさなかったと聞いているんですけども、例えばアメリカだとオバマ大統領が筋トレをちゃんとされて、結構厳しいバスケットボールをやったりとかしてですね、スポーツの効用みたいなのがわりと浸透していると思うんですけど、日本だとですね、政治家の方とか、企業の経営者がやると、お前暇なんじゃないみたいな感じがあるんですけども、知事、今具体的にどういう運動をされて、効用といいますか、運動のよさみたいなものをちょっと挙げていただければと思います。

【知事】スポーツはね、考える力を養うという意味で、欧米の政治家・経営者は、皆必ずスポーツをやっています。そういうスポーツの中でどういう技術の向上があるかということと、それから、自分がそれを考えた結果どうなるかという、そういう思考の実験でもあるということがスポーツで、結果が出ますので、分かるんですね。それは経営とか、あるいは政策とかに、どっか深いところでリンクしているということで、欧米はスポーツを非常に重視しています。日本は、わりと土日にゴルフに行ってですね、会社関係の話をするとか、そういうふうなことが多いのはどうかなというふうに思ってます。僕はツイッターでも書いていますが、大体年間1000キロぐらい走ります。あとは、テニスを週1回やります。実はジョギングを始めてからテニスが少しうまくなったというふうに言われました。それは多分、踏み込みとか、そういうものがちょっと違ってきたんだと思います。それと自慢するわけじゃないが、音が良くなったと言われたんですね。乾いた音が出るようになったので、芯にきちんと当たっているというのは、上半身と下半身の運動であるとうまく重なり合って、ジョギングの成果がなかなか上手くならなかったテニスに少し表れてきたというふうな複合効果があるんだということがわかりました。はい。

【記者】水曜日の雪の天気予報なんですけれども、知事はツイッターで、先日、成人の日に外れたので過剰に積雪量を2度も見積もったと。気象庁の自己保身ですとか、責任に対する心理に支配され歪んでいるという批判をされました。知事は、日頃から言葉のファクトとかロジックの大切さというのを訴えられておりますけども、今回のこのご指摘はどのようなファクトを根拠にこう断定されているんでしょうか。

【知事】1回目、外れましたよね。大雪になりました。そして二度目、三度目、今度大雪になるといって、外れましたよね。ま、一度目は外れたのはしょうがないかもしれないけども、今度は、大雪だと言っていれば文句は言われないというふうなことではないかと僕は思いました。なぜならば、非常に個人的ですが、やっぱりあの深夜、空を見ても、雪が降る気配は全くないんです。ツイッターでもあちこちから情報が入って、雨がちょっとぽつっときたとかその程度で、気温も全然下がらない。だったら、天気予報を少しを変えればいいじゃないですか。まあ、いいです。その程度の話ですから。

【記者】いえいえ、知事、30万人のフォロワーがいるわけで、ツイッターにですね。そこで知事の、空模様を見て知事がこう思われたということを根拠にですね、これが気象庁の自己保身というようなですね、厳しい批判をするというのは、このツイッターの使い方としてよろしいんでしょうか。ちなみに、うちの会社の取材では同じような質問を気象庁にぶつけましたけれども、前に外れたからといって逆の予報をするということは絶対にあり得ないということを言ってますが。

【知事】だから、それは、わかりませんね。多めに言ったかもしれないと僕は思ってますから。

【記者】じゃあ、いまだに思っているわけですか、知事は。

【知事】ええ、そうです。多分こういうことを言う奴がいるということはわかったんで、これからはないんじゃないですかね。二度も続けて外れるというのはね、おかしいですよ。それ以上言っても、しょうがない話。

【記者】じゃあ、この自己保身という批判は、別に訂正されるつもりもない。

【知事】ないよ、それは。

【記者】わかりました。

【知事】次、多分、正しい予報するんじゃないですか。心理的にぶれるんじゃないかと僕は思ってます、最終的にはね。どこかであったんだと思いますよ。はい。

【記者】産経新聞今村と申します。尖閣の寄附金なのですが、ちょっと私が伺いたいのは、寄附金、まだ確定はしてないんですけども、今現在で10万3602件の寄附金が、金額にしますと約14億8500万円集まったと。この1月末で締め切ったというこのタイミングでですね、改めてこの10万件の方々に伝えるメッセージというのはございますでしょうか。寄附金の発案者でもある猪瀬知事として。

【知事】尖閣諸島は日本の領土です、これは。したがって、日本の領土の保全をすること、これは防衛力で保全をするとかしないとかというのは国の問題です。そうじゃなくて、石垣の漁民が自国の領土で漁をすることは何の落ち度もないことであって、そういう意味で、尖閣に込められた多くの方々、10万人以上の方々の思いというものは今も変わらないと思いますので、あとは国の政策でどういう具体的なことができるのか。既に国に所有権は移っていますので、そういうときに、何らかの形でこの基金を活用できればというふうに思っています。はい。

【記者】共同通信の中井と申します。先ほどのスポーツのことで、いろいろと考える力を養えるというお話をなさっていて、五輪の関係なんですが、先週の会見で一番強く批判をしていらっしゃって、暴力に関して。あれから国やJOCもいろんな取り組みをなさるというふうなことで対処されていると思うんですが、1週間経ってですね、海外でもいろいろ報道されたと思うんですけども、五輪への影響というのを改めて教えていただいていいですか。

【知事】基本的には柔道の問題ですね。まずは柔道の組織が自浄能力を持たなければ仕方がないですよね。この間の柔道の責任者たちの記者会見を見ていると、あんまりよく事態が分かってないなという感じがしましたね。柔道弱くなったのは、古い指導方法がそのまま残っていたからではないかというふうに思います。

【記者】あんまり柔道の組織が分かっていないとおっしゃったのは、自浄能力が今のところ見られないというような感じで受けとめていらっしゃるんですか。

【知事】いや、自分たちの責任でしょう。きちんとやらなきゃ駄目でしょう、それは。ただ、JOCが調査するということになっていますが、ただ、基本的には当事者ですから、当事者で、その団体がですね、自ら自浄能力がなければ柔道自体が強くなりませんよ。メダル取れませんよ。前回のロンドンオリンピックの松本薫選手とかは頑張ってくれたけど、本当に一部しか金メダル、あるいはメダル取れなくて、あの悲惨なあの成績というのは、やっぱり、ああこういうことだったんだなってわかりましたよね、結果的にね。スポーツを本当に考えて、格闘技の場合、相手を倒すんですが、陸上や水泳でも、スピードの記録とか距離の記録とか、そういうものですけど、そういうある種、天を目指すような無限の戦いというか、そういうものがやっぱりあったから、人間が自然にどれだけ挑戦したかという、そういう世界で、相手を打ち倒すのも同じですが、そういう境地になっていくということがね、何かなくなって、相対主義の中で、つまり自分たちの仲間内の上下関係とか、そういう非常に低いレベルの感情で動かされてたのかなというふうに思わざるを得ないですよね。講道館というのは、柔術を柔道と、道にしたわけでしょう。だから、その柔術はもう野獣のように相手を倒すというふうなことではあるんだが、それはそれで1つのあれなんですけれども、柔道といったときには、心の問題をきちんと清めるということも入ってたはずですよね。その嘉納治五郎の精神が失われているんでしょうね、それは。

【記者】柔道の組織の問題だというお話だったんですけど、3月の評価委員会も間もなく迫ってきますけれども、そこでIOCの評価委員会いらっしゃるんですけれども、そこで、例えばこれを受けて、日本のスポーツの健全性をですね、何かアピールされるようなプログラムを新たに組まれるとかですね、そういうご予定というのはございますか。

【知事】この女子柔道の問題と直接関係ないと思いますけど。そろそろ終わりにしたいんだけど。はい。

【記者】東京MXの風戸です。八丈島の地熱発電の件でお伺いしたいと思います。東京都は、地熱発電の拡大を目指しているわけですが、地元ではですね、地域活性化の大きなチャンスだという声もある一方でですね、発電所から出る硫化水素の臭いで、ちょっと生活はよりきつくなるのではないかという声も出ています。知事は視察に訪れてその臭いを嗅いだこともあるとは思うんですけれども……。

【知事】あなたは行った?

【記者】はい。行きました。

【知事】そんなに臭い、強かったかな。

【記者】風のある日は臭いがあんまり無いようなんですが、風のない日は、結構近くの家ですと、あるようなんですよね。で、そういう心配する声があるんですが、今後は東京都としては、よりそういった策をどのようにとられるのかという。

【知事】はい。それは技術改善できる話だと思います。多分それは東電が、そういう臭いがあるぞと言われても、それに対して反応しなかったんでしょうね。ですから、そういう臭いがあるぞとなれば、技術改善をして、臭いの少ない地熱発電をつくり上げていくということでよろしいんじゃないでしょうかね。つまり、住民の声を聞きながらきちんと。あれは古いでしょう。だから、新しい技術だともっと違うと思います。はい。

【記者】朝日新聞の岡戸と申します。日中関係なんですけれども……。

【知事】もういいよ、それは。国じゃないんだから。

【記者】先ほどレーダー照射の件で、軍と政府の意思疎通が原因じゃないかというお話があったんですけれども……。

【知事】それは専門家が言ってる話でしょう。

【記者】仮にそうだとしてもですね、その下地にはですね、昨年4月の都の尖閣購入発言から端を発するですね、日中関係の悪化があるかと思うんですが、そこら辺、知事、どういう認識をお持ちでしょうか。

【知事】それ、関係ないよ。つまり、民主党政権になってからですよ、いろんなこと起きたの。漁船が衝突して海上保安庁の船にぶつかったりとか。そういうことは、やはり国が緩いと見られたら、そういうことが起きるということでしょう。以上。

【記者】じゃあ、その都の尖閣購入発言というのは、日中関係に何の影響も与えてないという、そういう認識なんでしょうか。民主党政権だからということなんでしょうか。

【知事】今、その話をする必要ないと思いますよ。だって、検証できない話だから。はい。いいかなもう。じゃあ最後。

【記者】文化放送の高橋民夫です。大気汚染について、まさに協力することはやぶさかでないという提案は非常によろしかったと思いますし、向こうは真摯にですね、それを受けとめてほしいなという気持ちが、まず1点です。で、やがて黄砂が上空、飛んでくるという季節をちょうど迎えようとしてるわけなんで、関東、東京でもですね、その上空が少し黄色くなったりするということは、多い年とか少ない年はありますけれども、そういうときは現象面としてはあるわけですね。で、そういった大気汚染、汚れた空気というものが来る可能性もある。ただ、私たちは、いたずらに怖がらずに、正しくやっぱり恐れなければいけないというときに、いわゆる東京都としての対応、あるいは住民の皆さんにどういうふうに知事として呼びかけられるのか、この点についてお考えがあれば。

【知事】一番はやはり風評が問題なんですね。したがいまして、現在の東京の大気の状況はどうなってるかという数字、北京の汚染度はどうなってるかと。それぞれの数字をホームページ上で公表しておりますので、ぜひご覧になっていただいて、それほど不安になる事態ではないと、東京においてはね。それがわかればよろしいんじゃないでしょうか。もちろん、これから長期にわたって技術協力などをしながら、元のほうから断っていかなきゃいけないわけですが、現状はご心配するほどではないということで、まず数字を見てとりあえずは安心していいレベルです。東京都の汚染はほとんどありません。

【記者】東京では、今、環境的によくなってますから、小さい赤ちゃんとかそういったことも、やっぱり含めて、ちょっとお母さんたちに注意もあろうかと思いますが。

【知事】だから、北京から流れてくるものが、東京でそれほど落下してるというデータはないので、まずはご安心くださいということで、数字を見て判断していただければ、東京のディーゼルガスの排気ガスだけじゃなくて、北京から来てる汚染も含めて東京の大気ですから、そのデータを出していますので、そのデータは基本的には今のところ全く問題ないので、そういう数字をご覧になっていただけるのが一番よろしいのではないかというふうに思います。はい。

【記者】随時発表していきますよということですね。

【知事】はい。これからも随時発表して、毎日発表してますが、何かあればもっと迅速にやりますし、とりあえず毎日変わりますので、見ていただければと思います。

【記者】ありがとうございました。

【知事】はい。それでは、これで終わりにします。

【記者】いいですか。

【知事】新宿新聞、何だよ。

【記者】ちょっと、先ほどの体罰の問題なんですけれども、橋下さんが、大阪市長がですね、体罰は勝つために厳しく指導することは許されないと。それを、体罰自体をなくさないと、根源的にはこの問題は解決しないんではないかというふうにおっしゃってるわけですね。で、私も賛同するんですけれども、例えば、東京オリンピックの件でもそうなんですが、金メダル第一主義というふうな考え方でいきますと、やはりこういう問題がですね、どうしても……。

【知事】あのね、金メダルは取ったほうがいいの。それと体罰は関係ないの。体罰があれば、金メダル第一主義になるってことじゃないわけ。あのね、イギリスは29個金メダル取ったの、ロンドン大会で。別に体罰があったから取ったわけじゃなくて、むしろ先ほど言った、スポーツは考える力を養い、そしてスポーツはアートを含めた1つの文化なの。そういうものを深めていって、多様な選択肢を、若い少年少女、つまり15歳16歳の、あるいは13歳、そういう機会を与えれば、7年たてば、22歳になったら、つまりロンドンはそうやって29個の金メダルを取った。それはスポーツのチャンスをいろんな形で提供する。そして考える力を養う。そういうことが金メダル、いい意味で第一主義です。だから、あなたの論理は、体罰をやっていっぱい叩いたら金メダル取れるから金メダル第一主義だって、あなたは言ってるわけだから、それは全然関係ない。前提が間違ってると話が全部違っちゃうから。以上。

【記者】その勝つためにという大阪のね、橋下さんのおっしゃる意味は……。

【知事】勝つために別に体罰は要らないと言ってるわけよ、それは。

【記者】いや、厳しい体罰をやることが必要だというのが間違えているという言い方ですね。

【知事】ああ。だから厳しい体罰があれば、逆に柔道負けちゃったわけでしょう。これは違うでしょということだよね。勝つためには、知恵を絞って、有意義なコーチの指導を受け、そして自分でさらにその中から最も自分の個性に適した選択をして、さらにそのトレーニングのやり方を深めていくと、それがスポーツです。はい、以上です。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)