知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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記者会見

平成25年2月19日更新

猪瀬知事記者会見
平成25年2月15日(金曜)
15時05分〜15時25分

知事冒頭発言

1 地下鉄サービス一体化について

【知事】3月16日から東京の地下鉄で新たな3つのサービスを開始します。定期券を購入するお客様にも配慮して、1カ月前となる本日お知らせすることにしました。3月16日ですので、今、定期券を買う人がいますから。それで、まず、都営地下鉄と東京メトロを隔てていた九段下の壁についてですが、壁の撤去工事が完了し、3月16日からスムーズに乗りかえができるようになります。今、お手元に写真がありますが、壁がなくなった風景を描いた写真です。これまでは、乗りかえラッシュアワーのときには、同じホームなのに乗りかえるのに階段を上って改札を2つ通り抜けて、また階段を下りてくると、ラッシュアワーのときは5分ぐらいかかりましたが、数秒でできるようになります。2点目は、都営新宿線岩本町駅とメトロ日比谷線秋葉原駅を乗換駅として追加指定するということです。これによって、通勤・通学定期券の15%割引や70円の乗り継ぎ割引も適用されることになります。例えば、九段下から上野まで通勤している場合の1カ月の定期代は、1万3050円ですが、これで1万1100円になります。つまり1950円安くなるということですね。また、定期外だと、都営とメトロの初乗り運賃は170円と160円で、合わせて330円になるところですが、70円割り引くことで260円になります。さらに、市ヶ谷駅と春日駅、後楽園駅において改札通過サービスも開始します。これは雨の日などに都営、メトロの乗客がお互いの駅構内を通過して目的地に近い出入り口を利用できるようにするものであります。こうしたサービスの一体化は引き続き進めていきますが、これらすべて経営統合に向けた一里塚にすぎません。今後、地下鉄一元化に向け、国との協議を再開することになりますが、あと詳細は交通局にお尋ねください。

2 Twitter Japanとの協定について

【知事】次にですね、Twitter Japanとの協定についてお知らせします。昨年12月18日、知事に就任した日に全局に対してツイッターを活用して積極的に情報を発信するよう指示しまして、すべての局で運用が開始されました。都内で積雪が予想される際には、各局のアカウントで情報を発信するなど、積極的に活用を始めています。本日、さらなる情報発信力の強化に向け、ツイッターの日本法人であるTwitter Japan株式会社と連携に関する協定を締結することになりました。東京都がTwitter Japanと協定を結び、連携、協力した取り組みを行うことは、行政機関としては初めての試みであります。連携に関する取り組みは、職員向け講習会に講師を派遣してもらうこと、手続きの弾力化を図ってもらうことなど、いろいろありますが、東京都としては、協定締結のメリットを生かしていきたいと、そう思ってます。昨年、全局で運用を開始した直後に、一部のアカウントが凍結されたという出来事がありまして、本来、解除までに一、二週間かかるところを、Twitter Japanの協力により、すぐに凍結が解除されました。この一件をきっかけに協力関係が生まれまして、今回、協定を結び、連携を強化しようと、こういうことになりました。この後、4時5分からTwitter Japanの近藤正晃ジェームス代表とともに、協定書に署名いたします。協定の詳細については、協定締結式において発表いたします。今日の発表は以上です。質問がありましたら、お願いいたします。はい。

質疑応答

【記者】日本経済新聞の森川です。地下鉄のほうに関連して1問伺えればと思います。経営一元化に向けた一里塚にすぎない取り組みだということで、国との協議の再開についてお話しされてましたが、通常国会も始まってますが、当面、協議の再開はいつごろぐらいのめどで、どのぐらいのスケジュールで、どこまでいきたいなというふうに今お考えか伺えればと思います。

【知事】ワーキングチームをつくりました、専門家によるワーキングチーム。そこで具体的なステップをどのように展開していくかということで、その緻密な移行過程をきちんとですね、提示できるようにしたいと。その上で協議を再開したいと思ってます。はい。

【記者】ということは、東京都で提案できる工程表みたいなものを用意した上で、協議の再開しようと……。

【知事】そうですね。この前は問題提起で、まずはワンステップは九段下の壁のように、こういう問題があるよねと。なぜ2つ地下鉄があるんですか、1つでいいじゃないかという問題提起をして、そういうことで話し合いを始めたわけですね。あとはもう、次は緻密な、やはり工程表を作っていくということになると思いますので、つまり、こういう問題はあと専門家がきちんとですね、これしかないよねという客観的な詰めをやることが一番大事だと思いますので、理論的には既に可能であることは証明されていますから、あとはどういうふうにやるかということですね。それをワーキンググループ、ワーキングチームつくりましたので、やっております。はい。社外の人間を含めて、ワーキンググループができています。はい。

【記者】新宿区新聞の喜田です。3月16日ということになりますとですね、実は、地下鉄メトロと東急東横線相互乗り入れですね、これができるわけなんですが、こういうふうな形の相互乗り入れの姿というものは、やっぱり東京の鉄道交通網のあり方としては非常によろしいものなんでしょうか。それとも、こういうふうな面でもっと改善したほうがいいんではないかとか、ご意見ございますでしょうか。

【知事】相互乗り入れはいいことです、基本的には。パリの地下鉄は、パリと郊外電車との接続が非常に悪いんですね。そういう意味では、東京に地下鉄の経営体が2つあっても相互乗り入れのほうはスムーズにこの間来ていますので、さらに相互乗り入れができながら、なおかつ一元化していくと、都市交通の体系としては非常にいいものになると思っています。はい。いいですか。はい。どうぞ。

【記者】三宅島の件で伺いたいんですけれども、米軍の夜間訓練の候補地として、以前、三宅島が検討されていた問題で、住民の反対によりこれは頓挫したんですけれども、この前の衆議院の予算委員会で、石原前知事が、三宅島の大地を、溶岩でできた大地を活用したら簡単に滑走路はできると、国会で発言したわけですけれども、そういった、三宅島に米軍訓練用の滑走路を建設する議論があることについて、知事はどうお考えかというのをお聞かせください。

【知事】そういう議論はあることは承知していますが、その議論はまだ成熟していないんですね。ですから、三宅島にすぐ滑走路をつくるという話ではないと思います。

【記者】すぐつくるというわけでは……。

【知事】はい、だから、議論が成熟していないでしょうということです。そういう意見があることは承知しています。はい。

【記者】ライターの昼間と申します。最近、福祉の問題について取材をしておりまして、猪瀬さんのご意見をお伺いしたいと思って、きょう、実は参りました。東京都の施策として、障害者の就労支援施設というものを東京都の管轄で、NPO法人などが設立して運営をしているということがございますが、ここの利用者、利用される障害者に対する補助の部分なんですが、東京都が施策として運営していて、補助の部分は各障害者の方が住んでいる区が担当ということになっておりまして、結果として、区ごとに補助の制度が全く異なりまして、例えば障害者の、台東区ですと、障害者が施設を利用する際の負担分を補助すると。対して杉並区だと、障害者が施設に行くまでの交通費と食費を補助すると。ということで補助項目が違う、もしくは金額も違うということで、利用者の側ではちょっと不公平な部分が出る。で、施設のほうでは、それぞれの区に対してこれだけ利用者が来ましたので、利用したのでこれだけ利用者の方にお支払いくださいということで、補助される項目が違うんで、一々、一人一人の項目を、区ごとに違う書式で出さなければいけないとか、非常に事務が煩雑になっているという事情がございまして、これ、なぜ、むしろ都が一括して運営するべきじゃないかなと考えておるんですが、知事のご意見をお伺いしたいところでございます。

【知事】基本的に、区の自治で行える範囲のものはできるだけ区がやるということになっておりましてね、東京都は包括的にいろんな形で補助するという、そういう構造ですが、区によって財政状況やサービスのレベルも違うことは承知しておりますからね、できるだけ情報を交換しながら、なるべく足並みがそろうようにしていったらいいと思います。ただ、区によって財政状況が違うというふうな現実があったりしますので、おっしゃることは非常によくわかるが、もちろん、いい解決方法があれば一番いいと思っています。

【記者】東京都のほうでもいろいろ考えていただけるとうれしいです。

【知事】はい、わかりました。あと、いいですか。はい。

【記者】霞ヶ関通信の稲村と申します。今、知事がお話しになった営団とメトロ、この、ほんとに早い統合に向けての歩み、感心して驚いて、また感謝しておりますが、都営地下鉄の初乗りが130円なのに対してメトロは160円と、30円の差が……。

【知事】160円と170円です。

【記者】170円、はい。特に、約300から400万人おるという都内のシルバー世代では、シルバーパスを皆さん使っているんですけど、さっきのお話で、鉄道局に聞いたらというお話でしたけれども、これが使えるというようなお話はお聞き及びではありませんか、パスが使えるようになるというような歩みについてはいかがでしょうか。

【知事】基本的には乗りかえの話を今、しているわけですから、それに連動していくということになりますけど、はい。はい、どうぞ。

【記者】NHK金城です。来週ですね、20日から都議会が始まります。知事になって初めての都議会になります。議会とですね、車の両輪だというふうにされていますけれども、初めての都議会を迎えるに当たって、都議会との関係、協力についてどのように、今、お感じになっていますか。

【知事】言うまでもなく、二元代表制でありまして、知事と議会が車の両輪となって都政を運営していくということを前提にして、なおかつ、新しい施策をこれから打ち出していく、そのスピードアップが必要だと思いますので、いろいろ提案をさせていただいて、議会とのコミュニケーションを深めていきたいと、こういうふうに思っております、はい。あとですね、ちょっと途中であれですが、これ、夕刊フジで、例のジャンプの16歳の高梨沙羅さんですね、ものすごくワールドカップで、ジャンプでほんと金メダルをとり続けている。来年、冬季オリンピックありますね。ところがこの夕刊フジに、監督が全然その、遠征費用もままならないと、こういうふうな記事がありました。もちろん、今すぐ何か東京都でできることがあるかどうかということは、決めることはできませんが、何かできないかということを、つまり、アマチュアスポーツが、しかも、世界に誇る日本の若い16歳の選手が、監督がこんなに苦労されているという状況は、やはり改善の余地があるだろうと。公費でやるということとは別にして、東京都がこういう選手を支えなければいけないというふうなことを、先ほど、ちょっと事務方と話しまして、いい考え方がないかどうか、それは検討しなければ当然すぐいい考え方が出てくるかどうかわかりませんが、何か考えようではないかと。あるいは、東京都が考えようではないかと思ったことを皆さんに伝え、そして、どこかにスポンサーがいないかとか、そういうことも考える、考えていただくチャンスかなと、こういう、きょうの記事を見て、あるいはまたテレビでこれを報じていましたので、このまま放置できないなというふうに考えました。まだ、答えは出ていません。以上です。なければ、これで終わりにします。

【記者】もう1回。

【知事】もう1回質問するの、何?

【記者】新宿区新聞喜田です。先ほどの、1つはですね、先ほどの相互乗り入れなんですが、この問題は、例えば、地下鉄一元化の問題とどういうふうな追い風になるのか、それとも影響はどういうふうに出てくるのかということは、お考えありますでしょうか。

【知事】何か、追い風になる?

【記者】相互乗り入れの話は。

【知事】いや、だから、何か、あなたのほうで何かあるの?考えが。

【記者】まあ、やっぱり一元化の方向にですね、追い風になるんじゃないかなというふうに思うんですけれども。

【知事】ま、相互乗り入れというのは、ある意味では、別の意味での一元化ですよね。それは、うまくスムーズにできているわけですよ。そういう相互乗り入れを、私鉄は企業努力で地下鉄と、うまくつながるようにしようとしてきたわけですね。あるいは、東京都の総合的な都市計画の中でも、そういうことを前向きに進めてきたわけですね。にもかかわらず、九段下の「バカの壁」があったということなんですよ、ね。ですから、普通、論理的に考えていけば、東京の地下鉄は一元化するのは当たり前のことなんですよ。そういう当たり前の企業努力を民間はやってきた。にもかかわらず、営団地下鉄というのは東京メトロという名前だけ株式会社だけれども、お役所として、ただ存在し、このごろツイッターつながるようになりました、ツイッターじゃない、メールがつながるようになりましたが、そういうことだって怠けていたりとかね、そういう問題があったんです。だから、「一元化」という言葉で一つの刺激を与え、なおかつ経営効率をよくしようと、それは、今の相互乗り入れも、利用者のためにやっているわけですから、利用者のために、お客さんのために何をすべきかという、そう考えれば答えはもう決まっているわけです、一元化について。あとは、それぞれの既得権益とか、ね、特に営団の、都営メトロの自覚のなさ、誰が外から刺激するかって、誰かが刺激しなければ、彼らはそのまま大手私鉄9社の中で一番高い給料のまま、彼らはそれで、漫然と、バリアフリーもやらず、いたわけですよ。以上です、はい。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)