知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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記者会見

平成25年3月19日更新

猪瀬知事記者会見
平成25年3月15日(金曜)
15時00分〜15時25分

知事冒頭発言

都営水力発電所で発電する電気の売却先の決定について

【知事】東京都の都営水力発電所で発電する電気の売却先が決まりました。それをお知らせします。ご存じのように、奥多摩に3万6000キロワットの東京の都営水力発電所がありまして、これは東電にずっと安い価格で契約してきましたが、今回は電気の売却先を公募しまして、契約の相手先が新電力の株式会社エフパワー(F-Power)に決定しました。公募に当たっては18社が事業者説明に参加し、9社から入札があるなど、ベース電源が不足する中、新電力に高い関心が、新電力からの高い関心があったということです。そして、今回の契約単価は競争入札で14.5円、年間17億円の電力料収入となります。これまでの実績は約10億円ですので、大体、単価9円ぐらいでしたから、かなり競争入札で高く売ることができるようになりました。この取り組みによって、いわば大きさで示すとコンビニ約440店舗分に相当する電気が新電力を通じて供給されるということになります。東京都は、こうしたリアルな取組を重ねて、地域独占の電力供給体制に風穴を開けることによって、電力事業者間の競争性を高め、電力市場の活性化に取り組んでいくということです。なお、東京電力からは現在の電力需給に関する基本契約について、解約するという方向で理解を得られました。これは、廣瀬社長とも僕が直接話もしました。そして、解約に付随する事項については、今後、真摯に協議していくことを確認しました。あわせて、東京都と東京電力の間で電力システム改革や電力自由化に向けて協力していくということを改めて確認しました。あと、細かいところ、詳細については交通局に聞いてください。きょうの発表は以上です。ご質問あれば。はい。

質疑応答

【記者】日本経済新聞の森川です。今のご発表について、関連して1問伺います。東電との契約解除については、基本的に理解が得られたということで、解約できる条件が整ったということですけれども、補償金というか、解約に伴う費用の負担については、付随事項の中に入るということなんでしょうか。

【知事】そうです。東電は52億円という法外な解約金を要求してきましたが、これからはそれについては真摯に話し合って解決を図っていくことができます。

【記者】話し合って解決するということは、年度を越えて東京都が場合によっては費用負担をゼロではない状態で合意するということもあり得るということなんですか。それとも、知事が以前からおっしゃっているように、付随する費用については払わないというスタンスで、今後も交渉に臨まれるということなんでしょうか。

【知事】基本的に協議をしていくわけですから、合理的であれば、それはそれで話し合いができるんじゃないですか、結論としてはね。はい。いいですか。はい。

【記者】産経新聞の今村です。今回の公募の応募者の中に、東京電力さんは入っていたのでしょうか。

【知事】入ってました。はい。

【記者】同じ、東電の関係で、協議っていうのは何か法的な場を持って協議するのかというのが1点と、支払いに関しては費用負担もあり得べしというスタンスだということでしょうか。

【知事】うん?

【記者】費用負担は、場合によってはあるという認識でよろしいでしょうか。

【知事】だから、合理的なものであれば協議に応じていくということです。

【記者】で、協議の場というのは、法的な場所を用意するのかとか、そういった具体的な話はいかがでしょう。

【知事】だから、52億円なんていう法外なね、解約金をとるなどということは、大変不手際であったということを東電側も認めておりますので、したがって、そういうことであれば協議に応じていくということで、合理的な解決策を考えればよろしいのではないかということです。はい。

【記者】先ほど、東電の廣瀬社長とお話をされたとありました。廣瀬社長は、東京都庁に以前いらっしゃいましたが、その後、きょうまでの間に直接、知事と廣瀬社長との間で協議がなされたという理解でしょうか。

【知事】もちろんいろいろなレベルで協議があり、ホットラインで廣瀬社長とも話をしということで、52億円というような、そういう解約金を要求するようなことは本意ではなかったということで、だからこれからはきちんと協議していきましょうということですね。はい。

【記者】すみません、本意でなかったという旨を社長が知事にお伝えしたということで理解をしてよろしいでしょうか。

【知事】今の、正確な言葉で言ったかどうかは別にして、本意ではなかったということは廣瀬社長は非常に丁寧に僕に言いました。はい。

【記者】すみません。読売。52億円という金額について、先ほど、ちょっと不手際というような発言をされたかと思うんですけども、これまでの説明では、東電内の部署部署でしかるべき計算をして、その積み上げた額が52億だったというお話だったと思うんですけれども、東電のほうは現状では廣瀬社長が52億という金額は、やはり知事のおっしゃるように法外というか、あまり根拠のない数字だという認識でいらっしゃるんでしょうか。

【知事】これから一緒に電力改革を推し進めていく、電力自由化を東電から進めていく、そういう中で新電力に今回東京都の水力発電の電力を競争入札で新しい形で売買すると、売却するということで、そういう大きな流れを考えてみれば、東電の責任者としては、何か従来どおりの言い方をしたんではないかなと思ってるのではないでしょうか。はい。古い東電の言い方をしたのではないでしょうか。そういうふうに、直接そういう言い方をしたわけじゃないですが、そういう認識でいらっしゃるということはわかります。はい。はい。

【記者】毎日新聞の清水です。少し話題が違うんですけれども、4月から施行される帰宅困難者対策条例の関係で、知事が以前座長をされていた内閣府の協議会で、民間の一時滞在施設についてですね、事業者の側から、もし余震等で2次災害が起きた場合に、施設側のけが人が出た場合に、施設側を免責するという、何か方法的な担保がないと、なかなか受け入れるのは難しいという意見が出ておりました。これについてまだ国のほうで法整備するという話は聞いておりませんけれども、知事のほうで、これについてのお考えがあれば。

【知事】だから、いろんな、どこに、誰の責任になるのかというふうな問題については詰めが必要だということはわかっているわけであって、それは保険会社も含めて、やはり具体的なことをもう少し詰める必要があるでしょうけれども、大きな方向性では皆さんわかってて、いざ、これは事務現場で、どういう事務処理をしたらいいかというふうな問題のときに必ず生じる細かい手続きがありますよね。今の東北の被災者も、同じいろんな手続きがあって、いろいろとその細かいところ、出てくるわけですよ。そういうことを想定すると、幾つかまだ決めなきゃいけないことがあるでしょう。そういうことに過ぎないと思います。はい。

【記者】それは別に新しい何か、法律的な根拠を設けなければ面積が担保できないということではないということですか。

【知事】そこはまだ十分な事例を幾つか集めないと。それは今整理しているところです。はい。

【記者】東京MXの風戸と申します。

【記者】鉄道のことで伺いたいと思います。きょう、締結式、参加されたと思うんですが、きょうの夜はバカの壁が九段下で取り除かれると思います。かねてから知事は一元化について話されていらっしゃいますけれども、その一元化、合併した後ですね、知事は交通形態がどのような形で東京の中でまちづくりをしていきたいというふうに考えていらっしゃいますでしょうか。

【知事】随分大きなテーマだね。総合交通体系というものを考えながら、地下鉄の一元化がその中に位置づけられるというふうに思っていますので、きょうのヒカリエのところでいろいろご挨拶させていただいたが、東横線と西武の、東急電鉄と西武鉄道が相互乗り入れをするというのは、『ミカドの肖像』、『土地の神話』の著者としては、とても考えられない新しい世界が生まれてきているなと、こういうふうに思っていますよ。昔はね、戦前、戦前もそうですが、戦後も、東急電鉄の社員と西武鉄道の社員が殴り合ったりしたこともあったんですから、戦前は西武鉄道の堤康次郎、東急の五島慶太、そして東武の根津嘉一郎、ものすごいライバルだった。そのライバル同士で牙をむき出しにして戦っていた。それが、東武東上線、西武池袋線が、東急の東横線と副都心線を介してつながっているというのは、やはり大きな交通の流れがだんだん整理されてきているなと。そういう大きな交通の流れ、そこに車の首都高速をはじめとした高速道路、外環道を含めて環状線ができていく流れ、そういう流れの中で、その大きな絵の中に、地下鉄一元化をきちんと位置づける必要があると、そういうふうに思っています。あしたから九段下のバカの壁がなくなります。そして、渋谷を通して東武線、西武線、そして東横線が相互乗り入れするというのが、あしたから始まります。非常に記念すべき日であるなと、そう思っています。はい。

【記者】朝日新聞の中村です。都議選の関係でお伺いしたいんですが、日本維新の会とみんなの党がですね、先ごろ共通政策、都議選に向けた共通政策を発表しました。その中で、全ての公営企業の民営化と外郭団体の統廃合をできるだけ進めるという項目が盛り込まれているんですが、知事は非常に行政改革も熱心にやられてこられたので、そのあたり親和性も高いのかなと思いますが、どのように受けとめていらっしゃいますか。

【知事】これは当然、今、大阪市営地下鉄の民営化の問題があるわけですね。大阪市営地下鉄というのは、非常にいろいろな面で問題があったんです。そういうことで民営化の問題が出てきたと思います。それから、全体として民でできるものは民でやり、そして官民が連携しなければいけないものは官民が連携してやると。民営化といっても、単純に1つしかない民営化ではないんです。いろんな民営化があります。そして、官民連携で、官と民の中間のような状態もありますし、さまざまな状態があります。それはよい意味でお客様のために公共交通機関があるわけですから、私鉄といえども公共交通機関ですので、お客様のために高齢化社会でバリアフリーがあったり、あるいは今のように相互直通運転ができれば体の不自由な人も乗りかえが楽だし、そういう意味で、利用者、お客さんのほうを向いているかどうかということが1つの判断基準になると思います。監理団体もしかりです。お客様にちゃんと向いているかどうか。民間の水準、競争が入っているかどうか。そういうことが大きな基準ではないでしょうか。したがって、今回の公営、東京の水力発電も競争入札にしたわけでありまして、誰がこれによって利益を得るかと言えば、それはお客さんが利益を得る。そういうことで、利用者、お客さん本位に改革を進めることが大切だと思います。はい。特になければ終わります。

【記者】はい。あります。

【知事】同じこと言うなよ、いつもと。

【記者】やっぱり、何回もお聞きしなきゃならないと思うんですが、帰宅困難者問題なんですよね。

【知事】同じじゃない。前、答えたじゃない、それ。

【記者】それで、この前も言いましたけれども、帰宅困難者問題というものは、やはり東京都が号令をかけないとですね、超高層ビル街を大域避難施設にすると、一時避難施設にするということはできないと思うんですね。今、先ほどもお話がありましたけれども、けがの問題ですとか、食料の備蓄の問題ですとか、そういうことを話し合った上で協議されないと、この避難場所を指定することができないんだということではですね、大変時間がかかると思うんですよ。そういうことでですね、ここの区域を指定区域にしまして、例えばですよ、今、西口の超高層ビル街、30棟もありますから、この区域を大域避難施設としての指定区域にしまして、そして、その後に、そういう保険の問題ですとか、備蓄の問題ですとかね、徐々に整えていけばいいんではないかと思うんですね。そういうことを考えますと、1つ、石原都知事もそうでしたけれども、大号令をかけるというふうなことをですね、やっぱり東京都がリーダーシップを持ってやっていかなければならないんではないかなと思うんですが、このあたりについてはどういうふうに考えますでしょうか。

【知事】備蓄については、今回の予算で補助を出すというふうに、この予算を見ましたね、入っていますでしょう。そして、それぞれその地域地域の協議会が、今具体的な話し合いに入っているわけです。それぞれ地域によって早い遅いがあります、それは。それぞれの地域の事情があるから。でも、例えば丸の内なら丸の内地区、新宿なら新宿地区、それぞれ協議会で話を進めていますから、もちろん早ければ早いほどいいわけであって、しかし、これは民間が自分でやる気がなければ、これはできませんからね、これは。そして、そのためには、当然この首都直下型地震を含めて、大きな災害に対して、行政だけではなくて、それぞれが、民間も、また1人1人のお客さんも、みんなが協力しないと、会社も。そういうことで、それがまずわかってくるという、プロセスはそういうことで、今、もうすぐ、かなり進んできますので、いずれまたあなたにもご報告したいと思います。以上。

【記者】指定避難区域という指定の仕方は、どうなんでしょうか。特別区としてね、特別区域、緊急再生地域とか。

【知事】もう既に区と企業で話し合いを進めていて、いろいろ契約しているところもあるわけだから、それを含めてエリアごとにきちんとやります。はい。特になければ。同じ質問はもういいですよ。

【記者】全く違う質問です。

【知事】はい。

【記者】朝日新聞の岡戸と申します。先ほど、行革の話で、大阪市営地下鉄のことを知事はおっしゃられていましたけれども、大阪では市営バスの民営化の議論も進んでおりまして、東京都営バスについての民営化について、知事はどうお考えでしょうか。

【知事】今はその考えはありません。

【記者】その理由は。

【知事】あなた、大阪市営地下鉄の当時の状況を見ていますか。

【記者】いや、その理由をお聞かせ願いますか。その、今の考えの。

【知事】つまり、大阪市営地下鉄はかなりいろんな問題があって、あ、大阪市バスは。それはもう7、8年前から言われていて、年収1400万円以上の人が何人もいたりとか、そういうことが大阪市営バスではあったんですよ。そして、ちょっと入れ墨をしたような人とかもいたりして。それと、東京と大阪はそのまま比べられない。都営バスについては、今は民営化というものは考えていません、現在ではね。いずれ将来、また、全体の総合交通体系を見直していくときに考えなければいけない問題だろうということです。以上。

【記者】いいですか。朝日新聞の采澤です。すいません。話戻って恐縮なんですが、水力発電の契約の件なんですけれども、都知事ご自身は、この解約に伴って、東京都がお金を負担する必要はないと、今でもお考えなんでしょうか。

【知事】不当なお金は払いません。以上です。

【記者】もともと、東電側から額の請求があったときにですね、それを……。

【知事】それはね、常識外、52億円要求してくるのは、古い東京電力そのものなんだ。だから、許せない、そんなものは。

【記者】払わないというふうに、もう東電側に、それは申し伝えて終わりだというふうに、強い姿勢を示していたのは記憶しているんですけれども、それは単純に額……。

【知事】それは、これから、話は同じ、繰り返しになるから。これから、東電が、いいですか、東電とともに電力改革を、電力の自由化をやるという話し合いを進めていく。そういうことで、東電、古い東電と新しい東電が、今、入り乱れているわけ、東電の中で。そういう古い東電に対しては、一切妥協はしません。そういうことで、新しい東電と古い東電が1つの会社の中に入り乱れて、東電の改革派が今一生懸命やっている仕事をやっている。そこで、そういう中で電力の自由化を展望しながら、電力の安定供給をするということが、東京都がバックアップする役割ですから、そういうところで、国ではできないような問題があれば、必ず東京都が東京電力改革を進めていく。そして、東京電力の中で、その改革をやろうという人がいれば、一緒にやっていくと、そういうことです。はい、終わり。

【記者】すると、じゃ、もともと不当でない金額であれば、東京都は払わざるを得ないというふうに知事は思っていらっしゃるという、そういうことでいいんですね。

【知事】前提が全然違ってるじゃない、もともと不当である金額なわけだから。

【記者】もともとは。

【知事】不当である金額が前提になってるわけだから。

【記者】ええ。

【知事】当然、そんなもの払うわけないだろう。以上、終わり。

【記者】すいません。

【知事】同じ話だろう。

【記者】東電関係、この話ではあるんですけど、ちょっと別の質問なんですけど、すいません。あの……。

【知事】まずは、この3万6000キロワットの公営水力を競争入札にするという発想を、まず、あるかないか、それが改革だよ。それをたった9円で、ずっと東電に売っていた。そして、電力の独占体制があった。そうじゃない改革の第一歩を踏み出しているわけ。そういうことで、それに関する質問だったらいいよ。

【記者】関連するかどうかはあれなんですけど、今まで東電はですね、10億円というわりと安い値段で電力を得ることができていたと。それが得られなくなると。で、電力が東電にね、東電が今まで安く買えていた電力を得られなくなるということになるんですけれども、それについてはどういう影響があるというふうにお考えでしょうか、都民とか、ユーザーに対して。

【知事】電力料金は、少なくとも今、50キロワット以上は、50キロワット以上は市場で価格が決まるわけですよ。したがって、市場から購入し、市場で価格が決まっていくと、こういうことで、その市場の中で価格が決まれば、それで、それはそれでリーズナブルな価格になるわけですから、まずは、実際に東電は大体22円ぐらいで売ってるでしょう。新電力は20円ぐらいで売ってるでしょう、ね。まず、そこでやっぱり競争が入って、その分だけ安くなっているわけです、お客さんに対して。そういうことがわかればいい。ファクトでちゃんと、事実で確認してください。以上です、はい。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)