知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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記者会見

平成25年4月9日更新

猪瀬知事記者会見
平成25年4月5日(金曜)
15時00分〜15時24分

知事冒頭発言

1 安全でおいしい水の取組について(高度浄水処理100%の達成)

【知事】きょうは、午前中に三河島の汚水処理ポンプ場、大正時代につくられたポンプ場ですが、重要無形文化財になっているわけです。その一般開放、普通の人が、その大正時代の下水を、下水の処理を見ることができるわけですね。その跡、その機械置いてありますから、地下に、レンガのトンネルがあって、タイルでできたトンネルですね。ヨーロッパの下水を見るような、そういう感じですね。これ東京の歴史を、ぜひ、そういうところから学んでいただければなというふうに思います。ただいま発表するのは、東京水道の話であります。先ほどは下水の話でした。これから、水道の話をいたします。
 水道局では、安全でおいしい水の取組を進めてきましたが、ことし、都内全域で高度浄水処理100%が達成することになりましたので、お知らせします。これまで東京水道は世界一というふうにたびたび伝えてきましたが、これは、この東京水、高度浄水処理をしてある。高度浄水処理というのは、オゾンと生物活性炭による特別な処理のことをいいます。まず、オゾン処理で、臭いのもととなる物質を分解して、細かく分解して、そして生物活性炭処理で、そのばらばらになった臭いのもとの物質が、生物活性炭の中に住む微生物がそれを食べるんですね。これは自然の浄化作用と同じものでありまして、これによって安全でおいしい水が完成するということで、水道局では、昨年6月から11月にかけて約1万4000人のモニターですね、飲み水調査を、飲んでもらって、ミネラルウォーターと、東京水道の水を、ちょっと目隠しでわからないようにして飲んでもらったところ、半分が東京水道の水のほうがおいしいと、こういうふうに、まあ、ミネラルウォーターと遜色のない結果が出ていました。平成元年から四半世紀にわたり、利根川水系の浄水場に高度浄水処理を段階的に導入し、順次、供給エリアを広げてきました。
 この4月、金町浄水場の施設が全面完成して、この、知事として4月24日の完成式典に出席する予定です。この完成により、区部東部地域における高度浄水処理は全部終わることになるんですが、もう一つ、三郷浄水場などで工事も進めておりまして、これは10月から、都内全域に高度浄水処理100%の水が届くことになります。蛇口から安全でおいしい水が飲めることを世界に発信し、2020年、東京オリンピック・パラリンピックの招致獲得にもつなげていきたい。蛇口から直接水を飲むことができる国は世界で11カ国しかありません。ということで、きょうは、ほぼ、今まで、高度浄水処理やってきましたが、全ての地域に行き渡るということではなかった。あるいはブレンド、少し薄まったりしていたんですが、今度完全にできるということでお伝えいたします。
 以上です。はい。
 はい、どうぞ。

質疑応答

【記者】MXテレビ風戸と申します。鳥インフルエンザのことでお伺いしたいと思います。
 感染が中国で相次いでいまして、きょうで6人、死者が出たということで、政府は警戒を強めております。WHOなどではタミフルなどが有効の可能性ということで発表しておりますが、東京では、どのような対応を今ご検討されていらっしゃいますか。

【知事】中国で感染者が14人というふうに発表されていますが、東京はタミフル(・リレンザ)を、768万人分用意してあります。これはWHOが、もし、人から人への感染が日本で確認された場合、これは、厳しい法律があって、大げさに言えば戒厳令のような、そういう厳しいものがあるわけですよ。そのときのために、この4-5年かけて、768万人分まで、タミフル(・リレンザ)をふやすことが、今できました。貯蔵しています。もし、何かあったら、それをすぐに使うということであります。それからもちろん、ツイッターやホームページを活用して、情報発信を速やかに行い、情報が隅々まで行き届き、一人一人がすぐに対応できるような、保健所の体制も組み、そういうふうにやっていきたいと思っていますが、今のところ、人から人への感染ということではないようですので、まずは様子を見ていくということで、注意していきたいと思っています。はい。 あと、いいですか。はい。

【記者】霞ヶ関通信の稲村と申します。高度水処理の件で、ちょっと質問させていただきます。この間も、知事、オリンピックの招致でロンドン行かれたので、ロンドンで、おそらく2種類の水を飲まれたと思いますが、要するにガス入りとガスなしですね。ウィズガスとウィズノンガスと。この、東京の水はノンガスなんだと思うんですけれど、ガス入りの水いうのも、東京でも飲めるんでしょうか。

【知事】ロンドンでは炭酸入りの水が、天然水でとれるわけですね。ですからそれがあるわけですけれども、東京では、蛇口から水道の水が飲めるわけで、ロンドンは必ずしも蛇口から水を飲めるわけではありません。蛇口から水を飲むということができる、我が国なぜかペットボトルが流行してますけれども、普通の水道の水を飲めばいいわけでありまして、そんな恵まれた国はあんまりないんですね。で、軟水ですから、消化というか、内臓にも問題はないわけです。すごく飲みやすい水を、我々が毎日飲んでいて、1立米、つまり1トン分でわずか2円(※後ほど200円に訂正)ですよ。150円のペットボトル、500ミリリットル、2本で1リットル、それで300円払ってても、あんまり意味はないというふうに思います。はい。
 じゃ、後ろの、はい。

【記者】テレビ朝日の能見と申します。1点お伺いします。
 都庁舎の改修工事の件なんですけども、2009年に設備更新のですね、方針が出されて、地震、震災などを受けて、先月、2月ですか、2月にまた新たな方針を出されました。その中で760億円ほどの改修費用という数字が出たんですが、知事はこの数字についてどうお考えかというのと、あと改修工事についてのお考えをお伺いしたいのですが。

【知事】はい。まずは、2009年に外部の調査会社に頼んだところ、1000億円だと、改修費がね。そういうことだったわけですが、それをもう少し精査して、今760億円ぐらいの、762億円と。722億円まで削減した上で、耐震のその構造物を入れる、これが40億円で762億円と、こうなっているわけですが、まだまだ精査して、もちろん空調設備を全部取っかえたり、LED照明を入れたりとか、そういうこともあるが、まだまだ精査して、この金額は当然の前提とせず、きちんと詰めるところは詰めていきたいと、そういうふうに指示を出しました。はい。
 はい、どうぞ。

【記者】NHKです、金城です。鉄道のことで1つお伺いします。
 今、西武ホールディングスがですね、アメリカの投資ファンドからTOB、公開買いつけに乗り出したことを受けて、沿線の自治体ですね、先日、豊島区が西武の路線のですね、存続を求めて、西武鉄道に申し入れをしましたけど、要望書を出しましたが、この問題、今盛んに報道されてますが、知事はどのようにごらんなってますでしょうか。

【知事】株式上場すれば、それは当然、公開買いつけが行われるというのは市場社会の一つの原則ですね。したがって、当時、当時といっても戦前から戦後にかけて、西武鉄道はコクドという会社に、国土計画といいましたが、そこにその株を集中してですね、上場しないでやっていたわけですね。それは当時、東急の五島慶太が、どんどんどんどん周りの私鉄を買収していったんですね。東急は、小田急を買収し、京浜急行を買収し、そして京王電鉄も買収し、そういう形で東京の南半分は五島慶太が全部買収していったんです。それに対して、堤康次郎は甲羅のようにですね、絶対に買収されないような、そういう会社のスタイルをとったわけですね。しかし、それがまた1つの問題を引き起こしたということが過去にありましたね。偽装の株主がいたりとか、そういうことがあった。で、上場する。上場するということは、やはりそういう大きな市場から資金を集めるというメリットと、それから買収される可能性もあるというデメリットの両方あるわけですね。
 ただ、鉄道は、鉄道の料金はやはり許認可ですからね。鉄道は公共性が高い。普通の例えば東急田園都市線でも、国からお金を借りて高架したりトンネル掘ったりしていることがありました。そういう部分はまた料金として、その借金返したら、また料金を下げたりとか、そういういろんな形で公共性があってですね。したがって、毅然とこれはですね、ある程度、株式会社の上場といえども公共性が高い、そういう鉄道のあり方というものを、やはりきちんと、もちろん西武の、自身が売りたくないと、こう言ってるわけですね。その沿線、路線を廃止したくないと。球団も売りたくないと。これはやはり、そういうふうにきちんと言って、利用者の支持を集めることは非常に大事なことです。
 そして、基本的には、利用者があって鉄道は成り立っている。そういう意味での公共性があるということですね。
 ただ、乗客は少しずつ、少子高齢化社会の中で通勤客が減っている。これはだから、かつて大阪で南海ホークスとか阪急ブレーブスとか、近鉄バッファローズとか球団を維持できなくなった。それは通勤客が減っていくという体制の中でそういうことが起きた。
 そういうことがありますが、当然、西武秩父線沿線の住民や所沢球場で野球を見たいというファンや、そういうことを含めて、鉄道経営というのは、単に公開買いつけで解決するものではないということは、僕もそういう考えであります。はい。
 はい。

【記者】朝日新聞の岡戸と申します。ニューヨーク出張で、知事が現地で地下鉄を視察されると聞いていますが、どのようなところを見たいとお考えなのか、それと、地下鉄一元化に向けて、改めて意気込みを聞かせていただけますか。

【知事】ニューヨークは、早い段階で地下鉄一元化してですね。ただね、地下鉄のきれいさとか、マナーという意味では、東京のほうがずっと上ですね。ニューヨークは24時間運転している。これは複々線ということがあるんですね。そういうことをいろいろと視察すると。地下鉄だけではなくて、電力関係の視察もいたします。はい。

【記者】改めて、3月の下旬にですね、九段下の壁も取り払われまして、地下鉄一元化に向けて、知事の今、意気込みというか思いをお聞かせ願えますか。

【知事】うん。地下鉄一元化は、九段下のバカの壁がとれた。それから、地下鉄の中でメールをできるようになった。これは、メトロも都営も全部そうなった、これは3月いっぱいで1つの区切りがついたわけですね。
 今、先ほどご質問あったように、じゃ、これからの東京の鉄道の利用者、どういうニーズがあり、どういう形がもっともいいのか、これは一元化は1つの正しい選択だと僕は思っていますが、全体の乗客数の減少とか、今後ですね、少子高齢化社会の中で、そういう中でどういうモデルが一番よくて、どういう形で移行する、一元化に移行するプロセスがいいのか、これはもちろん東京メトロと東京都営地下鉄で話し合いするだけではなく、東京の私鉄のさまざまな代表者とも意見交換をしていくということが大事だろうというふうに思っています。

【記者】ありがとうございます。

【記者】共同通信の中井と申します。ちょっとまだ先の話で恐縮なんですけれども、ことしの7月で、1943年に都制が施行されてから70年になるようなんですけれども、その一応節目な年なものですから、知事がどう受けとめておられるのかということと、あと、それにあわせて何か、行事か何かをお考えになってらっしゃるのかというのを教えていただきたいんですが。

【知事】70年って何か節目になりますかね。

【記者】一応区切りがいいので。

【知事】だったら10年ごとに区切りがいいよな。考えておきましょう。はい。

【記者】今のところは特にご予定はないということで。

【知事】今、当面やることがいっぱいあり過ぎて、ま、それはそれでちょっと考えてみますかね、はい。はいよ。

【記者】新宿区新聞の喜田です。政府のほうなんですが、2日にですね、電力の全面自由化をですね、閣議決定しました。電力の小売を2016年をめどに全面自由化するとか、発送電分離をですね、18年から20年にかけてやるとかっていうことが決まったようですが、これは、猪瀬都知事の、現在いろいろ小売、電力の小売をやったりですね、やっている都政の影響はどういうふうになるというふうにお考えでしょうか。

【知事】東京電力の改革を通じて東京電力の分社化体制、つまりカンパニー制、これは一種の発送電分離の原型に当たるものであります。そして、そういう改革の中で電力の自由化と発送電分離という話が出てくる。ただし、今のところ、新電力の育成という意味ではまだまだ遅れをとっていると思います、政府は。新電力のシェアを高めない限りは、電力独占体制というものは身じろぎもしない、そういう状況にあるんですね。
 したがって、ちょうど1年近く前ですが、前の政権に対しても、新電力のシェアを30%にするというぐらいのつもりでやっていただきたいと、こういうふうに言ってありますが、今回のその電力の競争力、どうつけるかということについては、あえて、これからそういうことを言う、言って、そして政府のいろんな分野にそういう情報をきちんと確認とって、30%なきゃ無理ですよと、っていうぐらいのつもりでやらないとですね、新電力の電源が足りないんです、結局は。自由化は絵に描いた餅になってしまう。具体的なものをきちんと数字を出してもらって仕事を進めたいと、こういうふうに思っています。
 はい。大体いいかな。
 どこ。

【記者】時事通信の増渕といいます。ことし6月の都議会議員選挙に関連してお尋ねします。
 都政を取り巻く課題というのは、少子高齢化とか防災化、防災とかさまざまなものがあって、おそらく都議選でもそういったことが議論されると思います。一方、その後に控えてます参議院選挙の前哨戦という位置づけも、そういう側面もあると思います。
 そこで、知事は今回の都議選の争点というのはどういうものが挙がってくるというふうにごらんになっているでしょうか。

【知事】既に都議会で予算をめぐってさまざまな議論がありました。その議論の中に、多様な意見が出てまいりましたが、基本的には、皆さんが予算を、都議会の皆さんが予算を議決してくれたということは、その議論はその枠の中にしかないんだというふうに考えていいんじゃないでしょうか。はい。じゃ、特になければ。

【知事】ああ、そうか。2円っつったら何だっけ。1リットルということか。
 ちょっとさっき言い間違ったから直すけど、1トン200円、1リットル2円ということになるの?(事務方に対して)計算してみろ。

【知事】わかってるよ、そうじゃないんだよ。1トン200円、だから1リットル2円って意味かなって言ってるのよ。前に僕が東南アジアでいろいろプレゼンテーションやりましたからね。つまり、ペットボトル2本で2円だということになるのか、0.2円かもしれん。ちょっと計算しろ、今すぐ。ほら。ただね、結果だけ出してくるんじゃなくて、ロジックとしてしゃべってるんだから、ちゃんとロジックになってなきゃだめ。
 いずれにしろ、1トン200円というのはわかるね、1トンの大きさは。1メートル、1メートル1メートル、それが200円だと。ペットボトルが150円。ね。1リットルは、だから2円なのか0.2円なのか。はい、計算して。

 0.2円。だから、そういうときにロジックで話しないと、1トン2円は間違いで、1トン200円です、だから、1リットルは0.2円ですって書いておかないとロジックにならない。
 以上でいいですね、0.2円。だから、ペットボトルはあまり飲まなくていいから、水道の水でいいんだよということを言っているわけで、水道の水がそうやって飲めるところなんかないんですよ。僕なんかもう、毎日ジョギングしてますけど、公園の水飲んでますからね、水道の水、走って、途中で喉渇いて。
 何だい、もう終わりだけど、はい、どこ。

【記者】文化放送の高橋民夫です。相模湾を震源とした関東大震災、あれからちょうどことしが90年になるわけです、9月1日で。そのいわゆる防災という意味で、心構え、東京も大打撃を受けたあの関東大震災から90年ということで、改めて猪瀬知事のその防災のことをですね、今、ちょっと時間調整があったかなと思って、お尋ねしてみたんですが。

【知事】関東大震災90年、それと、やっぱり東日本大震災、今2年過ぎたところですが、東日本大震災で、僕は皆さんが、僕自身も含めて、目が覚めた思いだというふうなことで、あの被災地の住民の方々に思いいたす想像力があれば、あの関東大震災の、あの被服廠で、みんな追い詰められて黒焦げになった、そういう悲劇に対して、また90年の時間を超えて思いいたすことがやっぱり大事だろうというふうに思います。3月10日に東京大空襲の日と、それから震災とあわせてですね、そういう慰霊を行っているわけです。ぜひ、そのお参りに行っていただきたいなというふうに思います。
 以上です。どうもありがとうございました。

【記者】ありがとうございました。

以上

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)