知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
プロフィール施政方針記者会見活動の紹介海外出張交際費

記者会見

平成25年5月17日更新

猪瀬知事定例記者会見
平成25年5月17日(金)
15時01分〜15時49分

知事冒頭発言

1 安倍総理との会談について

【知事】冒頭、先ほどの安倍総理との会談のポイントだけお話し申し上げます。1時半から2時まで、安倍首相のアベノミクスと言われる成長戦略、安倍首相がその成長戦略のピッチャーであれば、東京はキャッチャーとして多くの現場を持っておりますので、国際戦略特区の中枢としてさまざまな先行事例を実施していくということ、そういう認識をお互いに確認し合ったということであります。
 現場というのは、皆さんご承知のように、地下鉄もバスも水道も下水道も病院も、さまざまな現場を持っています。そのさまざまな現場で国際都市にふさわしい施策を講じることによって、海外からたくさんの企業や人が集まり、東京で、東京に富をもらたす、そういう国際戦略特区としての東京は、安倍首相は、「東京は日本のエンジンですからね」と、こういうふうにおっしゃっていただきましたが、そういうことで前にもお話ししましたが、バスは24時間、とりあえずは六本木から渋谷までですが、24時間動かすことができる、あるいは海外の健康保険、例えばアメリカの健康保険に入ってて、でも、日本の病院では、じゃ、どこができるか、その保険がきくかというふうなこともありますね。そうすると、今のところ、例えば聖路加病院とか、NTT、五反田のNTTの病院とか、そういうのは保険きくんですね。これからはもちろん広尾病院とかを含めて、ほかのいろんな民間の病院も含めて、そういうものもできるだけ都立病院、民間病院かかわらず増やしていければいいなと。
 あるいは、英語をしゃべれる救急救命士、これ、現在いるんです。いるんですけれども、すぐにおなかが痛いと言っても、ヘルプと言っても、もっと苦しい説明をするのに英語でしかできない人たちがいる。そういうふうに対応できなきゃいけない。そういう救急救命士の数も増やしていきたい。
 そういうことで、あるいは国際バカロレア、そういう試験があります。そういう試験の認定校のような、海外のビジネスマンが来て、家族でいらっしゃる場合にも対応できるような、そういうさまざまな施策、それを国家戦略特区、つまり東京は国際都市ですから、日本で一番の国際都市がやれることがあるでしょうという話をしたところであります。はい。

2 平成25年度6月補正予算案について

【知事】次にですね、平成25年度6月補正予算案についてお伝えしますが、6月議会に補正予算案を編成して提案するんですけれども、今回の補正予算は、まずは国の緊急経済対策に時機を逸することなく呼応するとともに、子育て支援の強化に向けた東京都独自の対応を行うことを基本に編成を行いまして、規模は341億円であります。
 まずは、国の緊急経済対策への対応としまして、平成24年度最終予算で積み立てを行った基金等を活用した取り組みや、国から追加された公共事業の早期実施を図ることにいたしました。
 加えて、国の補正予算で措置された地域の元気臨時交付金を活用して、東京都単独の公共事業を前倒しして実施することにしました。
 さらに、子育て支援の強化に向けた東京都独自の対応としては、今年度からスタートした小規模保育、東京スマート保育の拡充を行うことにいたしまして、東京スマート保育なんですが、区市町村から非常に高い関心が寄せられていることから、待機児童の解消をさらに加速化していくために、小規模保育に対する運営費補助単価を0歳児1人当たり7万2000円から10万7000円に、1、2歳児は3万9000円から5万7000円に、約1.5倍引き上げる仕組みを新たに創設することにしました。また、東京スマート保育の事業規模についても、当初予算の20カ所から30カ所に、定員は約400人から600人にそれぞれ拡大させようと考えました。
 このほか、国の認可保育所のみ対象としている職員の処遇改善についても、東京は認可保育所にとどめることなく、独自に認証保育所や東京スマート保育も対象に加え、事業効果を広く波及させることとしました。これによって、1人当たり年間約10万円、給与が増えることが見込まれます。
 詳細については、財務局から後ほど説明あります。

3 マレーシアでの上下水道の国際貢献ビジネスについて

【知事】次ですが、マレーシアにおける上下水道の国際貢献ビジネスについてであります。マレーシアで進めております上下水道の国際貢献ビジネスは、東京下水道で今度、マレーシアで下水道整備プロジェクトを実現するため、現地企業などと合弁会社を設立することになりました。
 マレーシアでは、小規模な下水処理場が点在していまして、その運営ノウハウの不足などによって水環境が悪化していることから、東京下水道が持つ高度な技術や運営ノウハウを生かした解決策を提案してきました。このたび、その具体化となる下水道整備プロジェクトを立ち上げるため、東京都下水道サービスと住友商事、現地企業の3社が合弁会社を設立する運びとなりました。
 このプロジェクトは、首都クアラルンプール郊外のランガット地区で行うものでありまして、下水道施設の設計、建設、維持管理を一括して行います。対象面積は84キロ平方メートル、計画人口54万人に及ぶ大規模プロジェクトでありまして、官民連携による下水道分野での海外展開では最大規模の事業となります。
 また、東京水道では、今、下水道の話ですが、東京水道では、タイ、台湾に続く取り組みとしまして、マレーシアの政府直轄地区ラブアン島などにおいてプロジェクトを進めています。当地区では、無収水率が20%でありまして、その改善のためのパイロット事業の実施について、今年の秋の契約締結に向けてマレーシア政府と交渉を行っております。
 東京の上下水道が培った高い技術力と運営能力を最大限に活用することで、マレーシアの水環境の問題解決に貢献していきたいと思っております。
 詳細は、担当局に聞いてください。

4 スポーツ祭東京2013観覧者募集について

【知事】もう1つあります。スポーツ祭東京2013の観覧者募集についてであります。スポーツ祭東京2013の開会式、閉会式の観覧者募集を、来週の20日月曜日から開始しますので、できるだけ多くの方々にこの情報が届くことを期待してお話しします。
 スポーツ祭東京2013では、今年の9月28日土曜日から10月14日月曜日にかけて、第68回国民体育大会と、第13回全国障害者スポーツ大会を開催します。それぞれの開会式、閉会式は、いずれも調布市にある味の素スタジアムで行い、各2万人の観覧者を募集いたします。54年ぶりに東京での開催となる国体総合開会式は、夕方から夜にかけて開催することで、オリンピック、パラリンピックへつなげる炎と光の祭典とします。
 フィールドには、フィールド司会者には、プロテニスプレーヤーの松岡修造さんを迎えまして、Every Little Thingによるコンサートと、東日本大震災被災地3県のお祭りのコラボレーションにより会場を盛り上げます。スポーツ祭東京2013の最後を飾る、障害者スポーツ大会の閉会式には、EXILE TRIBEと被災地の中学生、東京都内の中学生による華やかな、華やかで盛大なダンスステージを行い、17日間にわたる選手の健闘をたたえ、大会を締めくくります。
 今年は、スポーツ祭東京2013の開催に加え、オリンピック・パラリンピック競技大会の開催都市が決まるスポーツイヤーであることから、都民をはじめ、全国の方々に大会を盛り上げるため、ぜひご来場いただきたい。詳細は、スポーツ振興局に聞いてください。
 以上です。ご質問お願いします。はい。

質疑応答

【記者】日本テレビの坂巻と申します。官邸に行かれたということですが、なぜこのタイミングで、今日官邸に行かれるかという話と、それから、成長戦略以外にお話はなかったんでしょうかと。オリンピック関連ですとか、サンクトに伺う関係の話ですとか、その辺はいかがでしょうか。

【知事】はい。まずは、これからアベノミクスが実際にどのように実体を持つかという、そういう時期にこれからなっていくと思いますので、東京都は既に、アジアヘッドクォーター特区に認定されておりますので、そのアジアヘッドクォーター特区の現在までの状況を、まず直接ご説明し、そして、いつでも東京は安倍首相の投げる球を、現場のある東京が、常に実現していくという、そういうことをまずお伝えしなければいけないし、認識を共有することは大事だと思います。そう思って、いろいろと連絡は、いろいろとり合いながら、今日お話しすることになりました。
 それから、オリンピックについては、トルコでフォローありがとうございますということもお伝えしましたが、これからの展望ですね、どういうことをどうやっていくかという話も、いろいろと話をしました。招致活動については、はい。

【記者】その辺のどういうことをどういうふうにというのは、もうちょっとお話しできるところはありませんか。

【知事】あのね、2人だけで話することもありましたので、あまり中身については、特に申し上げられないこともありますが、大体大まかな日程も大分迫ってきましたねというふうなことを確認する中で、いろんな役割の演じ方があるでしょうねというお話で、ぐらいに今日はさせていただきますね。はい。すいません。
 え? 何だい。

【記者】総理のほうから、例えば、政府サイドとしてのオリンピック招致への取り組みであるとか、例えば、政治家というか、議員関係でのオリンピックの招致活動の取り組みみたいな、そんな説明とかお話というのはあったりしたんでしょうか。

【知事】もう既に、いろいろ、各レベル、それぞれのレベルを通じて、いろんな話し合いを積み重ねてきております。で、もちろん安倍首相は、IOCの評価委員会で、オリンピックの歌を歌ったぐらい、極めて熱心です。はい。
 はい、次の方いらっしゃいますか。はい、どうぞ。

【記者】総理の関係なんですけれども、9月7日にはですね、開催都市決定のために、ブエノスアイレスで総会がありますが、知事、以前から総理もね、一緒に帯同いただきたいというふうにおっしゃっていましたけど、今日、その話にはならなかったのか、それで総理は行くということをおっしゃっていなかったか、そのあたりはいかがでしょうか。

【知事】これは、あまり詳細に申し上げるわけにはいかないんですが、極めて前向きな、前向きに検討いただいているというふうにご理解してください。はい。

【記者】フリーの横田一ですけれども、総理にですね、道路問題の専門家として、安倍政権がですね、掲げている国土強靱化で、総選挙で国土強靱化を掲げて圧勝したということもあるんですが、国交省が、高規格道路、高速道路1万4000キロを防災を目的につくろうとして、ミッシングリンクの解消を言っていますが、これが適切かどうかについて、何かコメントされたんでしょうか。先週は、整備区間が正式な審議会で決められたと。で、国民的議論、小泉政権のような広範な議論なしに、いきなり基準が引き上げられ、実質的に引き上げられるのは、ちょっとおかしいんじゃないかと思うんですが、その辺についてのご見解を伺いたいんですが。

【知事】その話は、今日はしていません。

【記者】1万4000キロの目標についてはどうお考えでしょうか。この、人口減社会、高齢者激増の時代において、1万4000キロは、ちょっとつくり過ぎじゃないかと思うんですが、その辺のご見解を伺いたいんですが。

【知事】それは、昔からそういう言い方があるだけで、別にそれが実質、実体を伴ったものであるというふうには認識していない、いませんから、それとね、これからメンテナンスですよ。修理、補修、あるいは、古くなった橋の建てかえ、そういったことが、トンネルの補修、いろんな老朽化対策が必要になると、こういうことはある程度認識が共有されていると僕は思っています。

【記者】ということは、逆にいえば、新規建設はなるべく抑制すると。で、例えば、国交省はミッシングリンクということで、山陰自動車道みたいなですね、津波地域と関係ないところの未開通路線まで、全線開通させるという地図もホームページに出してですね、国交省OBの山本繁太郎知事は、山陰自動車道全線開通させるというふうに、はっきりおっしゃっているんですが、こういう動きは、ちょっと問題あると。むしろ、維持、管理、補修に予算を重点的に投じるべきだというお考えでよろしいんでしょうか。

【知事】個別のことは、それぞれの首長さん、みんな要望出しますよね。それが、要望が出したから、それがそのままそのとおりになるわけではありません。はい。

【記者】すいません。全国的に見て1万4000キロ、新規建設に向けて、新規建設するのはおかしいというお考えでよろしいんでしょうか。

【知事】基本的には、費用対効果があるかどうか、これがやっぱり基準です。

【記者】ということは、人口減社会、人口減少社会に入ってですね、で、3環状道路も必要だとおっしゃいましたが、いつのデータをもとに3環状を含めて必要だとおっしゃっているのか、八ツ場ダムの水需要についても、水余りじゃないとおっしゃいましたけど、いつのデータを根拠におっしゃったのか、それだけ最後に確認させていただきたいんですが。

【知事】3環状道路については、既に決定しています。そして、事業を進めております。以上です。

【記者】いつのデータですか。いつのデータが根拠ですか。八ツ場ダムの水需要の必要性も含めて。

【知事】常に最新のデータを確認して進めています。はい。

【記者】はい、ありがとうございます。

【知事】はい。

【記者】日本経済新聞の植松です。すいません。昨日ですね、小平市で住民投票の告示がありまして、直接請求に基づく住民投票は都内で初になると思うんですけれども、それについて、知事としての所感を聞きたいのと、あと、もし仮にですが、50%以上で成立して、道路計画、あ、道路計画の見直しを求める声が多かった場合にですね、どのように対応されるおつもりがあるのかという2点、お伺いできますか。

【知事】住民投票が行われるということは承知しております。その住民投票の結果が届いた時点で、いろいろ考えることはあるかもしれませんが、現在、仮定の話ですから、お答えすることは特にありません。

【記者】すいません。今のところノーアイデアということなのか、それとも考えてはいるけれども、届くまでは発言、差し控えたほうがいいというご判断なのか、どちらですか。

【知事】というか、だって、住民投票、どうなるかわからないんだから。

【記者】もちろんもちろん。

【知事】仮定の話……。

【記者】もちろんそうなんですけど。

【知事】ええ、答えてもしようがない。

【記者】何ていうのかな、どうしてもこうしてほしいって、別に揚げ足取りで言ってるわけではなくて、例えば、結果次第であるとかですね、どういう結果であれ、何らか詳しい話聞きたいとかですね、その程度の話でいいんですけれども。

【知事】だから、仮定の話なんで、そういう、住民投票があることは承知していますが、今別にお答えする立場じゃないと思います、はい。

【記者】あと、すいません、もう1点だけ、別件で。

【知事】はいはい。

【記者】今週ですね、大阪の橋下知事が従軍慰安婦のことに関してと、あるいは性風俗産業のことについての独自の見解を述べられまして物議を醸していますけれども、猪瀬知事としては、一連の橋下さんの発言についてですね、思うところがあればおっしゃっていただけますか。

【知事】昨日、九都県市のときにちょっと言いましたし、それに橋下さんの発言に僕は特に何か言わなきゃいけない義務はないですから、はい。

【記者】もちろん別に義務はないんですけれども、特に言うことはないということで。

【知事】はい。昨日ちょっと言いました。あの、はい。
 どうぞ。

【記者】東京MXテレビの朝倉と申します。スマート保育の拡充の件でお伺いしたいんですが、特に運営費でかなりの増額が……。

【知事】うん?

【記者】運営費の補充で……。

【知事】うん、そうそうそう。

【記者】かなり増額があると。

【知事】運営費、増額したんですよ。

【記者】そうですね。保育園の経営者の方からですね、現行のスマート保育の制度、開設資金には非常に厚いんだけれども、運営費の助成でメリットが薄いというような声、よく聞いたんですけれども、今回のこの改正というのは、拡充はそういう、現場の声というか、そういうものを受けたものなのか、ちょっとその意図をもう少し詳しく教えてください。

【知事】はい。もちろんね、現場のいろんな新しい声があって、実際にやり始めてみると、ちょっと、もうちょっと運営費、多いほうがいいんじゃないでしょうかということを受けとめたんです。だから、それは受けとめたらすぐやるということで、これ、かなり、このために10億円ぐらい使うわけですよ、ね。だから、それはもうやっぱり即断即決が大事。やってみて、試行錯誤ですから。確かに、開設のお金は全額出すけれども、運営で回っていくお金がちょっと足りないんじゃないかと、それぞれ現場現場の意見をすぐ取り入れて、もちろんそのまま取り入れるというか、それをそしゃくして、そしてすぐに対応すると。やっぱり最終的には待機児童をなくすための対策ですから、これはね。もう使い勝手がいいかどうか、これはやっぱりやってみてわかることです。すぐに直しました、はい。
 はい。

【記者】時事通信の笠井と申しますが、すいません、何点かありまして、まず先ほどの総理の件に戻って恐縮なんですけれども、今回の会談は、今回はどちらから持ちかけられ……、いろいろお話をされてということでしたが、知事のほうから行きたいという話だったのか、総理のほうからぜひ来てくれという話だったのかというのは。

【知事】それは、それぞれのレベルを通じてお互いに、この件について早くいろいろと情報交換したほうがいいねということだったと思います。

【記者】ヘッドクォーター地区の話もされてですね、キャッチャーとしてすぐ受けとめられるようにというお話もありましたが、幾つか例を挙げられました、具体的に、もうすぐ動き出すぞというような、何かプロジェクトというか、ものというのはありましたでしょうか。

【知事】うん、2つありましてね、国へ要望しなければできないこと、東京都が現場を持っているがゆえに可能なこと、こういうことで、例えば外国人が日本でベンチャー企業、あるいは企業を立ち上げるというときに、入国の審査に時間をかかっちゃうと。初めからこっちに会社があって、そして入国するというなら労働ビザをとればいいわけですよね、こっちに就職するんだということで。これから立ち上げるというときに、入国の審査、時間がかかっちゃうんですね。ですから、例えばそれを短くするように要望して、今ある程度短くなって、なりつつあります。そういうふうに要望しなければいけないこと、あるいは東京独自でできるのは、この前申し上げましたように、六本木から渋谷までバスを夜も運行する、深夜もね、そういうことはできる。
 だから、できることとできないこと、ありますので、やっぱり国際都市東京というものが、日本の成長戦略の推進力、エンジンとしての推進力でなければならないので、やれることはまず自分たちでやる。そして、国の規制とか、あるいはさまざまな規則、法律改正ということも中にはある。そういうことをやるのもやると。

【記者】それはわかったんですけれども、ビザの短縮については、具体的にその場で要請をされて、色よい返事があった……。

【知事】え?

【記者】ビザの短縮ですか、入国審査。

【知事】これはそんな、細かい話は、役所レベルの詰めですから。それは安倍総理とじゃなくて、それぞれの省庁とやっていることです。

【記者】あとですね、9月7日のオリンピックのほうにですね、首相のほうも一緒に来ることに極めて前向きというふうな印象を持たれたということですが、その前に選挙がありまして、今、衆参同日選の可能性もささやかれておりますが、まず首相でなければ一緒に来ることもできないと思いますけれども、選挙に関して何かですね、お話というのはありましたでしょうか。

【知事】選挙についての話は全くしませんでした。というか、話、焦点を絞ってやらなきゃいけないので、特別そういう話はしていません。

【記者】すいません、多くて恐縮なんですけれども、最後なんですけれども、ちょっと話題が変わりまして、マレーシアのですね、下水道プロジェクトの件でお伺いしたいんですが、これはもう契約まで至ったという理解でよろしいんでしょうか。

【知事】合弁会社設立まで来たわけですね。

【記者】マレーシア以外のですね、新興国で今具体的にこのようにプロジェクト、下水……、上下水道ですね、進んでいる地域、もしくは知事がここに出ていくべきだと考える地域というのはございますでしょうか。

【知事】これはもう既にいろいろ、いろんなところで、各地、その都度都度、説明してきました。後で整理してください。
 はい、どうぞ。

【記者】東京MXテレビの風戸と申します。すいません、告示日まであと1カ月を切った都議選について伺いたいと思います。都議選ではですね、幾つかの党が争点がなかなか、争点を見出すのが難しいという発言を幾つかの党がしております。で、前回は新銀行東京ですとか、築地移転という明確な争点、わかりやすい争点があったわけですが、今回の都知事選……、あ、都議会議員選挙は、知事としてはどのようにお考えでしょうか。

【知事】やっぱりあれですね、これから高齢者も若い人も夢を持って新しい日本をつくっていく、その、東京が礎になりますので、そういう点を、いい意味で皆さん競い合っていただき、そして都議会の皆さんと東京都知事としての関係を常に前向きな形で深めていきたいというふうに思っているんですね。

【記者】すいません。争点がないということに対しては、ないというふうな言い……。

【知事】いや、争点はありますよ。成長ね、成長する経済、そして当然ながら、それに追いつくようなさまざまな福祉の施策、こういうものをきちんとやっていくという意味で、そういう前向きな施策を打ち出している、前向きな政策をね、ちゃんと表現しているかどうかというのは、1つの争点でしょうね。
 特に、成長戦略ということがやっぱり大きいんじゃないですか。我々の暮らしがよくなる、そういう見通しを、多分、今の都議会の候補者たちは、そういう方、多いと思いますがね。そういう見通しをやっぱり見せてくれるところかどうかというのは、有権者が判断するんじゃないですか、はい。
 はい、どうぞ。

【記者】読売の小林です。関連なんですけれども、都議選ですが、政党、候補者支援についてなんですけれども、知事、知事選のときに自民、公明から支持、支援を受けられましたけれども、今回、都議選、各候補者個人からですね、支援、支持の依頼が、遊説の応援の依頼等ありました場合はですね、どのように対応されますでしょうか。

【知事】基本的に、無所属ですので、僕は、特定の何か立場を代弁するということではありませんので。それから、今、念頭にあるのは成長戦略をどうするか。先ほど安倍首相にお会いしましたが、そういうことの詰めをどうするかとか、そういうことは今、念頭にあり、そしてロシアのサンクトペテルブルクに行かなければいけない。そこでプレゼンテーションをすると、そういうことで結構頭いっぱいです、はい。

【記者】特定の候補の応援に入るということは、じゃ、ないということですか。

【知事】はい。

【記者】ないんですか。

【知事】うん。
 はい。

【記者】日経新聞の舘野と申します。先ほど、新銀行東京の決算発表がありまして、中期経営計画の初年度ですけども、その、目標を上回る水準で黒字を達成したという発表でしたけども、その決算についての評価と今後の方向性について、何かお考えがあればお聞かせください。

【知事】決して大きな金額ではないが、確実に利益を出しているということで、リハビリの状態をより少しよくしていくという段階だと思います。
 はい。

【記者】このまま、この調子でやっていけばいいという……。

【知事】そうは思ってない。まあ、この調子をまずやりながら、もうちょっと次のステップは何かどこかで考えていく必要があるんじゃないでしょうかね。
 ただ、中小企業への融資も増えていますので、いい流れにはなってきています。はい。

【記者】次のステップとおっしゃる場合、例えばどういうタイミングでどういうことを……。

【知事】まだ早いんじゃないですか。はい。
 はい。

【記者】新宿区新聞の喜田です。東京都が南海トラフ地震の被害想定を14日出しましたわけですね。その中に、帰宅困難者問題というものが出ておるんですが、私が前に主張しました超高層ビル街のですね、避難場所としての確保、これについてはどういうふうに進んでるのかということをですね、お聞きしたいと思うんですが。
それと、何が……。

【知事】担当部局に聞いたでしょ、あれから。

【記者】あれから聞きました。だけど、近いうちにやります、やりますということになりましたね。ただ、それがこういうふうな形で、また南海トラフの被害想定も発表された中で、いまだにそれが目に、姿にあらわれてこないというのは、どういうふうな形で今進んでいるんですかね。それとも、何が問題でそれが実現しないんでしょうか。

【知事】まず区がある程度、こう、先頭に立ってくれないとなかなかできないですよね、これはね。だから、やっている区と、少しやや遅れている区とありますね。
 それから、これをできるだけスピードアップしなきゃいけないことは重々承知していますから、これからもさらに加速していくしかないです、これは。

【記者】なぜこれが進まない……。

【知事】まだ保険の問題とか、はっきりしないところが。

【記者】保険。

【知事】これは国の問題もありますので、その、そういう問題をきちんとこれからもう少し詰めていくということが必要になるんじゃないですかね。

【記者】保険の問題ということが第一なんですね、そうしますと。

【知事】その避難したビルで、たまたま怪我しちゃったと、誰がそれ払うんですかというふうな話、出てきますよね。そういう問題は、まだ全部詰め切れていない、それは各役所の問題ですからね、そういうのも詰めていかないと、なかなか民間が乗ってきにくい部分があるんですよね。

【記者】それが解決すれば、もうほとんど問題はなく、すぐ実現できるということなんでしょう。

【知事】多分そういうこと、うん、ネックになってる部分あるんです。

【記者】まだあるんですか。

【知事】あるんです。

【記者】ほかにも。

【知事】はいはい。

【記者】ああ。それ……。

【知事】もちろん、だからそういうものを1つ1つ解決していくことで、また途中経過をちゃんとお知らせします、はい。

【記者】この前から1カ月、2カ月たちました。

【知事】そうですね。

【記者】できればですね、もうそろそろ、南海トラフ地震の被害想定までしてるくらいですから、これは特に早目にですね、安倍総理と話したときにもですね……。

【知事】そんないろんな話、一度にできないからね。でもね、おっしゃることよくわかったので、ほんとに急いでいます、実際にね。ただ、急いでるけれども、まだこれからもっともっと十分にやらなければいけないというふうに思ってます。
 はい。

【記者】朝日新聞の中村です。すいません、2点質問があるんですが、こないだ、先週ですね、トルコの在日大使とお会いになられて、お話しされたということで、知事の発言に関してもお話あったということだったんですが、その以前にイスラム関係の中東などのですね、在日大使とも会えたらというお話もあったかと思ったんですが、これは何か、近々ご予定とかありますか。

【知事】ええ、日程が正式に決まったらお知らせしますが、近々お見えになります。アラブの国々の大使の方々、ええ。

【記者】それは、サンクトに行く前に。

【知事】できるだけそういうふうにしたいと思っていますが、ただ、向こう様のご事情もありますので、なるべくそういうふうにしていきたいと思っています、はい。

【記者】あと、サンクトペテルブルクのスポーツアコードなんですけれども、プレゼンなど、準備で忙しいと思うんですが、その場で例えばトルコの方とですね、招致委員会の方も来られるので、お互い戦って、競ってる同士だとは思うんですが、何か接触を持つとか、友好の機会を持つとか、そういうこと、お考えはありますか。

【知事】まだ細かいスケジュールは決めておりません。フェアプレーでやりたいと思っております。

【記者】知事としては、お話の機会があってもいいかなと、持ちたいということは考えられている……。

【知事】フェアプレーの精神でやるつもりですので、それはまたそのスケジュールの中で、それぞれだってプレゼンテーションで、ある意味では自分たちは表現するわけですから、その表現の競争です。
 ですから、友好、親善的な要素は常に、いろいろとお互いにあるわけですね、それぞれの場所でね。でも、それでまだ細かい日程は、そこまでは考えていません。どうやって自分たちの都市が2020年東京オリンピック・パラリンピックに最も適してるかということをプレゼンテーションするので、それにまず徹したいと、はい。
 はい。

【記者】フリーの記者で佐藤と申します。よろしくお願いします。
 現在進められております高齢者の住まい東京モデルをはじめですね、今後、高齢化対策の進め方を考える上で、1つお伺いしたいんですけれども、都知事が今現在、介護というものについてどういうような見識、あと世界観をお持ちになっているかという部分を聞きたいと思います。

【知事】はい。

【記者】お願いします。

【知事】まずは、我々は高齢社会の認識が、皆さん共有してると思いますが、長生きできるということはすばらしいことなんです。で、そこに、じゃ、長生きできる中で、どういう支えが必要であるかということで、副知事時代にケアつき住宅というものを提案しました。そして、今、国土交通省がそのサービスつき住宅、今、サつきというふうに、何か略称になってるようですが、そういうことで、少しでもひとり暮らし、あるいはお二人で暮らす場合にも、さまざまな、ただ住宅に住むのではなくて、ケア、サービスがつく、そういう、食事がついたり、あるいはちょっとした支えが必要になるような介護がついたりするような、そういう状態で、昔はただ病院に入れちゃったとかね、入れて終わりみたいな言い方があったけど、そうじゃなくて、現在暮らしてる場所を中心に、あるいはその暮らしてる場所から少し離れても、生活を自分たちがすることを中心に支え合う社会というものがつくられていくべきだというふうに思っております。

【記者】一番最初の会見のときに、この東京モデルについて質問させていただいたときにですね、えーと、ケアつきの住宅についてはスピードアップとパワーアップさせてやっていくということでお答えをいただいたと記憶しております。

【知事】そうですね、はい。

【記者】はい。で、実際、ここまで知事に就任されましてからスピードアップ、パワーアップというのはできているとお感じでしょうか。

【知事】できていると思います。その分の予算も増やしましたから。予算を増やすということは、それはできるということですから。先日も僕、ちょっとジョギングしていましたら、工事現場がきれいなマンションに変わってまして、4階建てのサービスつき住宅っていう大きな垂れ幕がありまして、で、夕方暗くなりかけていたので、見たら、幾つかもう、その入居者が電気がともっていて、あ、進んでいるなと、そういう実感を得ました。はい。

【記者】パワーアップというのがちょっと、最初、話をお答えいただいた後考えてみて、ちょっとどういうものなんだろうというのが想像つかなかったんですけれども、知事が考えているパワー、このケアつき住宅のパワーアップというのはどういったものだったんでしょうか。

【知事】まずは、そういう思想が必要であると。ね。寝たきりの状態じゃない、その前の段階をできるだけ人生を楽しめるような状態にするということで、住宅だけつくればいいんじゃないよと、そこにサービスつき、ケアつき、そういう人の手がかかわるような、そういうコミュニティーのようなところにお金を出すと。そういう建設費が補助されると。そうすると、民間のマンションメーカーの人も、そうするとコストが安くなるのでつくりやすい。しかも、市場がある。たくさんのお客さんが待っている。
 ということで、民間の活力を引き出すための、税金をそういうために使えば、市場もできるし、お客さんである高齢者も、どちらもウィン・ウィンで喜ぶ関係で、そして介護する親を抱えた働き盛りの人も、それでいろんな問題を解決できると。全てが解決するわけじゃありませんよ。ま、そうやって確実に進めていくということです。はい。

【記者】ありがとうございました。

【知事】大体一通り、もうあれしたんですが。

【記者】追加で1点。

【知事】はい、はい。

【記者】朝日新聞の別宮です。よろしくお願いします。都議選の絡みなんですけれども。

【知事】いや、都議選は、もう、だから。

【記者】まあ、まあ。

【知事】あれは関与しない。

【記者】関与しない。ただ、あの、街を歩いていると、維新の会の広報の方がですね、わりと猪瀬知事のポスター使っているケースが見られるですけれども、このあたりまずご感想というかですね。

【知事】それは、自民党の人も、民主党の人も、維新の人も、みんなの党の人も、ポスター撮ってます。公明党の人も。なので、別に維新だけ撮っているわけじゃありません。はい。

【記者】あと、すいません、知事が知事選のときにとった434万票、これがですね、都議選のときにどういう動きをするかというのが、これは我々も取材をして動きを知りたいところなんですけど、知事自体はですね、この票というのは一体どこにどういうふうに流れているか、いくかとかって考えることがあったりしますか。

【知事】僕にもわかりません。
 はい、もう最後です。はい、じゃ、どうも。

【記者】ありがとうございます。連日ご苦労さまでございます。

【知事】はい。

【記者】私も、知事よりちょっと若い昭和22年生まれという形になるんですが。

【知事】大体一緒だな、うん。

【記者】はい。大体同じぐらいです。戦地から戻ってきた親からですね、いろいろな話を聞いたりなんかして、不幸な時代もちょっとあったわけなんですが。今回の大阪の発言もありましたけども、知事の歴史認識というような形では、ナーバスになりますけれども、どういうふうにお考えをお持ちでいらっしゃいますでしょうか。お聞かせいただければ。

【知事】僕は、近代の歴史をテーマに、さまざまな作品を書いてきました。先日の橋下さんの発言についての作品、それをテーマにした作品はありません。はい。つまり、いろんな意味でさ、そういう作品を書いていません。なので、別に、特に何か詳しいわけでもないし、僕が書いたテーマについては、僕はかなり詳しいです。

【記者】あ、なるほど。

【知事】そういうことなんで、歴史は非常に大事にしていろんな作品を書いてきたことは事実です。が、テーマは、この間の発言のようなテーマの作品は、僕にはありません。はい。

【記者】ご本人は、アメリカの状態などをちょっと知らなさ過ぎたかなって反省も、弁も述べておられます。で、東京なんかは、もうましてニューヨークとは友好、兄弟都市でもありますし、そういった意味で、外国とも交流のある東京ですから、結構発言には気をつけられると思いますけども、そういう意識というものはとても大切だとやっぱりお思いですか。

【知事】はい。それは昨日、ちょっとぶら下がりで言いましたし。

【記者】昨日、ちょっと伺ってなかったんで、あの……。

【知事】はい。もう彼も、もうそれ以上言わないでしょう。もういいんじゃないですかね。やっぱりそういう発言はあまり、共有するいろんなものが全部お互いに持っているといいけれども、そうじゃないときはあまり言うべきじゃないでしょう。はい。

【記者】わかりました、ありがとうございます。

【知事】はい。

【記者】すいません、もう1点よろしいですか。

【知事】何の話?

【記者】先日、宮城県のほうからですね、村井知事等がいらっしゃいまして。

【知事】はい。

【記者】がれきの処理が年度内、めどたったということで、東京都に感謝という形でいらっしゃいましたけれども、その席上、知事、猪瀬知事はですね、今後も長期の支援を続けていきたいというようなお話をされておりました。
 ただ、ちょっと今の会見、お話伺っていますと、安倍総理との会談等でも、復興の話が出たのかなというところと、オリンピック、成長戦略というところでちょっと頭がとられておって、首都としてのですね、被災地をサポートしていくというあたり、国家と連携してですね、このあたり、どういう復興支援を今後やっていくのかというのを、具体的なものがまた浮かんでおれば、それも踏まえてもう一度お考えをお伺いしたいんですけれども。

【知事】昨日説明したとおり、宮城県のがれきは6200万トン、6200トンか。6200トン、処理しました。

【記者】6万2000トンです。

【知事】6万2000トン、ごめんなさい。6万2000トンを処理して、42人の職員を派遣している。そもそも、いいですか、夕張が破綻したときにすぐ職員を派遣したのが、僕が副知事のときの決断ですよ。その結果、夕張にたくさんの市や県から、やっぱり応援の職員が行くようになった。被災地は、被災地の大震災があったときに、すぐ東京は行くって、そういう体制をつくった。
 そういう流れの中で、当然、この職員を、宮城県だけで42人ですが、ほかの県にも派遣しています。これはね。そして、例えば短期契約で、元公務員の人とか、元ゼネコンの人も送り込むわけですね。そういう形で被災地の支援は続けていますし、福島の旅行に、観光旅行に1泊3000円とか、いろんな形で支援を続けてます。
 東京が国際都市として生きるということと、東日本大震災の支援は、何ら矛盾するものではありません。当然、東京は、日本の心臓ですから、血液を送り込む。そのためには、東京がよりたくさんの税収を上げる、国にたくさん、例えば43兆円の税収のうち17兆円は東京から上がっているわけです。
 そういう形で、まずは貢献すると同時に、実際に人的支援、それ、先ほど言いましたが、東京には現場がある。ですから、土木の技術の人も送ってるし、さまざまな水道の、被災したとき水道とか下水道、いろんな技術、そういう現場の人を送る。だから、現場の力は東京の力ですから、そういう現場の力で被災地を支援して、そしてスポーツでもさまざまな今、支援をやったり、イベントを行っています。

【記者】席上では、オリンピックのですね、開催のときに、リレーで被災地の人が走れたらとかですね、いうことをおっしゃられていましたが、何か具体的に今までの継続とプラスしてですね、食品のアピールという話もされてましたけれども、さらにもう一度、今までの継続ではない新しいものというのは、今、何かお考えというのはございますですか。

【知事】この間、被災地のリレーの話は、先週したんだっけ。

【記者】いや、その席上、おっしゃられたと思いますけれども。

【知事】まだやってないか。いろんな企画あるんです、これからまだやることが。

【記者】あ、もう被災地のリレーというのは、企画あるんですか、そういうのは。

【知事】ありますよ。これ、今度発表する、まだこれからですから。

【記者】それは……。

【知事】だからね、随時いろんなものをこれからどんどんやっていくということです。

【記者】あるいは、幾つか温めているものはあると。

【知事】そう、もちろん、だから……。

【記者】復興で。

【知事】毎月考えていますよ。

【記者】はい。

【知事】はい。もうこのぐらいにします。じゃ。

以上

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)