知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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記者会見

平成25年7月26日更新

猪瀬知事定例記者会見
平成25年7月26日(金曜)
15時00分〜15時25分

知事冒頭発言

1 大都市東京の重要課題の解決に向けた「新たな長期ビジョン」の策定について

【知事】首都東京の重要課題の解決に向けての新たな長期ビジョンの策定について、お知らせします。
 首都東京に山積するさまざまな重要課題を解決し、東京をさらに進化させて、世界一の都市を目指していくため、10年後を見通した新たな長期ビジョンを策定することにしました。現在、東京都は「2020年の東京」に基づき、オリンピック・パラリンピック開催都市にふさわしい都市像の実現に向けて施策を展開してきました。しかし、東京の将来を考えれば、急速に進行する少子高齢化、さらには人口減少社会の到来といった重要課題に対し、中長期的な政策展開や発想の転換による新たなモデルの構築が必要であります。
 そこで、「2020年の東京」からさらに踏み込み、今から10年後の2023年の東京の姿と都政の新たな方向を示す長期ビジョンを策定することにしました。新たな長期ビジョンの策定に向けては、庁内が一丸となって、東京を取り巻く諸課題に向き合い、これを克服する政策展開の道筋を見出していきます。このため、全庁挙げて課題を共有し、局横断的な政策展開を検討するプロジェクトチームを活用いたします。
 既に昨日、少子高齢社会に突入する東京の新しい施策を考える構造的福祉プロジェクトチームの第1回目の会合を、安藤副知事をトップに開催しました。さらに、都民のライフスタイルに一石を投じる時間市場開発プロジェクトチームや、地域の防災機能の充実に向けた防災公園への自立電源設備導入プロジェクトチームについても、近々、立ち上げていきます。また、既に5月にスタートしましたTOKYO就活スタイルプロジェクトチームなども積極的に活用して、庁内の英知を結集したい、こう思っております。
 これら複数のプロジェクトチームを同時に走らせ、これまでにない局の垣根を超えた議論の成果を、新たな長期ビジョンに反映させたい。新たな長期ビジョンは、本年12月を目途に公表する予定でありまして、来週、策定方針を庁内に示します。詳細は、知事本局に聞いてください。

2 アジアヘッドクォーター特区における外国企業の初誘致案件について

【知事】次、アジアヘッドクォーター特区における外国企業の初誘致案件について、お知らせします。
 アジアヘッドクォーター特区、既にそういう名前がありますが、これはいずれ国家戦略特区に名称が変わっていくと思いますが、外国企業のアジア地域の研究開発拠点の誘致第1号案件が決定しました。誘致企業は、太陽光発電システムの設計から施工管理、資金調達支援まで幅広く事業を展開するベルギーのイカロス・ソーラー社であります。
 イカロス・ソーラー社は、太陽光発電の施工、販売等を行う日本企業である株式会社ライジングコーポレーションとの合弁会社を特区内に設立することを決定しました。イカロス・ソーラー社は、日本の太陽光市場の成長性に魅力を感じ、日本への進出を検討していたところ、東京都が提供する無料コンサルティング支援により、ビジネスパートナーを選定することができました。特区への拠点設立を決定したものであります。
 太陽光発電は、太陽電池パネルの性能向上だけでなく、気候や太陽の角度、地盤特性などに合わせた設計、運用管理を行い、より一層の品質向上や事業コストの削減を図ることの重要性が高まっている中で提案されています。イカロス・ソーラー社は、今回、設立する研究開発拠点において、日本の天候に合う発電システムの設計、建築、運用方法などについての研究開発などを行って、安価で高品質の太陽光発電システムの実現を目指すと聞いております。これからも、特区への外国企業の誘致を積極的に推進し、東京の国際競争力強化を図っていきたい。この取り組みの詳細は、所管局、知事本局で聞いてください。

3 東京の地下鉄の運営改革会議(第1回)の開催について

【知事】それから、次の、東京の地下鉄の運営改革会議の開催についてお知らせいたします。
 東京メトロへの株主提案を契機として設置した東京の地下鉄の運営改革会議の第1回目会合を7月30日、火曜日に開催します。会議には、国土交通省から鉄道局長、東京都から副知事、交通局長、東京メトロからは社長が出席します。この会議は、地下鉄一元化を展望しつつ、利用者の視点に立って、都営地下鉄と東京メトロのサービスの改善の一体化を推進するものであります。具体的には、バリアフリー化やホームドア設置、乗り継ぎ改善や案内表示の統一などについて、今後の取り組み方策を検討します。
 また、今回の会議では、東京メトロ社員と都営地下鉄職員の視野の拡大などを目的として、両地下鉄事業者間の人的交流を提案します。早ければ、この秋にも、まずは課長級での交流を、秋の早い時期に交流を実施します。
 さらに、六本木駅で都営大江戸線の利用者がメトロ日比谷線のホームを通って、六本木ヒルズ方面に抜けられるようにする改札通過サービスについて、具体的な開始時期を決めてもらう予定であります。前には、あそこの改札通過は、混雑するからと、いろいろ言っていたんですが、それはやれるはずだということで、今、その話を進めています。
 このほか、門前仲町でも同様の改札通過サービスの開始時期について議論します。今後、地下鉄一元化を展望し、この会議を通じて、サービスの改善、一体化に向けた取り組み方策を整理して、具体的な成果として、順次、公表していきます。詳細は、都市整備局にお願いします。
 大体、以上ですね。あと、その他、ご質問あれば、いろいろとお答えしたいと思っております。
 はい、ご質問、お願いします。
 なるべく関連するとこから始めてもらうといいんだがな。

質疑応答

【記者】長期ビジョンなんですけれどもね、老朽インフラの問題についてはですね、今、先ほど述べた中に項目が入ってなかったように思うんですが、これはどういうふうな形で、老朽インフラというものをですね、やっていこうとお考えになってますでしょうか。

【知事】あのね、老朽インフラというのは、一般論で語られる老朽インフラと思われますが、老朽インフラって、あらゆるシステムの老朽が問題なんだと思います。
 つまり、建物そのものじゃなくて、硬直化したシステムが問題だと。もちろん建物もその中に含まれます。したがって「構造的福祉」と、あえて僕はそういう言葉を使いましたが、これまであるインフラをどういう形で少子高齢化の時代に、保育所も含め、お年寄りも含め、どういう形でつくり上げていくか、それは当然ソフトだけじゃなくて、ハードの問題もみんな含まれてきます。
 したがって、局も、ソフトの局とハードの局ありますが、そういうものを含めて解決する。例えば福祉保健局だけで解決する問題じゃない。それが「構造的福祉」という言葉です。そして、老朽化した建物はもちろん新しくなるでしょう。そういうときにどういう中身を入れていくか、それを考えるのが「構造的福祉」という言葉です。
 以上。

【記者】例えば、高速道路のインフラ、こういうものについてはどういう見通しを持つというふうに考えますでしょうか。

【知事】それは既に何度も説明してきましたが、まずは、つながってない場所をつなげて、外環のようなね、そして、首都高の中央環状線は品川までもう少しですから、開通させる。そして、首都高1号線、羽田−横浜の1号線の老朽化に対しては、当然、メンテナンスのさまざまな施策を考えて、建てかえるなり、いろんなやり方があります。それは既にいろいろと検討されています。
 はい。

【記者】東京MXテレビの風戸と申します。待機児童問題について伺いたいと思います。今週、福祉保健局が発表した数字では、都内にある待機児童数が8117人ということで、3年ぶりに増加しています。その中で、猪瀬知事が進められてきたスマート保育の第1号が杉並区で9月1日に開所するという情報もありまして、まず、その点について伺いたいと思います。

【知事】スマート保育ね。これは、だから、6人から20人までのところに制度上の穴があいているということで、5人以下は保育ママさんと。20人以上は認証保育所とか、さまざまな形でいろいろあるわけですが、6人から20人のところのその隙間にスマート保育所ということで、初期費用1500万円、あと毎月の運営補助、これをやっていく。全部提供していくということで、あとは、これは保育所の問題って実は区市町村の問題でもありまして、積極的な区と、あまりそうでもない区といろいろあります。あるいは、積極的であっても待機児童が増えてしまう、人口流入が多い場所、そういうところもあります。
 一番増やしても待機児童は500人しか減らないとかって、今までもありました。就業率がどんどん上がっていく、女性の。そういう中で、単に保育所問題だけで絞っていくとですね、全体の解決にならないので、保育所もそういう新しいスマート保育という概念をつくったり、それだけじゃなくて、構造的福祉と申し上げましたが、一人暮らしの高齢者、そういうことも含めて、保育所もある一体的な形の展開ができないかどうか、そういうこともこれからさらに深めて、結論を出したいと、そういうふうに思ってます。

【記者】杉並区以外にもですね、新宿ですとか豊島、墨田、板橋などで、今年度でおよそ40カ所を開設見込みということで、当初に比べたら補正予算でプラスした面も含めて、大分拡大していってる、目標を超えたのかなと思うんですけど、ここについて知事の感想はいかがでしょうか。

【知事】認可保育所、そして認証保育所、そしてスマート保育所、そういう形で何とか、スマート保育はことし決めたわけですから、急速に展開していけばいいなと。目標はもう限りなく、今の数字では満足してません。ただ、スピードアップにはなったと思ってます。就業率の上昇に、女性の就業率の上昇に保育所の数が追いつかない。そういうこともあるので、さらにいろんな方策を考えていきたい、そう思ってます。
 はい。

【記者】東京新聞の安藤と申します。すいません、今日、知事、新宿のホテルで昼食会のほう、勉強会開かれているかと思うんですけれども、それは位置づけとしては、知事就任後、初めての政治資金パーティーということになるかどうか、伺いたいんですが。

【知事】ファンクラブみたいなもんですね。

【記者】そのようなものでということで。

【知事】うん。

【記者】実際にどういう方たちが参加されて、そういう方というのは非公開になったと思います。主にどういうお話をされたかという、ちょっと内容や目的を伺えますでしょうか。

【知事】ふだんしゃべってることをしゃべる。ちょうど妻の葬儀もありましたので、お通夜とか告別式に来た人も入れ、たくさんいらっしゃいますので、まずその御礼を申し上げて、そしてレクイエム、ピアノを聴いて、そして、それから東京オリンピック、パラリンピックのこれからの決意とか、そういうことを述べ、また、都政についての今後のあり方についても僕なりの考えを述べました。
 はい。

【記者】霞ヶ関通信の稲村と申します。このところ、新橋から虎ノ門までの新虎通りというのがとかくテレビあたりでも話題になっておりますけど、これは東京都は新虎通り、シャンゼリゼ通りを模した通りと言われてますが、それにどういうふうに東京都が絡んでるんでございましょうか。

【知事】それは、スムーズな交通体系と、そして人に優しいそういうにぎわい、歩道も広く、そういうことを考えて、展開したいと思ってます。

【記者】事業主体は東京都でございますか。

【知事】それは東京都の部分もあるし、そうじゃない部分もあります。民間の協力も必要だし、それから、既に決まってるように、一定の比率で誰がどこでそのお金を出すかということは決まってますから。
 はい。

【記者】インターネットメディアのIWJ石川と申します。3月22日の猪瀬知事の定例会見でTPPについて、農業比率が低い、農業生産数の率が低いということで、東京都は大きなダメージがないだろうというご発言をされていたんですが、7月17日に大学の教員などが900人などが募ってできたTPPに反対する会というのがあるんですが、そちらのほうで都道府県別の試算を出したんですが、その中で東京都は猪瀬知事が指摘したとおり、第一次産業、農林物ですとか、そういった点は影響が低かったんですが、試算によると、第三次の点ですと、小売業、サービス業という点で9759億円ということでのマイナスということで、都道府県別に見ますと、全国の都道府県で一番ダメージを受けるのは、東京都が第三次作業で一番受けるという試算が発表されました。この点について、猪瀬知事はTPP含めてどういう考えを持っているのか、ちょっとお伺いしたいと思います。

【知事】その試算は、僕は直接見てないので、どういう試算をしたのかわかりませんので、特に申し上げることはありません。

【記者】この試算、今あるので、後で。

【知事】後で見ておきます。

【記者】はい、職員のほうに渡しますが。それとですね、この都の独自試算というのが出されてないんですが、この影響、試算については、北海道から沖縄まで出してない県もあることはわかるんですが……。

【知事】だから、第一次産業の話……。

【記者】東京都はなぜ出さないんでしょうか。

【知事】第一次産業の話と、今第三次産業の話は別ですので、東京はまず第一次産業についての比率が非常に低いということでお答えしたわけですね。もちろんそれを第一次産業の比率が低くても、ブランド力とかそういういろんなものがありますから、それはそれの問題でありまして、基本的に第三次産業については、どういう調査の方法をしたのかわかりませんので、お答えできません。僕は、東京のサービス産業というのは、非常に効率がいい部分がたくさんあって、おもてなしの部分というものが、どういうふうに数字的に参入されるのかわかりませんので、それ以上お答えできません。

【記者】最後に1点だけ。石原知事、前の石原知事がTPPに関連にして、遺伝子組みかえ食品の表示撤廃に強い反対を主張されてたかと思うんですが、これはTPPの交渉の中で、あらゆる非関税障壁の撤廃ということが言われてまして、これ当然TPPの交渉の中で、遺伝子組みかえ食品の表示撤廃ということも、これは当然交渉の中で話し合われてるか思いますが、猪瀬知事はこの遺伝子組みかえ表示撤廃というのは、これは賛成なんでしょうか、反対なんでしょうか。この辺をちょっと明確にしていただきたいと思います。

【知事】それは、当然今、我々の消費生活において、最も品質が高く、表示がきちんとしてるのは日本です。したがって、消費者を大事にする、そういう我々のビジネス習慣があります。最もうるさい消費者は日本人ですよ。品質の高い商品を提供するのも日本です。したがって、あなたがおっしゃるような心配は要らないと思います。つまり、そういう表示をきちんとやるようにすべきだと。これは当たり前のことでしょう。
 あといいですね、じゃあ。

【知事】1つだけちょっとつけ加えておきますが、都立高校の防災訓練、これは、昨年、東京消防庁といろんなインフラが必要な部分でやると。しかし、限定されたインフラしかないので、僕が提案して、全都立高校1泊2日、インフラがある、消防とか、あるいは自衛隊とか、あるいは赤十字とか、わずかなインフラしかないので、それは一部分しかできない。したがって、全都立高校に1泊2日の防災訓練をやる。これは、学校に泊まるという経験を、やはりしたほうがいい、そういうことで、非常に今、そういう意味での若い高校生たちに、いざ、何か地震が起きたときとか、そういうときにすぐ行動できる、そういう気持ちをつくるということが大事です。そして、そういう1泊、泊まるというだけじゃなくて、非常用の備蓄食品を食べる、こういう経験をすることが大事です。それを、今、やっと、去年からできるようになりました。
 そして、最初のころ申し上げましたが、東京消防少年団、こういう人たち、若いときからAEDの使い方がわかるようにする。これを増やしていく。あるいは、海洋少年団というのもあります。あるいはボーイスカウト、こういうのもあります。いろんなできる訓練を、少しでも何か触れられる機会にやらなければいけないと。そう思っております。
 以上です。

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)