知事の部屋

 
猪瀬都知事「知事の部屋」
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記者会見

平成25年12月19日更新

猪瀬知事記者会見
平成25年12月19日(木曜)
10時30分〜11時10分

知事冒頭発言

知事の辞職について

【知事】私は、このたび、東京都知事の職を辞する決心をいたしました。先刻、吉野都議会議長に辞職を申し出、議会において同意いただくよう、お願いをいたしました。私の借入金問題につきまして、都議会の本会議、総務委員会での集中審議、あるいは記者会見で自分なりに都議会の皆様、都民・国民の皆様に説明責任を果たすべく努力をしてきたつもりであります。しかし、残念ながら、私に対する疑念を払拭するには至りませんでした。ひとえに私の不徳のいたすところであります。

 思い起こせば1年前、多くの都民の皆様から負託をいただき、この都庁で知事就任記者会見をいたしました。以来、日本の心臓である東京を力強く鼓動させることで、日本全体に安心と希望を広げるよう、懸命に仕事をしてきたつもりであります。チーム日本の一員として、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの招致を成功させることもできました。そして、日本が長いトンネルから抜け出し、2020年に向かってスタートダッシュしなければならない大事なこの時期に、私の問題でこれ以上都政を停滞させるわけにはいきません。国の名誉がかかったオリンピック・パラリンピックの開催準備を滞らせるわけにもまいりません。
 今、ここに至り、この局面を打開するためには、私が自ら都知事の職を退くよりほかに道はない、そう決断いたしました。
 都民、国民の皆様には、大変心苦しく、申し訳なく思っております。深くお詫び申し上げます。
 これからは、都政に携わってきた経験も生かし、1人の作家として、都民として、都政を見守り、恩返しもしていきたい、そう思っております。

 最後になりますが、東京と日本の発展、2020年オリンピック・パラリンピックの大成功を心より祈念いたします。

 私からの発言は以上です。

質疑応答

【記者】フリーのジャーナリストの田中龍作と申します。疑惑が持ち上がったときにですね、そのときに、きれいさっぱり、潔くやめていれば、作家として生き残る道はあったと思います。もうここまでですね、汚名にまみれたら、ちょっと作家としても厳しいと思うんですが、そこはいかがでしょうか。つまり、なぜ、なぜ、ここまで長引いたんでしょうか。

【知事】私なりに、疑念を払拭できなかったのは、不徳のいたすところですが、できるだけ説明をしようと努力してきたつもりであります。で、今、これ以上都政をね、滞らせてはいけないというつもりで、辞任を決断しました。

【記者】いや、だから、早く、早く辞任すればよかったわけで、こんな滞らなかったわけですよ。

【知事】できるだけ説明を、できる限りしたいと思ったんです。

【記者】TBSの日下部と申します。知事はですね、この問題が発覚してからですね、ずっと辞職するつもりはないということを貫いてこられたんですけども、ここにきて、なぜ突然、辞職に動いたのか。1つ、大きな具体的な要素があるとすると、東電病院の問題があるんじゃないかと。知事はずっとですね、徳洲会側と、こんな話をしたことはないと言ってこられましたけれども、徳洲会側のほうはですね、東電病院取得の意思があるというようなことを、関係者は証言しておりますけれども、この点、非常に都知事との関係と、5000万円、お金の関係で、非常に問題になると思うんですけど。この問題が一部報道されてから、知事がね、辞職に動いたというようなことではないんですか。

【知事】お答えします。その問題と直接関係ありません。1つは、一昨日、石原前知事とお会いしまして、やはり都政をこれ以上、停滞させるわけにいかないねと、いうふうなことで、決断をいたしました。それから、昨日、僕の当時の選挙の選対責任者だった川淵三郎キャプテンにお会いして、やはり東京オリンピックを何とか成功させなければいけないということで、これ以上、都政を停滞するわけに行きませんねということで、ご相談申し上げ、そして、決断いたしました。
 それから、最初のご質問でございますが、確かに記憶の中では残っていなかったが、NHKの報道でも、そういう会話があったというぐらいのところだったと思います、それはね。ただし、東電の、あの売却というのは、株主総会で昨年の6月にそういう方向になったということでありましてね。その後は、東電売却は、東京電力において競争入札が決定されるわけですから、その売却の手続きは、全部東京電力が行うもので、東京都とは関係ありません。
 以上です。

【記者】読売新聞の山村と申します。今回の辞任のですね、結果、原因になった徳洲会からの5000万円なんですけれども、結局、今の知事のですね、5000万円の受け取りの趣旨というのはどうなんでしょうか。結局、何なんでしょうか。ずっと生活のですね、資金という説明でしたけれども、今でも、その考えは変わりないのか、それとも、選挙資金として受け取られたものなのか、ご認識をお願いします。

【知事】既に繰り返しご説明申し上げてきましたが、これは、議会でも、そして総務委員会でも申し上げましたが、個人的にお借りしたものであります。で、そのお借りしたものをお返ししました。で、借用書もお見せしました。そういうことで、当時、まあ11月頃の、昨年の11月頃、自分の選挙はどうなるかというふうな、不安の中で、仕事、選挙がだめだった場合には、有名な候補がまだいっぱい出そうだというふうなことで、そういう生活の不安があったので、お借りしましたが、結局その生活の不安というものは、お借りして、その後、当選したので、返そうということで、お返しする、そういう算段をしていたところ、それが少し遅れていたということを、ご説明申し上げました。
 以上です。

【記者】東京新聞の永山と申します。知事は、ジャーナリスト時代から権力を厳しく追及されるなど、ファクトとエビデンスを非常に大事になされた作家だったと思います。今ですね、辞任ということに至ったわけですけれども、これまでの会見や総務委員会等の質疑の中で発言された答弁、内容に関して、全てファクト、事実だったというふうに、今もって宣言できますでしょうか。

【知事】できる限りファクトに忠実に発言してきたつもりですが、一部に記憶違いがあったりとか、1年前の何月何日の何時、どうだと言われても、一瞬で答えられないことがありましたので、小さな間違いがいくつかあったということでありまして、基本的には、かなりファクトを重視して説明したつもりであります。

【記者】ニコニコ動画の七尾です。よろしくお願いします。史上最多のですね、434万人の、これ、都民がですね、知事に投票したわけです。その就任会見の初会見、就任後の初会見ではですね、記憶してるんですけど、ネットを活用した情報発信ということを新しい改革として独自の取り組みを掲げられたと思うんですね。例えばそうした方法などで、都議会とか、こうした記者の方々にお答えいただいてるとは思うんですけれども、やっぱり都民にですね、猪瀬さんらしいやり方で説明するお考えはないんでしょうか。

【知事】できるだけ説明をしていきたいと思っております。昨年の今ごろ、都知事になったわけですけれども、すぐに都庁の各局にツイッターで毎日毎日情報を発信して、特に防災関係を含めてですね、情報を常に発信していくという方法で、都庁の情報発信能力を高めてきたつもりでありますが、これからもですね、自分自身がまた作家に戻り、いろいろと自分自身の情報を発信していきたいというふうに思っております。

【記者】東京MXテレビの風戸と申します。今回の問題、そもそもなんですけれども、5000万円を徳洲会からお借りになったということで、わりと不正を疑われても仕方のない状況になるということが当初、借りる時に思ったのかどうかということを聞きたいんです。この5000万を借りたことで、後悔は今、していますでしょうか。

【知事】当時はちょうど、もう石原知事がお辞めになるということで、各業界、各団体の人に、毎日毎日お会いして回るというふうな状況の中で、たまたま個人的にお金を貸してくれるという人がおりましたので、それはお借りしましたが、しかし、それはお借りすべきでなかったというふうに思っております。
 それは、とても、まあアマチュアの、政治家ということについてよく知らないアマチュアだったなというふうに思っております。ですから、都政を進める上で、政策について一生懸命やってきたつもりですが、そういう政務的なものについての知識が足りなく、また、物の考えが至らなく、そして、当時は皆さんが応援してくれるというので、お願いします、お願いしますと言っている中にそういうものが入ってきていて、そういうことは当時僕は、だから、やや傲慢になっていたんだなというふうなことを反省しております。

【記者】ノーボーダーの上杉隆です。知事、1年間お疲れさまでした。今、先ほどおっしゃったように、傲慢、おごりという言葉を会見で使いましたが、具体的にどのようなおごりがあったかと、現在、ご認識されているかということと、もう1点、任期3年ほど残して志半ばだと思います。都庁に入って6年ぐらいになってますが、都知事として、実際は何を成したかったのか。そしてまた、この後、誰がやられるかわかりませんけど、新しい都知事にはどんな人、そしてどんなことをやっていただきたいか、そこをお聞かせください。

【知事】まずは、政策について、自分はかなり精通していると思っておりましたが、いわゆる政務ということについては、大変その、アマチュアであったというか、そういうことを反省していて、政治家としてずっとやってこられた方は、常にどういうものを受け取ったらいけないだとか、そういうことについて詳しいということはありますし、それから、もちろん、皆さんに対しても非常に腰が低い、そういうところがあると思います。僕の場合は、政策をちゃんとやればいいだろうというところで、ややそういう生意気なところがあったというふうに反省してます。
 2番目は何でしたっけ、今。

【記者】志半ばで、次の知事、自分は何をやりたかったか。

【知事】都政をできるだけ、都政というか、そういう意味で、プロフェッショナルな政治家という意味では、僕は失格ですが、ただ、逆にプロフェッショナルな政治家だけしかいない世界に、新参者として、作家として政策についていろんな発想を持って登場するということが、今回都知事になったということなんですけれども、1年前に。そういう意味では、去年、実は僕が都知事になったこと自体が1つの事件だったと思います。つまり、今までなかった、常識ではない、今までの常識をよく知らないところに新しい触媒のような形で僕が現れたんだと思います。
 しかし、プロの政治家としての厳しさを知らないところがあって、それで皆さんに、せっかく434万人の皆さんの負託に、今十分に応えられていないということで、大変反省しております。
 そして、もう一つ、これから、やはり2020年東京オリンピック・パラリンピックをどうしても成功させていってもらいたいなと思います。だから、次に都知事になる方は、本当にスポーツに明るく、東京をスポーツにあふれた、そういう都市にする、2020年オリンピック・パラリンピックを迎えるのにふさわしい、そういう方が次の都知事になってくれたら、本当にすばらしいなと思います。はい。

【記者】日刊スポーツのナカヤマと申します。昨日までに都議会のほうで百条委員会の設置が決まったんですが、その都議会側の動きが今回の辞任の判断に影響を及ぼしたということはあるんでしょうか。

【知事】正確には、そうではありません。総務委員会で僕なりに説明をし尽くしたつもりでおります。ただ、夏から組んできたいろんな予算とか、そういうものがこの年末の時期に重要な、年明けには本当はもう知事査定があるわけです。そういう段階で、これ以上都政を停滞させて、もう百条委員会つくっても、職員がそれにずっと当たったりとか、いろんなことをやらなければいけないわけでありますから、これ以上都政を停滞させてはならないと。予算の問題もあるし。それから、オリンピックの組織委員会もつくらなければいけない、そういうときに、これ以上、私の不徳の致すところである問題ですが、この問題で時間を費やすることは、これは許されないなというふうなことで、都知事を辞職する決断をしました。

【記者】日経新聞の舘野です。辞職の決断に、石原前知事と川淵キャプテンとのお話が決め手になったとおっしゃいましたけれども、それぞれその、どちらからですね、お会いすることを持ちかけ、具体的にはどのようなやりとりがあったのか、教えていただけますでしょうか。

【知事】石原前知事には、オリンピックが招致成功した後にご挨拶に行きました。そして、それは9月ぐらいだと思いますがね、成功した後に、ご挨拶に行きました。そして、今、このオリンピック、これから、先ほど言いましたが、組織委員会を立ち上げなければならない時期になってきた。もともと石原前知事が、このオリンピックをやろうというふうに提案されたわけですね。それをやった上で、今、こんな、今こういう時期にこの都政が停滞して、オリンピックが進められないような状況が起きてしまっているということに対して、大変申し訳ないと。石原前知事も、まあ、そういうことだったらもうここで、辞職することにしようじゃないかという話で、お話をしました。
 それから、川淵チェアマンは、やはり東京オリンピック・パラリンピックをどうしても、やっぱり成功させたいと。川淵チェアマン自身が成功させたいという気持ちがとても強い。だから、猪瀬さん、ここはもうここで一旦打ち切ろうと、そういうふうなことで、川淵チェアマンは、これから自分が東京オリンピック、パラリンピックを、自分が一生懸命支えていきますよというふうに、非常に温かい声をかけていただきましたので、今日会見することにいたしました、はい。

【記者】東京MXテレビの朝倉と申します。先ほど、今後のことについて、作家としてという言葉が2回出てきたんですけれども、一方で、誰よりも政策に精通されているというところ、これも認めるところだと思うんですが、今後、一切都政には関わっていくおつもりがないというお考えなのかどうかをお聞かせいただけませんか。

【知事】都政に直接関わることはないとしても、いろいろとここで勉強したこと、あるいはここで感じたことを含めて、恩返しはさせていただきたいなと。外側から恩返しをさせていただきたいというふうに思っております。

【記者】テレビ朝日の武内絵美と申します。今回の辞職で、政治的に責任が果たされたと思うんですが、先ほど知事は、総務委員会で説明はし尽くしたというふうにおっしゃってましたけれど、周りからはやはり、説明責任はなされてない、果たされてないという声が多く聞かれます。今後、説明責任は果たされていくおつもりがあるのか、その気があるならば、どういった形でどのようにしていくんでしょうか、教えてください。

【知事】これまでも説明してきましたが、かなり詳しく説明したつもりでおりますけれども、説明がもし足りないのであれば、さらに説明を加えていきたいと思います。

【記者】どういった場で、というのはあるんでしょうか。

【知事】まずは、都知事をやめるということになりましたので、自分なりの説明の仕方をこれから考えていかなければいけないと思います。

【記者】新宿区新聞の喜田です。今回の件でですね、高村さん、自民党の高村さんがですね、職務権限と5000万円、献金との関係について、外形的な形であると、これは猪瀬都知事が白であってもね、無実であっても、この外形的事実でやはり問題があるだろうというように言っております。この件に関しては、都知事はどういうふうにお考えになりますでしょうか。

【知事】それは、高村さんのご意見だということで承っておきますが、私個人としては、説明してきたように、お借りしたものをお返ししたということで、特別何か依頼されたり、こちらから頼んだりしたことはありませんので、直接関係ないと思っております、はい。

【記者】テレビ朝日の石塚と申します。オリンピックも招致を成功させたばかりですし、知事職への未練というのはありますでしょうか。

【知事】オリンピックをですね、とにかく決めることができて、これはチーム・ニッポンの力ですけれども、本当に良かったと思っています。オリンピックのプレゼンテーションの前の日は、ほんとうに金メダルしか取れないんだということで、前の晩、かなり緊張して休みました。
 そういう意味で、先ほどちょっと申し上げたのは、次に都知事になる方は、2020年オリンピック、パラリンピックをぜひ成功させてほしい、そして、本当に東京をスポーツやアートにあふれる町にしていく、そういう信頼されるべき人、そういう人に都知事になってもらえれば、自分がやったことは少し、今回オリンピックで頑張ったりしたことは受け継がれるし、むしろそういうものを2020年に向けて、とにかく成功させるための、ふさわしい人間が次に現れてくれたらいいなと、本当にそう思っています、心の底から。

【記者】知事としてその成功を見守りたいという、そういう気持ちはなかったんですか。

【知事】次の方がきちんとやってくれれば、それは本当にすばらしいと思っております。そして、その2020年オリンピック・パラリンピックの成功を見届けたいと、そういうふうに思っています。

【記者】未練はないということですね。

【知事】もちろん、東京オリンピック・パラリンピックが決まったということは、やはり歴史的なことだったと思います。そういうことで、チーム・ニッポンの力が発揮された。チーム・ニッポンというものができたんだと。そういうチーム・ニッポンというものができたんだから、これから政府も、東京都も、あるいは民間も財界も都議会も、いろいろな人々も、チーム・ニッポンができたという、そういう記憶を持って、2020年東京オリンピック・パラリンピックに皆が1つになって向かっていただければ、僕はそれで十分満足です。

【記者】未練はもうないということですか。

【知事】だから、それで満足です。

【記者】TBSタケダです。この1カ月の知事のお気持ちの変遷をお聞かせください。初めは、おそらく辞任まで行くとは思われていなかったでしょうし、この1カ月あまりの気持ちの変遷。
 それからもう1つ、徳洲会のお金っていうのはいろんな人に行ったというふうに言われている中で、何で知事だけがここまで批判されたのかというふうに、ご自分ではどういうふうに分析されていますでしょうか。

【知事】先ほども申し上げましたが、僕は政策をやっていくのが仕事だと思っていましたので、いわゆる政務というか、そういうものにとても疎い、アマチュアでありましたので、そういうお金をお借りしたということについて、本当に不徳の致すところで、これはもう反省するしかないわけであります。そして、それはもちろん、お返しするチャンスを、何回もつくっていたわけですが、それをご説明させていただきました。ま、お返ししましたけれども。
 そういうことで、この問題は、やはり自分にとっては、つまり、僕が都知事になったこと自体が、ま、アマチュアの政治家なわけですね、政策については詳しくても。だから、最初に言いましたが、都知事になったときには、これは一つの、僕自身がなったこと自体が異例のことだというふうに思っておりました。そういう意味での、異例であるという意味で、それは誇っているのではなくて、ある意味では謙虚な気持ちで今申し上げているんですが、そういうことなので、これは辞めるべき時が来たら辞めるしかないなということも考えておりました。

【記者】フジテレビの大塚です。知事、今と同じ質問に、かぶってしまいますが、知事がですね、1年間給与を返納するということを表明されたことは、すなわち、1年間は少なくとも、職務を全うしたいという意思のあらわれだったと思います。なぜこのタイミングで辞意をですね、お考えになったのか、改めて、気持ちの変わり・・・、なぜ変わったのかということをお聞かせください。
 また、その理由の1つとして、百条委員会が知事の大切なスタッフが呼ばれる可能性もありました。そうした仲間を助ける、守るためにみずから辞意をお考えになったのかなど、お聞かせください。

【知事】都政をとにかく停滞させてはならないと、先ほど申し上げましたが、それはそれで、いろんな人たちが、職員が関わらざるを得ないわけでありますから、そういう気持ちが一番先に立ちまして、ですから、まずは給与の返納とか、そういうことを考えましたが、やはり、これ以上都政を停滞させてはいけないという気持ちが一番強いです。先ほど言いましたように、予算の時期であり、しかも、オリンピックの組織委員会、これを立ち上げなきゃいけない、2月にはですね。ですから、もし今、僕がここで辞めれば、選挙が1月中、まあ2月頭ぐらいになるかもしれませんが、全ては新しい知事に受け渡すことができますので、そこで組織委員会の人事も決められますから、そういう意味で、今、ギリギリ、ここで辞めるのが一番、都政を停滞させない一番のポイントだなというふうには思っております。そう思って決めました。

【記者】あと、先ほどから、チームニッポンの話があって、チームニッポンの話がたくさん出ておりますが、チームニッポンのメンバーには、もう既に話はされているのか。太田選手やですね、クリステルからの何かリアクションとか、何か言葉があったら教えてください。

【知事】チームニッポンでオリンピックが成功したわけですね。これは太田雄貴選手や滝川クリステルさんや、佐藤真海ちゃんや、いろんな人たち、それから、もちろん国会議員、都議会議員、それから政府の関係者、それから東京都の職員、あるいはJOCのメンバー、スポーツ関係者、皆さんが一つになってチームニッポンができて、オリンピックをかち取ることができた。だから、チームニッポンができたということの、この自信を日本人が、都民が持っていただければ、そして、それを引き継ぐ人がこの僕の代わりにですね、引き継ぐ人が、これから組織委員会を立ち上げてくれるというふうに思っておりますので、そこに期待していきたいと思っております。

【記者】共同通信の中井と申します。知事、政策をいろいろやってこられたとおっしゃっていて、実際就任されてから、電力改革であるとか、地下鉄一元化、時間市場の開拓など斬新な政策を打ち出されてこられて、やってらしたと思います。それに基づいて、都庁の職員の方々も、実現目指してやってこられたということだと思います。
 で、そういうことをですね、今、今日、職を辞されるということで、都庁に積み残していかれるということについてですね、どういうお気持ちでいらっしゃるかということと、あと、お辞めになると、これ、1年でお辞めになるということになるんですが、都政というのは70年という歴史がございまして、非常に重い知事の職責の中で、いろんな方が務めてこられたと思います。この70年の歴史の中で、猪瀬知事がお務めになられた1年というのは、これはどういう意味を持つ1年間であったと、都政であったとお感じになるのかという、2つ、教えてください。

【知事】今のご質問は、いろいろな改革の種をまいて、少し育ててきて、プロジェクトを幾つかやってきましたね。そして、それはそれで、僕はその芽は育っていくものだというふうに思います。それが最初の質問に対してですが。
 そして、2つ目の質問に対して申し上げますと、先ほどちょっと言ったんですけれども、やっぱり政治家が政治をやるということで、僕はそれはそれですばらしいことなんですが、政治のプロの世界でない人が、1年間都政を担って、まあ政策中心にやってきたということで、ある種の、いろんな意味での触媒効果みたいなものはあったのではないかなと。まあそれを特に、自分の中ではね、人にない発想とかいろんなもので仕事をしていたわけで。まあそれは作家的なセンスの問題でやっていたということになると思いますが。ただしそういう70年の都政の歴史の中で、1年間、そういう時代がちょっとあったなというふうに、ま、思っていただくということですね。
 あとは、また、きちっとした、政務がきちんとできる方、そういうプロの方、あるいは、とにかく、東京オリンピック・パラリンピックを何とか成功させるために、チームニッポンをつくっていってくれる方に、後は託したいなというふうに思っております。

【司会】これにて、猪瀬東京都知事の記者会見を終了したいと思います。本日はありがとうございました。

【知事】じゃ、どうもありがとうございました。

以上

(テキスト版文責 知事本局政策部政策課)