舛添前知事「知事の部屋」

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海外出張

平成28年6月22日更新

ベルリン市・ロンドン市出張の概要・成果

 友好都市提携20周年であるベルリン市を訪問し、ベルリン市長と両都市の一層の関係強化を図ることを目的として合意書を締結しました。また、ロンドン市を訪問し、2012年ロンドンオリンピック・パラリンピック大会の競技会場を視察するとともに、2020年東京大会の参考とするためロンドン市長と会談しました。あわせて、王立国際問題研究所(チャタムハウス)での講演や金融街シティでの金融関係者との意見交換を行いました。

出張概要

○期間 平成26年10月27日(月曜)〜11月2日(日曜)

○出張人数 20名

○総経費 69,759千円  ※出張者及び経費の詳細はこちら(PDF形式:55KB)

出張先での主な行動と成果

10月27日(月曜)

 舛添知事は、27日午前、羽田空港を出発し、現地時間で同日の午後に、ロンドン・ヒースロー空港に到着しました。

 夕方には、ロンドンオリンピック・パラリンピック大会開催時にオリンピック閣外担当相を務めたヒュー・ロバートソン元大臣、IOCのクレッグ・リーディ副会長とお会いし、ロンドン大会の経験から引き出された教訓を聞くことができました。

10月28日(火曜)

 午前、ロンドン市内のセントパンクラス駅から高速鉄道のオリンピックジャベリンに乗車し、オリンピックパークのあるストラトフォード・インターナショナル駅に向かいました。この列車は、日本の車両メーカーが初めて製作した欧州の高速鉄道車両です。知事は、担当者から同列車について、快適で時間も正確、ロンドン市民に大変喜ばれているという説明を受けました。
 下車後、ロンドンレガシー開発公社のニール・コールマン副会長とともに、駅に近接する世界最大規模のショッピングセンターであるウェストフィールド・ストラトフォードシティを視察しました。知事は、買い物も外国人にとって海外旅行の大きな楽しみの一つであり、集客やおもてなしという観点からも大変参考になったと述べました。

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オリンピックジャベリン

 その後、午前中は、オリンピックパーク内の視察を行いました。旧選手村のイースト・ビレッジや自転車競技の会場となったベロ・パーク、水泳競技の行われたアクアティクス・センター、旧プレスセンターのヒア・イースト、ハンドボールの会場となったカッパー・ボックスを視察しました。
 カッパー・ボックスでは、席が可動式であり、用途によって座席を取り外せるなどの説明を受け、大会後どのように利用するか事前によく検討されており、大変参考になったと述べました。

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ヒア・イーストカッパー・ボックス

 午後は、ロンドン大会を成功に導いた、ボリス・ジョンソン・ロンドン市長とお会いしました。市長からロンドン大会で得た教訓などについて伺い、また、大都市の運営等について意見交換し、今後、両都市で協力していくことを合意しました。会談後は、市長自らの案内により、オリンピックパークを視察しました。知事は、ロンドンはプラスのレガシーがたくさんあり、大変参考になったと述べました。

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ロンドン市長との面会

 その後、夕方にロンドン・ヒースロー空港を離れ、夜にベルリン・テーゲル空港に到着しました。

10月29日(水曜)

 午前、友好都市提携20周年となるベルリン市を訪問しました。ヴォーヴェライト・ベルリン市長と両都市に共通の課題について意見交換し、環境や都市づくり、文化等の分野で、更に都市間協力を進めるための合意書を締結しました。面会後、知事は、友好都市提携から20周年という契機で訪問することができ嬉しく思っている、文化交流などこれを機会に東京とベルリンの関係をより充実したものにしたいと述べました。また、今年は、ベルリンの壁崩壊から25周年となり、知事は、記念式典で夜空に向けて飛ばす光の風船にメッセージを寄せました。

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合意書の締結光の風船

 午後は、20周年記念行事として、ベルリン日独センターにおいて、「スマート・アンド・ソーシャル・シティ」と題して、都市づくりや環境に関するシンポジウムを両都市共催で開催しました。知事は市長と共に冒頭で基調講演を行い、都市づくり・環境施策を中心に東京のビジョンを紹介しました。

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スマート・アンド・ソーシャル・シティシンポジウム

 その後、スマートシティの実例として、ユーレフ(EUREF)キャンパスを視察し、地域内エネルギー循環システム、水素エネルギーの開発状況、電池自動車などの説明を受けました。スマートシティとは、エネルギーを効率的・効果的に生み出し、活用する都市のことです。視察後、知事は、循環型のエネルギー政策が成功した一つの例であり、東京都が水素社会を目指している取組と方向は同じであり、都が進める都市づくり・エネルギー政策を進めていくうえで大変参考になったと述べました。

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ユーレフ(EUREF)キャンパス

10月30日(木曜)

 午前、ベルリンからロンドンに戻り、午後から、ロンドン大会での会場計画見直しの実例として、バレーボールの会場となったアールズ・コートと、歴史的街並み等、都市の魅力を活かした会場設定の実例として、ビーチバレー会場となったホース・ガーズ・パレードとマラソンのスタート・ゴール地点のザ・マルを視察しました。また、このほかバドミントンや新体操の会場となったウエンブリー・アリーナやカヌー会場のリーバレー・ホワイトウォーター・センター等の状況について報告を受けました。

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ホース・ガーズ・パレードザ・マル

10月31日(金曜)

 午前、元ロンドンオリンピック・パラリンピック組織委員会CEOのポール・ダイトン卿と面会しました。東京大会開催までの限られた時間の中で、関係機関との調整や交通、セキュリティ等について、組織的に進めることが重要であることなど、ロンドン大会の経験談やそこから得られた教訓を直接伺うことができました。

 午後からは、伝統ある王立国際問題研究所(チャタムハウス)において、「2020年とその先のビジョン」と題して、講演を行いました。聴衆と活発な質疑応答を行い、未来に向けて力強く発展する東京の姿をアピールすることができました。

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王立国際問題研究所(チャタムハウス)での講演

 金融街シティでは、東京の「国際金融センター構想」について、専門家と活発な意見交換を行いました。知事は、今回得た知見も参考とし、東京をビジネスチャンスに溢れ、成功を掴める都市として発展させていきたいと述べました。

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金融街シティでの意見交換

 夕方には、今回のベルリン市・ロンドン市出張を振り返り、現地で記者会見を開きました。また、その後開催されたジャパン・ソサエティ主催の会合では、ロンドンを代表する知日家の方々と面会し、ビジネスチャンスにあふれる東京をテーマとしてスピーチし、大変有意義な時間となりました。

 知事は、翌11月1日(土曜)午後にロンドン・ヒースロー空港を離れ、11月2日(日曜)朝に成田空港に帰着しました。

 なお、知事の記者会見での発言要旨は次のとおりです。

  • ベルリン市とは友好都市提携20周年記念ということで、ヴォーヴェライト市長をはじめ、皆さん方と環境、都市づくり、文化などの分野での都市間協力を進めるということで合意し、市長と私の間で合意書を締結した。
  • 20周年記念行事として、都市づくりや環境に関するスマートシティに関するシンポジウムを開催し、私も市長と共に、冒頭で基調講演を行い、東京が今この問題で取り組んでいることについて発信することができた。
  • ユーレフ(EUREF)キャンパスを視察し、地域内のエネルギー循環システムや水素エネルギーの開発状況、電池自動車の開発状況に関して説明を受けた。
  • ロンドンでは、オリンピックレガシーの活用状況を視察した。ロンドン大会では、60年以上前の1948年の前回大会で使用された既存施設を有効活用するなどして、会場計画の見直しを行っていた。
  • 競技会場の建設にあたって最も重要なことは、既存施設を最大限活用したうえで、新設する場合はその施設が大会後も都民、国民の貴重な財産として有効活用されるのかをしっかりと検証することである。
  • 会場計画を作る時に、大会後のことをきちんと決めてやるということ、それこそがマイナス遺産を残さないことであり、今回のロンドンでの視察で、この点を再確認できたということは非常に心強く思った。
  • ロンドン東部の再開発ということで、このオリンピックパークの建設が都市問題の解決に役立ったが、同じ観点から、我々もこの東京の戦略的発展に2020年大会準備をつなげていかないといけない。その点では、行政の中に、民間の発想を活かさないといけない。
  • チャタムハウスでは、東京をどのように変えていくかについて講演し、質疑応答も行った。また、ザ・シティ金融街では、東京国際金融センター構想について専門家と意見交換することができた。
  • 今回ロンドンとベルリンで見聞した多くのことを活かして、世界一の都市東京という大きな目標に向かって、さらに政策を前に進めていきたい。