舛添前知事「知事の部屋」

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海外出張

平成28年6月20日更新

パリ市・ロンドン市出張の概要・成果

 友好都市であるパリ市を都知事として25年ぶりに訪問し、パリ市長と両都市の一層の関係強化を図ることを目的として合意書を締結しました。また、パリ・イル・ド・フランス地方商工会議所で講演を行い、より成熟した都市を目指し、進化を続ける東京のビジョンをアピールしました。
 ロンドン市では、ラグビーワールドカップの3位決定戦及び決勝戦、トラファルガー広場のファンゾーンを訪れ、2019年ラグビーワールドカップ日本大会及び2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の参考とするため、大規模スポーツ大会の運営状況等を視察しました。

出張概要

○期間 平成27年10月27日(火曜)〜11月2日(月曜)

○出張人数 20名

○総経費 50,419千円  ※出張者及び経費の詳細はこちら(PDF形式:81KB)

出張先での主な行動

10月27日(火曜)

 舛添知事は、27日午前、羽田空港を出発し、現地時間の同日午後、パリ・シャルルドゴール空港に到着しました。

10月28日(水曜)

 午前は、パリ市立プティ・パレ美術館や、水辺空間の再生事例であるセーヌ川左岸「レ・ベルジュ」、シェアサイクルの取組などを視察しました。セーヌ川を船上から視察した知事は、都の舟運活性化や賑わいづくりに向け、大変参考になったと述べました。

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プティ・パレ美術館を視察する知事

レ・ベルジュを視察する知事

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セーヌ川を船上から視察する知事

シェアサイクルを視察する知事

 その後、パリ市庁舎において、アンヌ・イダルゴ パリ市長と会談を行いました。会談に引き続き、知事と市長は環境、文化、スポーツ、都市づくり、観光の5分野で、都市間の協力を一層推進するため、合意書を締結しました。その後の共同記者会見において、知事は、ディーゼル車の規制に成功した秘訣や公共交通の整備などをパリ市長に説明したことを紹介し、今後、環境問題などで協力を進めたいと述べました。

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合意書に署名する両首長 共同記者会見の様子

 午後は、パリ郊外にあるフランス外務省の迎賓館ラ・セル・サンクルー城を訪れ、文化行事「日本週間」に出席しました。ファビウス フランス外務大臣の案内で日本庭園などを見学した知事は、日本文化とフランス文化がこういう場で接点を持つということは大変大きな意味があると述べました。

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文化行事「日本週間」で祝辞を述べる知事

日本文化の紹介イベントに参加する知事

10月29日(木曜)

 午前、知事は、フランス首相府を訪問し、ヴァルス首相と会談を行いました。知事は、まず、数日前にボルドー近郊で起こったバス事故に対し、哀悼の意を表したうえで、前日のパリ市長との会談・合意書締結等について報告しました。また、文化や経済などの分野で、今後、パリと東京、そしてフランスと日本の協力関係を強化していくことを確認しました。

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ヴァルス仏首相と握手を交わす知事

 その後、アル・サン・ピエール美術館を訪問し、既存の価値観にとらわれない、感性を前面に出して制作された作品、いわゆるアール・ブリュットを視察しました。知事は、東京にアール・ブリュットの拠点整備が必要であることを実感したと述べました。

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美術館長から説明を受ける知事

館内の美術作品を視察する知事

 午後は、マセ フランス外務省事務次官主催の懇談会に出席し、ポンピドゥーセンター、パレ・ド・トーキョーをはじめとする美術館等の館長などと、今後の協力について意見交換を行いました。

 また、夕方からは、パリ イル・ド・フランス地方商工会議所において、「未来の都市を創造する−東京のビジョンと私がフランスから学んだこと−」と題して講演を行うなど、より成熟した都市を目指し、進化を続ける東京のビジョンをアピールしました。

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パリ イル・ド・フランス地方商工会議所

講演を行う知事

10月30日(金曜)

 午前は、ユーロスターにて、パリ北駅から、ロンドン・セントパンクラス駅まで移動しました。

 ロンドンに到着した知事は、2019年ラグビーワールドカップ日本大会や開催都市の魅力などを発信しているジャパンパビリオンで行われたレセプションに出席しました。また、同パビリオン内の、12の開催都市が一体となって開催都市の魅力を紹介する「開催12都市エリア」と、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会に向け、世界一の都市へと進化する東京の姿を紹介する「TOKYO2020エリア」からなる展示ルームを視察しました。

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レセプションで挨拶する知事

パビリオン内の展示ルームを視察する知事

 その後、日英の交流促進団体であるジャパン・ソサエティ主催の講演会において、知事は「未来の都市を創造する−グローバルビジネスシティを目指して−」をテーマに講演を行い、2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会のレガシーと、グローバル・ビジネス・ハブとして進化を続ける東京の姿について発信しました。

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講演会場

講演を行う知事

 講演後、トラファルガー広場に移動し、大型スクリーンでラグビーワールドカップの試合映像や飲食等が楽しめるファンゾーンを視察しました。視察を終え、盛り上がりを肌で感じた知事は、ファンゾーンについて、会場周辺の交通渋滞対策などの検討は必要だが、東京でも人々が簡単に集まれて楽しめる場所を街中につくることが重要だと述べました。

 夜は、オリンピックスタジアムで行われたラグビーワールドカップ3位決定戦を視察するとともに、ラパセ ワールドラグビー会長をはじめとした大会関係者と大会運営について意見交換を行いました。

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3位決定戦の様子(オリンピックスタジアム)

10月31日(土曜)

 午前、知事は、元ロンドンオリンピック・パラリンピック組織委員会パラリンピック統括ディレクターのホームズ上院議員及び国際パラリンピック委員会のクレイバン会長と面会しました。知事は、子供達へのパラリンピック教育の実施などについてアドバイスを受け、今後具体的な取組を開始していきたいと述べました。

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ホームズ上院議員をお迎えする知事 ホームズ上院議員、クレイバン会長との面会

 午後は、2019年ラグビーワールドカップ日本大会及び2020年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の参考とするため、ラグビーワールドカップ決勝戦が行われるトゥイッケナム・スタジアムを訪れました。

 決勝戦の視察に先立ち、同スタジアム内において、ケンブリッジ公爵殿下と再会を果たすとともに、国際オリンピック委員会のバッハ会長をはじめとした要人と面会しました。また、ボリス・ジョンソン ロンドン市長とも、およそ2週間ぶり(※)に再会しました。

(※)ジョンソン ロンドン市長は、10月14日(水曜)に都庁を訪問し、東京都とロンドンとの友好都市関係樹立に係る共同宣言に署名しています。

 決勝戦の視察を終え、セキュリティや交通対策、観客へのおもてなしなど、大会運営の素晴らしさを目の当たりにした知事は、2019年、2020年と2年続けて大きなスポーツの大会を開催する都市の首長として、大変実り多い視察となったと述べました。

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決勝戦の様子(トゥイッケナム・スタジアム)

11月1日(日曜)

 午前、知事はJNTO(日本政府観光局)ロンドン事務所の三上所長から、ロンドンの観光施策や再開発の状況等について説明を受けました。

 その後、テムズ川の船着き場で、テムズ川沿岸における水辺空間の開発状況や舟運について説明を受けました。知事は、電車やバス等との乗り継ぎの利便性向上や多言語対応等、都の舟運活性化に向けて、様々な検討を進めていきたいと述べました。

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舟運等について説明を受ける知事 プレスからの取材を受ける知事

 続いて、知事は、旧火力発電所を活用した現代美術館「テート・モダン」を視察しました。

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美術館の構造について説明を受ける知事 展示作品について説明を受ける知事

 午後は、今回のパリ市・ロンドン市出張を振り返り、現地で記者会見を開きました。

 知事は、11月1日(日曜)夜にロンドン・ヒースロー空港を離れ、11月2日(月曜)午後に羽田空港に帰着しました。

 出張を終えた知事は、会見で以下のように述べました。

  • パリについては、都知事として25年ぶりの公式訪問であった。アンヌ・イダルゴ パリ市長と環境や都市づくり、文化、スポーツ、観光の5分野で都市間の協力を一層推進するため合意書を締結した。この合意書を契機に、東京とパリの絆を強くしていきたい。
  • アル・サン・ピエール美術館を視察し、東京に、既存の価値観にとらわれない、感性を前面に出して制作された作品、いわゆるアール・ブリュットの拠点整備が必要であることを実感した。今後、着実に進めていきたい。
  • 水辺空間を再生したセーヌ川左岸の様子や船上からの視察は、都の舟運活性化や賑わいづくりに向け、大変参考となった。
  • ヴァルス首相やファビウス外相にも再会し、東京とパリの協力関係が日本とフランスの絆の強化につながるとの評価をいただいた。
  • ロンドンでは、ラグビーワールドカップの3位決定戦と決勝戦、ファンゾーンの視察を通じ、大規模スポーツ大会の運営状況を学ぶとともに、大会の盛り上がりを肌で感じることができた。これを2019年ラグビーワールドカップ日本大会と、翌年のオリンピック・パラリンピックの成功につなげたい。
  • 決勝戦の会場で、ケンブリッジ公爵殿下と再会を果たすとともに、ボリス・ジョンソン ロンドン市長ともおよそ2週間ぶりに再会できた。さらに、ワールドラグビーのベルナール・ラパセ会長とも親しくお話しすることができた。
  • 2012年ロンドン大会でパラリンピック統括ディレクターを務められたホームズ上院議員及び国際パラリンピック委員会のクレイバン会長とも面会し、子供達へのパラリンピック教育の実施などについてアドバイスをいただいた。
  • テムズ川の舟運及び水辺空間の開発について説明を受けた。電車やバスなどとの乗り継ぎの利便性向上など、これからの舟運活性化に向けて、様々な検討を進めていきたい。
  • 今回の出張中には、両都市で講演を行い、東京の魅力と未来の姿を発信することができた。
  • 今般の欧州出張の成果を今後の都政運営に十分生かすとともに、引き続き都市外交を積極的に推進していきたい。

成果のまとめ

(1)パリ

〇パリ市長との面会

  • 環境、文化、スポーツ、都市づくり、観光の5分野で、都市間の協力を一層推進するための合意書を締結
  • ディーゼル車規制、公共交通の整備など東京の成功事例をパリ市長に説明
  • COP21の開催を目前に控え、コンパクト・オブ・メイヤーズへの参加を表明するとともに、気候変動問題に関して両都市が協力することを確認
  • (※)3月にパリ市長が東京都を訪問し、友好協力関係を強化するとともに都の取組を学んでもらう機会となった
  • (※)COP21期間中にパリ市が主催した「気候変動に関する首長サミット」等において、都の先駆的な気候変動対策について発信するほか、C40の取組に関し、両首長が主導的役割を果たすことを確認する機会となった

〇パリ市立美術館、アル・サン・ピエール美術館視察

  • 美術館視察、美術館長との意見交換などを通じ両都市の文化交流促進
  • アールブリュットの拠点形成に向けて知見を交換
  • (※)パリ市との間で、文化行事の共同企画の検討を開始
  • (※)アールブリュットの魅力を浸透させるため都立施設などを活用した展覧会等開催の検討を開始
  • (※)アールブリュット拠点の形成について、視察の成果を踏まえ、芸術文化評議会に設置した専門部会において検討を開始

〇ファビウス外務大臣との面会(文化行事「日本週間」出席)

  • 日本文化の紹介イベントに参加し、日本とフランスの文化交流に貢献

〇ヴァルス首相との面会

  • 文化や経済などの分野で、今後、パリと東京、フランスと日本の協力関係を強化していくことを確認

〇マセ事務次官との面会(著名な美術館館長が同席し、意見交換)

  • 東京とパリの美術館の協力関係等について意見交換

〇パリ・イルドフランス地方商工会議所講演

  • 「未来の都市を創造する−東京のビジョンと私がフランスから学んだこと」と題する講演を行い、より成熟した都市を目指し、進化を続ける東京のビジョンをフランスの経済人、有識者等にアピール

〇シェアサイクル視察

  • シェアサイクルの活用状況を把握し、今後の検討に関する知見を得た

〇新世代バス停視察

  • バス停を活用した民間事業者との連携による広告物設置に関する知見を得た

〇セーヌ川左岸、舟運視察

  • 都の舟運活性化や水辺の賑わいづくりへの知見を得た
  • (※)関係局、関係区などによる水辺空間活用(舟運)ワーキングの検討に活用

(2)ロンドン

〇ジャパンパビリオンのレセプション出席

〇パビリオン内において、12の開催都市の魅力を紹介する「開催都市エリア」及び2020年オリンピック・パラリンピック大会に向けて進化する東京の姿を紹介する「TOKYO2020エリア」からなる展示ルームを視察

〇ジャパン・ソサエティ講演

  • 「未来の都市を創造する−グローバルビジネスシティを目指して」と題する講演を行い、2020年東京大会のレガシーとグローバルビジネス・ハブとして進化を続ける東京の姿をイギリスの有識者等にアピール

〇ラグビーワールドカップ

  • 三位決定戦、決勝戦視察、ラグビー関係者との面会を通じ、案内、交通渋滞対策、セキュリティなど大規模スポーツイベントの運営状況を把握
  • ファンゾーンの設置により盛り上がる市内の様子を体験、運営状況を把握
  • (※)運営ノウハウを学んだことを受け、2019年ラグビーワールドカップに反映すべく案内、セキュリティなど関係局に検討を指示

〇パラリンピック関係者(元ロンドンパラリンピック統括ディレクターのホームズ上院議員、国際パラリンピック委員会クレイバン会長)との面会

  • パラリンピックの成功に向けた具体的な取組について意見交換
  • (※)ホームズ上院議員を東京に招きアドバイスを受ける予定

〇テムズ川、舟運視察

  • 都の舟運活性化や既存施設の活用についての知見を得た
  • (※)関係局、関係区などによる水辺空間活用(舟運)ワーキングの検討に活用

〇テートモダン美術館視察

  • 発電所を改造した美術館で、既存ストックを有効活用する手法を学んだ

(※)・・・訪問後、成果につながっているもの