結核の集団感染の発生について
平成28年5月17日
福祉保健局
都内日本語教育機関の学生が結核を発病し、その同居者と通学先の学生等が結核に集団感染する事例が発生しました。
近年、結核の集団感染報告数が増加傾向にあります。結核は過去の病気ではありません。平成26年には都内でも2,533人の方が、新たに結核患者となっています。
都民の皆さまにおいては、咳や痰などの症状が2週間以上続く場合など、結核が疑われる症状があれば、直ちに医療機関を受診するようお願いいたします。
1 初発患者の状況
- 20歳代男性(新宿区在住)
- 保健所が行った日本語教育機関健診にて、要精密となったことから、医療機関を受診し、平成27年11月に結核と診断され入院治療を開始。現在は治療を終え、回復している。初発患者は平成27年9月頃から咳症状があった。
2 接触者健診等の結果(平成28年5月16日現在)
管轄保健所 | 健診実施者数 | 結果 | |||
---|---|---|---|---|---|
発病者 | 感染者 | 計 | |||
初発患者 | 新宿区保健所 | ― | 1 | 0 | 1 |
同居者 | 新宿区保健所 | 6 | 3 | 2 | 5 |
学校関係者 | 新宿区保健所、池袋保健所、多摩立川保健所 | 122 | 5 | 29 | 34 |
アルバイト先 | 埼玉県川口保健所 | 18 | 1 | 3 | 4 |
計 | 146 | 10 | 34 | 44 |
※発病者9人は現在通院治療中であり、周囲に感染するおそれはない。
※感染者34人のうち28人は発病予防のため服薬治療中、6人は経過観察中。
※遺伝子検査の結果、初発患者と発病者1人の型が一致した。
3 感染拡大の主な要因
- 初発患者は咳、痰等の症状が続いていたが、未受診であった。
- 発病者は、初発患者と狭い空間での長時間の接触があった。
4 保健所及び都の対応
- 患者の居住地、学校の所在地及びアルバイト先の所在地を管轄する保健所が、接触者調査、健康診断、相談等を実施した。現在、内服加療中の者に対し服薬治療の支援を行うとともに、接触者について引き続き経過観察している。
- 都は状況把握、連絡調整など、関係区を支援。また、都内日本語教育機関に対し、結核の早期発見・早期診断を促す注意喚起を行った。
※参考 「結核について」(PDF形式:66KB)
※結核予防啓発資料「長引くせきは赤信号」(PDF形式:2.32MB)、「その咳、本当に風邪ですか?」(PDF形式:1.69MB)
問い合わせ先 福祉保健局健康安全部感染症対策課 電話 03-5320-4483 |
〔参考〕
都の結核の現状
結核患者数は減少傾向にあるものの、外国出生患者数が占める割合は全国に比べ、高い。
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