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平成28年(2016年)11月4日更新

小池知事「知事の部屋」/記者会見(平成28年11月4日)

知事記者会見
2016年11月4日(金曜)
14時00分~14時55分

知事冒頭発言

1 気候変動対策に関する国際的な動きと都の先進的な取組について

【知事】皆さん、こんにちは。それでは、今日の定例記者会見を始めます。今日は何点かご報告がございますので、そこから始めさせていただきます。
まず、今日から「パリ協定」が発効ということでございます。これは2020年以降の気候変動対策の新たな国際ルールでございまして、昨年暮れ、パリにおけます協定が結ばれて、そして、それが、各国が参加することによって、国の数、量、それぞれで協定。インドが参加することによって、このパリ協定が発効する条件を満たしたということであります。
ところが、日本は国会の手続の遅れもあって、批准が間に合わなかったということでございますけれども、私もずっと、この件、パリ協定そのものではございませんけれども、気候変動対策に関わってきた身といたしますれば、今回の締約国会議にも正式に参加できない状況というのは非常に残念だと、このように思っております。これまで気候変動対策というと、日本の省エネ技術であるとか、様々な制度などで、むしろ世界を引っ張ってきたのではないかと思いますけれども、しかし、残念ながら、こういう状況になって、この後、どうリカバリーするのか、この点がちょっと心配ではございます。
一方で、東京都といたしますれば、これはかなり先進的な試みを、これまで続けてまいりました。それは都内の業務であるとか産業部門の4割を占めますのが、この大規模なオフィスビル等でございますけれども、そこにおけますCO2の削減を義務付けるということで、これは当時、私も大変注目いたしました。「お、東京都、やるではないか」と思ったところでございまして、世界初の都市型のキャップ・アンド・トレード制度、これを6年前の平成22年度に開始をしたところでございます。それで、幾つか、その結果が上がってきておりますので、ご報告いたします。
平成26年度までの第一期では対象事業者が大変努力していただきまして、基準年度比の25パーセントマイナス、これを数量で示しますと、5年間で約1400万トン、この量の大幅なCO2の削減を実現したということでございます。1400万トンとはどれぐらいかといいますと、分かりやすく申し上げるならば、約130万世帯の5年分の排出量に匹敵ということでございます。ちなみに、クールビズを始めましたのも、結局、オフィス部門でのCO2の増加というのが、産業部門は採算の問題を注視しますので、いろいろな企業努力をするのですけれども、しかし、オフィス部門となりますと、これはなかなかぴんとこないというので、一番出遅れていたところで、そこに着目したのがクールビズでございます。
そして、この、今申し上げましたのは、年間のエネルギー使用量が原油換算で1500キロリットル以上の事業所を対象としたものでございまして、一言で言うと大規模ということになるわけです。それが、非常に努力をしていただいた結果、今申し上げましたように、非常に効果を出したということでございます。
対象事業所の省エネ対策への積極的な取組が見られ、全体のうち9割が、自らの対策によって削減義務を達成していただいております。残りの1割ですけれども、この1割は、他の事業所の削減量を調達してくるという、ここがまさしく排出量取引なのですけれども、キャップ・アンド・トレードなのですけれども、義務履行期限である今年の9月の末までに、全ての事業所で義務を履行していただいているわけでございます。
このように、それぞれの事業所によって、目標達成していただいたということについては敬意を表しますし、こうやって努力をしておられる企業については、むしろ株価でもって褒めてあげるとか、これを有価証券取引書などに、そういった項目を書き込むべきだとか、そういう議論もあるのですけれども、やはりしっかりやっていただいているところは、何らかの形を考えた方がいいのではないかと、これはオールジャパンとしてです。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)
それから一方で、大規模に比べまして、省エネの進みにくいのが中小規模の事業所でございますけれど、この新宿にも、たくさん中小のテナントビルがありますけれども、それに対する省エネ支援策として、表計算ソフトを使いました「省エネ改修効果診断ツール」の提供を、今日から環境局のホームページで始めます。これはどういうことかといいますと、例えば、中小の事業所でもって照明をLEDに替えますと。LEDに何個替えますということを記入していただきますと、自分で体力診断というか、それができるというものでございまして、例えば、導入したい設備のデータを入力しますと、省エネ効果が簡単にシミュレーションできるというものでございます。
また一方で、東京都といたしまして大変野心的な目標を持っております。それは、2030年に2000年比30%の温室効果ガスの削減を目標としているということでございまして、これはもうはっきり言って、とても野心的であります。そして、既に第二期が始まっているわけでございまして、先ほどご紹介したようなキャップ・アンド・トレード制度、それから中小規模の事業所への支援策など、あらゆる方策、総合的な施策を推進して、都内のCO2の削減を図っていきたいと存じます。
そして、これも環境に関してのお知らせ、ご報告でございますけれども、今回、私は東京都知事として、世界の80以上の都市が連携して気候変動対策に取り組むC40というのがありますけれども、C40の運営委員に選出されたところでございます。これはどの市とか、どの県とか、どの都とかということではなくて、そこのポストではなくて、前は舛添さんがやっていらしたのですけれども、その部分、舛添さんがおられませんので、今度、私がまた新たに立候補する形でエントリーいたしましたところ、当選というか、認めていただいたということでございます。
このC40の運営委員会というのがあるのですけれども、例えば、ロンドンの市長、リオデジャネイロの市長など、世界の13の都市の首長から成っておりまして、こちらがC40の意思決定機関というわけでございます。
これから、このC40の運営委員としても、都がこれまで培ってまいりました気候変動対策、これらの経験であるとか、制度、システム、これらを世界の大都市と共有していくということで、地球規模の環境問題の解決に向けて、東京都としてのリーダーシップを発揮していきたいと、このように考えております。
この環境対策は、特に先ほど申し上げましたように、オフィスビルなどにそういった削減義務をつけたというのは、これは本当に画期的な話だったのです。このC40は、ほとんどが大都市の集まりでございますので、この東京の経験を運営委員会として共有していくということだけでも、大都市の中での知恵を共有することによって、今の気候変動対策、これを大きなうねりにつなげることもできる。そのためにしっかり発信をしていきたいと、このように考えております。
詳細のほうは、環境局にお尋ねいただければと存じます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

2 「東京都多摩若年性認知症総合支援センター」の開設について

【知事】次に、突然、話変わりまして、認知症のお話でございます。都内で2か所目となります「若年性認知症総合支援センター」を多摩地域に開設をするというお知らせでございます。
若年性の認知症といいますのは、65歳未満が対象になるかと思います。働き盛りの世代であり、そのときからもう発症してしまうということは、すなわちご本人は当然でありますけれども、ご家族にとりましても大変な大きな事態でございます。医療、介護に関わることだけでなくて、仕事が続けられないとか、それによって経済的な不安を抱えるなどといった、多岐にわたる生活上の課題を抱えることになるわけでございます。
そして、若年性認知症総合支援センターでございますけれども、様々な相談、それから専門のコーディネーターがワンストップで受け付けをするというところでございまして、電話相談、面接、そして訪問、このような支援、それから、地域の関係機関との連携などによりまして、それぞれの状況に応じた個別の支援を実施することとなります。
2か所目と申しましたのは、平成24年度から目黒区内にこのセンターを設置したところで、相談等を行って参りました。今回は2か所目、多摩地域は日野市内でございます。「東京都多摩若年性認知症総合支援センター」を開設いたしまして、今月10日(木曜日)から相談を開始することとなっております。これによって、多摩地域の方々で、若年性の認知症に関してご相談になりたい方は、利便性が高まるということかと思います。
詳細の方は、福祉保健局にお尋ねいただければと存じます。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

3 ボランティア活動の気運醸成に向けた取組について

【知事】それから、また、話はがらりと変わりまして、ボランティア活動に関するキャンペーンでございます。
東京都では、2020年のオリンピック・パラリンピック競技大会を契機といたしまして、ボランティア文化の定着を図って、都民がお互いに支え合う共助社会をつくっていこうということで進めているところでございますけれども、特にボランティアの文化の定着には、10代や20代の若い方々にできるだけ早いうちからボランティアに親しんでもらうということは大切でございます。いや、既に、東日本の大震災、熊本、古くはといいましょうか、1995年の阪神大震災のときも、あの辺からボランティアであるとかNPOとかそういった活動が日本に少しずつ定着して、今はかなり定着してはきていると思いますけれども、さらに若者の皆様方に、このボランティア活動により積極的に参加していただこうということで、「ちょいボラ」、このネーミングについてどうかは議論のあるところかもしれませんけれど、「ちょっとでもいいからボランティアをやってみましょうよ」ということで、ちょいボラということで、この動画を制作いたしました。
「みちょぱ」さん、モデルさんで、とても人気があるという、池田美優さんにご出演いただいております。そして、11月23日(水曜日)、祝日でありますけれども、代々木公園の野外ステージで、イベントも行いますので、若い方々も、できれば皆さんも是非ご参加いただければと思います。
このイベントでありますけれども、イベント参加者とみちょぱさんが一緒に公園周辺でごみ拾いを行うということで、トークショーであるとか、ボランティア団体のブース展示なども行うところでございます。
動画でありますけれども、来週11月7日(月曜日)からTwitterなどのSNSで配信をすることとなっております。また、東京メトロの車内ビジョンでも放映をいたします。それから、渋谷駅前の街頭ビジョンで放映する、渋谷駅周辺にポスターを張りまくるということで、集中的な広報を行っていく予定でございます。
担当は生活文化局でございますので、どうぞお問い合わせの方、いただきたいと思います。
(報道発表資料は、こちらをご覧ください。)

4 豊洲市場について

【知事】最後に、私からの報告といたしましては、重要なテーマであります豊洲に関してでございます。
豊洲市場の移転につきましては、延期をいたしましたが、もともとは11月7日が開場予定日であったわけでございます。その開場予定を前にいたしまして、改めて、この豊洲移転、市場の問題について、問題点を整理させていただき、これからどのような点を踏まえる必要があるのか、これは、行政上の手続の観点、これを中心といたしまして、皆様方とともに整理をさせていただきたいと思います。
豊洲市場の移転につきましては、まず安全性を検証するということ、それから、今後必要となる手続など、四つのステップがあると考えておりまして、大まかな工程表、ロードマップを作成いたしたところでございます。
まず、ステップ1、これは現在行っております「安全性等の検証」でございます。ステップ2、こちらは「環境アセスメント」でございますが、この二つのステップを経まして、「総合的な観点から移転するかどうかの判断」を行うという流れになります。その後、ステップ3としまして、必要に応じて追加対策の工事を実施して、最後が「農林水産大臣への認可手続」ということで、全部で4段階にわたるということになります。
この四つの期間を通じまして、(1)市場業者への支援・補償、(2)維持費の削減、(3)重要な環状2号線の代替措置、それから、(4)築地の補修といったような、主な課題とすれば、この四つであろうかと思います。
まず、ステップ1でございますけれども、「安全性等の検証」につきましては、ご承知のように、専門家会議の座長、平田先生のこの会議でありますけれども、土壌の安全性の問題を中心として、科学的な知見に基づいた検証を行っていただいているところでございます。また、再開いたしました、この専門家会議につきましては、近々、また会議が開かれるということで、皆様方には別途お知らせすることになろうと思います。まず、専門家会議。
もう一つ、市場問題PTでございます。プロジェクトチームでございますが、ここは小島顧問をトップにいたしておりまして、建物の安全性、施設の機能・安全性、事業継続性、土壌安全性のセカンドオピニオンということで、それぞれ調査、検討をお進めいただいているところでございます。
この市場事業の継続性についての検証なども必要かと思いますけれども、これらPTの検証作業につきましては、インターネット中継で全国に発信をするということで、こちらの方も情報公開をしっかり進めてまいります。
次に、ステップ2でありますが、「環境アセスメント」。これは、専門家会議と市場問題プロジェクトチームの検証を踏まえました上で、その結果と対策をセットで環境局に変更届を提出する必要があるわけでございます。その環境の影響がどれくらいかによって、道が分かれるといいましょうか、まず、環境影響が軽微の場合でありますけれども、このときは、環境影響評価審議会に報告をいたしまして、変更届の手続はそれによって終了することになりますが、大体1、2か月の作業となろうかと見られます。逆に、環境に著しい影響を及ぼすおそれがある、そのような結果が出ましたときに、今度は環境局が同じく審議会に意見を求めるということになります。つまり、報告だけで済むのか、それとも意見を求めるという、その段階が違ってくるということであります。
そこで審議会がもう一度、アセスやり直しと、再アセスの必要がありと、このようにした場合には、アセスのやり直しということになりまして、この場合は15か月、およそでありますけれども、15か月かかることになるということでございます。移転延期はかなり長期にわたるということとなります。アセスの手続を行いまして、必要な対策を講じて安全性が確保されるという結論が得られました、その段階で、総合的な観点から移転するかどうかの判断が行われるわけでございます。これがステップ2であります。
そして、最終的には、必要な追加対策工事の実施、これはそれぞれ市場PT、それから、専門家会議、それぞれこうすることによって問題点の、もしくは課題の解決につながるといったような様々な意見が出てくるかと思いますけれども、それで必要な工事があるのならば、それを実施する。そして、都として、安全性の確保と業務の適正、かつ健全な運営の確保ができるのかということを確認した上で次の最終的なステップ4、「農林水産大臣への認可手続」へと進む。これは、これまでの流れと基本的には同じ、これは、行政の手続の話でありますから、改めて申し上げて、確認をしているわけでありますけれども、このようにして、これからの流れは、再アセスが必要なのか、否かといったところで分かれてくる。これはそれぞれ検証してみないと、現時点でどうこうと言えるものではないと思います。
8月31日に豊洲移転の延期を決断したわけでございますけれども、そのときに、三つの疑問点を私は挙げさせていただいたことを覚えていらっしゃるかと思います。(1)安全性への懸念、それから、(2)巨額かつ不透明な費用の増加、(3)情報公開の不足が解消されていないということ、この三つを挙げさせていただいたわけでございますけれども、今ご説明いたしました四つのステップを確実にクリアしていけば、これらの疑問も解消されるものと考えております。食の安心・安全が確保されて、そして、また都民に信頼される市場を目指すためにも、この四つのステップを着実に進めてまいりたいと存じます。
一方で、大変重要な点がございますが、これは市場関係者に対しましての補償のスキームでございます。豊洲市場への移転の延期に伴いまして、市場業者の皆様方は、大変ご苦労されておられます。そして、導入が済んでしまった設備のリース料の支払いであるとか、様々な契約の内容が変更していると、それによって、違約金などが発生しているわけでございます。その影響によって、大変資金繰りに困っておられるといった方々、様々なご不安を抱きながら、将来どうなるのかと大変気をもんでおられるということは重々承知をしているところでございます。そこで、こうした状況に的確に対応するために、客観的で公正な補償の実施を進めなければなりません。そこで、補償スキームの検討を行います補償検討委員会を今月中旬にも立ち上げてまいります。そのメンバーでありますけれども、弁護士、公認会計士、中小企業診断士と、そして、都によって構成することといたします。そして、座長には元公益財団法人日本仲裁人協会理事の鈴木五十三弁護士にお願いすることといたします。そこで、市場業者の皆様方の声にしっかりと耳を傾け、外部専門家の意見も聞きながら、補償のスキームを固めて、そして、早急に取り組んでいきたいと、このように考えております。
それから、もう1点、お伝えしておきたいのですが、三つ目の課題が、これが11月7日の開場を延期する、それによって、費用の発生が当時、その頃、1日700万円という数字が独り歩きしていたかと思いますけれども、改めてそのこれからの維持管理の経費、ざっくりなのですけれども、取り急ぎ皆様方には大体こういう数字ということで、この場でお伝えしておこうと思います。豊洲市場の維持管理経費が、1日当たりについて700万円で高いではないかと、延期するのは税金の無駄遣いだとか、ご批判があったわけでございます。しかし、そもそもあの土地にどれぐらいの土壌汚染対策費をかけたのかを考えると、そもそも論からいろいろと精査していかなければならないのですが、700万円というのが割と分かりやすい数字のために、独り歩きしたものと考えられます。そこで、きちんとその数字を精査するようにということで、事務方には指示をしていたところでございます。その維持管理の経費でありますけれど、その中身は、警備、設備保守などの委託料、それから、光熱水費ということでございまして、これを足したものでございます。警備などの経費は、この間、豊洲市場は開場しないわけですから、そこにもともと考えられていた警備の要員を、誰もいないところに置くことは非常に矛盾しているわけでございまして、そういった点をまずチェックをいたしました。これらの見直しによって、約200万円が削減されることになり、最初700万円と言っていた数字が、1日当たり約500万円ということになるわけでございます。さらに、この数字については、そのほか削れるところはどれぐらいあるのかというところで見直しの検討、これを指示したところでありまして、これらの維持管理経費の削減には努めてまいりたいと進めているところでございます。
では、今、開場しないので、こういう維持費が毎日かかるわけですけれども、逆に、開場したら幾らかかるのですかという話になるわけです。警備の要員はたくさん要ります。そして、電気、ガス等々はこれから、移設後はフル稼働することになるわけなのですが、では、幾らなのだということで、これもおおよその額ではじいてみました。そこによりますと、概算の額でありますけれども、当然大幅に増額になるわけでございますし、それから、中央監視システム、この保守点検委託などが、これは新たに加わりますので、大体1日当たりのランニングコストは2100万円になろうかということでございます。では、これだけかかるのだねというので、それで終わりにするのではなくて、私は、ずっとステップ4まで進んで、豊洲に移転することができたとしても、こういった経費というのは、どのみちかかってくることになるというのをただただ、そうですかと言っていないで、こういった経費についてもしっかりとチェックを入れて、ずっとワイズスペンディングということを申し上げております。かつ、この市場のビジネスモデルをそれこそ持続可能なものにしていくというためには、これまでのような、言ってみれば、どんぶり勘定ではなくて、ここはいろいろとチェックをしながら、市場が持続可能な市場であり続けるためにいろいろな工夫を改めてすべきだと考えております。それによって、市場業者の皆様にはご迷惑をおかけしないように万全の対策をしてまいりたいと考えております。

質疑応答

【記者】幹事社、時事通信の吉本です。よろしくお願いします。今ご説明いただいた豊洲の問題で、今月中旬に補償の問題に関する検討委員会を設置されるということなのですが、いろいろ補償する上で予算措置が必要なものも出てくるかと思うのですが、いつぐらいまでに結論を出すというご予定なのか教えてください。

【知事】まず、委員会を立ち上げるわけでございますから、皆様方からまず伺って、どのようなご要望があって、実際どのような請求書が来ていて、どれぐらいかかってということを精査しなければならないと思います。もちろん業者の数も大変多い。そういう中で、先ほど申し上げました先生方にご労苦をかけて進めていきたいと思います。
それから、支払いなどはこれから順次発生していくものでありますから、そういった点も考慮していかなければならないということは理解しております。

【記者】今のところ、具体的な結論のめどというのは。

【知事】11月中旬からスタートいたしますので、作業の手順であるとか、そういったことも皆様方にお集まりいただいた上で決めることになるかと思います。

【記者】あと、今月で知事が3か月、就任から迎えられたわけですけれども、確か1か月目を迎えられたときに、最初の100日でいろいろ種をまいて、走り続けるといったような、勝負の時期と位置付けられていたわけなのですが、改めて振り返られて、ご自身で、この3か月の評価についてお伺いしたいのですけれど。

【知事】評価は都民の皆様方にしていただくものだと思いますが、私自身が申し上げるならば、100日、ほぼ済んだということ、この100日間は怒濤のような100日でございました。国会からこの都政の方に舞台を移しましたけれども、国会でこれまで積み上げてきたことがいろいろな分野で生かされる可能性は大だなと。これまでの経験、微力ですけれども、重ねてきたことを、今度はこの東京都において、しっかりと花開かせたいと思っております。
ただ、これまでの東京都が、何ていうのでしょうか、全く違う切り口で、私は、取り組んでおります。よって、都庁の職員も戸惑うことも多かったでしょう。議会の皆様方にも、どうなるのかと心配もかけたことでありましょう。しかし、これは東京大改革の基盤中の基盤でございますので、この100日間をベースにしながら、そしてまた、問題点、課題を挙げるという点では、まだ十分ではありませんけれど、まだ課題はたくさんあると思っておりますけれども、その一番急ぐ部分については、課題のあぶり出しということについては、既に行われているかと思います。
100日を過ぎましたら、今度はあぶり出しから答えを出していくという段階だと思います。ご承知のように、オリンピック・パラリンピックのIOCを含んだ4者協議というのは今月末に開かれ、日程についてはまだファイナル、最終的には聞いておりませんが、ここで一定の方向が出る、もしくは出さないといけないということ。それから、豊洲については、今日は工程についてお話をいたしましたけれども、これが2種類に分かれて、環境アセスを、どう受けとめるかによって、かかる日数が変わってくるわけでございます。そしてまた、環状2号線についても代替案ということを詰めつつあります。
そういったことで、大きな課題、それもタイムリミットのあるものについては、この課題を出し、それに対しての道筋ができつつある。特にオリンピックについては、今回、東京都、そして調査チームとIOCが直接、ある意味、同じ舞台で、直接会話、対話ができたと。直接共通の言語が持てたと。英語だから云々ではなくて、同じ考えを共有できたということが、お互いに理解できたのではないかと思っておりまして、私はこれについては大変、今回のテクニカルワーキンググループの精力的な審議、また会議については大変敬意を表したいと思っております。
わずか100日でありますけれども、何か10年分のエネルギーを使ってやってきたかなと思いますけれども、まだアクセルはずっと吹かしっ放しで、ただし、CO2はあまり出さずにやっていきたいと思っております。

【記者】読売新聞の波多江と申します。築地の移転の関係なのですけれども、業者が一番知りたいのは、いつ頃移転できるのかという具体的な日程のところだと思うのですけれども、今発表いただいたように、ステップ2については大体期間というのが分かったのですけれども、問題となっているステップ1の段階、専門家会議やら市場PTの終わるめどなのですけれども、それについて、知事として、いつ頃までに終わらせてほしいというのをそれぞれの座長なりに伝えているのか、また、知事としては、いつ頃までに終わらせてほしいと思っているのかについて教えてください。

【知事】いつ頃までに済ませたいかというのは、やはりこれは安全性の確保のためには、モニタリングなどの数値ということを重視してきたのは、皆さんご承知のとおりであります。よって、ここは予断を持たずに専門家会議、そしてプロジェクトチームの皆様方のまず判断ということをベースにして考えたいと思っております。もちろん業者の方々、今回は、むしろ年末年始の一番忙しいときが、年を越すということが今回は明確でありますので、では、来年はどうなのだという話になろうかと思います。そういったことを考えると、結論については、確実な結論、確実な判断材料、これを、平田先生やプロジェクトチームの皆様方にはお願いをしたいと思っております。業界、業者の方々のお気持ちは十分理解しつつ、一歩一歩進めていきたいと思っております。
一方で、ご不安のところについては、先ほど申し上げましたように、補償のスキームを作っていくということで、その点ではご安心いただけるように対応していきたいと思います。

【記者】「ゴゴスマ」の奥平と申します。よろしくお願いします。今回の豊洲市場への移転の延期に伴う補償の検討ということなのですが、例えばモニタリング結果によっては、豊洲でなかった場合、築地継続も含めた、そういったシミュレーションというのは、同時に今実施されている、検討されているという理解でよろしいのでしょうか。

【知事】ごめんなさい。もう1回お願いします。

【記者】はい。もし豊洲でなかった場合、モニタリング結果なども含めまして、例えば築地市場を含めた、要は再検討みたいなところはシミュレーションなり、コストの計算などはされていらっしゃるのでしょうか。

【知事】築地につきましては、ご承知のように、老朽化している等々のこともあり、豊洲移転というのにつながっているわけでありますけれども、築地につきましては、今まさに、そこの市場は動いているわけでありますから、その意味で、それでも使い勝手の部分など、それから環境面など、補修などが必要なところは、これについては先ほど申し上げたように、取り組むということでございます。今は判断材料である豊洲の様々な数値等が出てくる、もしくは安全性の確認等を待っているところでございますので、今、築地に対しましては、そういった補修・改修へのサポートをする、それに尽きるということであります。

【記者】幹事社さんから先ほど話があったのですけれど、ここ3か月の自己採点、もし100点満点とすれば何点か、教えていただけませんでしょうか。

【知事】評価していただくのは都民の皆様なので。

【記者】自己というのも難しいですか。

【知事】はい。

【記者】はい、ありがとうございます。

【記者】ニコニコ動画の七尾と申します。よろしくお願いします。東京オリンピック・パラリンピックなのですが、上山信一特別顧問が先日の会見で、東京五輪の総予算を組織委員会と都で管理する、共同CFO体制の確立について提言されたと思います。まさに、先ほど知事からお話がありました、ここも重要な共通言語だと思うのですけれども、知事はこの上山さんの提言をどう受け止めていらっしゃるのか、評価されるとすれば、具体的に組織委員会に働き掛けはされるお考えはあるのでしょうか。

【知事】上山さんはいつも明言される方で、時にそれが全体を引っ張っていく、そんなパワーをお持ちの方だと、このように思っております。そして、調整会議云々で、調整会議?組織委員会?

【記者】組織委員会と都で管理する共同CFO。

【知事】基本的に、上山さんはガバナンスの問題であるとか、それからCEOもCFOもいないといって、またこれは、辛辣な言葉をかけておられましたけれども、調整会議にいないということを言っておられて、組織委員会にいないとはおっしゃってないのですね。私はもう、調整会議の役目は終えたのではないかと思います。国内の関係者が集まっているよりも、IOCという本体が来ているわけですから、ここと一緒になってやるということが、私は一番手っとり早いし、現場の、いや、IOCのIF担当者にそれぞれの会場を見てもらうというのが一番、もしくは検討してもらうというのが一番早い話でございまして、全て組織委員会と通じて、そして、伝言で聞くというのではなくて、直接つながっていることはこのスピード化につながるのだろうと思うし。それから、IOCのオリンピック・パラリンピックそのものを持続可能にしていくという大きなIOCとしての役割を考えるならば、東京都と考え方はかなり一致するところがあると思います。
私自身、国際水泳連盟の会長にこちらでお目にかかった際に、あそこで皆さんも音を拾っておられたと思いますけれども、これまで2万席ではないとだめだと言っていると。いや、これは決まったことなのだと私も聞かされてきて、それによる設計図の話しか聞いてなかったのです。ところが、本当にというか、その競技のトップに聞くと、いや、1万5000席でいいとあっさり言われまして、かつ、設計家もちゃんとこちらの方にいるから、そことうまく話してくれればいいのだよと言って、あっけなく2万席の根拠が崩れたわけです。
要は、あまり忖度せずに、東京都としてこういうことを考えているのだと。そして、今回は、IOCのご要請もあり、幾つかの複数案で提示をさせていただいて、そこでネゴというか、お互いベストな解決策を見出していこうという流れがあるので。だから、その共同云々かんぬんはもう超えているのではないかと思います。そして、それぞれでもうやり取りもし、かつ、時には私自身もIOCのそれぞれの方と連絡も取り。ですから、そういった意味では、私はいい流れになってきているのではないかなと、こう思っております。

【記者】NHKの小嶋です。今の発言、ちょっと確認をしたいのですけれども、今後、今回4者というのを月末にされるということで、そうしますと、今後の東京大会の管理については、知事としては、できれば都とIOCと直接できるような場を設けていきたいという、これまでは組織委員会を通じてというやり方をしていたと思いますし、この前の都議会でも自民党の都議から組織委員会を通じてやっているのではないかという質問も出ていましたけれども、このスキームを少し変えていきたいという理解でよろしいのでしょうか。

【知事】いえ、スキームはそのままあると思います。しかし、コミュニケーションの密度がぐんと高まっているということによって、リアルに前に進んでいるという状況は好ましいということを申し上げたわけで、どのオリンピックでも、パラリンピックでも、必ず組織委員会が存在します。ですから、それは組織委員会の役目を果たしていただきたいし、組織委員会というのは、その役目とすれば全体像を考えてコンセプトを出したり、それから、いつまでに何をというのをお決めいただいたり、東京都がこれまで引き延ばしたのだといってお叱りを受けるかもしれませんけれども、東京都にも都合があるわけでございます。そういった意味で、組織委員会がよりしっかり、これからも活動していただくことは望ましいと思っております。

【記者】朝日新聞の記者で、上沢と申します。問題がいろいろ山積している中で恐縮なのですけれども、都有地の信託事業についてお伺いしたいと思います。東京都が、20年よりもっと前から、巨額の配当をもらえるとして始めた事業なのですけれども、配当が著しく低迷していまして、2か所の都有地では年間配当がそれぞれ500万円ずつというような状況になっています。その一方で、都有地の4か所では、ビルの管理会社が1社ずつ設立されて、歴代の社長だけで、延べ30人の東京都の幹部が天下りをしている状況です。東京都がそういったビルに、家賃等を幾ら支払っているのかという実態もきちんと公表されていません。事業収支や天下りの実態を、都民にきちんと情報公開をされた上で、このような天下りを見直すべきではないかと考えるのですけれども、ご見解をお願いできればと思います。

【知事】今ご指摘の点は、これは1日の貴紙の紙面で掲載されていたかと思いますが、記事を読ませていただいたときも、何か、バブルの名残がまだあるなというのをつくづく感じたところでございます。そして、一つずつ見ていかなければならないと思いますけれども、予想どおりの配当金、配当が受けられなかったというのも、これもバブルの後遺症なのだろうと思います。一つずつ物件の借入金などもチェックをして、完済されているとは聞いておりますけれども、ご指摘の件については、どのようにして都の効率的な、何ていうのでしょうか、事業運営が本当に行われているのかどうか、これもチェックしてまいりたいと思いますし、また、担当者からはそれぞれの事業ともに5年ごとに見直しを継続しているということでありますけれど、改めてその点を私の方もヒアリングをして、どのように対処すべきなのか判断していきたいと思っております。
ごめんなさい、これでラストにさせていただいて。申し訳ありません。

【記者】インターネットニュースメディア「THE PAGE」の具志堅です。ちょっとテーマがまた外れるのですけれど、無電柱化について改めてお聞きしたいのですが、すみません、本は読みました。その上で、難しい点がよく分かったのですけれども、改めて調べてみると、やはり都には既に、無電柱化の計画というのはもうあると思うのです。あえて盛り込まれたというのは、都の計画に対してさらに上積みして何かをやろうというお考えがあるのかということをお聞きしたいのと、また、改めて本を読んで確認したのですけれども、やはり難しいところというのは、各道路管理者が異なるということで、都なら都道、市町村なら市道ということで、非常にその部分が、横割りになって難しい部分があると思います。特に住宅地については私道ということで、もうディベロッパーに任すしかないという現状もあろうかと思います。そういった部分も含めて、今後、無電柱化をどのように進めていくのかというのをお聞かせ願えますでしょか。

【知事】ご質問誠にありがとうございます。実は私、議員時代の置き土産が今回、法律案となって提出されようとしております。無電柱化推進法案という形で、これを私の後、小委員長を遠藤利明さんにお願いしているのですけれども、各党に今、根回しを終えて、そして今国会にもということです。そして、その議員立法の中身は幾つかありますけれども、例えばコストの縮減とか、意識改革であるとか、みんな全然気にしていないですから、それからあと、11月10日。あ、もうすぐだ。無電柱化の日にしましょうとか、1がたくさん並んで、あとはゼロになるというちょっとしたあれなのですけれども、11月10日を無電柱化の日。
そういう中で一番のポイントは、これは、国道、都道府県道、それから区市町村道ということで、おっしゃるように、カーペットの縦糸と横糸のようにつながっているのが道路でございます。国道の方はかなり進みました。都道の方も、ぼちぼちですけれども、遅々として進んでいます。そしてあと、一番残っているのが区市町村道ということで、ちょっと脇道に入れば、にょきにょき立っているという現状。
ここを調整していくという1項目が入っているのです。だから、縦割り、横割りではなくて、全体として進めるために、それぞれ国と、それから都道府県と、それから区市町村と、さらには事業者と、それぞれが連携をして進めるように計画を立てるというのが、そこの議員立法の項目に入っております。
今度、この都の方でも、都道と、それから区市町村道との連携をうまく進めるということも盛り込んだ形で、今は何かシステムとしてできないかを考えているところでございます。
予定の、これから無電柱化を進めるに当たって、どれぐらいの延長、キロを進めるかというような、これまでいろいろな計画を立て、予算をつけて参りましたが、当面、コスト的に、何ていうのでしょうか、劇的に下がるというものにはまだいっておりませんけれども、いわゆる技術革新によって電力線と通信線を一緒に埋めてもオーケー、ただし、パイプに入れた形がいいのかどうか、今そういった技術論も話をしております。それによって、かなり、それから深く埋めなくても、浅くでも安全ですという形のことが既に実証されている。であるならば、深く掘るのと、浅い部分でも大丈夫だというのではコストが違います。人件費が違います。期間が違います。そういうことを今進めながら、まずは予算が決められたならば、コストを縮減すること、工期を縮減することによって、例えば何十キロメートルという予定が、それが倍に伸びることだってあるわけです。
そういったことで、今は仕込みの段階だとは思いますが、2020年のオリンピック・パラリンピックに向けて、センター・コア・エリア、オリンピック・パラリンピックの会場はもとより、センター・コアの地域をできるだけ無電柱化していくという、その計画ができるだけスピーディーに進むように、次の予算にもしっかり盛り込んでいきたいと思っております。
むしろ、来年度の予算については、お金の額もさることながら、全体の意識を変えるとか、コストの縮減の方に時間が少々かかりますので、本格的になるのはもう次の次、次の年度予算かなという見立てをしております。いずれにせよ、首都の名に恥じないような道、そしてまちづくりを進めたいと思っております。
以上です。ありがとうございました。

(テキスト版文責 政策企画局調整部政策課)

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