ここから本文です。

報道発表資料  2021年11月10日  労働委員会事務局

K事件命令書交付について

当委員会は、本日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF:262KB))。

1 当事者

  • 申立人
    X1(組合)
  • 被申立人
    Y1(会社)

2 争点

  1. X2、X2の下請業者(会社から見た孫請業者であり、以下「X2の孫請業者」という。)、X3及びその子並びにX4が、会社との関係で、労組法上の労働者といえるか否か。
  2. 労組法上の労働者といえる場合、会社が、1)27年8月の店舗閉鎖後、2)28年10月18日の団体交渉申入れの後、3)29年9月13日の第1回労使協議の後、4)30年2月14日の労働基準監督署への申告の後、5)30年4月20日及び5月26日のストライキの後、6)会社の31年2月26日付「ご連絡」交付の後に、組合員であるX2及びX2の孫請業者並びにX3親子に発注する業務量を減少させたことが、同人らの組合活動を理由とした不利益取扱い及び支配介入に当たるか否か。
  3. 組合が29年7月13日付け、9月11日付け及び30年2月7日付けで行った団体交渉の申入れに対する会社の対応が、正当な理由のない団体交渉拒否ないし不誠実な団体交渉に当たるか否か。

3 命令の概要<棄却>

  1. 本件での主張及び提出された証拠からすると、X2、X3、X4ら下請業者は、会社の事業モデルに組み込まれていたが、報酬の労務対価性は希薄なもので、孫請業者等を活用することにより自ら受注量を調整することが可能で、受注内容に従った納期等の時間的な拘束はあったにせよ、受注した業務を孫請業者等との間で自由に割り振りして時間を調整する自由もあり、受注しない自由もあった。また、会社からの報酬がこの種の業種の労働者の賃金と比較して低額といった事情もなく、自己の経営判断で活用した孫請業者等に対する報酬の分配方法について、会社から何の干渉も受けていなかった。これら諸事情を総合的に考慮すると、X2、X3及びX4が、会社との関係で、労組法上の労働者に当たるとするのは困難である
  2. X2の孫請業者とX3の子の業務を支配、管理しているのはX2やX3であり、会社は孫請業者等の業務内容やその条件について部分的にも支配、管理を及ぼしているとはいえないのであるから、会社は、X2の孫請業者やX3の子との関係において、労組法上の使用者とは認め難い。したがって、本件において、X2の孫請業者やX3の子の労組法上の労働者性を論ずるまでもない。
  3. 以上のとおり、X2、X3及びX4は、会社との関係で労組法上の労働者であるとは認め難く、また、会社は、X2の孫請業者及びX3の子の使用者ともいい難いのであるから、その余の点について判断するまでもなく、本件で不当労働行為が成立する余地はない。

<参考>

命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。

  • 中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
  • 東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
問い合わせ先
労働委員会事務局審査調整課
電話 03-5320-6979

ページの先頭へ戻る

東京都庁〒163-8001 東京都新宿区西新宿2-8-1交通案内 電話:03-5321-1111(代表)法人番号:8000020130001

Copyright (C) 2000~ Tokyo Metropolitan Government. All Rights Reserved.