2022年02月01日　 環境局

小笠原生まれのアホウドリから初めての繁殖を確認

小笠原諸島聟島（むこじま）において、小笠原で生まれたアホウドリに、ヒナが誕生していることが、本年1月に確認されました。親鳥（オス）は、アホウドリの保護増殖事業（新繁殖地の形成）において、平成20年に鳥島（とりしま）（伊豆諸島）から移送され巣立ったオスと野生個体のメスとの間で平成28年に小笠原で生まれた個体で、ペアの親鳥（メス）は野生個体です。あわせてもう1羽、平成20年及び翌年にそれぞれ鳥島から移送されたオスとメスの番（つが）いのヒナも確認されました。小笠原生まれの親からの繁殖および聟島での複数のヒナの繁殖が確認されたのは、事業開始から初めてのことです。

東京都から委託を受け、現地で観察を続けていた（公財）山階鳥類研究所がヒナの姿を記録しました（小笠原諸島　聟島　令和4年1月10日から14日）

聟島及び周辺の島におけるこれまでのアホウドリ繁殖状況

	聟島	媒島（聟島から7キロメートル南）	嫁島（聟島から22キロメートル南）
平成24-25年（2012-13年）	1卵（孵化せず）	-	-
平成25-26年（2013-14年）	1卵（孵化せず）	1雛巣立ち	-
平成26-27年（2014-15年）	1卵（孵化せず）	1卵（孵化せず）	-
平成27-28年（2015-16年）	1雛巣立ち	-	1雛巣立ち
平成28-29年（2016-17年）	1雛巣立ち	-	-
平成29-30年（2017-18年）	1雛巣立ち+1卵（孵化せず）	-	-
令和30-元年（2018-19年）	1雛巣立ち+1卵（孵化せず）	-	-
令和元-2年（2019-20年）	1雛巣立ち+1卵（孵化せず）	-	-
令和2-3年（2020-21年）	1卵（孵化せず）	-	-
令和3-4年（2021-22年）	2雛孵化	-	-

※アホウドリは11月に産卵し、雛は翌年1月に孵化して、5月巣立つため、繁殖は年をまたぐ

参考

1　都の小笠原諸島におけるアホウドリの保護増殖の取り組み

昭和53年（1978年）～　アホウドリ類の標識調査
平成9年（1997年）～　聟島列島でのノヤギ排除（平成15年（2003年）に完了）
平成24年（2012年）～　誘引策（デコイ設置等）、飛来状況調査、普及啓発実施

2　小笠原諸島におけるノヤギ排除事業

• 東京都は、平成9年度（1997年度）から媒島、聟島、兄島など7つの島で実施
• 媒島では、平成9年度（1997年度）～11年度（1999年度）に実施し、417頭を排除し根絶
• 聟島では、平成12年度（2000年度）～15年度（2003年度）に実施し、940頭を排除し根絶
• 現在は、唯一ノヤギが残る父島で実施中
• 嫁島では、平成12年度～13年度（2001年度）に特定非営利活動法人小笠原野生生物研究会が実施し、81頭を排除し根絶

※別紙　（公財）山階鳥類研究所報道発表（PDF：464KB）
※別紙　環境省報道発表（PDF：339KB）

問い合わせ先 環境局自然環境部緑環境課 電話　03-5388-3454