2018年10月05日
オリンピック・パラリンピック準備局
お台場海浜公園における水質水温調査及び水中スクリーン実験の結果について
東京都と東京2020組織委員会は、東京2020大会の開催に向けて、水泳(マラソンスイミング)及びトライアスロンの競技会場であるお台場海浜公園において、水質水温調査及び水中スクリーン実験を実施し、その結果が出ましたので、お知らせします。
1.実施内容
(1)水質水温調査
- 目的
実際に競技を実施するエリアにおける水質・水温を測定
- 調査期間
オリンピック期間7月24日~8月9日、パラリンピック期間8月25日~9月6日、計27日間【注1】
- 実施主体
東京都オリンピック・パラリンピック準備局、東京2020組織委員会
- 調査項目
大腸菌数、ふん便性大腸菌群数、腸球菌数、pH、COD、透明度、油膜、水温
- 調査方法
エリア内6地点で調査
(2)水中スクリーン実験
- 目的
水中スクリーンによる大腸菌等の抑制効果の検証
- 検証期間
オリンピック期間7月24日~8月9日、パラリンピック期間8月25日~8月31日、計22日間【注1】
- 実施主体
東京都港湾局(本実験は、東京港の水質改善の一環として実施)
- 調査項目
大腸菌数、ふん便性大腸菌群数、腸球菌数、pH、COD、透明度、油膜、水温
- 調査方法
スクリーン外、3重スクリーン内、1重スクリーン内で調査
【注1】両期間とも台風等の影響による欠測あり
2.結果概要
(1)水質について
1)大腸菌類
- 水中スクリーン(3重)内では調査期間(22日間)全てで基準の範囲内となり、大腸菌類の抑制効果が確認できた。
参考:水中スクリーン実験結果【大腸菌類】
水泳(マラソンスイミング)【オリ期間】 16日間 |
ふん便性大腸菌群数
(基準1,000以下) |
外側 |
3重 |
1重 |
7月24日~7月28日 |
基準内 |
7月29日 |
16,000 |
<2 |
720 |
7月30日 |
22,000 |
290 |
4,300 |
7月31日 |
2,000 |
2 |
8 |
8月1日~8月8日 |
基準内 |
|
※<2は極小値 |
トライアスロン 【オリ期間】 16日間 |
大腸菌数
(基準250以下) |
外側 |
3重 |
1重 |
7月24日~7月28日 |
基準内 |
7月29日 |
7,400 |
<2 |
480 |
7月30日 |
5,400 |
220 |
1,100 |
7月31日 |
780 |
2 |
5 |
8月1日~8月7日 |
基準内 |
8月8日 |
320 |
180 |
23 |
|
水泳(マラソンスイミング)【パラ期間】 6日間 |
ふん便性大腸菌群数
(基準1,000以下) |
外側 |
3重 |
1重 |
8月26日~8月27日 |
基準内 |
8月28日 |
19,000 |
2 |
6 |
8月29日 |
3,400 |
<2 |
27 |
8月30日~8月31日 |
基準内 |
|
トライアスロン 【パラ期間】 6日間 |
大腸菌数
(基準250以下) |
外側 |
3重 |
1重 |
8月26日~8月27日 |
基準内 |
8月28日 |
5,600 |
<2 |
<2 |
8月29日 |
1,700 |
<2 |
39 |
8月30日~8月31日 |
基準内 |
|
- 競技エリアにおいては、台風等の影響を直接受けたことにより、大腸菌類の数値が27日間のうち12日間で、それぞれの競技においての水質基準を超過した。
2)その他
- 台風以外の日を中心に、水中スクリーン内のpHやCOD(化学的酸素要求量)、腸球菌数、透明度が基準を超過する日が存在した。
詳細は別添の水質調査結果(オリンピック・パラリンピック期間)(PDF:236KB)のとおり
(2)水温について
- 競技エリアの水質水温調査において、オリンピック・パラリンピック期間中、全ての地点で水温の基準を超過した日は一日も無かった。(最高30.0度、平均27.6度、【基準31.0度未満】)
- 水中スクリーン実験において、スクリーンの内側は、スクリーン外側と比較して平均約1度(最高3.8度)高い結果となった。
- 背景として、2018年夏(6~8月)の東日本の天候は記録的な高温であった。
詳細は別添の水温調査結果(オリンピック・パラリンピック期間)(PDF:206KB)のとおり
3.今後の対応について
(1)東京2020大会に向けた水質改善対策の実施(東京都と東京2020組織委員会が共同実施)
- 今夏の実験により、大腸菌類の抑制効果が確認できた水中スクリーンについて、東京2020大会への導入に向けて東京都と東京2020組織委員会が引き続き検討を実施。
- 水中スクリーン内の水温上昇やpH、COD(化学的酸素要求量)への対策については、今後水中スクリーンの開閉などの対応を検討していく。
(2)東京2020大会時における競技運営方法等の検討(東京2020組織委員会が実施)
- 今回の水質水温調査及び水中スクリーン実験の結果を踏まえ、競技運営方法など、具体的な対応策の検討を進めていく。
水中スクリーン写真
水中スクリーンイメージ図
3重スクリーン 1重スクリーン |
|
参考 水質に関する競技規則
水泳(マラソンスイミング)基準
項目 |
基準値 |
ふん便性大腸菌群数 |
1,000個/100ミリリットル以下 |
油膜 |
常時は認められない |
COD |
8ミリグラム/リットル以下 |
透明度 |
0.5メートル以上 |
水温 |
31度以下/水深40センチメートル |
トライアスロン基準
項目 |
基準値 |
大腸菌数 |
250個/100ミリリットル以下 |
腸球菌数 |
100個/100ミリリットル以下 |
pH |
6~9 |
水温 |
32度未満/水深60センチメートル |
「2020年に向けた実行プラン」事業
本件は、「2020年に向けた実行プラン」に係る事業です。
「ダイバーシティ 政策の柱8 誰もがスポーツに親しめる社会」
問い合わせ先
オリンピック・パラリンピック準備局計画推進部競技・渉外課
電話 03-5388-2269 |