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報道発表資料  2020年04月01日  財務局

令和2年度予算の執行について(依命通達)

東京都副知事
長谷川明
多羅尾光睦
梶原洋
宮坂学

我が国の景気は、新型コロナウイルス感染症の影響により、足下で大幅に下押しされており、厳しい状況にある。また、新型コロナウイルス感染症が内外経済を更に下振れさせるリスクや、金融資本市場の変動など、今後の景気動向には、最大限の注視が必要である。
一方、歳入の根幹をなす都税収入は、法人関係税収の占める割合が高く、景気動向の影響を大きく受ける構造的な宿命にあることに加え、令和元年度税制改正において、地方法人課税における新たな偏在是正措置が講じられ、都財政への影響が拡大することが見込まれるなど、その先行きは予断を許す状況にない。
こうした中、今日の都政には、学校、家庭、職場などの都民生活にも大きな影響が生じている新型コロナウイルス感染症への対策や、東京2020大会の延期への対応など、喫緊の課題に的確に対処していくことに加え、豪雨災害、大規模地震などの災害への備え、人口減少や更なる少子高齢化への対応など、誰もが安心して暮らし、いきいきと活躍できる社会を築くための施策を着実に推進していくことが求められている。
加えて、「国際金融都市・東京」の実現、起業・創業やイノベーションの活性化など、東京の「稼ぐ力」に更に磨きをかけ、我が国の経済を力強く牽引していく取組や、「ゼロエミッション東京」の実現など、東京、ひいては日本全国の持続的成長につながる施策を積極的に展開していくとともに、Society 5.0の社会実装に向けた取組など、AI、IoT、5Gなどの第4次産業革命の技術革新にいち早く取り組んでいく必要がある。
このような状況にあって、都がなすべきことは、新型コロナウイルス感染症対策など喫緊の課題への対応はもちろんのこと、「『未来の東京』戦略ビジョン」に掲げる2040年代の東京の姿を目指し、「成長」と「成熟」が両立した東京を実現していくとともに、その実現に向けた施策の着実な実施を可能とする、強固で弾力的な財政基盤を堅持していくことである。
令和2年度予算の執行に当たっては、予算に計上した施策の効果を早期に発現させるため、施策目的の趣旨に沿って速やかに執行を図り着実に実施する必要がある。加えて、社会経済情勢が不透明感を増す中、都政が、都度直面する課題に対し、一つひとつ、時機を逸することなく、柔軟かつ的確に対応していかなければならない。
さらに、予算の執行過程においても、事業評価などを通じ、歳入・歳出全般にわたる徹底した見直しを不断に行い、一つひとつの事業の効果が最大限に発揮されるよう、従来にも増して創意工夫を凝らし、賢い支出に努めることが一層重要となる。そして、これらの取組による改善の方策については、令和2年度予算の執行のみならず、令和3年度予算編成にも確実に反映させていかなければならない。
よって、貴職におかれては、現下の都財政の状況と課題を職員に十分周知徹底し、下記の事項に留意の上、予算の執行に万全を期されたい。
この旨、命によって通達する。

第1 全般的事項

  1. 都の行う全ての事業について、予算執行の過程においても、事業評価の取組などを通じ、施策の効率性や実効性をより一層高める努力や工夫を徹底して行い、導き出された改善の方策等を事業計画や執行などに的確に反映していくこと。
    また、事業評価の取組については、歳出はもとより、歳入や特別会計(準公営企業会計を含む。)についても、多面的な検証を行い、その結果を執行、歳入確保などに的確に反映していくこと。
  2. 「2020改革」及び「新たな都政改革」の取組に係る事業については、「2020改革プラン(平成30年度改定)」及び「新たな都政改革ビジョン」に掲げられた改革の基本理念や手法などを十分踏まえ、その取組の成果を予算の執行などに的確に反映していくこと。
  3. 予算の執行に当たっては、法令等の遵守はもとより、より良い都政の実現というコンプライアンスの観点から、事業内容について十分に検証し、その結果を的確に反映していくこと。

第2 歳出について

  1. 「令和2年度予算編成方針」を基本に、効率的な予算執行の観点から更に精査を行った上で、年間執行計画を策定するとともに、「重点政策方針2019 未来への投資 人が輝く東京に向けて」に基づく積極的な取組や「『未来の東京』戦略ビジョン」に掲げるプロジェクトを推進する取組など、予算に計上した事業について、時機を逸することなく早期執行を図るとともに、その目的が確実に達成できるよう着実な執行を図ること。
  2. 事業の実施に当たっては、最少の経費をもって最大の効果が図れるよう、その経済性、効率性を確保することはもとより、都民ファーストの視点に立ち、あらゆる創意工夫により経費の一層の節減と都民サービスの更なる向上を図るなど、各局の責任の下で不断の見直しを行うこと。
  3. 投資的経費については、豪雨災害対策や無電柱化の推進など災害に強いまちづくり、都市機能を進化させる骨格幹線道路等のインフラ整備などに対し重点的に財源を配分したところであるが、執行に当たっては、市場の動向を踏まえ予定価格を適正に設定するとともに、品質確保の観点にも配慮しつつ、迅速な事業着手と施工時期等の平準化など計画的な事業執行に努めること。
    なお、国庫補助事業については、都への配分状況に十分留意すること。
  4. 東京2020大会の開催準備について、延期への対応も含め、取組を着実かつ効果的に推進するなかで、予算執行の過程においても、継続的にコスト縮減を図るなど、不断の見直しを行うこと。
    また、共同実施事業については、共同実施事業管理委員会において、経費精査やコスト管理、執行統制の強化等を行うことはもとより、更なるコスト縮減に向けた取組を徹底すること。
  5. 政策連携団体については、多様な視点から経営改革を進めるとともに、効率的かつ効果的な事業執行を図るよう、適切な指導監督を行うこと。
    なお、政策連携団体を通じて実施している都事業についても、引き続き事業評価を行い、これまでの取組状況、成果等の分析・検証を進め、その結果を執行などに的確に反映していくこと。
    また、政策連携団体以外の団体を通じて実施している都事業についても事業評価を行い、その結果を執行などに的確に反映していくこと。
  6. 不測の事態に備えるとともに、経費の更なる効率的執行を図るため、局において必要な経費の一部を保留すること。

第3 歳入について

  1. 都税収入については、経済の動向に留意しつつ、課税対象を的確に把握し、脱漏のないように努めることはもとより、区市町村との連携や機動的な組織運営によって、より一層滞納整理を促進するなど、税収確保に向けた取組を推進すること。
  2. 国庫支出金については、都市基盤の整備をはじめ、ハード・ソフト両面において首都東京が推進すべき取組の重要性を踏まえ国に十分な働き掛けを行い、需要に応じた配分が得られるよう努めること。
    また、関係省庁に対し、財源調整措置の廃止など国庫支出金制度の改善合理化について引き続き強く要望することで、国庫補助金の内示に際し、不交付団体に対する特別な調整を行うことのないよう働き掛けること。
  3. その他の収入についても、予算計上額を確保することはもとより、引き続き事業評価を行い、更なる収入確保の取組を進めることで、増収に向けて最大限の努力を図っていくこと。
    また、貸付金に係る元利収入などの債権については、債権管理の一層の適正化を図ること。

第4 特別会計

特別会計(準公営企業会計を含む。)については、施策の効率性・実効性を一層向上させる観点から、引き続き事業評価を行い、その結果を執行などに的確に反映させていくこと。

第5 予算関係事案の処理について

  1. 予算関係事案のうち、次の各号のいずれかに該当するものを決定しようとする場合は、財務局に協議すること。
    1. 次に掲げるものに係る事案
      • ア 都政運営に関する一般方針の確定
      • イ 都が執行すべき事務事業に係る基本的な方針及び計画の設定、変更及び廃止
      • ウ 成立した予算に係る事務事業についての基本的執行方針の決定
      • エ 成立した予算に係る局の事務事業についての執行計画の設定、変更及び廃止
    2. 委託料の支出に係る事案のうち、調査委託等で別に財務局長が指定する事案
    3. 落札差金及び設計差金の使用に係る事案
    4. 用地会計による用地取得に係る事案
    5. 前各号に掲げるもののほか、別に財務局長が指定する事案
  2. 財務局への協議は、知事決定事案については財務局長、局長決定事案については財務局主計部長、部長又は課長決定事案については財務局主計部各課長(財政課長、予算各課長及び公債課長)に対して行うこと。
問い合わせ先
財務局主計部財政課
電話 03-5388-2669

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