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報道発表資料  2021年07月01日  労働委員会事務局

A事件命令書交付について

当委員会は、昨日、標記の不当労働行為救済申立事件について、命令書を交付しましたのでお知らせします。命令書の概要は、以下のとおりです(詳細は別紙(PDF:252KB))。

1 当事者

  • 申立人
    X1(組合)
  • 被申立人
    Y1(法人)

2 争点

入試手当の基本配分の支給廃止に関する平成30年2月7日及び4月3日の団体交渉における法人の対応が、不誠実な団体交渉に当たるか否か。

3 命令の概要<全部救済>

  1. 基本配分の支給廃止の時期等に関する説明
    基本配分の支給は、約30年という長期にわたり問題なく支給されてきた手当であるから、それを説明から2か月後、しかも当該年度の入学試験が始まっている時期に廃止する以上、組合に対して特に丁寧な説明をすることが求められるというべきである。しかし、法人は、団体交渉において、形式的かつ抽象的な説明で組合に理解を求める対応を繰り返しただけで、法人の財政状況の数値や分析等を示すなどして具体的に説明することなく、十分な時間も取らずに拙速に協議を進めたのであるから、法人が、組合からの理解を得るべく十分な説明を行って誠実な交渉に努めたということはできない。
  2. 基本配分の支給廃止手続等に関する説明
    法人は、形式的な説明で組合に理解を求める対応を繰り返しており、担当配分の支給対象となる入学試験業務以外の業務と基本配分との関係など基本配分が約30年間支払われてきた理由や、廃止による専任職員への影響に対する配慮の検討内容などについては何ら説明していない。法人が、組合からの理解を得るべく十分な説明を行って誠実な交渉に努めたということはできない。
  3. したがって、平成30年2月7日及び4月3日の団体交渉における法人の対応は不誠実であったといわざるを得ない。
    法人は、組合が申し入れた入試手当の基本配分の支給廃止を議題とする団体交渉において、平成30年3月支給分から廃止することにした理由等を具体的に説明するなどして、これに誠実に応じなければならない。

参考

命令に不服がある場合、当事者は次のいずれかの手続をとることができる。

  • 中央労働委員会に再審査申立て(申立人及び被申立人15日以内)
  • 東京地方裁判所に取消訴訟を提起(被申立人30日以内、申立人6か月以内)
問い合わせ先
労働委員会事務局審査調整課
電話 03-5320-6979

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