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令和5年(2023年)9月6日更新

報道発表資料

〔別紙2〕

令和4年度 地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価結果

東京都が設立した地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター(以下「法人」という。)の令和4年度業務実績評価について、お知らせいたします。

1 評価制度の概要

  • 知事は、法人の各事業年度の業務実績について、地方独立行政法人法第28条及び東京都地方独立行政法人評価委員会条例第2条の規定に基づき、附属機関である東京都地方独立行政法人評価委員会(以下「評価委員会」という。)の意見を聴いたうえで、評価を行うこととなっています。
  • 評価委員会は、大野高裕氏(早稲田大学理工学術院創造理工学部教授)を委員長とし、計24名の外部有識者で構成されています。当法人については、大内尉義氏(国家公務員共済組合連合会虎の門病院 顧問)を分科会長とする高齢者医療・研究分科会に意見を聴いています。

※高裕氏の「高」は、正しくは「はしごだか」です。

2 評価方針と手順

  • 知事が定め法人に指示した5年間の中期目標の達成に向け、法人が作成した中期計画の事業の実施状況を確認すること、法人の業務運営の改善・向上に資することなどを評価の基本方針とし、法人から提出された業務実績等報告書をもとに、法人に対するヒアリング等を実施するとともに、評価委員会から意見を聴取しました。

3 評価結果の概要

  • 評価は、「項目別評価」と「全体評価」とで実施しました。
  • 項目別評価は、「高齢者の特性に配慮した医療の確立・提供と普及」「高齢者の健康長寿と生活の質の向上を目指す研究」などの分野における、令和4年度計画の計20項目について、事業の進捗状況・成果を5段階で評価しました。
  • 全体評価は、項目別評価を基礎とし、法人の中期計画の進行状況全体について評価しました。

項目別評価(20項目)

  • 評定S(年度計画を大幅に上回って実施している)…3項目
    救急医療/高齢者に特有な疾患と老年症候群を克服するための研究/研究推進のための基盤強化と成果の還元
  • 評定A(年度計画を上回って実施している)…12項目
    血管病医療/高齢者がん医療/認知症医療/生活機能の維持・回復のための医療/地域連携の推進/高齢者の地域での生活を支える研究/老年学研究におけるリーダーシップの発揮/医療と研究とが一体となった取組の推進/高齢者の医療と介護を支える専門人材の育成/収入の確保/コスト管理の体制強化/その他業務運営に関する重要事項
  • 評定B(年度計画を概ね順調に実施している)…5項目
  • 評定C(年度計画を十分に実施できていない)…なし
  • 評定D(業務の大幅な見直し、改善が必要である)…なし

全体評価

1 総評

  • 全体として年度計画を上回って実施しており、優れた業務の進捗状況にある。
  • 病院部門については、三つの重点医療(血管病、高齢者がん及び認知症)について、低侵襲な治療など高齢者の特性に合わせた医療の提供に努めるとともに、地域の医療機関からの紹介受入れ、逆紹介を推進したほか、救急患者の積極的な受入れを行い、高齢者の急性期医療を担う病院としての役割を果たした。
  • 研究部門については、高齢者に特有な疾患に関する研究等を推進し、科研費新規採択率を伸ばすとともに、過去最高となる競争的外部資金を獲得するなど、研究成果の実用化や社会への還元を一層推進した。
  • 経営部門については、フレイルサポート医・栄養士の育成のための研修を実施するなど、高齢者の医療と介護を支える地域の専門人材の育成を推進するとともに、東京都が運営する宿泊療養施設への看護師等の派遣など、新型コロナウイルス感染症流行下において公的医療機関としての役割を果たした。
  • アフターコロナを見据えた医業収入の一層の確保や物価高騰の影響も踏まえたコスト管理の体制強化に向けた更なる取組、患者満足度の更なる向上を目指した患者中心の医療の実践が求められる。

2 都民に提供するサービス及びその他の業務の質の向上に関する事項

  • 高齢者に特有な疾患に対応した専門外来の実施や、入院時から退院を視野に入れた治療の提供と適切な退院支援を行うとともに、フレイルに配慮した「高齢者医療モデル」の確立・普及に努めた。
  • 新型コロナウイルス感染症流行下において、病床の一部を休止しながらも、地域の関係機関との連携体制を強化し、救急患者の積極的な受入れを行った。
  • ミトコンドリア超複合体(エネルギー産生に関わる蛋白質群の集合体)について、世界で初めて生きた細胞で可視化・定量化に成功し、この技術を活用して筋肉の運動持久力を向上させる新規化合物を発見するなど、サルコペニア等の老年症候群の克服に向けた取組に寄与した。

3 法人の業務運営及び財務状況に関する事項

  • 新型コロナウイルス感染症流行下においても、新規患者の獲得や平均在院日数の短縮、新たな施設基準の取得等により、医業収入確保策を推進するとともに、積極的に外部研究資金の獲得を図るなど、収入の確保に努めた。
  • 物価高騰の影響を受ける中、ベンチマークシステムの一層の活用や契約方法の見直し等により、コスト管理に努めた。

4 中期目標・中期計画の達成に向けた課題、法人への要望

  • 令和5年度は、第四期中期目標期間の初年度となる。目標達成に向けて、第四期中期計画に基づき、初年度から着実に成果を上げていくことが重要である。
    アフターコロナなど医療・研究を取り巻く社会状況を踏まえ、東京都における高齢者医療・研究の拠点として、地域の医療機関等と連携を図りながら、その役割を着実に果たすとともに、目標達成に向け、法人一丸となって取り組むことが期待される。

別添 令和4年度地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター業務実績評価書(PDF:1,097KB)

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